四半期報告書-第80期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束の傾向にあり、5月には感染症法上の分類において5類に移行されるなど、経済活動は緩やかな回復基調で推移しました。
その一方で、当社グループ関連業界を取り巻く環境につきましては、ウクライナ情勢長期化等の影響を受けた原材料・エネルギーコストの高騰に加え、日米金利差や世界景気の動向を受けた為替相場の乱高下等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」の2年目を迎え、長期経営ビジョンの実現に向けて、引き続き「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組んでまいりました。
(長期経営ビジョン)
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
その結果、売上高は250,922百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は7,685百万円(前年同期比2.3%減)、経常利益は11,213百万円(前年同期比7.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,652百万円(前年同期比13.3%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、国内外の市場動向を注視しながら、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収となりましたが、漁船の稼働低下による漁獲数量の減少や燃油代の高騰により減益となりました。
養殖ユニットは、主にブリ、カンパチの販売数量増加及び昨年度より引き続き販売価格が高値推移していることから、増収増益となりました。
水産商事ユニットは、水産物全般に高値圏を維持し増収となったものの、鮭鱒、冷凍マグロなど一部魚種が高値による消費減、販売価格が下落し、減益となりました。
海外ユニットは、北米ではアラスカのスケソウダラ漁獲枠の増枠もあり供給増、軟調な相場の中、販売遅れにより減益、欧州は昨年度に子会社化したイギリス水産加工販売会社及びオランダの食品卸会社が堅調で増収増益、アジアにおいてはタイのペットフードが主要販売先である北米での在庫調整により販売低調、減収減益となり、全体においては増収減益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は141,494百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は3,784百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、昨年までの内食傾向から外食へと流れが変わったことに加え、値上げによる消費者の節約志向が顕著となり苦戦、広島工場火災での昨年度逸失分も加わり減収、一方、利益面では値上げの浸透により増益となりました。
ファインケミカルユニットは、引き続き健康食品向けの販売が底堅く、計画通りに推移しましたが、前年同期に一部商品についてまとまった販売があったため、減収減益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は25,631百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は1,563百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、外食・介護・生協・給食向け等への販売が堅調に推移したこと、価格改定に努めたこと及びアイテム削減などによる業務効率化・生産性向上等に努めたことにより、増収増益となりました。
畜産ユニットは、全般的な畜肉相場の上昇に伴い畜肉製品販売価格の値上げを実施したこと及び輸入食肉の販売が堅調に推移したことから、増収増益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は79,038百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は2,150百万円(前年同期比67.9%増)となりました。
物流事業
物流事業は、大都市を中心に旺盛な保管需要を背景に在庫数量が高水準で推移したことに加え、電気料金等のコスト上昇を価格に反映したことにより、売上高は4,662百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は771百万円(前年同期比125.9%増)となりました。
②財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の総資産は660,467百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,240百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は441,937百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,233百万円増加いたしました。これは主として有利子負債及び仕入債務の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は218,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,007百万円増加いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を18,304百万円上回る250,922百万円(前年同期比7.9%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるイギリス水産加工販売会社及びオランダの食品卸会社の堅調な販売、水産商事ユニットにおける水産物全般の高値継続、漁業ユニットにおけるメロを始めとした主要魚種の販売好調等による水産資源事業の増収12,691百万円、畜産ユニットにおける全般的な畜肉相場の上昇に伴う畜肉製品販売価格の値上げ等による食材流通事業の増収6,357百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ18,140百万円増加し、216,862百万円(前年同期比9.1%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、1.0ポイント悪化し、86.4%となりました。販売費及び一般管理費は、労務費等の経費増加等により前年同期に比べ348百万円増加し、26,374百万円(前年同期比1.3%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.7ポイント好転し、10.5%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ65百万円増加し、439百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を184百万円下回る7,685百万円(前年同期比2.3%減)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売低調、漁業ユニットにおける漁船の稼働低下による漁獲数量の減少や燃油代の高騰等による水産資源事業の減益1,530百万円、食材流通ユニットにおけるアイテム削減等に伴う業務効率化・生産性向上による食材流通事業の増益869百万円、大都市を中心に旺盛な保管需要を背景に在庫数量が高水準で推移したことによる物流事業の増益429百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
