四半期報告書-第79期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、オミクロン株BA.5型への置き換わりによる新型コロナウイルス新規感染者数の爆発的な増加があったものの、新たな行動制限が行われなかったこともあり、個人消費を中心として、引き続き緩やかな回復が見られました。
その一方で、当社グループ関連業界を取り巻く環境につきましては、ウクライナ情勢の長期化や急激な円安進行を受けた原材料・エネルギー資源価格の高騰など、依然として不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」の策定にあたり再定義した長期経営ビジョンの実現に向けて、「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に引き続き取り組んでまいりました。
(長期経営ビジョン)
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は485,241百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は15,933百万円(前年同期比27.9%増)、経常利益は円安による為替差益の計上等により21,209百万円(前年同期比53.1%増)となりました。また、2022年9月24日に当社広島工場で発生した火災による火災損失の計上等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,129百万円(前年同期比39.0%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、水産資源調達力と食品加工技術を生かしたバリューチェーンの更なる強化拡充を図るため、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、新型コロナウイルスの影響により大きく変化する事業環境に対応し、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収となり、魚価の回復により増益となりました。
養殖ユニットは、量販店や外食向けを中心としたブリ、カンパチの販売数量増加と販売価格の回復に加えて、マグロを始め主要魚種相場の上昇により大幅な増収増益となりました。
水産商事ユニットは、外食・業務筋向け販売の回復に加えて、水産物全般の相場が上昇、浜値高や円安の進行による先高感から成約が進み、増収増益となりました。
海外ユニットは、北米では生産効率の向上や新たに獲得したアラスカのスケソウダラ資源が生産増に寄与し、加えて堅調なマーケットの中で販売価格が上昇したことにより増収増益となりました。欧州では水産物需要拡大に対応した仕入・販売により増収増益、アジアではタイのペットフードが北米向けの販売好調により増収増益となり、全体においても増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は275,263百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益は11,270百万円(前年同期比91.8%増)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット、及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、食品全体の値上げによる消費心理の冷え込みや節約志向が見られる環境下ではありましたが、引き続き簡便食としてのニーズが堅調、また販売拡大に向けた施策が奏功し、増収となりました。一方、一部商品で値上げを実施したものの、引き続き原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び急激な円安進行の影響を受け減益となりました。
ファインケミカルユニットは、今期より新規参入したヘパリンの販売や健康食品向けの販売が底堅く推移し増収増益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は55,012百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は2,415百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、外食向け販売が回復し、給食、コンビニエンスストア、介護食向けも堅調に推移し増収となりました。一方で、生産性の向上や効率化に努めたものの、原材料の高騰や急激な円安進行により、減益となりました。
畜産ユニットは、欧州産豚肉の取り扱い増加に加え、全般的な輸入畜肉相場の上昇が販売価格を引き上げたことから増収となりましたが、急激な円安進行による輸入部門での仕入価格上昇により減益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は146,085百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は1,565百万円(前年同期比23.7%減)となりました。
物流事業
物流事業は、大都市を中心に保管需要を着実に取り込んだことにより増収となったものの、電気料金の値上げに伴う動力費の大幅な増加などにより、売上高は8,681百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は727百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は652,422百万円となり、前連結会計年度末に比べ103,818百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は446,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ86,052百万円増加いたしました。これは主として借入金及び仕入債務の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は205,661百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,766百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、借入金の増加によって得た資金を、主として棚卸資産の取得及び設備投資等に使用した結果、当第2四半期連結会計期間末には21,910百万円と前連結会計年度末に比べ2,519百万円減少いたしました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は30,461百万円(前年同期は5,983百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は18,164百万円(前年同期は6,919百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は44,217百万円(前年同期は5,343百万円の支出)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第2四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を73,021百万円上回る485,241百万円(前年同期比17.7%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおける欧州での水産物需要拡大に対応した仕入・販売及びタイでの北米向けペットフードの販売好調、水産商事ユニットにおける外食・業務筋向けの販売回復と水産物全般の相場上昇等による水産資源事業の増収52,795百万円、食材流通ユニットにおける外食向け販売の回復及び給食、コンビニエンスストア、介護食向けの堅調な販売、畜産ユニットにおける欧州産豚肉の取扱数量の増加等による食材流通事業の増収18,140百万円となります。
なお、当第2四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第2四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ64,920百万円増加し、416,993百万円(前年同期比18.4%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.5ポイント悪化し、85.9%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費の増加等により前年同期に比べ4,628百万円増加し、52,314百万円(前年同期比9.7%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.8ポイント好転し、10.8%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ24百万円増加し、777百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を3,472百万円上回る15,933百万円(前年同期比27.9%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売好調や欧州での水産物需要拡大への対応、北米スケソウダラ製品の販売増・単価上昇、水産商事ユニットにおける水産物全般の相場上昇や浜値高及び円安の進行による先高感から成約が進んだこと、養殖ユニットにおける主要魚種の相場上昇等による水産資源事業の増益5,393百万円、加工食品ユニットにおける原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び急激な円安進行の影響を受けたことによる加工食品事業の減益1,032百万円となります。
