四半期報告書-第77期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が続くなか、経済活動が停滞したことから極めて厳しい状況となりました。
世界的な感染拡大により海外経済も収縮し、このような環境が米中対立を一層深刻化させる懸念を引き起こしており、先行きが不透明な状態となっております。
当社グループ関連業界におきましては、巣ごもり需要増に伴う家庭用商品の販売拡大があったものの、インバウンド需要の消滅や外出自粛により業務筋への販売は振るわず、また、国内における水産物取扱量の不振も継続しており、予断を許さない状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループでは中期経営計画「Innovation toward 2021」の基本方針である「企業価値の向上と持続的成長」の実現のため、「収益力の更なる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」の3つの経営戦略への取り組みを推進するとともに「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」に引き続き取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は202,056百万円(前年同期比8.9%減)、営業利益は4,325百万円(前年同期比9.6%減)、経常利益は4,602百万円(前年同期比18.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,586百万円(前年同期比30.0%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
漁業・養殖事業
漁業・養殖事業は、国内外の水産資源の持続可能かつトレーサビリティの確保できる供給源として、効率的な操業により収益の確保に努めました。
当第1四半期連結累計期間は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落により、漁業・養殖事業の売上高は7,283百万円(前年同期比19.8%減)、営業損失は538百万円(前年同期比681百万円減)となりました。
商事事業
商事事業は、国内外にわたる調達・販売ネットワークを持つ水産商事ユニット・畜産商事ユニット、市場流通の基幹を担う荷受ユニットから構成され、国内外の市場動向を注視しながらお客様のニーズに対応した的確な買付販売と水産加工事業の強化により、収益の確保に努めました。
水産商事ユニットは、新型コロナウイルスの影響により、マグロ・帆立を始めとする主要魚種の大半における外食・業務筋向け販売不振により減収減益となりました。
荷受ユニットは、新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振により減収減益となりました。
畜産商事ユニットは、全取扱品目において取扱い増となり、特に北米ポークの伸長により増収増益となりました。
以上の結果、商事事業の売上高は94,673百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は119百万円(前年同期比78.9%減)となりました。
海外事業
海外事業は、中国・タイにおける水産物・加工食品の販売に加え、オセアニアでの基盤を強化しているアジア・オセアニアユニット、すりみ等の生産を中心とした北米商材の日本・北米・欧州での販売を展開する北米・欧州ユニットから構成され、水産物と加工食品の世界的な需要拡大に対応し、グローバル市場における収益の確保に努めました。
アジア・オセアニアユニットは、タイでのペットフード事業の好調に加え、ニュージーランドでの漁獲好調・コスト削減により、売上は為替換算の影響による小幅な減収となるも、利益は大幅な増益となりました。
北米・欧州ユニットは、すりみの価格下落及び日本向け販売の遅延、アラスカずわいかにの生産・販売の遅延等により減収減益となりました。
以上の結果、海外事業の売上高は37,554百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は2,019百万円(前年同期比47.7%増)となりました。
加工事業
加工事業は、家庭用冷凍食品の製造・販売を行う家庭用冷凍食品ユニット、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート等の製造・販売を行う家庭用加工食品ユニット、業務用商材の製造・販売を行う業務用食品ユニット、及び化成品・調味料・フリーズドライ製品の製造・販売を行う化成ユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
家庭用冷凍食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要増もあり、米飯・麺・ピザ等の主食商品の売上増に伴い増収増益となりました。
家庭用加工食品ユニットは、青物缶詰・ギフト・デザートの販売減により減収となりましたが、缶詰・フィッシュソーセージを中心に収益性を重視した販売に努めた結果、増益となりました。
業務用食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響により外食、給食向けの販売が大幅に減少し、生協や介護食向けの販売は好調に推移するも全体をカバーするには至らず、減収減益となりました。
化成ユニットは、前年同期にて一時的にDHA・EPAの出荷が集中したこと、また、新型コロナウイルスの影響により中国のフリーズドライ工場の操業が一時停止したことにより減収減益となりました。
以上の結果、加工事業の売上高は55,079百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は1,667百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
物流事業
物流事業は、新型コロナウイルスの影響により荷動きが鈍化したため、輸配送事業では減収となりましたが、冷蔵保管事業において大都市圏における旺盛な保管需要を取り込んだことにより全体では前年並みとなりました。また、冷凍設備換装工事等に伴う減価償却費の増加があったものの、動力費・外注費・労務コスト等が減少したことにより、売上高は4,086百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は586百万円(前年同期比29.1%増)と増益になりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は544,070百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,007百万円増加いたしました。これは主としてたな卸資産の増加によるものであります。
