有価証券報告書-第22期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等による緩やかな回復基調が続く一方で、欧米の金利水準や中国の不動産市況停滞による海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクがある中で推移した。
当社においては、設備更新工事を行った2Aコークス炉の円滑な操業開始と既存コークス炉の老朽化対策・復旧を主要課題と位置付け鋭意対応してきた。2Aコークス炉は2024年9月に予定通り完工し操業を開始したが、老朽2炉団は種々対策を試みるも顕著な成果には至らず、2024年12月に発生した火災事故の影響も大きく、コークス生産量は91万7千トン(当初計画比51万8千トンの減少)と大幅に落ち込んだ。これに伴うトン当たり製造原価の大幅な悪化に加え、年度初からの原料炭・コークス関連市況の継続的な下落もあり、当社グループ業績は大きく悪化する事態となった。
これらの結果、当期の連結売上高は、前期比361億7百万円減少の990億4千5百万円、連結営業損益は、85億6千2百万円の営業損失(前期は43億9千万円の営業利益)となったほか、連結経常損益は、102億6千9百万円の経常損失(前期は36億4千万円の経常利益)となった。
特別損益については、2024年12月24日に開示した当社北九州事業所の火災にかかる災害損失8億2千9百万円や固定資産除却損7億1千9百万円などにより、特別損失15億7千7百万円を計上。親会社株主に帰属する当期純損益は139億8百万円の純損失(前期は18億9千8百万円の純利益)となった。
今後については、引続き一定水準のコークス需要は見込まれる事から、安全・安定操業を前提として、新鋭コークス炉を中心に生産量の確保と収益の立て直しに努めていく。
セグメントの業績は次のとおりである。
a.コークス事業
コークス事業については、お客様からの引合いは相応に有りながらも、上述の生産面のトラブルから販売数量を絞らざるを得ず、当社グループの販売数量は、前期比29万7千トン減少の87万1千トンとなり、単価の下落も相まって減収となった。
利益については、販売価格の下落や減産による固定費負担増や修繕費や電力費等の加工費増の影響を受け、利幅が大幅に悪化した事を主因に大幅な赤字計上となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、前期比251億2千6百万円減少の587億1千4百万円となり、連結営業損益は、123億5千7百万円の営業損失(前期は1億1百万円の営業利益)となった。
b.燃料・資源リサイクル事業
燃料・資源リサイクル事業については、お客様の燃料転換トレンドが根強く継続した事を主因に、当社グループの販売数量は、86万6千トンと前期比24万6千トン減少となり、売上高は減収となった。
この結果、燃料・資源リサイクル事業の連結売上高は、前期比115億5千8百万円減少の272億4千万円となり、連結営業利益は、前期比9億5千万円減少の27億7千5百万円となった。
c.総合エンジニアリング事業
総合エンジニアリング事業については、化工機事業において、大口の機器納入案件があった事と利益率の改善などにより、増収増益となった。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、前期比4億6千5百万円増加の92億9千6百万円となり、連結営業利益は、前期比4億2千6百万円増加の20億7千2百万円となった。
d.その他
その他の事業については、増収増益となり、その他の事業の連結売上高は、前期比1億1千1百万円増加の37億9千3百万円となり、連結営業利益は、前期比2千8百万円増加の5億9千3百万円となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、10億5千5百万円減少の51億5百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、31億7千8百万円(前年同期比140億5百万円増加)となった。
これは主に、棚卸資産の減少額156億1百万円、減価償却費52億4千万円などによる資金の増加に対し、仕入債務の減少額131億4千万円、その他営業負債の減少額20億2千3百万円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、166億8千5百万円(前年同期比68億9百万円増加)となった。
これは主に、固定資産の取得による支出160億2千6百万円などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、188億1千3百万円(前年同期比192億2千7百万円増加)となった。
これは主に、短期借入れによる収入2,948億7千1百万円などに対し、短期借入金の返済による支出3,020億3千1百万円などによるものである。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| コークス事業 | コークス | 67,594 | 89.5 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 石炭 | 752 | 100.7 |
| 合計 | 68,346 | 89.6 | |
(注)金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 総合エンジニアリング事業 | 7,672 | 85.7 | 4,921 | 72.6 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去している。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| コークス事業 | 58,714 | 70.0 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 27,240 | 70.2 |
| 総合エンジニアリング事業 | 9,296 | 105.3 |
| その他 | 3,793 | 103.0 |
| 合計 | 99,045 | 73.3 |
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合(%) | 金額 (百万円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄株式会社 | 47,812 | 35.4 | 29,961 | 30.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営成績
当社グループの業績は、主力のコークス事業において、2Aコークス炉は2024年9月に予定通り完工し操業を開始したものの、既存2炉団の老朽化や2024年12月に発生した火災事故の影響により生産量が落ち込んだ。これに伴うトン当たり製造原価の大幅な悪化に加え、年度初からの原料炭・コークス関連市況の継続的な下落もあり、当社グループ業績は大きく悪化する事態となった。
これらの結果、当期の連結売上高は、前期比361億7百万円減少の990億4千5百万円、連結営業損益は、85億6千2百万円の営業損失(前期は43億9千万円の営業利益)となったほか、連結経常損益は、102億6千9百万円の経常損失(前期は36億4千万円の経常利益)となった。
特別損益については、2024年12月24日に開示した当社北九州事業所の火災にかかる災害損失8億2千9百万円や固定資産除却損7億1千9百万円などにより、特別損失15億7千7百万円を計上。親会社株主に帰属する当期純損益は139億8百万円の純損失(前期は18億9千8百万円の純利益)となった。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,306億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ100億8千2百万円減少となった。増減の主なものは、機械装置及び運搬具の増加166億5千6百万円、無形固定資産「その他」の増加2億8千3百万円、原材料及び貯蔵品の減少151億2千2百万円、建設仮勘定の減少68億7千2百万円、売掛金の減少20億2千2百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、890億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ46億7千2百万円増加となった。増減の主なものは、長期借入金の増加243億9千2百万円、支払手形及び買掛金の減少131億4千万円、短期借入金の減少45億7百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、147億5千5百万円減少の416億円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、31.8%になった。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ10億5千5百万円減少の51億5百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、31億7千8百万円(前年同期比140億5百万円増加)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、166億8千5百万円(前年同期比68億9百万円増加)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、188億1千3百万円(前年同期比192億2千7百万円増加)となった。
資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。
財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金および借入金により賄っている。
当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は329億2千9百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金70億3千8百万円)、長期借入金の残高は328億8千7百万円である。
また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行17行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は508億円である。
当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権および棚卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務基盤の強化に取り組んでいる。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。