有価証券報告書-第98期(2022/04/01-2023/03/31)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰や物価高、金属価格の不安定化、先進国を中心とした金利上昇による円安の進展等がみられました。そうしたなかで、中国においては、新型コロナウイルス感染症対策としての都市封鎖等により経済活動が抑制された影響があったものの、その他の地域においては、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
わが国経済は、社会経済活動の正常化が進みつつあるなか、緩やかな回復基調で推移したものの、回復には弱さもみられました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、為替水準が円安基調で推移した影響があったものの、自動車関連及び半導体関連の需要に減速がみられたほか、パラジウム価格の下落やエネルギー価格の上昇等の影響がありました。
このような状況のもと、当社グループは、2030年から2050年にかけての中長期的な当社グループの目標である「会社の目指す姿」及び2020年度から2022年度までを対象とした中期経営戦略に基づき、企業価値の向上に向けた諸施策を実施してまいりました。
この結果、当連結会計年度は、連結売上高は1兆6,259億33百万円(前年度比10.3%減)、連結営業利益は500億76百万円(同5.0%減)となりました。連結経常利益は、持分法による投資損失として219億24百万円の営業外費用を計上したほか、受取配当金が減少したことなどから、253億6百万円(同66.7%減)となりました。また、投資有価証券売却益として115億42百万円、持分変動利益として110億7百万円、固定資産売却益として103億40百万円の特別利益を計上したものの、事業再編損失として311億3百万円の特別損失を計上しました。これに加えて、当社及び一部の国内連結子会社が単体納税制度からグループ通算制度へ移行した影響により税金費用が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は、203億30百万円(同54.8%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後の区分に組み替えております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメントごとの営業利益は、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
(高機能製品)
銅加工品は、為替水準が円安で推移した影響があったことに加えて、欧米地域を中心に売上高が増加したものの、エネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
電子材料は、多結晶シリコン製品において為替水準が円安で推移した影響等により売上高が増加したものの、半導体関連製品の販売減少やエネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高は増加したものの、営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことに加えて、デリバティブ評価益等が減少したことから、減少しました。
(加工事業)
主要製品である超硬製品は、北米地域を中心に販売が増加したものの、原材料費やエネルギーコストが増加したことなどにより、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度並みとなりました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高は増加したものの、営業利益及び経常利益は前年度並みとなりました。
(金属事業)
銅地金は、為替水準が円安に推移した影響があったものの、インドネシア・カパー・スメルティング社や直島製錬所において定期炉修を実施したことなどにより生産量が減少したほか、エネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回ったものの、営業利益は前年度を下回りました。
金及びその他の金属は、為替水準が円安に推移した影響に加えて、金及びパラジウムの販売量が前年度に比べて増加したことなどから、売上高及び営業利益は前年度を上回りました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、受取配当金が前年度に比べて減少したことなどから、減少しました。
(環境・エネルギー事業)
エネルギー関連は、原子力関連の販売が増加したことなどにより、売上高及び営業利益は前年度を上回りました。
環境リサイクルは、有価物の売却単価が上昇したものの、家電リサイクル等の処理量の減少や販管費の増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
以上に加えて、株式会社ダイヤコンサルタントが2021年7月に連結範囲から外れた影響等により、前年度に比べて事業全体の売上高は減少したものの、営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資利益が増加したことから、増加しました。
(その他の事業)
その他の事業は、セメント事業及びアルミ事業が連結範囲から外れた影響等により、売上高及び営業利益は前年度を下回りました。
以上により、前年度に比べてその他の事業全体の売上高及び営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことに加えて、UBE三菱セメント株式会社に関する持分法による投資損失を計上したことなどから、減少しました。
なお、UBE三菱セメント株式会社においては、エネルギーコスト増加の影響や国内の生産体制見直しに伴う特別損失の計上がありました。
当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上に加え、棚卸資産の減少等により、451億円の収入(前期比382億円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資、投資有価証券の売却等により、439億円の支出(前期比407億円の支出増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入等により34億円の収入(前期は50億円の支出)となりました。
以上により、換算差額等による増減を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,410億円(前期末比125億円の減少)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
「(1) 経営成績」において、各事業のセグメント情報に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
① 経営成績
当連結会計年度における経営成績の概況については、「1.経営成績等の状況の概要」に記載しております。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産残高は、前期末比 2,332億円(11.0%)減少し、1兆8,917億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、有形固定資産が減少したことなどによるものであります。流動資産は、前期末比 1,228億円(9.9%)減少の 1兆1,160億円となりました。固定資産は、前期末比 1,103億円(12.5%)減少の 7,757億円となりました。