負債は389,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,138百万円増加いたしました。これは主として借入金の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は154,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,131百万円減少いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を19,823百万円下回る202,056百万円(前年同期比91.1%)となりました。主な増減の内訳は、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減収11,726百万円、業務用食品ユニットにおける新型コロナウイルスの影響による外食、給食向け販売の大幅な減少等による加工事業の減収3,183百万円、北米・欧州ユニットにおけるすりみの価格下落及び日本向け販売の遅延、アラスカずわいかにの生産・販売の遅延等による海外事業の減収3,114百万円、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落等による漁業・養殖事業の減収1,799百万円となります。
なお、第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織体制の見直しに伴い、従来「商事」セグメントに含まれていたアジア地域事業の一部を「海外」セグメントへ、従来「海外」セグメントに含まれていた輸出事業の一部を「商事」セグメントへそれぞれ変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前年同期に比べ18,710百万円減少し、172,986百万円(前年同期比90.2%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.8ポイント低下し、85.6%となりました。販売費及び一般管理費は、売上高の減少に伴い、前年同期に比べ655百万円減少し、24,744百万円(前年同期比97.4%)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.8ポイント上昇し、12.2%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ141百万円増加し、401百万円(前年同期比154.2%)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を457百万円下回る4,325百万円(前年同期比90.4%)となりました。主な増減の内訳は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落等による漁業・養殖事業の減益681百万円、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減益445百万円、アジア・オセアニアユニットにおけるタイでのペットフード事業の好調、ニュージーランドでの漁獲好調・コスト削減等による海外事業の増益652百万円となります。
なお、第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織体制の見直しに伴い、従来「商事」セグメントに含まれていたアジア地域事業の一部を「海外」セグメントへ、従来「海外」セグメントに含まれていた輸出事業の一部を「商事」セグメントへそれぞれ変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(経常利益)
経常利益は前年同期を1,047百万円下回る4,602百万円(前年同期比81.5%)となりました。主な増減の内訳は、営業利益の減少457百万円、為替差損の増加418百万円、持分法による投資利益の減少137百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を1,107百万円下回る2,586百万円(前年同期比70.0%)となり、1株当たり四半期純利益は49円16銭(前年同期は70円18銭)となりました。増減の内訳は、経常利益の減少1,047百万円、特別損益の減少1,017百万円、法人税等の減少853百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の減少105百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が7百万円、特別損失が投資有価証券評価損255百万円、固定資産処分損193百万円等を計上し、641百万円となり、受取保険金367百万円等の特別利益があった前年同期に比べ1,017百万円減益の634百万円の損失となります。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ16,007百万円(3.0%)増加し、544,070百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ11,533百万円(3.8%)増加し、313,523百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ4,474百万円(2.0%)増加し、230,547百万円となりました。
主な増減の内訳は、たな卸資産の増加10,607百万円、設備投資等に伴う有形固定資産の増加3,376百万円、時価評価差額等による投資その他の資産の増加2,243百万円となります。
たな卸資産の増加は前第1四半期連結会計期間末と比べて3,773百万円の増加に止まり、水産物の漁期等による季節要因によるものと考えております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響等により売上高が減少していることから、適正な在庫水準を維持できるよう努めてまいります。
また、新型コロナウイルスの影響により資金需要が今後増大する可能性も考え、前連結会計年度末から引き続き、手元資金は例年に比べ余裕を持たせております。
なお、財政状態の概要は、次のとおりであります。
財政状態の概要
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ20,138百万円(5.5%)増加し、389,223百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ13,540百万円(6.8%)増加し、213,068百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ6,599百万円(3.9%)増加し、176,155百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加14,146百万円、支払手形及び買掛金の増加2,989百万円となります。
なお、有利子負債(リース債務を除く)は前第1四半期連結会計期間末と比べると、2,683百万円減少しており、前連結会計年度対比の増加は季節要因によるたな卸資産の増加等の事業上の資金需要に応じた増加となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、4,131百万円(2.6%)減少し、154,847百万円となりました。
