有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 15:01
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当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。
経営陣は、貸倒債権、たな卸資産、投資、引当金、退職給付債務、繰延税金資産、資産除去債務、法人税等及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積りおよび判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2) 財政状態
当事業年度末における総資産は、前事業年度末の23,508百万円に比べて1,198百万円増加し、24,706百万円となり
ました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末の16,706百万円に比べて323百万円減少し、16,382百万円とな
りました。これは、現金及び預金が891百万円増加しましたが、完成工事未収入金が514百万円、受取手形が285百
万円、未成工事支出金が209百万円減少したことが、主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末の6,801百万円に比べて1,522百万円増加し、8,323百万円となりました。
当事業年度末における固定資産のうち有形固定資産は、前事業年度末の3,835百万円に比べて1,432百万円増加し、5,268百万円となりました。これは、事業場建設用地として新たに土地を取得したことにより929百万円増加したこと及び、新事業場の建設に伴い建設仮勘定を計上し、553百万円増加したことが、主な要因であります。
無形固定資産は、前事業年度末の57百万円に比べて11百万円減少し、46百万円となりました。これは、減価償却等によりリース資産が11百万円減少したことが、主な要因であります。
投資その他の資産は、前事業年度末の2,908百万円に比べて100百万円増加し、3,008百万円となりました。これは、所有する株式の時価評価及び投資有価証券の取得により投資有価証券が105百万円増加したことが、主な要因 であります。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末の9,828百万円に比べて515百万円増加し、10,344百万円となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末の8,276百万円に比べて249百万円減少し、8,026百万円となりました。これは、新事業場の土地取得、並びに事業場建設のために借入れた長期借入金(1年内返済予定)が138百万円増加しましたが、一方で工事未払金が326百万円減少したことが、主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末の1,552百万円に比べて765百万円増加し、2,317百万円となりました。これは、新事業場の土地取得、並びに事業場建設のために借入れた長期借入金が820百万円増加したことが、主な要因であります。

(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末の13,679百万円に比べて683百万円増加し、14,362百万円となりました。これは、配当金に係る利益剰余金が172百万円減少しましたが、当期純利益を896百万円計上したことなどが、主な要因であります。
(3) 経営成績
当事業年度におけるわが国の経済は、米国における不安定な政権運営や北朝鮮を巡る情勢の緊張の高まり、中国の景気減速懸念や国際金融市場の混乱による世界経済の減速懸念など、変動要因はあったものの、これまでのところ大きな影響を受けることなく、推移しております。国内においては、日銀による金融緩和策の継続や政府の積極的な経済財政政策を背景に、企業収益は好調を維持し、設備投資についても潤沢な手元資金のもと、人手不足を補うための効率化・省力化投資、収益改善を目的とした研究開発投資や設備の維持・更新投資などを中心に緩やかに増加いたしました。また、個人消費についても、雇用情勢の改善を反映した賃金所得の増加や、それに伴う消費者マインドの改善を背景に持ち直しの動きが見られるなど、全体としていざなぎ景気を上回る戦後第2位の景気拡大基調で推移いたしました。
このような状況のなか、不動産・建設業界におきましては、国土強靭化基本計画、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えたインフラ整備事業が継続したほか、首都圏の再開発・宿泊施設の建設も引き続き堅調に推移いたしました。一方で、新設住宅着工戸数については、相続税改正を背景に好調であった賃貸物件がサブリース契約の問題化や供給過剰感などを背景に減少に転じ始めたことに加え、住宅ローン減税や金利優遇政策の効果が一巡したことなどから前年度を27,741戸下回る946,396戸となり、3年ぶりの減少となりました。今後においてはさらに、需要に対する慢性的な技術者不足や建設資材の価格高騰に伴う建設コストの上昇要因も相まって、マンションを中心に供給制約に陥る可能性が懸念されております。
また、エネルギー業界におきましては、2016年の電力に続き、2017年4月より都市ガスの小売全面自由化も実施され、関連企業における資本・業務提携や提供する各社サービスの多様化による顧客争奪は激しさを増しております。また、既存のエリアを越えたエネルギー大手事業者間の提携も進むなど、エネルギー業界における新たな枠組みづくりが始まっており、エネルギー供給事業者は、各種業務改革に取り組む方針を強く打ち出すなど、今後においては、当社の事業環境にも大きな影響を及ぼすものと想定されます。
さて、当社のこの1年を振り返りますと、ガス工事事業においては、主要取引先であります東京ガス株式会社をはじめとした各ガス事業者からの設備投資計画による受注は堅調に推移いたしましたが、集合住宅、給湯・暖房工事は順調に受注を確保できたものの、多くの案件が来年度以降の完成となりました。また、建築・土木工事事業においても、東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事の受注は堅調に推移したものの、電設保守工事については引き続き厳しい受注環境で推移したほか、新築建物に関連した給排水衛生設備工事においては、施工状況を勘案した受注を計画しましたが、着工遅れや進捗遅れの現場が多く発生いたしました。
これらの結果、売上高は34,049百万円と前年同期と比べ344百万円(1.0%)の減収となりました。また、利益面につきましては、建築・土木工事事業における減収による利益の減少に加え、ガス導管工事において、原価率が上昇したことにより、営業利益は948百万円と前年同期と比べ332百万円(26.0%)の減益、売上高営業利益率は2.8%となり、経常利益は当事業年度の営業外収益が132百万円となり、営業外費用が23百万円であったため、1,057百万円と前年同期に比べ276百万円(20.7%)の減益、売上高経常利益率は3.1%となりました。
当期純利益につきましては、投資有価証券売却益288百万円を計上したものの、896百万円と前年同期に比べ207百万円(18.8%)の減益となりました。
当社は、企業の総合的な収益力を示す指標として、売上高経常利益率を重視し、売上高経常利益率3.0%の安定的な達成を目指しております。当事業年度におきましては、売上高経常利益率3.1%は確保できたものの、前年同期比減収減益という結果となりました。売上髙確保に向け、予想される事業環境の変化に対応すべく、ガス工事を収益の中心としたビジネスモデルから企業ビジョンである真の総合設備工事会社として安定した収益を生む新たなビジネスモデルの構築に取り組むとともに、現場作業効率の向上と一層のコストマインドの醸成に努めてまいります。