負債残高は、前期末比 2,063億円(14.0%)減少し、1兆2,629億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、借入金、支払手形及び買掛金、繰延税金負債が減少したことなどによるものであります。流動負債は、前期末比 1,083億円(11.7%)減少の 8,183億円となりました。固定負債は、前期末比 980億円(18.1%)減少の 4,445億円となりました。なお、借入金に社債、コマーシャル・ペーパーを加えた有利子負債残高については、前期末比 751億円(12.3%)減少の 5,335億円となりました。
純資産残高は、前期末比 268億円(4.1%)減少の 6,288億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、非支配株主持分が減少したことなどによるものであります。
この結果、連結ベースの自己資本比率は、前期末の27.5%から31.4%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は 4,476.52円から 4,541.96円に増加しました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 事業戦略と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び流動性の管理方針
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、内部資金、銀行借入、社債発行等により資金調達を行っております。また、キャッシュマネジメントシステムの導入等によるグループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上に努めております。
当社グループの資金の状況については、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
(6) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
特に次の会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
① 貸倒引当金、関係会社事業損失引当金の計上
当社グループの保有する債権または関係会社への投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積もり、引当金を計上しておりますが、将来、債務者や被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループの保有する株式については、市場価格のない株式等以外のもの、市場価格のない株式等ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
③ のれんを含む固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。将来、経済環境の著しい悪化や市場価格の著しい下落等の発生如何によっては、減損損失を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループが採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰や物価高、金属価格の不安定化、先進国を中心とした金利上昇による円安の進展等がみられました。そうしたなかで、中国においては、新型コロナウイルス感染症対策としての都市封鎖等により経済活動が抑制された影響があったものの、その他の地域においては、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
わが国経済は、社会経済活動の正常化が進みつつあるなか、緩やかな回復基調で推移したものの、回復には弱さもみられました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、為替水準が円安基調で推移した影響があったものの、自動車関連及び半導体関連の需要に減速がみられたほか、パラジウム価格の下落やエネルギー価格の上昇等の影響がありました。
このような状況のもと、当社グループは、2030年から2050年にかけての中長期的な当社グループの目標である「会社の目指す姿」及び2020年度から2022年度までを対象とした中期経営戦略に基づき、企業価値の向上に向けた諸施策を実施してまいりました。
この結果、当連結会計年度は、連結売上高は1兆6,259億33百万円(前年度比10.3%減)、連結営業利益は500億76百万円(同5.0%減)となりました。連結経常利益は、持分法による投資損失として219億24百万円の営業外費用を計上したほか、受取配当金が減少したことなどから、253億6百万円(同66.7%減)となりました。また、投資有価証券売却益として115億42百万円、持分変動利益として110億7百万円、固定資産売却益として103億40百万円の特別利益を計上したものの、事業再編損失として311億3百万円の特別損失を計上しました。これに加えて、当社及び一部の国内連結子会社が単体納税制度からグループ通算制度へ移行した影響により税金費用が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は、203億30百万円(同54.8%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後の区分に組み替えております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメントごとの営業利益は、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
(高機能製品)
(単位:億円) |
前期 | 当期 | 増減(増減率) | |||
売上高 | 4,859 | 5,263 | 404 | (8.3%) | |
営業利益 | 147 | 81 | △65 | (△44.6%) | |
経常利益 | 169 | 71 | △97 | (△57.6%) |
銅加工品は、為替水準が円安で推移した影響があったことに加えて、欧米地域を中心に売上高が増加したものの、エネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
電子材料は、多結晶シリコン製品において為替水準が円安で推移した影響等により売上高が増加したものの、半導体関連製品の販売減少やエネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高は増加したものの、営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことに加えて、デリバティブ評価益等が減少したことから、減少しました。
(加工事業)
(単位:億円) |
前期 | 当期 | 増減(増減率) | |||
売上高 | 1,326 | 1,416 | 90 | (6.8%) | |
営業利益 | 141 | 141 | △0 | (△0.1%) | |
経常利益 | 145 | 145 | △0 | (△0.0%) |
主要製品である超硬製品は、北米地域を中心に販売が増加したものの、原材料費やエネルギーコストが増加したことなどにより、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度並みとなりました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高は増加したものの、営業利益及び経常利益は前年度並みとなりました。
(金属事業)
(単位:億円) |
前期 | 当期 | 増減(増減率) | |||
売上高 | 9,971 | 10,857 | 885 | (8.9%) | |
営業利益 | 252 | 275 | 22 | (8.9%) | |
経常利益 | 502 | 280 | △222 | (△44.2%) |
銅地金は、為替水準が円安に推移した影響があったものの、インドネシア・カパー・スメルティング社や直島製錬所において定期炉修を実施したことなどにより生産量が減少したほか、エネルギーコストの増加等により、売上高は前年度を上回ったものの、営業利益は前年度を下回りました。