主な増減の内訳は、当社の連結子会社である大都魚類株式会社の公開買付け等による完全子会社化及び円高等による在外子会社に係る非支配株主持分の減少5,915百万円、大都魚類株式会社の完全子会社に伴う資本剰余金の増加1,993百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の25.1%から24.7%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
当第1四半期連結会計期間末における現金及び預金の期末残高は、前連結会計年度末に比べ、986百万円減少し、20,796百万円となりました。
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
有利子負債残高は275,860百万円でありますが、短期借入金は130,264百万円であり、手元流動性は十分に確保できていると考えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
引き続き、新型コロナウイルスの影響拡大による資金需要が今後増大する可能性も考え、資金需要の増大にも備えてまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、401百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が続くなか、経済活動が停滞したことから極めて厳しい状況となりました。
世界的な感染拡大により海外経済も収縮し、このような環境が米中対立を一層深刻化させる懸念を引き起こしており、先行きが不透明な状態となっております。
当社グループ関連業界におきましては、巣ごもり需要増に伴う家庭用商品の販売拡大があったものの、インバウンド需要の消滅や外出自粛により業務筋への販売は振るわず、また、国内における水産物取扱量の不振も継続しており、予断を許さない状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループでは中期経営計画「Innovation toward 2021」の基本方針である「企業価値の向上と持続的成長」の実現のため、「収益力の更なる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」の3つの経営戦略への取り組みを推進するとともに「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」に引き続き取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は202,056百万円(前年同期比8.9%減)、営業利益は4,325百万円(前年同期比9.6%減)、経常利益は4,602百万円(前年同期比18.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,586百万円(前年同期比30.0%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
漁業・養殖事業
漁業・養殖事業は、国内外の水産資源の持続可能かつトレーサビリティの確保できる供給源として、効率的な操業により収益の確保に努めました。
当第1四半期連結累計期間は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落により、漁業・養殖事業の売上高は7,283百万円(前年同期比19.8%減)、営業損失は538百万円(前年同期比681百万円減)となりました。
商事事業
商事事業は、国内外にわたる調達・販売ネットワークを持つ水産商事ユニット・畜産商事ユニット、市場流通の基幹を担う荷受ユニットから構成され、国内外の市場動向を注視しながらお客様のニーズに対応した的確な買付販売と水産加工事業の強化により、収益の確保に努めました。
水産商事ユニットは、新型コロナウイルスの影響により、マグロ・帆立を始めとする主要魚種の大半における外食・業務筋向け販売不振により減収減益となりました。
荷受ユニットは、新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振により減収減益となりました。
畜産商事ユニットは、全取扱品目において取扱い増となり、特に北米ポークの伸長により増収増益となりました。
以上の結果、商事事業の売上高は94,673百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は119百万円(前年同期比78.9%減)となりました。
海外事業
海外事業は、中国・タイにおける水産物・加工食品の販売に加え、オセアニアでの基盤を強化しているアジア・オセアニアユニット、すりみ等の生産を中心とした北米商材の日本・北米・欧州での販売を展開する北米・欧州ユニットから構成され、水産物と加工食品の世界的な需要拡大に対応し、グローバル市場における収益の確保に努めました。
アジア・オセアニアユニットは、タイでのペットフード事業の好調に加え、ニュージーランドでの漁獲好調・コスト削減により、売上は為替換算の影響による小幅な減収となるも、利益は大幅な増益となりました。
北米・欧州ユニットは、すりみの価格下落及び日本向け販売の遅延、アラスカずわいかにの生産・販売の遅延等により減収減益となりました。
以上の結果、海外事業の売上高は37,554百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は2,019百万円(前年同期比47.7%増)となりました。
加工事業
加工事業は、家庭用冷凍食品の製造・販売を行う家庭用冷凍食品ユニット、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート等の製造・販売を行う家庭用加工食品ユニット、業務用商材の製造・販売を行う業務用食品ユニット、及び化成品・調味料・フリーズドライ製品の製造・販売を行う化成ユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
家庭用冷凍食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要増もあり、米飯・麺・ピザ等の主食商品の売上増に伴い増収増益となりました。
家庭用加工食品ユニットは、青物缶詰・ギフト・デザートの販売減により減収となりましたが、缶詰・フィッシュソーセージを中心に収益性を重視した販売に努めた結果、増益となりました。
業務用食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響により外食、給食向けの販売が大幅に減少し、生協や介護食向けの販売は好調に推移するも全体をカバーするには至らず、減収減益となりました。
化成ユニットは、前年同期にて一時的にDHA・EPAの出荷が集中したこと、また、新型コロナウイルスの影響により中国のフリーズドライ工場の操業が一時停止したことにより減収減益となりました。