セグメント別の状況は次のとおりであります。
① ガス工事事業
ガス設備新設工事において大型物件の受注が増加したほか、集合住宅、給湯・暖房工事においても順調に受注を確保したものの、案件の多くが来年度以降の完成となりました。
一方で、ガス導管工事につきましては、主要取引先であります東京ガス株式会社や北海道ガス株式会社をはじめとした他エリアのガス事業者の設備投資計画による受注は堅調に推移いたしましたが、特に、東京ガス株式会社からの発注に対する施工管理体制の強化を図ったことにより、完成工事高は29,563百万円と前年同期と比べ119百万円(0.4%)の増収となりました。しかしながら、ガス導管工事において、繁華街での工事量増加による原価率の上昇や都心部以外のエリアにおいても難工事が増加し、計画以上の日数を要するなど原価率が上昇したことにより、経常利益1,111百万円と前年同期に比べ209百万円(15.8%)の減益となりました。
なお、手持工事高は12,787百万円と前年同期に比べ879百万円の増となりました。
東京ガス株式会社をはじめとした各ガス事業者の設備投資計画が引き続き堅調に推移することが見込まれるほか、住宅着工戸数については、貸家における相続税対策物件の押し上げが一巡し、今後は調整の動きが強まることなどにより昨年実績に比べ若干減少することが予想されるものの、リフォーム・リノベーション市場は堅調に推移すると見込まれており、ガス導管工事、ガス設備新設工事ともに受注環境は堅調に推移するものと想定しております。一方で、エネルギー業界においては、ガス・電力小売全面自由化によるエネルギー大競争時代を迎え、関連企業における資本・業務提携や提供する各社サービスの多様化による顧客争奪がより一層激しさを増すことが予想され、エネルギー供給事業者は、各種業務改革に取り組む方針を強く打ち出しており、当社の事業環境にも大きな影響を与えるものと想定されますが、原価管理の強化による利益確保に努めるとともに、工事量の確保および品質向上に努めてまいります。
② 建築・土木工事事業
東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事の受注は堅調に推移いたしましたが、電設保守工事については引き続き厳しい受注環境で推移いたしました。また、新築建物に関連した給排水衛生設備工事においては、施工能力を勘案し、過剰受注とならないよう工事の進捗状況に応じた選別受注を行いましたが、現場における着工の遅れや計画どおりの進捗とならない案件が多く発生いたしました。既築マンションをターゲットとしたリノベーション工事(排水管ライニング工事を含めた改修工事)においては、前年度からの繰越案件が少なかったことに加え、競合が激しくなったことの影響を受け、工事量が減少いたしました。さらに、工場施設関連の営繕工事においては、各顧客工場における大規模計画工事が減少したほか、イリゲーション工事においては、全般的に中・大型案件の受注が減少いたしました。
この結果、完成工事高は3,864百万円と前年同期に比べ580百万円(13.1%)の減収、経常損失13百万円(前年同期は101百万円の経常利益)となりました。
なお、手持工事高は2,161百万円と前年同期に比べ87百万円の減となりました。
給排水衛生設備工事分野においては、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた首都圏の再開発や宿泊施設の建設、国土強靭化基本計画によるインフラ整備事業に伴う需要も堅調に推移するものと予想しており、採算性、施工力・施工管理力を十分に検討したうえでの選別受注を実施してまいります。
電設・土木関連工事においては、ケーブル保守に伴う工事は発注者側の徹底したコスト管理施策により引き続き厳しい受注環境となることが予想されており、また、イリゲーション工事においても大規模工事が減少傾向にあることに加え、工事価格査定が厳格化され受注環境は一層厳しくなることが想定されますが、収益性を確保するために無駄の無い工事計画と施工品質の向上に努めてまいります。一方で、東京電力パワーグリッド株式会社の設備投資計画に伴う管路埋設工事の受注は堅調に推移することが見込まれており、適切な要員配置による高品質な工事管理に努めるとともに、顧客満足の向上に努めてまいります。
③ その他事業
機器販売部門においては、増員を図り、リフォーム工事専従担当者の配置による効率的なリフォーム対応および一般ガス機器販売における担当エリア需要家との接点機会の継続的な増強を図ったことにより、耐震リフォーム工事の受注を確保できたほか、一般ガス機器販売も増加いたしました。この結果、売上高は545百万円と前年同期に比べ116百万円(27.3%)の増収、経常損失56百万円(前年同期は62百万円の経常損失)となりました。
なお、手持工事高は8百万円と前年同期に比べ12百万円の減となりました。
個人消費において、物価上昇圧力や将来負担増への不安などによる買い控えが懸念されるものの、良好な雇用環境のもと実質所得も持ち直しが続くなかで、底堅さを維持するものと予想されております。そのような状況のなか、ガスの領域を超えたくらし商材全般のカバーが求められますが、新たなターゲットを獲得するための提案力強化とCS向上に向けた取り組みを継続的に実施し、顧客基盤の充実・拡大に取り組んでまいります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
建設業を営んでいる当社は、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
受注高、売上高、繰越高及び施工高
種類別前期繰越高
(千円)
当期受注高
(千円)

