四半期報告書-第78期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/08 11:18
【資料】
PDFをみる
【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの影響が残るなか厳しい状況にありましたが、ワクチン接種の進捗等により日常生活の制限が段階的に緩和され、感染対策と日常生活の回復に向けた取組みの両立が進められています。
企業収益については、海外における経済回復に伴う輸出増の影響を受けた製造業などで収益が一段と改善するとともに、宿泊・飲食サービス業などの非製造業においても持ち直しの傾向が見られました。
当社グループ関連業界におきましては、水産物の販売は堅調に推移するものの、冷凍食品・加工食品についてはエネルギー・原材料コストの上昇もあり、依然として予断を許さない状況が続いています。
オミクロン株の流行拡大の影響もあり、新型コロナウイルスの感染収束が見込めない厳しい事業環境のなか、当社グループでは水産資源調達力と食品加工技術を生かしたバリューチェーンの更なる拡充強化に努めてまいりました。また、最終年度を迎えた中期経営計画「Innovation toward 2021」の基本的な考え方である「企業価値の向上と持続的成長」の実現のため、「収益力の更なる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」の3つの経営戦略に引き続き取り組むとともに、「サステナビリティ中長期経営計画」及び「コーポレートブランディング活動」についても推進してまいりました。
その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は661,222百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益は22,373百万円(前年同期比29.6%増)、経常利益は24,767百万円(前年同期比31.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16,171百万円(前年同期比114.5%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりです。
なお、従来、報告セグメントについては「漁業・養殖」、「商事」、「海外」、「加工」及び「物流」の5区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分に変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ・カンパチ・マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、市場流通の基幹を担う荷受ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、新型コロナウイルスの影響により大きく変化する事業環境に対応し、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、豪州での高収益商材であるメロの繰越在庫減少による販売減により減収減益となりました。
養殖ユニットは、依然としてコロナ禍による外食・業務筋向け販売への影響が残るものの、主要荷受及び量販店向けを中心としたマグロ販売数量増加と相場回復、ブリ相場の上昇により増収となり、事業収支は大幅に改善しました。
水産商事ユニットは、新型コロナウイルスの影響下で生産遅延や船積みの遅れが危惧されましたが、多様な買付けルートを活用して商材を確保し、販売面では量販店、宅配、医療機関・高齢者施設向けに拡販した結果、各魚種の単価上昇もあり増収増益となりました。
荷受ユニットは、自社加工機能を活用した量販店への拡販、冷凍品の販売単価上昇及び利益率の改善により増収増益となりました。
海外ユニットでは、水産物と加工食品の世界的な需要拡大に対応し、グローバル市場における収益の確保に努めました。北米は不採算事業であった鮭鱒事業撤退及び助宗商材の販売価格上昇により減収増益、欧州では販売会社への追加出資による子会社化や堅調な欧州市場での販売増により大幅な増収増益、アジアにおいてはベトナムの加工販売会社の買収により増収、タイのペットフード事業で原料安に加え、北米市場の強い需要による販売増にて増益となり、全体では増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は413,056百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は12,840百万円(前年同期比108.9%増)となりました。
加工事業
加工事業は、家庭用冷凍食品の製造・販売を行う家庭用冷凍食品ユニット、缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート等の製造・販売を行う家庭用加工食品ユニット、業務用商材の製造・販売を行う業務用食品ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニット、及び化成品・調味料・フリーズドライ製品の製造・販売を行う化成ユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
家庭用冷凍食品ユニットは、内食需要継続により主食の麺・米飯やグラタン類、食卓惣菜が伸長し増収となりましたが、原材料や海上運賃、エネルギーコストの上昇が影響し、減益となりました。
家庭用加工食品ユニットは、デザート事業が夏場から秋口の好天と業務用向け商品の導入により増収増益となりましたが、缶詰事業は水産原料高騰を受け販売価格が上昇したことから市場が低迷し、また、フィッシュソーセージ事業では価格競争が強まるなか販売が遅れて減収減益となり、全体では減収減益となりました。
業務用食品ユニットは、新型コロナウイルスの影響が依然として残るものの、量販店惣菜、コンビニエンスストア、生協等の宅配向けが堅調に推移し、増収増益となりました。
畜産ユニットは、欧州ポーク、輸入鶏肉、輸入牛肉の取り扱いが増加し、また、北米ポークの利益率低下があったものの欧州ポーク、国産牛肉、輸入鶏肉の利益率増により増収増益となりました。
化成ユニットは、DHA・EPA及びコンドロイチンの販売が伸び増収となりましたが、フリーズドライ製品の前年需要増に対する反動の影響が大きく減益となりました。
以上の結果、加工事業の売上高は226,483百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は7,394百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
物流事業
物流事業は、新型コロナウイルスの影響が続くなか、水産品をはじめ畜産品や冷凍食品の集荷活動を行い入庫数量は回復傾向にあるものの、保管在庫数量については低調に推移し前年より減少しました。また、2021年4月の名古屋物流センター開業により減価償却費等が増加し、売上高は11,227百万円(前年同期比6.6%減)、営業利益は912百万円(前年同期比52.6%減)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は583,099百万円となり、前連結会計年度末に比べ50,233百万円増加いたしました。これは主として売上債権及び棚卸資産の増加によるものであります。
負債は399,118百万円となり、前連結会計年度末に比べ32,911百万円増加いたしました。これは主として仕入債務及び借入金の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は183,981百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,321百万円増加いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第3四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を38,394百万円上回る661,222百万円(前年同期比6.2%増)となりました。主な増減の内訳は、荷受ユニットにおける自社加工機能を活用した量販店への拡販、冷凍品の販売単価上昇、海外ユニットにおける欧州での販売会社への追加出資による子会社化や堅調な欧州市場での販売増、ベトナムでの加工販売会社の買収、タイのペットフード事業での北米市場の強い需要による販売増、水産商事ユニットにおける量販店、宅配、医療機関・高齢者施設向けの拡販と各魚種の単価上昇等による水産資源事業の増収28,817百万円、業務用食品ユニットにおける量販店惣菜、コンビニエンスストア、生協等の宅配向けの堅調な販売、畜産ユニットにおける欧州ポーク、輸入鶏肉、輸入牛肉の取り扱いの増加等による加工事業の増収10,435百万円となります。
なお、当第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
セグメントの名称前第3四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
前年同期比増減率(%)
水産資源事業384,239413,05628,8177.5
加工事業216,048226,48310,4354.8
物流事業12,01611,227△788△6.6
その他10,52310,454△69△0.7
合計622,828661,22238,3946.2

