有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復を続けてきたが、海外経済の不確実性も依然として存在するなかで、第4四半期には、世界的な新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響により、厳しい状況におかれることとなった。また、先行きについても、当面はこの状況が続くと見込まれており、内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。
このような厳しい経営状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前期に比べコークス製品市況の下落などにより、当期の連結売上高は、前期比138億3千7百万円減少の1,074億8百万円となった。
利益面では、コークス製品市況およびコークス用原料炭価格の下落による、割高な在庫使用影響や利幅の減少などがあり、連結営業利益は、前期比50億5千2百万円減少の16億7百万円、連結経常利益は、前期比49億3百万円減少の9億8千9百万円となった。
特別損益については、固定資産売却益などによる特別利益1億1千万円に対し、固定資産除却損などにより、特別損失8億8千7百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比31億6千8百万円減少の2千8百万円となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
a.コークス事業
コークス事業については、当社グループの販売数量は、191万7千トンと前期比3万トンの減少となり、販売
価格も、コークス製品市況の下落などにより減少し、減収となった。
利益についても、コークス製品市況およびコークス用原料炭価格の下落による影響などにより、減益となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、684億6千万円(前期比118億1千4百万円減少)となり、連結営業損
益は、8億1千1百万円の営業損失(前期は46億1千8百万円の営業利益)となった。
b.燃料販売事業
燃料販売事業については、当社グループの販売数量は、151万7千トンと前期比5万2千トンの増加となった
が、一般炭事業および石油コークス事業において、販売価格が減少したことなどにより、減収となった。
この結果、燃料販売事業の連結売上高は、230億9千万円(前期比30億1千8百万円減少)となり、連結営業利
益は、16億5千6百万円(前期比5千5百万円減少)となった。
c.総合エンジニアリング事業
化工機事業については、受注増および利益率の改善により、増収・増益となった。
資源リサイクル事業については、廃棄物の有効利用と適正処理に引き続き傾注し、安定的な収益を維持した。
産業機械事業については、機械工事などの受注増加などにより、増収となった。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、111億1千3百万円(前期比6億4千8百万円増加)と
なり、連結営業利益は、15億9千万円(前期比1億3千2百万円増加)となった。
d.その他
その他の事業については、不動産事業などにおいて、増収となった。
この結果、その他の事業の連結売上高は、47億4千4百万円(前期比3億4千6百万円増加)となり、連結営業
利益は、6億3千3百万円(前期比1億7千5百万円増加)となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、75億4千4百万円減少の38億6百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、64億6千万円(前年同期比38億1千8百万円減少)となった。
これは主に、たな卸資産の減少額58億9千9百万円、減価償却費58億9千5百万円、売上債権の減少額33億9百万円などによる資金の増加に対し、仕入債務の減少額66億9百万円、その他営業負債の減少額9億3千6百万円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、66億4千4百万円(前年同期比20億3千4百万円増加)となった。
これは主に、固定資産の取得による支出65億7百万円などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、73億4千1百万円(前年同期比79億6千8百万円増加)となった。
これは主に、短期借入れによる収入88億3千万円に対し、短期借入金の返済による支出82億円、長期借入金の返済による支出70億6千8百万円などによるものである。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| コークス事業 | コークス | 64,572 | 87.6 |
| 燃料販売事業 | 石炭 | 909 | 88.2 |
| その他 | 13 | 126.6 | |
| 合計 | 65,494 | 87.6 | |
(注)1.金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 総合エンジニアリング事業 | 8,545 | 93.8 | 3,547 | 90.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去している。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| コークス事業 | 68,460 | 85.3 |
| 燃料販売事業 | 23,090 | 88.4 |
| 総合エンジニアリング事業 | 11,113 | 106.2 |
| その他 | 4,744 | 107.9 |
| 合計 | 107,408 | 88.6 |
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合(%) | 金額 (百万円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄株式会社 | 45,071 | 37.2 | 30,533 | 28.4 |
| Noble Resources International Pte Ltd | 9,294 | 7.7 | 11,936 | 11.1 |
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営成績
当社グループの業績は、総合エンジニアリング事業において増収となったものの、主力のコークス事業において、国内鉄鋼向けの需要減少や、コークス製品市況の下落などにより、当期の連結売上高は、前期比138億3千7百万円減少の1,074億8百万円となった。
利益面では、総合エンジニアリング事業やその他事業で増益となったものの、コークス製品市況の下落による利幅の悪化や、たな卸資産の割高在庫影響および在庫評価損などにより、連結経常利益は、前期比49億3百万円減少の9億8千9百万円となった。
これより、特別損益・法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比31億6千8百万円減少の2千8百万円となった。
なお、当期においては、新型コロナウイルス感染症による影響はほとんどない。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,063億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ159億2千9百万円減少となった。増減の主なものは、現金及び預金の減少75億4千4百万円、受取手形及び売掛金の減少33億9百万円、商品及び製品の減少29億4千6百万円、原材料及び貯蔵品の減少27億9千9百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、591億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ148億9千9百万円減少となった。増減の主なものは、長期借入金の減少70億4千7百万円、支払手形及び買掛金の減少66億1千万円、未払法人税等の減少10億2千8百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、10億2千9百万円減少の471億8千8百万円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、44.4%となった。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ75億4千4百万円減少の38億6百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、64億6千万円(前連結会計年度比38億1千8百万円減少)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、66億4千4百万円(前連結会計年度比20億3千4百万円減少)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、73億4千1百万円(前連結会計年度比79億6千8百万円増加)となった。
資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済、社債の償還および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えており、現時点で、新型コロナウイルス感染症による影響はない。
財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金、借入金および社債の発行により賄っている。
当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は76億7千7百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金70億4千7百万円)、長期借入金の残高は229億9百万円である。
また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行16行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は377億5千万円である。
当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権およびたな卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務基盤の強化に取り組んでいる。
現時点において、新型コロナウイルス感染症の影響による、財務政策の変更はない。
当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債÷営業キャッシュ・フロー)は4.6年であり、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業キャッシュ・フロー÷利払い)は17.8である。
(注)有利子負債…借入金およびその他の有利子負債
営業キャッシュ・フロー…連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フロー
利払い…連結キャッシュ・フロー計算書における利息の支払額
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループが採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりである。
当社の連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り・判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因に基づき行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。
なお、繰延税金資産の算定にあたっては、将来の課税所得について、社内で承認された来期の予算数値をもとに見積りを行っているが、将来の課税所得については、実際の結果と異なる場合がある。
また、2020年度に新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものとして見通せる影響を、会計上の見積り及び仮定の設定において検討したが、現時点において、繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を与えるものではないと判断している。