なお、当第2四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第2四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しており
ます。
(経常利益)
経常利益は前年同期を7,352百万円上回る21,209百万円(前年同期比53.1%増)となりました。主な増減の内訳は、為替差損益の増益4,457百万円及び営業利益の増加3,472百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を3,682百万円上回る13,129百万円(前年同期比39.0%増)となり、1株当たり四半期純利益は253円64銭(前年同期は179円54銭)となりました。主な増減の内訳は、経常利益の増加7,352百万円、法人税等の増加2,524百万円、特別利益の増加2,049百万円及び特別損失の増加1,702百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の増加1,492百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が2,460百万円となり固定資産売却益の増加等により、前年同期に比べ2,049百万円増加し、また、特別損失が2,486百万円となり火災損失の計上等により、前年同期に比べ1,702百万円増加した結果、347百万円の増益となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ103,818百万円(18.9%)増加し、652,422百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ84,131百万円(25.9%)増加し、408,436百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ19,687百万円(8.8%)増加し、243,985百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加56,699百万円、売上債権の増加25,970百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第2四半期連結会計期間末と比べ合計で85,085百万円増加しておりますが、販売好調による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる単価上昇や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ86,052百万円(23.9%)増加し、446,760百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ80,663百万円(36.4%)増加し、302,208百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ5,389百万円(3.9%)増加し、144,551百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加63,064百万円、仕入債務の増加14,277百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、17,766百万円(9.5%)増加し、205,661百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加10,235百万円、為替換算調整勘定の増加9,277百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の29.2%から26.6%となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、30,461百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は5,983百万円の収入)となりました。棚卸資産の増加44,359百万円、売上債権の増加19,018百万円、税金等調整前四半期純利益21,183百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、18,164百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は6,919百万円の支出)となりました。水産資源事業における北米の漁船の取得及び加工食品事業における生産拠点を中心に、有形固定資産の取得による支出10,086百万円、水産資源事業における北米の漁業許可権利金等の無形固定資産の取得による支出8,475百万円、有形固定資産の売却による収入2,598百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、44,217百万円の収入(前第2四半期連結累計期間は5,343百万円の支出)となりました。短期借入金の増加額39,020百万円、長期借入れによる収入31,110百万円、長期借入金の返済による支出15,923百万円等があったことによるものです。
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ、2,519百万円減少し、21,910百万円となりました。
(財務政策)
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が196,302百万円、長期借入金が117,366百万円となり、合計で313,669百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、777百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、オミクロン株BA.5型への置き換わりによる新型コロナウイルス新規感染者数の爆発的な増加があったものの、新たな行動制限が行われなかったこともあり、個人消費を中心として、引き続き緩やかな回復が見られました。
その一方で、当社グループ関連業界を取り巻く環境につきましては、ウクライナ情勢の長期化や急激な円安進行を受けた原材料・エネルギー資源価格の高騰など、依然として不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」の策定にあたり再定義した長期経営ビジョンの実現に向けて、「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に引き続き取り組んでまいりました。
(長期経営ビジョン)
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は485,241百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は15,933百万円(前年同期比27.9%増)、経常利益は円安による為替差益の計上等により21,209百万円(前年同期比53.1%増)となりました。また、2022年9月24日に当社広島工場で発生した火災による火災損失の計上等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,129百万円(前年同期比39.0%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、水産資源調達力と食品加工技術を生かしたバリューチェーンの更なる強化拡充を図るため、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、新型コロナウイルスの影響により大きく変化する事業環境に対応し、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収となり、魚価の回復により増益となりました。
養殖ユニットは、量販店や外食向けを中心としたブリ、カンパチの販売数量増加と販売価格の回復に加えて、マグロを始め主要魚種相場の上昇により大幅な増収増益となりました。
水産商事ユニットは、外食・業務筋向け販売の回復に加えて、水産物全般の相場が上昇、浜値高や円安の進行による先高感から成約が進み、増収増益となりました。