金及びその他の金属は、為替水準が円安に推移した影響に加えて、金及びパラジウムの販売量が前年度に比べて増加したことなどから、売上高及び営業利益は前年度を上回りました。
以上により、前年度に比べて事業全体の売上高及び営業利益は増加しました。経常利益は、受取配当金が前年度に比べて減少したことなどから、減少しました。
(環境・エネルギー事業)
(単位:億円) |
前期 | 当期 | 増減(増減率) | |||
売上高 | 178 | 173 | △5 | (△3.0%) | |
営業利益 | 22 | 26 | 3 | (17.2%) | |
経常利益 | 38 | 45 | 7 | (18.0%) |
エネルギー関連は、原子力関連の販売が増加したことなどにより、売上高及び営業利益は前年度を上回りました。
環境リサイクルは、有価物の売却単価が上昇したものの、家電リサイクル等の処理量の減少や販管費の増加等により、売上高は前年度を上回り、営業利益は前年度を下回りました。
以上に加えて、株式会社ダイヤコンサルタントが2021年7月に連結範囲から外れた影響等により、前年度に比べて事業全体の売上高は減少したものの、営業利益は増加しました。経常利益は、営業利益が増加したことに加えて、持分法による投資利益が増加したことから、増加しました。
(その他の事業)
(単位:億円) |
前期 | 当期 | 増減(増減率) | |||
売上高 | 4,595 | 1,642 | △2,953 | (△64.3%) | |
営業利益 | 105 | 73 | △32 | (△30.4%) | |
経常利益又は経常損失(△) | 66 | △176 | △243 | (-%) |
その他の事業は、セメント事業及びアルミ事業が連結範囲から外れた影響等により、売上高及び営業利益は前年度を下回りました。
以上により、前年度に比べてその他の事業全体の売上高及び営業利益は減少しました。経常利益は、営業利益が減少したことに加えて、UBE三菱セメント株式会社に関する持分法による投資損失を計上したことなどから、減少しました。
なお、UBE三菱セメント株式会社においては、エネルギーコスト増加の影響や国内の生産体制見直しに伴う特別損失の計上がありました。
当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
売上高(百万円) | 割合(%) | 売上高(百万円) | 割合(%) | |
住友商事株式会社 | - | - | 291,264 | 17.9 |
(注)前連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上に加え、棚卸資産の減少等により、451億円の収入(前期比382億円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資、投資有価証券の売却等により、439億円の支出(前期比407億円の支出増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入等により34億円の収入(前期は50億円の支出)となりました。
以上により、換算差額等による増減を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,410億円(前期末比125億円の減少)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
「(1) 経営成績」において、各事業のセグメント情報に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
① 経営成績
当連結会計年度における経営成績の概況については、「1.経営成績等の状況の概要」に記載しております。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産残高は、前期末比 2,332億円(11.0%)減少し、1兆8,917億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、有形固定資産が減少したことなどによるものであります。流動資産は、前期末比 1,228億円(9.9%)減少の 1兆1,160億円となりました。固定資産は、前期末比 1,103億円(12.5%)減少の 7,757億円となりました。
負債残高は、前期末比 2,063億円(14.0%)減少し、1兆2,629億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、借入金、支払手形及び買掛金、繰延税金負債が減少したことなどによるものであります。流動負債は、前期末比 1,083億円(11.7%)減少の 8,183億円となりました。固定負債は、前期末比 980億円(18.1%)減少の 4,445億円となりました。なお、借入金に社債、コマーシャル・ペーパーを加えた有利子負債残高については、前期末比 751億円(12.3%)減少の 5,335億円となりました。
純資産残高は、前期末比 268億円(4.1%)減少の 6,288億円となりました。これは、第1四半期連結会計期間にセメント事業及びその関連事業等を連結の範囲から除外した影響等により、非支配株主持分が減少したことなどによるものであります。
この結果、連結ベースの自己資本比率は、前期末の27.5%から31.4%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は 4,476.52円から 4,541.96円に増加しました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 事業戦略と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び流動性の管理方針
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、内部資金、銀行借入、社債発行等により資金調達を行っております。また、キャッシュマネジメントシステムの導入等によるグループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上に努めております。
当社グループの資金の状況については、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
(6) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
特に次の会計方針が連結財務諸表作成における見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
① 貸倒引当金、関係会社事業損失引当金の計上
当社グループの保有する債権または関係会社への投資に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積もり、引当金を計上しておりますが、将来、債務者や被出資者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループの保有する株式については、市場価格のない株式等以外のもの、市場価格のない株式等ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
③ のれんを含む固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。将来、経済環境の著しい悪化や市場価格の著しい下落等の発生如何によっては、減損損失を計上する可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。なお、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループが採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。