(注)従来、報告セグメントについては「漁業・養殖」、「商事」、「海外」、「加工」及び「物流」の5区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分に変更しております。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ30,235百万円増加し、566,366百万円(前年同期比5.6%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.4ポイント低下し、85.7%となりました。販売費及び一般管理費は、発送配達費の増加等により前年同期に比べ3,046百万円増加し、72,481百万円(前年同期比4.4%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.2ポイント低下し、11.0%となりました。研究開発費は、36百万円減少し、1,133百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を5,112百万円上回る22,373百万円(前年同期比29.6%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおける北米の不採算事業であった鮭鱒事業の撤退及び助宗商材の販売価格上昇、欧州での販売会社への追加出資による子会社化や堅調な欧州市場での販売増、タイのペットフード事業での原料安に加え、北米市場の強い需要による販売増、養殖ユニットにおける主要荷受及び量販店向けを中心としたマグロ販売数量増加と相場回復、ブリ相場の上昇による事業収支の大幅な改善等による水産資源事業の増益6,693百万円、新型コロナウイルスの影響が続くなか、保管在庫数量が低調に推移し、また、2021年4月の名古屋物流センター開業により減価償却費等が増加したこと等による物流事業の減益1,011百万円となります。
なお、当第3四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
セグメントの名称前第3四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
前年同期比増減率(%)
水産資源事業6,14712,8406,693108.9
加工事業7,6907,394△295△3.8
物流事業1,924912△1,011△52.6
その他1,067944△123△11.5
調整額430280△149△34.7
合計17,26022,3735,11229.6

(注)従来、報告セグメントについては「漁業・養殖」、「商事」、「海外」、「加工」及び「物流」の5区分としておりましたが、第1四半期連結会計期間より「水産資源」、「加工」及び「物流」の3区分に変更しております。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(経常利益)
経常利益は前年同期を5,930百万円上回る24,767百万円(前年同期比31.5%増)となりました。主な増減の内訳は、営業利益の増加5,112百万円及び補助金収入等による営業外収益の増加1,248百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を8,632百万円上回る16,171百万円(前年同期比114.5%増)となり、1株当たり四半期純利益は307円32銭(前年同期は143円27銭)となりました。主な増減の内訳は、経常利益の増加5,930百万円、特別損失の減少5,232百万円となります。
なお、特別損益は、特別利益が425百万円となり固定資産売却益の増加等により312百万円増加となり、また、特別損失が1,084百万円となり、事業整理損失引当金繰入額4,010百万円等を計上した前年同期に比べ5,232百万円減少したことにより、前年同期に比べ5,545百万円の増益となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間
(2020年12月31日)
(a)
前連結会計年度
(2021年3月31日)
(b)
当第3四半期連結会計期間
(2021年12月31日)
(c)
前年同期比
(c)-(a)
前年対比
(c)-(b)
資産の部
流動資産339,812300,511356,43916,62755,927
内、現金及び預金22,09831,57924,4972,399△7,082
内、受取手形、売掛金
及び契約資産
140,604102,644153,87713,27251,232
内、棚卸資産165,686156,561167,7632,07611,202
固定資産230,725232,354226,660△4,064△5,694
内、有形固定資産149,911147,902141,181△8,730△6,720
内、投資その他の資産62,94564,54162,9471△1,593
資産合計570,537532,866583,09912,56250,233
負債の部
流動負債232,678213,968247,74215,06333,773
内、支払手形及び買掛金45,82434,27049,1373,31214,866
固定負債173,835152,237151,375△22,459△862
負債合計406,513366,206399,118△7,39532,911
内、有利子負債
(リース債務を除く)
283,964259,837273,028△10,93613,191
純資産の部
純資産合計164,023166,660183,98119,95817,321

(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ50,233百万円(9.4%)増加し、583,099百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ55,927百万円(18.6%)増加し、356,439百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ5,694百万円(2.5%)減少し、226,660百万円となりました。
主な増減の内訳は、売上債権の増加51,232百万円、棚卸資産の増加11,202百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しておりますが、前第3四半期連結会計期間末と比べると合計で15,348百万円の増加に留まっており、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ32,911百万円(9.0%)増加し、399,118百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ33,773百万円(15.8%)増加し、247,742百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ862百万円(0.6%)減少し、151,375百万円となりました。
主な増減の内訳は、仕入債務の増加14,866百万円、有利子負債(リース債務を除く)の増加13,191百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、17,321百万円(10.4%)増加し、183,981百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加14,478百万円、為替換算調整勘定の増加2,727百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の26.7%から27.1%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ、7,070百万円減少し、24,085百万円となりました。
(財務政策)
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が149,467百万円、長期借入金が123,561百万円となり、合計で273,028百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,133百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。