海外ユニットは、北米では生産効率の向上や新たに獲得したアラスカのスケソウダラ資源が生産増に寄与し、加えて堅調なマーケットの中で販売価格が上昇したことにより増収増益となりました。欧州では水産物需要拡大に対応した仕入・販売により増収増益、アジアではタイのペットフードが北米向けの販売好調により増収増益となり、全体においても増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は275,263百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益は11,270百万円(前年同期比91.8%増)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット、及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、食品全体の値上げによる消費心理の冷え込みや節約志向が見られる環境下ではありましたが、引き続き簡便食としてのニーズが堅調、また販売拡大に向けた施策が奏功し、増収となりました。一方、一部商品で値上げを実施したものの、引き続き原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び急激な円安進行の影響を受け減益となりました。
ファインケミカルユニットは、今期より新規参入したヘパリンの販売や健康食品向けの販売が底堅く推移し増収増益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は55,012百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は2,415百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、外食向け販売が回復し、給食、コンビニエンスストア、介護食向けも堅調に推移し増収となりました。一方で、生産性の向上や効率化に努めたものの、原材料の高騰や急激な円安進行により、減益となりました。
畜産ユニットは、欧州産豚肉の取り扱い増加に加え、全般的な輸入畜肉相場の上昇が販売価格を引き上げたことから増収となりましたが、急激な円安進行による輸入部門での仕入価格上昇により減益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は146,085百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は1,565百万円(前年同期比23.7%減)となりました。
物流事業
物流事業は、大都市を中心に保管需要を着実に取り込んだことにより増収となったものの、電気料金の値上げに伴う動力費の大幅な増加などにより、売上高は8,681百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は727百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は652,422百万円となり、前連結会計年度末に比べ103,818百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は446,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ86,052百万円増加いたしました。これは主として借入金及び仕入債務の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は205,661百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,766百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、借入金の増加によって得た資金を、主として棚卸資産の取得及び設備投資等に使用した結果、当第2四半期連結会計期間末には21,910百万円と前連結会計年度末に比べ2,519百万円減少いたしました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は30,461百万円(前年同期は5,983百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は18,164百万円(前年同期は6,919百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は44,217百万円(前年同期は5,343百万円の支出)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第2四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を73,021百万円上回る485,241百万円(前年同期比17.7%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおける欧州での水産物需要拡大に対応した仕入・販売及びタイでの北米向けペットフードの販売好調、水産商事ユニットにおける外食・業務筋向けの販売回復と水産物全般の相場上昇等による水産資源事業の増収52,795百万円、食材流通ユニットにおける外食向け販売の回復及び給食、コンビニエンスストア、介護食向けの堅調な販売、畜産ユニットにおける欧州産豚肉の取扱数量の増加等による食材流通事業の増収18,140百万円となります。
なお、当第2四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第2四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 222,467 | 275,263 | 52,795 | 23.7 |
加工食品事業 | 53,197 | 55,012 | 1,814 | 3.4 |
食材流通事業 | 127,945 | 146,085 | 18,140 | 14.2 |
物流事業 | 8,401 | 8,681 | 279 | 3.3 |
その他 | 207 | 198 | △9 | △4.4 |
合計 | 412,220 | 485,241 | 73,021 | 17.7 |
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ64,920百万円増加し、416,993百万円(前年同期比18.4%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.5ポイント悪化し、85.9%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費の増加等により前年同期に比べ4,628百万円増加し、52,314百万円(前年同期比9.7%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.8ポイント好転し、10.8%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ24百万円増加し、777百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を3,472百万円上回る15,933百万円(前年同期比27.9%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売好調や欧州での水産物需要拡大への対応、北米スケソウダラ製品の販売増・単価上昇、水産商事ユニットにおける水産物全般の相場上昇や浜値高及び円安の進行による先高感から成約が進んだこと、養殖ユニットにおける主要魚種の相場上昇等による水産資源事業の増益5,393百万円、加工食品ユニットにおける原材料・資材、エネルギーコストの高騰及び急激な円安進行の影響を受けたことによる加工食品事業の減益1,032百万円となります。
なお、当第2四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第2四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 5,876 | 11,270 | 5,393 | 91.8 |
加工食品事業 | 3,448 | 2,415 | △1,032 | △29.9 |
食材流通事業 | 2,051 | 1,565 | △486 | △23.7 |
物流事業 | 722 | 727 | 4 | 0.7 |
その他 | 115 | 138 | 23 | 20.1 |
調整額 | 245 | △183 | △429 | - |
合計 | 12,460 | 15,933 | 3,472 | 27.9 |
(注)従来、報告セグメントについては「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工食品」、「食材流通」及び「物流」の4区分に変更しております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しており
ます。
(経常利益)
