四半期報告書-第79期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が緩和されたことから個人消費が持ち直し、外食・宿泊関連のサービス業や小売業を中心に業績の改善がみられました。
その一方で、ウクライナ情勢の緊迫化や歴史的な円安の進行に伴う原材料・エネルギー資源価格の高騰や、中国上海のロックダウンを受けたグローバルサプライチェーンの混乱もあり、製造業については緩やかな回復に留まっております。
また、新型コロナウイルスの変異株発生懸念も残るなど、当社グループを取り巻く環境は依然として不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、2022年4月よりグループ新中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」がスタートいたしました。当計画の策定にあたり、長期経営ビジョンを以下の3つに再定義しております。
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
以上の長期経営ビジョンの実現に向けて、「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組んでまいります。
当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は232,618百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は7,869百万円(前年同期比24.9%増)、経常利益は12,175百万円(前年同期比72.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,675百万円(前年同期比52.1%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、水産資源調達力と食品加工技術を生かしたバリューチェーンの更なる強化拡充を図るため、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、新型コロナウイルスの影響により大きく変化する事業環境に対応し、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収でしたが、燃油代や海上運賃の高騰により減益となりました。
養殖ユニットは、量販店や外食向けを中心としたブリ、カンパチの販売数量増加とコロナ禍での売価下落の回復に加えて、主要魚種相場の更なる上昇により増収増益となりました。
水産商事ユニットは、外食・業務筋向け販売の回復に加えて、水産物全般の相場が上昇、浜値高や円安の進行による先高感から、成約が進み、増収増益となりました。
海外ユニットは、北米では生産効率の向上や新たに獲得したアラスカのスケソウダラ資源が生産増に寄与し、加えて堅調なマーケットの中で販売価格が上昇したことにより増収増益となりました。欧州では水産物需要拡大に対応した仕入・販売により増収増益、アジアではタイのペットフードが北米向けの販売好調により増収増益となり、全体においても増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は128,802百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益は5,315百万円(前年同期比98.0%増)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、巣ごもり・内食需要が一服し、食品全体の値上げによる消費心理の冷え込みや節約志向が見られる環境下ではありましたが、引き続き簡便食としてのニーズが堅調、また販売拡大に向けた施策が奏功し、増収となりました。一方、一部商品で値上げを実施したものの、引き続き原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び円安の進行により減益となりました。
ファインケミカルユニットは、医薬品原薬の出荷が遅れ減収となりましたが、DHA・EPAを中心に健康食品向けの販売好調により増益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は26,764百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は1,231百万円(前年同期比38.9%減)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、人流の増加に伴い外食向け販売が回復し、量販店、コンビニエンスストア、介護食向けも堅調に推移しました。原材料の高騰や円安の進行があったものの、生産性の向上や効率化も進め、増収増益となりました。
畜産ユニットは、欧州産豚肉の取り扱い増加や、全般的な輸入畜肉相場の上昇により増収となり、国産牛肉の収益率向上や北米産豚肉の収益率改善も寄与し、増益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は72,680百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,281百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
物流事業
物流事業は、海外輸入品を中心に保管在庫数量の回復が遅れる中、大都市を中心に入庫数量の増加に努め増収となりましたが、燃料費調整単価の上昇に伴う動力費の大幅な増加等により、売上高は4,273百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は341百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は610,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ61,966百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は412,308百万円となり、前連結会計年度末に比べ51,600百万円増加いたしました。これは主として借入金の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は198,261百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,365百万円増加いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を30,082百万円上回る232,618百万円(前年同期比14.9%増)となりました。主な増減の内訳は、水産商事ユニットにおける外食・業務筋向けの販売の回復と水産物全般の相場上昇、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売好調及び欧州での水産物需要拡大に伴う販売等による水産資源事業の増収21,103百万円、食材流通ユニットにおける外食向け販売の回復及び量販店、コンビニエンスストア、介護食向けの堅調な販売、畜産ユニットにおける欧州産豚肉の取扱数量の増加等による食材流通事業の増収8,538百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ26,344百万円増加し、198,722百万円(前年同期比15.3%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.3ポイント増加し、85.4%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費の増加等により前年同期に比べ2,166百万円増加し、26,026百万円(前年同期比9.1%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.6ポイント低下し、11.2%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ33百万円減少し、374百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を1,571百万円上回る7,869百万円(前年同期比24.9%増)となりました。主な増減の内訳は、水産商事ユニットにおける各魚種の単価上昇や浜値高及び円安の進行による先高感から成約が進んだこと、養殖ユニットにおけるマグロやブリ等の相場回復等、海外ユニットにおける北米向けペットフードの販売好調や北米スケソウダラ製品の販売増・単価上昇等による水産資源事業の増益2,631百万円、加工食品ユニットにおける原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び円安の進行による加工食品事業の減益782百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(経常利益)
