有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、先行きについては、中国などの海外景気の不確実性や、為替の変動影響に留意する必要があるなど、依然として見通せない状況で推移した。
このような状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前期に比べコークス販売価格が上昇したことなどにより、当期の連結売上高は、前期比211億3百万円増加の1,101億5千5百万円となった。
利益面では、コークス事業における増益の他、化工機事業における利益率改善などにより、連結営業利益は、前期比8億5千万円増加の34億9千6百万円、連結経常利益は、保険差益や為替差益の増加などにより、前期比19億8千4百万円増加の32億2千7百万円となった。
特別損益につきましては、投資有価証券売却益などによる特別利益39億7千万円に対し、固定資産除却損などにより、特別損失13億9千4百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比29億1千万円増加の48億1千8百万円となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
a.コークス事業
コークス事業については、当社グループの販売数量は、195万4千トンと前期比1千トンの微増となったが、販売価格は、コークス市況が堅調に推移したことなどにより上昇し、増収となった。
利益についても、コスト削減の取り組みによる成果などから、増益となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、730億8千1百万円(前期比198億8千6百万円増加)となり、連結営業利益は、13億6千9百万円(前期比6億5千3百万円増加)となった。
b.燃料販売事業
燃料販売事業については、当社グループの販売数量は、145万8千トンと前期比30万9千トンの減少となったが、中継炭事業などにより、増収となった。
この結果、燃料販売事業の連結売上高は、221億6千9百万円(前期比5億4千1百万円増加)となり、連結営業
利益は、15億1千9百万円(前期比1億8千8百万円減少)となった。
c.総合エンジニアリング事業
化工機事業については、受注増および利益率の改善により、増収および増益となった。
資源リサイクル事業については、廃棄物の有効利用と適正処理に引き続き傾注し、安定的な収益の確保を維持した。
産業機械事業については、引き続き真空機器などの販売に注力したものの、受注減などにより、減収となった。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、105億8千7百万円(前期比7億3千9百万円増加)となり、連結営業利益は、14億7千3百万円(前期比3億3千6百万円増加)となった。
d.その他
その他の事業については、前期第4四半期に子会社を売却した影響などにより、減収となったものの、当期においては、港湾運送事業を営む三池港物流株式会社における取扱数量の増加などにより、増益となった。
この結果、その他の事業の連結売上高は、43億1千6百万円(前期比6千4百万円減少)となり、連結営業利益
は、6億9百万円(前期比1億2千4百万円増加)となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、7億1千9百万円増加の50億5千7百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、101億9千1百万円(前年同期比46億9千5百万円増加)となった。
これは主に、減価償却費71億7千1百万円、税金等調整前当期純利益58億4百万円、仕入債務の増加額24憶9千8百万円などによる資金の増加に対し、投資有価証券売却損益35憶5千3百万円、売上債権の増加額27憶3千5百万円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、33億4千5百万円(前年同期比8億7千8百万円減少)となった。
これは主に、投資有価証券の売却による収入35億4千3百万円に対し、固定資産の取得による支出59億円によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、61億3百万円(前年同期比23億9千2百万円増加)となった。
これは主に、短期借入による収入891億3千1百万円に対し、短期借入金の返済による支出875億9千9百万円、長期借入金の返済による支出65億7千1百万円によるものである。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| コークス事業 | コークス | 70,857 | 138.5 |
| 燃料販売事業 | 石炭 | 998 | 100.7 |
| その他 | 13 | 113.2 | |
| 合計 | 71,868 | 137.4 | |
(注)1.金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 総合エンジニアリング事業 | 8,273 | 94.5 | 3,060 | 98.0 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去している。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| コークス事業 | 73,081 | 137.4 |
| 燃料販売事業 | 22,169 | 102.5 |
| 総合エンジニアリング事業 | 10,587 | 107.5 |
| その他 | 4,316 | 98.5 |
| 合計 | 110,155 | 123.7 |
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合(%) | 金額 (百万円) | 割合(%) | |
| 新日鐵住金株式会社 | 27,438 | 30.8 | 39,579 | 35.9 |
| Noble Resources International Pte Ltd | 7,988 | 9.0 | 11,795 | 10.7 |
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループが採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりである。
当社の連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因に基づき行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。
②経営成績および財政状態の分析
経営成績
当期におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、先行きについては、中国などの海