(千円)
当期売上高
(千円)
次期繰越高当期施工高
(千円)
手持高
(千円)
うち施工高
割合(%)金額
(千円)
第69期
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
ガス工事事業10,308,98431,117,99941,426,98429,519,72211,907,26115.91,898,85130,082,155
建築・土木工事事業2,558,4784,135,2476,693,7264,445,5752,248,15114.6329,2144,452,438
12,867,46335,253,24648,120,71033,965,29814,155,41215.72,228,06634,534,593
その他事業10,608438,969449,577428,25721,3200.00428,246
合計12,878,07235,692,21648,570,28834,393,55514,176,73215.72,228,06634,962,839
第70期
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
ガス工事事業11,907,26130,518,87042,426,13229,638,92712,787,20414.41,838,29729,578,373
建築・土木工事事業2,248,1513,777,8836,026,0343,864,9672,161,0667.3158,0733,693,826
14,155,41234,296,75448,452,16633,503,89514,948,27113.41,996,37133,272,200
その他事業21,320532,657553,977545,2318,7460.653545,285
合計14,176,73234,829,41149,006,14434,049,12614,957,01713.31,996,42533,817,485

(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期売上高にも当該増減額が含まれています。
2 次期繰越高の施工高は手持工事高における支出金により推定したものです。
3 金額には、消費税等は含まれていません。
4 セグメント間取引については、相殺消去しております。
5 ガス工事事業の売上は、工材販売手数料等前期76,187千円、当期75,778千円含んでおります。
6 主な相手先別の売上実績及び割合
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
東京ガス株式会社20,995,03761.021,410,63362.88

7 上記のほか売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

(5)キャッシュ・フローの状況
(現金及び現金同等物)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,523百万円と前年同期と比べ891百万円(13.4%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の営業活動による資金は1,560百万円の収入(前年同期は418百万円の収入)となりました。主なプラス要因は税引前当期純利益1,345百万円であったことに加え、減価償却費185百万円、売上債権の減少801百万円、未成工事支出金の減少209百万円などであり、主なマイナス要因は仕入債務の減少384百万円、法人税等の支払額548百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の投資活動による資金は1,427百万円の支出(前年同期は168百万円の支出)となりました。主なマイナス要因は、有形固定資産の取得による支出1,562百万円、投資有価証券の取得による支出307百万円などであり、主なプラス要因は投資有価証券の売却による収入430百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末の財務活動による資金は758百万円の収入(前年同期は433百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、長期借入による収入1,200百万円などであり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出241百万円、配当金の支払額171百万円などであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
資本の財源については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としており、健全な財務基盤、営業活動で生み出されるキャッシュ・フローにより、通常に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
資金の流動性については、活動に伴う資金の需要に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしております。
また、突発的な資金需要に対しては、主要取引銀行と締結しているコミットメントライン契約を活用することで手許流動性を確保しております。なお、当事業年度末の借入実行残高はありません。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
第66期第67期第68期第69期第70期
自己資本比率(%)--57.158.258.1
時価ベースの自己資本比率(%)--26.535.649.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)--0.20.40.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)--505.2375.1331.8

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 第68期より非連結決算に移行したため、それ以前については記載しておりません。

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