以上の結果、加工事業の売上高は55,079百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は1,667百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
物流事業
物流事業は、新型コロナウイルスの影響により荷動きが鈍化したため、輸配送事業では減収となりましたが、冷蔵保管事業において大都市圏における旺盛な保管需要を取り込んだことにより全体では前年並みとなりました。また、冷凍設備換装工事等に伴う減価償却費の増加があったものの、動力費・外注費・労務コスト等が減少したことにより、売上高は4,086百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は586百万円(前年同期比29.1%増)と増益になりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は544,070百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,007百万円増加いたしました。これは主としてたな卸資産の増加によるものであります。
負債は389,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,138百万円増加いたしました。これは主として借入金の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は154,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,131百万円減少いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を19,823百万円下回る202,056百万円(前年同期比91.1%)となりました。主な増減の内訳は、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減収11,726百万円、業務用食品ユニットにおける新型コロナウイルスの影響による外食、給食向け販売の大幅な減少等による加工事業の減収3,183百万円、北米・欧州ユニットにおけるすりみの価格下落及び日本向け販売の遅延、アラスカずわいかにの生産・販売の遅延等による海外事業の減収3,114百万円、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落等による漁業・養殖事業の減収1,799百万円となります。
なお、第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
漁業・養殖(百万円) | 9,082 | 7,283 | △1,799 | △19.8 |
商事(百万円) | 106,399 | 94,673 | △11,726 | △11.0 |
海外(百万円) | 40,668 | 37,554 | △3,114 | △7.7 |
加工(百万円) | 58,262 | 55,079 | △3,183 | △5.5 |
物流(百万円) | 4,122 | 4,086 | △36 | △0.9 |
その他(百万円) | 3,343 | 3,378 | 35 | 1.0 |
合計(百万円) | 221,879 | 202,056 | △19,823 | △8.9 |
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織体制の見直しに伴い、従来「商事」セグメントに含まれていたアジア地域事業の一部を「海外」セグメントへ、従来「海外」セグメントに含まれていた輸出事業の一部を「商事」セグメントへそれぞれ変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前年同期に比べ18,710百万円減少し、172,986百万円(前年同期比90.2%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.8ポイント低下し、85.6%となりました。販売費及び一般管理費は、売上高の減少に伴い、前年同期に比べ655百万円減少し、24,744百万円(前年同期比97.4%)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.8ポイント上昇し、12.2%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ141百万円増加し、401百万円(前年同期比154.2%)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を457百万円下回る4,325百万円(前年同期比90.4%)となりました。主な増減の内訳は、まき網事業におけるカツオの漁獲減、新型コロナウイルスの影響による養殖魚の販売減少と相場下落等による漁業・養殖事業の減益681百万円、荷受ユニットにおける新型コロナウイルスの影響に伴う活魚や近海鮮魚等、外食・業務筋向けの高級商材の販売不振等による商事事業の減益445百万円、アジア・オセアニアユニットにおけるタイでのペットフード事業の好調、ニュージーランドでの漁獲好調・コスト削減等による海外事業の増益652百万円となります。
なお、第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
漁業・養殖(百万円) | 143 | △538 | △681 | - |
商事(百万円) | 564 | 119 | △445 | △78.9 |
海外(百万円) | 1,367 | 2,019 | 652 | 47.7 |
加工(百万円) | 1,755 | 1,667 | △88 | △5.0 |
物流(百万円) | 454 | 586 | 132 | 29.1 |
その他(百万円) | 226 | 241 | 15 | 6.6 |
調整額(百万円) | 269 | 229 | △40 | △14.9 |
合計(百万円) | 4,782 | 4,325 | △457 | △9.6 |
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織体制の見直しに伴い、従来「商事」セグメントに含まれていたアジア地域事業の一部を「海外」セグメントへ、従来「海外」セグメントに含まれていた輸出事業の一部を「商事」セグメントへそれぞれ変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(経常利益)