外景気の不確実性や、為替の変動影響に留意する必要があるなど、依然として見通せない状況で推移した。
このような状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前期に比べコークス販売価格
が上昇したことなどにより、当期の連結売上高は、前期比211億3百万円増加の1,101億5千5百万円となった。
利益面では、コークス事業における増益の他、化工機事業における利益率改善などにより、連結営業利益は、前期比8億5千万円増加の34億9千6百万円、連結経常利益は、保険差益や為替差益の増加などにより、前期比
19億8千4百万円増加の32億2千7百万円となった。
特別損益については、投資有価証券売却益などによる特別利益39億7千万円に対し、固定資産除却損などによ
り、特別損失13億9千4百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比29億1千万円増加の48億1千8百万円となった。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,157億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円減少となった。増
減の主なものは、受取手形及び売掛金の増加27億3千5百万円、現金及び預金の増加16億5千5百万円、投資有
価証券の減少15億5千7百万円、機械装置及び運搬具の減少12億2千5百万円、原材料及び貯蔵品の減少7億1
千5百万円、土地の減少7億9百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、693億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億8千7百万円減少となっ
た。増減の主なものは、短期借入金の増加90億7千3百万円、支払手形及び買掛金の増加24億9千9百万円、長
期借入金の減少138億8千9百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、26億3千2百万円増加の463億9千6百万円となっ
た。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、40.1%になった。
③経営成績等に重要な影響を与える要因について
「2.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの経営成績等は、市場環境、為替レートの変動、金利の変動、固定資産の価値の下落、法的規制、コークス事業への依存等の影響を受ける可能性がある。
④経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は、長らく低迷していた原料炭市況が急騰し、それに伴い中国コークス市況も回復しているが、足元の原料炭市況は安定せず、先行きは予断を許さない状況となっている。
このような経営環境のなかで、安定した収益基盤を確保するために、以下の具体的な諸施策を推進していく。
基幹事業であるコークス事業については、安全・安定操業を第一とし、①コークス工場の高稼働率を維持するため国内需要家向け販売減を輸出でカバーし、販売数量を確保、②脱硫設備や成型炭設備などこれまで投資してきた諸施策の効果の最大限発揮、③安価な低品位炭の使用拡大、設備投資圧縮や経費削減などコスト削減の徹底、等を推し進めていく。
また、非コークス事業については、多面的な利益構造への転換のため、①総合エンジニアリング事業の事業基盤の安定・拡大、②燃料販売事業の拡販・シェア拡大、③グループ各社の収益力の強化、等を推し進めていく。
⑤資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ7億1千9百万円増加の50億5千7百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、101億9千1百万円(前連結会計年度比46億9千5百万円増加)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、33億4千5百万円(前連結会計年度比8億7千8百万円減少)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、61億3百万円(前連結会計年度比23億9千2百万円増加)となった。
資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済、社債の償還および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。
財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金、借入金および社債の発行により賄っている。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は190億6百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金140億8千7百万円)、長期借入金の残高は160億2千5百万円である。また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行21行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は475億円であり、借入実行残高は49億1千8百万円である。
また、当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権およびたな卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務体質の健全化を目指している。
当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債÷営業キャッシュ・フロー)は3.4年であり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業キャッシュ・フロー÷利払い)は22.2である。
(注)有利子負債…借入金およびその他の有利子負債
営業キャッシュ・フロー…連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フロー
利払い…連結キャッシュ・フロー計算書における利息の支払額
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、主力であるコークス事業のより一層の競争力強化と、非コークス事業の事業基盤強化をはかり、多面的な利益構造へ転換することで、健全な財務体質を構築し、経営の安定化と企業価値の一層の向上を目指していく方針である。