(経常利益)
経常利益は前年同期を962百万円下回る11,213百万円(前年同期比7.9%減)となりました。主な増減の内訳は、為替差益の減少1,154百万円、支払利息の増加294百万円及び持分法による投資利益の増加293百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を1,022百万円下回る6,652百万円(前年同期比13.3%減)となり、1株当たり四半期純利益は131円87銭(前年同期は146円32銭)となりました。増減の内訳は、経常利益の減少962百万円、特別利益の減少326百万円、特別損失の増加252百万円、法人税等の増加195百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の減少714百万円となります。
なお、特別損益は、前年同期に比べ578百万円の損益悪化となりました。これは主に、前年同期で計上いたしました段階取得に係る差益が当期においては計上されなかったこと等による特別利益の減少326百万円、並びに投資有価証券評価損の増加等による特別損失の増加252百万円によるものであります。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
(注)有利子負債は、短期借入金、一年以内長期借入金、長期借入金及び社債の合計額であります。なお、リース債務は有利子負債には含んでおりません。
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ23,240百万円(3.6%)増加し、660,467百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ22,086百万円(5.6%)増加し、414,726百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,153百万円(0.5%)増加し、245,741百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加19,347百万円、売上債権の増加5,542百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第1四半期連結会計期間末と比べ合計で41,806百万円増加しておりますが、堅調な販売による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる高値推移や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ17,233百万円(4.1%)増加し、441,937百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ5,903百万円(2.2%)増加し、271,351百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ11,330百万円(7.1%)増加し、170,586百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債の増加9,349百万円、仕入債務の増加3,550百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、6,007百万円(2.8%)増加し、218,530百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加3,367百万円、為替換算調整勘定の増加1,147百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,137百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の28.0%から27.9%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、4,849百万円減少し、28,510百万円となりました。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
また、当社は2022年11月2日、環境持続型の漁業・養殖事業等に資金使途を限定した本邦初となる債券「ブルーボンド」(第1回無担保社債)を発行し、資金調達を行っております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が171,705百万円、長期借入金が133,783百万円、社債が5,000百万円となり、合計で310,488百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、439百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績等の状況の概況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束の傾向にあり、5月には感染症法上の分類において5類に移行されるなど、経済活動は緩やかな回復基調で推移しました。
その一方で、当社グループ関連業界を取り巻く環境につきましては、ウクライナ情勢長期化等の影響を受けた原材料・エネルギーコストの高騰に加え、日米金利差や世界景気の動向を受けた為替相場の乱高下等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV 2024」の2年目を迎え、長期経営ビジョンの実現に向けて、引き続き「経営戦略とサステナビリティの統合」「価値創造経営の実践」「持続的成長のための経営基盤強化」に取り組んでまいりました。
(長期経営ビジョン)
①事業活動を通じた経済価値、社会価値、環境価値の創造により、持続可能な地域・社会づくりに貢献する
②総合食品企業として、グローバルに「マルハニチロブランド」の提供価値を高め、お客様の健康価値創造に貢献する
③水産資源調達力と食品加工技術力に基づく持続可能なバリューチェーンを強化し、企業価値の最大化を実現する
その結果、売上高は250,922百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は7,685百万円(前年同期比2.3%減)、経常利益は11,213百万円(前年同期比7.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,652百万円(前年同期比13.3%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にブリ、カンパチ、マグロの養殖を行う養殖ユニット、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、中国・東南アジア・北米・欧州において水産物・加工食品の生産・販売を行う海外ユニットから構成され、国内外の市場動向を注視しながら、収益の確保に努めました。
漁業ユニットは、メロを始め主要魚種の販売好調により増収となりましたが、漁船の稼働低下による漁獲数量の減少や燃油代の高騰により減益となりました。
養殖ユニットは、主にブリ、カンパチの販売数量増加及び昨年度より引き続き販売価格が高値推移していることから、増収増益となりました。
水産商事ユニットは、水産物全般に高値圏を維持し増収となったものの、鮭鱒、冷凍マグロなど一部魚種が高値による消費減、販売価格が下落し、減益となりました。