経常利益は前年同期を5,095百万円上回る12,175百万円(前年同期比72.0%増)となりました。主な増減の内訳は、為替差損益による増加3,088百万円及び営業利益の増加1,571百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を2,629百万円上回る7,675百万円(前年同期比52.1%増)となり、1株当たり四半期純利益は146円32銭(前年同期は95円89銭)となりました。主な増減の内訳は、経常利益の増加5,095百万円、法人税等の増加2,114百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の増加794百万円及び特別損失の減少353百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が390百万円となり段階取得に係る差益の増加等により89百万円増加し、また、特別損失が337百万円となり固定資産処分損の減少等により353百万円減少したことにより、前年同期に比べ442百万円の増益となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ61,966百万円(11.3%)増加し、610,569百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ45,114百万円(13.9%)増加し、369,419百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ16,851百万円(7.5%)増加し、241,149百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加31,872百万円、売上債権の増加11,595百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第1四半期連結会計期間末と比べ合計で51,611百万円増加しておりますが、販売好調による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる単価上昇や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ51,600百万円(14.3%)増加し、412,308百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ37,565百万円(17.0%)増加し、259,110百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ14,035百万円(10.1%)増加し、153,198百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加40,251百万円、仕入債務の増加8,891百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、10,365百万円(5.5%)増加し、198,261百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加4,781百万円、為替換算調整勘定の増加4,656百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の29.2%から27.4%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ、3,903百万円減少し、20,526百万円となりました。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が165,127百万円、長期借入金が125,728百万円となり、合計で290,856百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、374百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が緩和されたことから個人消費が持ち直し、外食・宿泊関連のサービス業や小売業を中心に業績の改善がみられました。
その一方で、ウクライナ情勢の緊迫化や歴史的な円安の進行に伴う原材料・エネルギー資源価格の高騰や、中国上海のロックダウンを受けたグローバルサプライチェーンの混乱もあり、製造業については緩やかな回復に留まっております。
また、新型コロナウイルスの変異株発生懸念も残るなど、当社グループを取り巻く環境は依然として不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、2022年4月よりグループ新中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」がスタートいたしました。当計画の策定にあたり、長期経営ビジョンを以下の3つに再定義しております。
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
以上の長期経営ビジョンの実現に向けて、「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組んでまいります。
当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は232,618百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は7,869百万円(前年同期比24.9%増)、経常利益は12,175百万円(前年同期比72.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,675百万円(前年同期比52.1%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、水産資源調達力と食品加工技術を生かしたバリューチェーンの更なる強化拡充を図るため、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、新型コロナウイルスの影響により大きく変化する事業環境に対応し、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収でしたが、燃油代や海上運賃の高騰により減益となりました。
養殖ユニットは、量販店や外食向けを中心としたブリ、カンパチの販売数量増加とコロナ禍での売価下落の回復に加えて、主要魚種相場の更なる上昇により増収増益となりました。
水産商事ユニットは、外食・業務筋向け販売の回復に加えて、水産物全般の相場が上昇、浜値高や円安の進行による先高感から、成約が進み、増収増益となりました。
海外ユニットは、北米では生産効率の向上や新たに獲得したアラスカのスケソウダラ資源が生産増に寄与し、加えて堅調なマーケットの中で販売価格が上昇したことにより増収増益となりました。欧州では水産物需要拡大に対応した仕入・販売により増収増益、アジアではタイのペットフードが北米向けの販売好調により増収増益となり、全体においても増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は128,802百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益は5,315百万円(前年同期比98.0%増)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、巣ごもり・内食需要が一服し、食品全体の値上げによる消費心理の冷え込みや節約志向が見られる環境下ではありましたが、引き続き簡便食としてのニーズが堅調、また販売拡大に向けた施策が奏功し、増収となりました。一方、一部商品で値上げを実施したものの、引き続き原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び円安の進行により減益となりました。
ファインケミカルユニットは、医薬品原薬の出荷が遅れ減収となりましたが、DHA・EPAを中心に健康食品向けの販売好調により増益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は26,764百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は1,231百万円(前年同期比38.9%減)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、人流の増加に伴い外食向け販売が回復し、量販店、コンビニエンスストア、介護食向けも堅調に推移しました。原材料の高騰や円安の進行があったものの、生産性の向上や効率化も進め、増収増益となりました。
畜産ユニットは、欧州産豚肉の取り扱い増加や、全般的な輸入畜肉相場の上昇により増収となり、国産牛肉の収益率向上や北米産豚肉の収益率改善も寄与し、増益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は72,680百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,281百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
物流事業
物流事業は、海外輸入品を中心に保管在庫数量の回復が遅れる中、大都市を中心に入庫数量の増加に努め増収となりましたが、燃料費調整単価の上昇に伴う動力費の大幅な増加等により、売上高は4,273百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は341百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は610,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ61,966百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は412,308百万円となり、前連結会計年度末に比べ51,600百万円増加いたしました。これは主として借入金の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は198,261百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,365百万円増加いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を30,082百万円上回る232,618百万円(前年同期比14.9%増)となりました。主な増減の内訳は、水産商事ユニットにおける外食・業務筋向けの販売の回復と水産物全般の相場上昇、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売好調及び欧州での水産物需要拡大に伴う販売等による水産資源事業の増収21,103百万円、食材流通ユニットにおける外食向け販売の回復及び量販店、コンビニエンスストア、介護食向けの堅調な販売、畜産ユニットにおける欧州産豚肉の取扱数量の増加等による食材流通事業の増収8,538百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 107,698 | 128,802 | 21,103 | 19.6 |