経常利益は前年同期を7,352百万円上回る21,209百万円(前年同期比53.1%増)となりました。主な増減の内訳は、為替差損益の増益4,457百万円及び営業利益の増加3,472百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を3,682百万円上回る13,129百万円(前年同期比39.0%増)となり、1株当たり四半期純利益は253円64銭(前年同期は179円54銭)となりました。主な増減の内訳は、経常利益の増加7,352百万円、法人税等の増加2,524百万円、特別利益の増加2,049百万円及び特別損失の増加1,702百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の増加1,492百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が2,460百万円となり固定資産売却益の増加等により、前年同期に比べ2,049百万円増加し、また、特別損失が2,486百万円となり火災損失の計上等により、前年同期に比べ1,702百万円増加した結果、347百万円の増益となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
前第2四半期連結会計期間 (2021年9月30日) (a) | 前連結会計年度 (2022年3月31日) (b) | 当第2四半期連結会計期間 (2022年9月30日) (c) | 前年同期比 (c)-(a) | 前年対比 (c)-(b) | |
資産の部 | |||||
流動資産 | 321,920 | 324,304 | 408,436 | 86,516 | 84,131 |
内、現金及び預金 | 26,336 | 24,952 | 22,274 | △4,061 | △2,678 |
内、受取手形、売掛金 及び契約資産 | 118,158 | 115,391 | 141,362 | 23,203 | 25,970 |
内、棚卸資産 | 167,509 | 172,691 | 229,390 | 61,881 | 56,699 |
固定資産 | 230,383 | 224,298 | 243,985 | 13,602 | 19,687 |
内、有形固定資産 | 143,317 | 140,249 | 147,064 | 3,747 | 6,815 |
内、投資その他の資産 | 64,963 | 62,016 | 64,363 | △599 | 2,347 |
資産合計 | 552,303 | 548,603 | 652,422 | 100,118 | 103,818 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 220,673 | 221,544 | 302,208 | 81,535 | 80,663 |
内、支払手形及び買掛金 | 39,858 | 36,226 | 50,504 | 10,645 | 14,277 |
固定負債 | 152,350 | 139,162 | 144,551 | △7,798 | 5,389 |
負債合計 | 373,023 | 360,707 | 446,760 | 73,736 | 86,052 |
内、有利子負債 (リース債務を除く) | 260,289 | 250,604 | 313,669 | 53,379 | 63,064 |
純資産の部 | |||||
純資産合計 | 179,279 | 187,895 | 205,661 | 26,382 | 17,766 |
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ103,818百万円(18.9%)増加し、652,422百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ84,131百万円(25.9%)増加し、408,436百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ19,687百万円(8.8%)増加し、243,985百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加56,699百万円、売上債権の増加25,970百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第2四半期連結会計期間末と比べ合計で85,085百万円増加しておりますが、販売好調による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる単価上昇や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ86,052百万円(23.9%)増加し、446,760百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ80,663百万円(36.4%)増加し、302,208百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ5,389百万円(3.9%)増加し、144,551百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債(リース債務を除く)の増加63,064百万円、仕入債務の増加14,277百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、17,766百万円(9.5%)増加し、205,661百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加10,235百万円、為替換算調整勘定の増加9,277百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の29.2%から26.6%となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円) | |||
前第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) | 前年同期比 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 5,983 | △30,461 | △36,445 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,919 | △18,164 | △11,244 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △5,343 | 44,217 | 49,560 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,061 | 1,888 | 827 |
現金及び現金同等物の増減額 | △5,217 | △2,519 | 2,697 |
現金及び現金同等物の四半期末残高 | 25,939 | 21,910 | △4,028 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、30,461百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は5,983百万円の収入)となりました。棚卸資産の増加44,359百万円、売上債権の増加19,018百万円、税金等調整前四半期純利益21,183百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、18,164百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は6,919百万円の支出)となりました。水産資源事業における北米の漁船の取得及び加工食品事業における生産拠点を中心に、有形固定資産の取得による支出10,086百万円、水産資源事業における北米の漁業許可権利金等の無形固定資産の取得による支出8,475百万円、有形固定資産の売却による収入2,598百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、44,217百万円の収入(前第2四半期連結累計期間は5,343百万円の支出)となりました。短期借入金の増加額39,020百万円、長期借入れによる収入31,110百万円、長期借入金の返済による支出15,923百万円等があったことによるものです。
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ、2,519百万円減少し、21,910百万円となりました。
(財務政策)
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が196,302百万円、長期借入金が117,366百万円となり、合計で313,669百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、777百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。