経常利益は前年同期を1,047百万円下回る4,602百万円(前年同期比81.5%)となりました。主な増減の内訳は、営業利益の減少457百万円、為替差損の増加418百万円、持分法による投資利益の減少137百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を1,107百万円下回る2,586百万円(前年同期比70.0%)となり、1株当たり四半期純利益は49円16銭(前年同期は70円18銭)となりました。増減の内訳は、経常利益の減少1,047百万円、特別損益の減少1,017百万円、法人税等の減少853百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の減少105百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が7百万円、特別損失が投資有価証券評価損255百万円、固定資産処分損193百万円等を計上し、641百万円となり、受取保険金367百万円等の特別利益があった前年同期に比べ1,017百万円減益の634百万円の損失となります。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ16,007百万円(3.0%)増加し、544,070百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ11,533百万円(3.8%)増加し、313,523百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ4,474百万円(2.0%)増加し、230,547百万円となりました。
主な増減の内訳は、たな卸資産の増加10,607百万円、設備投資等に伴う有形固定資産の増加3,376百万円、時価評価差額等による投資その他の資産の増加2,243百万円となります。
たな卸資産の増加は前第1四半期連結会計期間末と比べて3,773百万円の増加に止まり、水産物の漁期等による季節要因によるものと考えております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響等により売上高が減少していることから、適正な在庫水準を維持できるよう努めてまいります。
また、新型コロナウイルスの影響により資金需要が今後増大する可能性も考え、前連結会計年度末から引き続き、手元資金は例年に比べ余裕を持たせております。
なお、財政状態の概要は、次のとおりであります。
財政状態の概要
前第1四半期連結会計期間 (2019年6月30日) (a) | 前連結会計年度 (2020年3月31日) (b) | 当第1四半期連結会計期間 (2020年6月30日) (c) | 前年同期比 (c)-(a) | 前年度比 (c)-(b) | |
資産の部 | |||||
流動資産 | 317,065 | 301,990 | 313,523 | △3,542 | 11,533 |
内、現金及び預金 | 14,012 | 21,782 | 20,796 | 6,784 | △986 |
内、受取手形及び売掛金 | 121,814 | 106,077 | 106,700 | △15,114 | 623 |
内、たな卸資産 | 171,143 | 164,309 | 174,916 | 3,773 | 10,607 |
固定資産 | 224,080 | 226,073 | 230,547 | 6,467 | 4,474 |
内、有形固定資産 | 143,864 | 148,206 | 151,582 | 7,718 | 3,376 |
内、投資その他の資産 | 60,124 | 58,827 | 61,070 | 946 | 2,243 |
資産合計 | 541,145 | 528,063 | 544,070 | 2,925 | 16,007 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 219,999 | 199,528 | 213,068 | △6,931 | 13,540 |
内、支払手形及び買掛金 | 36,414 | 32,797 | 35,786 | △628 | 2,989 |
固定負債 | 169,517 | 169,556 | 176,155 | 6,638 | 6,599 |
負債合計 | 389,517 | 369,085 | 389,223 | △294 | 20,138 |
内、有利子負債(リース債務を除く) | 278,543 | 261,714 | 275,860 | △2,683 | 14,146 |
前第1四半期連結会計期間 (2019年6月30日) (a) | 前連結会計年度 (2020年3月31日) (b) | 当第1四半期連結会計期間 (2020年6月30日) (c) | 前年同期比 (c)-(a) | 前年度比 (c)-(b) | |
純資産の部 | |||||
純資産合計 | 151,628 | 158,978 | 154,847 | 3,219 | △4,131 |
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ20,138百万円(5.5%)増加し、389,223百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ13,540百万円(6.8%)増加し、213,068百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ6,599百万円(3.9%)増加し、176,155百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加14,146百万円、支払手形及び買掛金の増加2,989百万円となります。
なお、有利子負債(リース債務を除く)は前第1四半期連結会計期間末と比べると、2,683百万円減少しており、前連結会計年度対比の増加は季節要因によるたな卸資産の増加等の事業上の資金需要に応じた増加となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、4,131百万円(2.6%)減少し、154,847百万円となりました。
主な増減の内訳は、当社の連結子会社である大都魚類株式会社の公開買付け等による完全子会社化及び円高等による在外子会社に係る非支配株主持分の減少5,915百万円、大都魚類株式会社の完全子会社に伴う資本剰余金の増加1,993百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の25.1%から24.7%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
当第1四半期連結会計期間末における現金及び預金の期末残高は、前連結会計年度末に比べ、986百万円減少し、20,796百万円となりました。
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
有利子負債残高は275,860百万円でありますが、短期借入金は130,264百万円であり、手元流動性は十分に確保できていると考えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
引き続き、新型コロナウイルスの影響拡大による資金需要が今後増大する可能性も考え、資金需要の増大にも備えてまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、401百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。