海外ユニットは、北米ではアラスカのスケソウダラ漁獲枠の増枠もあり供給増、軟調な相場の中、販売遅れにより減益、欧州は昨年度に子会社化したイギリス水産加工販売会社及びオランダの食品卸会社が堅調で増収増益、アジアにおいてはタイのペットフードが主要販売先である北米での在庫調整により販売低調、減収減益となり、全体においては増収減益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は141,494百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は3,784百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・ デザート・調味料・フリーズドライ製品等の製造・販売を行う加工食品ユニット及び化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成され、お客様のニーズにお応えする商品の開発・製造・販売を通じて収益の確保に努めました。
加工食品ユニットは、昨年までの内食傾向から外食へと流れが変わったことに加え、値上げによる消費者の節約志向が顕著となり苦戦、広島工場火災での昨年度逸失分も加わり減収、一方、利益面では値上げの浸透により増益となりました。
ファインケミカルユニットは、引き続き健康食品向けの販売が底堅く、計画通りに推移しましたが、前年同期に一部商品についてまとまった販売があったため、減収減益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は25,631百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は1,563百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物を取り扱う畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、商品開発力、加工技術力を結集して業態ニーズにお応えする商品を提案し、収益の確保に努めました。
食材流通ユニットは、外食・介護・生協・給食向け等への販売が堅調に推移したこと、価格改定に努めたこと及びアイテム削減などによる業務効率化・生産性向上等に努めたことにより、増収増益となりました。
畜産ユニットは、全般的な畜肉相場の上昇に伴い畜肉製品販売価格の値上げを実施したこと及び輸入食肉の販売が堅調に推移したことから、増収増益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は79,038百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は2,150百万円(前年同期比67.9%増)となりました。
物流事業
物流事業は、大都市を中心に旺盛な保管需要を背景に在庫数量が高水準で推移したことに加え、電気料金等のコスト上昇を価格に反映したことにより、売上高は4,662百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は771百万円(前年同期比125.9%増)となりました。
②財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の総資産は660,467百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,240百万円増加いたしました。これは主として棚卸資産及び売上債権の増加によるものであります。
負債は441,937百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,233百万円増加いたしました。これは主として有利子負債及び仕入債務の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は218,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,007百万円増加いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前第1四半期連結累計期間(以下「前年同期」という。)を18,304百万円上回る250,922百万円(前年同期比7.9%増)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるイギリス水産加工販売会社及びオランダの食品卸会社の堅調な販売、水産商事ユニットにおける水産物全般の高値継続、漁業ユニットにおけるメロを始めとした主要魚種の販売好調等による水産資源事業の増収12,691百万円、畜産ユニットにおける全般的な畜肉相場の上昇に伴う畜肉製品販売価格の値上げ等による食材流通事業の増収6,357百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別売上高
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 128,802 | 141,494 | 12,691 | 9.9 |
加工食品事業 | 26,764 | 25,631 | △1,132 | △4.2 |
食材流通事業 | 72,680 | 79,038 | 6,357 | 8.7 |
物流事業 | 4,273 | 4,662 | 389 | 9.1 |
その他 | 97 | 95 | △2 | △2.3 |
合計 | 232,618 | 250,922 | 18,304 | 7.9 |
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ18,140百万円増加し、216,862百万円(前年同期比9.1%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、1.0ポイント悪化し、86.4%となりました。販売費及び一般管理費は、労務費等の経費増加等により前年同期に比べ348百万円増加し、26,374百万円(前年同期比1.3%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.7ポイント好転し、10.5%となりました。研究開発費は、前年同期に比べ65百万円増加し、439百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年同期を184百万円下回る7,685百万円(前年同期比2.3%減)となりました。主な増減の内訳は、海外ユニットにおけるタイでの北米向けペットフードの販売低調、漁業ユニットにおける漁船の稼働低下による漁獲数量の減少や燃油代の高騰等による水産資源事業の減益1,530百万円、食材流通ユニットにおけるアイテム削減等に伴う業務効率化・生産性向上による食材流通事業の増益869百万円、大都市を中心に旺盛な保管需要を背景に在庫数量が高水準で推移したことによる物流事業の増益429百万円となります。
なお、当第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益は、次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間のセグメント別営業利益
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) | 前年同期比 | 増減率(%) |
水産資源事業 | 5,315 | 3,784 | △1,530 | △28.8 |
加工食品事業 | 1,231 | 1,563 | 332 | 27.0 |
食材流通事業 | 1,281 | 2,150 | 869 | 67.9 |
物流事業 | 341 | 771 | 429 | 125.9 |
その他 | 63 | 71 | 7 | 11.9 |
調整額 | △363 | △656 | △293 | 80.8 |
合計 | 7,869 | 7,685 | △184 | △2.3 |
(経常利益)