加工食品事業 | 26,371 | 26,764 | 393 | 1.5 |
食材流通事業 | 64,141 | 72,680 | 8,538 | 13.3 |
物流事業 | 4,218 | 4,273 | 54 | 1.3 |
その他 | 105 | 97 | △8 | △7.8 |
合計 | 202,536 | 232,618 | 30,082 | 14.9 |
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ26,344百万円増加し、198,722百万円(前年同期比15.3%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.3ポイント増加し、85.4%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費の増加等により前年同期に比べ2,166百万円増加し、26,026百万円(前年同期比9.1%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.6ポイント低下し、11.2%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ33百万円減少し、374百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を1,571百万円上回る7,869百万円(前年同期比24.9%増)となりました。主な増減の内訳は、水産商事ユニットにおける各魚種の単価上昇や浜値高及び円安の進行による先高感から成約が進んだこと、養殖ユニットにおけるマグロやブリ等の相場回復等、海外ユニットにおける北米向けペットフードの販売好調や北米スケソウダラ製品の販売増・単価上昇等による水産資源事業の増益2,631百万円、加工食品ユニットにおける原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び円安の進行による加工食品事業の減益782百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 2,684 | 5,315 | 2,631 | 98.0 |
加工食品事業 | 2,014 | 1,231 | △782 | △38.9 |
食材流通事業 | 1,120 | 1,281 | 160 | 14.3 |
物流事業 | 350 | 341 | △9 | △2.6 |
その他 | 51 | 63 | 11 | 22.5 |
調整額 | 77 | △363 | △440 | - |
合計 | 6,298 | 7,869 | 1,571 | 24.9 |
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、当第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(経常利益)
経常利益は前年同期を5,095百万円上回る12,175百万円(前年同期比72.0%増)となりました。主な増減の内訳は、為替差損益による増加3,088百万円及び営業利益の増加1,571百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を2,629百万円上回る7,675百万円(前年同期比52.1%増)となり、1株当たり四半期純利益は146円32銭(前年同期は95円89銭)となりました。主な増減の内訳は、経常利益の増加5,095百万円、法人税等の増加2,114百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の増加794百万円及び特別損失の減少353百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が390百万円となり段階取得に係る差益の増加等により89百万円増加し、また、特別損失が337百万円となり固定資産処分損の減少等により353百万円減少したことにより、前年同期に比べ442百万円の増益となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
前第1四半期連結会計期間 (2021年6月30日) (a) | 前連結会計年度 (2022年3月31日) (b) | 当第1四半期連結会計期間 (2022年6月30日) (c) | 前年同期比 (c)-(a) | 前年対比 (c)-(b) | |
資産の部 | |||||
流動資産 | 320,305 | 324,304 | 369,419 | 49,114 | 45,114 |
内、現金及び預金 | 27,389 | 24,952 | 21,037 | △6,351 | △3,914 |
内、受取手形、売掛金 及び契約資産 | 112,346 | 115,391 | 126,986 | 14,639 | 11,595 |
内、棚卸資産 | 167,591 | 172,691 | 204,563 | 36,971 | 31,872 |
固定資産 | 230,375 | 224,298 | 241,149 | 10,774 | 16,851 |
内、有形固定資産 | 144,863 | 140,249 | 145,791 | 927 | 5,542 |
内、投資その他の資産 | 64,779 | 62,016 | 64,189 | △589 | 2,172 |
資産合計 | 550,681 | 548,603 | 610,569 | 59,888 | 61,966 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 219,659 | 221,544 | 259,110 | 39,450 | 37,565 |
内、支払手形及び買掛金 | 40,317 | 36,226 | 45,118 | 4,800 | 8,891 |
固定負債 | 156,514 | 139,162 | 153,198 | △3,316 | 14,035 |
負債合計 | 376,173 | 360,707 | 412,308 | 36,134 | 51,600 |
内、有利子負債 (リース債務を除く) | 262,064 | 250,604 | 290,856 | 28,792 | 40,251 |
純資産の部 | |||||
純資産合計 | 174,507 | 187,895 | 198,261 | 23,753 | 10,365 |
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ61,966百万円(11.3%)増加し、610,569百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ45,114百万円(13.9%)増加し、369,419百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ16,851百万円(7.5%)増加し、241,149百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加31,872百万円、売上債権の増加11,595百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第1四半期連結会計期間末と比べ合計で51,611百万円増加しておりますが、販売好調による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる単価上昇や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ51,600百万円(14.3%)増加し、412,308百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ37,565百万円(17.0%)増加し、259,110百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ14,035百万円(10.1%)増加し、153,198百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加40,251百万円、仕入債務の増加8,891百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、10,365百万円(5.5%)増加し、198,261百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加4,781百万円、為替換算調整勘定の増加4,656百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の29.2%から27.4%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ、3,903百万円減少し、20,526百万円となりました。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が165,127百万円、長期借入金が125,728百万円となり、合計で290,856百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、374百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。