経常利益は前年同期を962百万円下回る11,213百万円(前年同期比7.9%減)となりました。主な増減の内訳は、為替差益の減少1,154百万円、支払利息の増加294百万円及び持分法による投資利益の増加293百万円となります。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を1,022百万円下回る6,652百万円(前年同期比13.3%減)となり、1株当たり四半期純利益は131円87銭(前年同期は146円32銭)となりました。増減の内訳は、経常利益の減少962百万円、特別利益の減少326百万円、特別損失の増加252百万円、法人税等の増加195百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益の減少714百万円となります。
なお、特別損益は、前年同期に比べ578百万円の損益悪化となりました。これは主に、前年同期で計上いたしました段階取得に係る差益が当期においては計上されなかったこと等による特別利益の減少326百万円、並びに投資有価証券評価損の増加等による特別損失の増加252百万円によるものであります。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の概要
(単位:百万円)
前第1四半期連結会計期間 (2022年6月30日) (a) | 前連結会計年度 (2023年3月31日) (b) | 当第1四半期連結会計期間 (2023年6月30日) (c) | 前年同期比 (c)-(a) | 前年対比 (c)-(b) | |
資産の部 | |||||
流動資産 | 369,419 | 392,639 | 414,726 | 45,306 | 22,086 |
内、現金及び預金 | 21,037 | 33,679 | 28,805 | 7,768 | △4,873 |
内、受取手形、売掛金 及び契約資産 | 126,986 | 131,769 | 137,312 | 10,325 | 5,542 |
内、棚卸資産 | 204,563 | 216,698 | 236,045 | 31,481 | 19,347 |
固定資産 | 241,149 | 244,587 | 245,741 | 4,591 | 1,153 |
内、有形固定資産 | 145,791 | 148,995 | 148,478 | 2,687 | △516 |
内、投資その他の資産 | 64,189 | 63,864 | 65,647 | 1,458 | 1,783 |
資産合計 | 610,569 | 637,227 | 660,467 | 49,897 | 23,240 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 259,110 | 265,448 | 271,351 | 12,241 | 5,903 |
内、支払手形及び買掛金 | 45,118 | 41,701 | 45,251 | 133 | 3,550 |
固定負債 | 153,198 | 159,255 | 170,586 | 17,387 | 11,330 |
負債合計 | 412,308 | 424,704 | 441,937 | 29,628 | 17,233 |
内、有利子負債 | 290,856 | 301,139 | 310,488 | 19,632 | 9,349 |
純資産の部 | |||||
純資産合計 | 198,261 | 212,522 | 218,530 | 20,268 | 6,007 |
(注)有利子負債は、短期借入金、一年以内長期借入金、長期借入金及び社債の合計額であります。なお、リース債務は有利子負債には含んでおりません。
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ23,240百万円(3.6%)増加し、660,467百万円となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ22,086百万円(5.6%)増加し、414,726百万円となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,153百万円(0.5%)増加し、245,741百万円となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加19,347百万円、売上債権の増加5,542百万円となります。
売上債権及び棚卸資産は前連結会計年度末に比べ増加しており、また前第1四半期連結会計期間末と比べ合計で41,806百万円増加しておりますが、堅調な販売による売上債権の増加及び必要な在庫の手当て、魚種全体にわたる高値推移や外貨換算の円安影響等によるものであり、正常な範囲内と考えております。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ17,233百万円(4.1%)増加し、441,937百万円となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ5,903百万円(2.2%)増加し、271,351百万円となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ11,330百万円(7.1%)増加し、170,586百万円となりました。
主な増減の内訳は、有利子負債の増加9,349百万円、仕入債務の増加3,550百万円となります。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ、6,007百万円(2.8%)増加し、218,530百万円となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益等による利益剰余金の増加3,367百万円、為替換算調整勘定の増加1,147百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,137百万円となります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の28.0%から27.9%となりました。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠等の調達手段を備えております。
また、当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、4,849百万円減少し、28,510百万円となりました。
(財務政策)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した財務政策について重要な変更はありません。
(資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
また、当社は2022年11月2日、環境持続型の漁業・養殖事業等に資金使途を限定した本邦初となる債券「ブルーボンド」(第1回無担保社債)を発行し、資金調達を行っております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債残高は、短期借入金が171,705百万円、長期借入金が133,783百万円、社債が5,000百万円となり、合計で310,488百万円となりました。
(資金需要の動向)
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した資金需要の動向について重要な変更はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、439百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。