有価証券報告書-第69期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前期同様新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況で推移した。また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化により、世界経済は、原油・天然ガス等資源エネルギー価格の高騰で混迷を続けており、先行きの読めない非常に厳しい状況が続いている。
この間、国内建設業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響から民間設備投資の一部に規模縮小や発注遅れがあったものの、国土強靭化関連等の公共工事は比較的堅調に推移した。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、300億91百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億66百万円の減少となった。
当連結会計年度末の負債の残高は、89億81百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億61百万円の増加となった。
当連結会計年度末の純資産の残高は、211億9百万円となり、前期連結会計年度末に比べ15億28百万円の減少となった。
b.経営成績
当連結会計年度の業績については、受注高は、国内では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、民間設備投資の一部で規模縮小や発注遅れが見られたが、国土強靭化関連工事や公共に寄与する事業が堅調に推移したことから、全体として期初計画を上回ることとなった。その主な内容は、「法面保護工事」が30億66百万円(前期比27.1%減)、「アンカー工事」が32億59百万円(前期比5.3%増)、「重機工事」が52億35百万円(前期比11.3%増)、「注入工事」が56億24百万円(前期比11.0%増)で、国内・海外の受注高合計は前期比83百万円(0.4%)増の226億54百万円となった。
完成工事高については、国内では、一部民間工事の受注減の影響があったものの、都市部での再開発工事、国土強靭化関連の防災減災工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事などが堅調に進捗したため、期初計画通りの結果となった。一方、米国現地法人では、カーボンニュートラル政策の影響等により、LNG基地地盤改良工事の施工が先送りとなった。また、生態系環境問題(保護植物)により、工事着工が大幅に遅延した案件もあり、計画を大幅に下回る結果となった。その結果、完成工事高は、全体で前期比7億43百万円(3.3%)減の221億11百万円となった。その主な内容は、「法面保護工事」が34億24百万円(前期比13.9%減)、「アンカー工事」が29億68百万円(前期比37.2%増)、「重機工事」が51億74百万円(前期比29.1%減)、「注入工事」が43億26百万円(前期比11.6%増)となった。
利益面では、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内においては計画を上回ることができた。しかしながら、米国現地法人においては、売上高の大幅減少を見越して経費の削減に努めたが、大幅な赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億51百万円の利益となり(前年同期は5億68百万円の営業利益)、経常損益については9億63百万円の利益となった(前年同期は7億44百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、4億98百万円の純利益となった(前年同期は2億13百万円の純利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億64百万円の増加となり、59億47百万円となった。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億87百万円の収入(前連結会計年度は13億65百万円の収入)となった。
これは、未成工事受入金の減少額4億93百万円(前連結会計年度は5億29百万円の支出)、仕入債務の減少額1億72百万円(前連結会計年度は1億95百万円の支出)、法人税等の支払額4億55百万円(前連結会計年度は3億31百万円の支出)、受取利息及び受取配当金1億79百万円(前連結会計年度は1億75百万円)等により資金が減少する一方で、税金等調整前当期純利益10億44百万円(前連結会計年度は7億3百万円)をはじめ減価償却費10億1百万円(前連結会計年度は9億21百万円)、未成工事支出金の減少額10億22百万円(前連結会計年度は8億19百万円の収入)等により資金を獲得したことが主な要因である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億25百万円の支出(前連結会計年度は7億83百万円の支出)となった。
これは、主として有形固定資産の取得による9億94百万円の支出(前連結会計年度は11億28百万円の支出)、無形固定資産の取得による1億89百万円の支出(前連結会計年度は31百万円の支出)と、有価証券及び投資有価証券の取得による1億69百万円の支出(前連結会計年度は2億68百万円の支出)、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入7億36百万円(前連結会計年度は2億14百万円の収入)、利息及び配当金の受取額1億81百万円(前連結会計年度は1億77百万円の収入)等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、48百万円の収入(前連結会計年度は3億50百万円の支出)となった。
主な収入は、短期借入金の増加額15億円(前連結会計年度は10億円の収入)と自己株式取得のための預託金の減少額2億65百万円(前連結会計年度は1億96百万円の収入)であり、主な支出は、自己株式の取得による支出14億3百万円(前連結会計年度は12億4百万円の支出)、配当金の支払額2億36百万円(前連結会計年度は2億64百万円の支出)及びリース債務の返済による支出71百万円(前連結会計年度は75百万円の支出)等があったためである。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
b.売上実績
(注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
2.受注実績、売上実績とも「建設コンサル・地質調査等」には、前連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
前事業年度(自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日)
当事業年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)
(注)1.賃貸収入等工事以外の売上は、「建設コンサル・地質調査」に含めている。
2.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号令和2年3月31日)等を当期の期首から適用しており、上記の数値等については、当該会計基準等を適用した後の数値等となっている。
4.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
5.「その他土木工事」は、一般土木工事、土留工事、推進工事、建築および造成地の基礎杭工事、地すべり防止工事、災害復旧工事等である。
6.「注入工事」は、地盤補強・止水のための都市部における薬液注入工事、老朽ため池の止水注入工事、トンネル裏込注入工事、管路・水路の充填・閉塞のグラウト工事等である。
7.「建設コンサル・地質調査」の[当期受注工事高][計][当期完成工事高]のそれぞれの欄には前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(3)完成工事高
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.区分の建設コンサル・地質調査欄の民間には、前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち請負金額3億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
(4)次期繰越工事高(令和4年3月31日現在)
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.次期繰越工事のうち請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施している。詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりである。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、300億91百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億66百万円の減少となった。その主な要因として、流動資産では、現金預金および完成工事未収入金は増加したが、未成工事支出金および受取手形が減少したこと等により、3億18百万円減少したことによるものである。固定資産では、投資有価証券が減少したこと等により4億48百万円減少したことによるものである。
負債の残高は、89億81百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億61百万円の増加となった。その主な要因として、短期借入金が増加したこと等によるものである。
純資産の残高は、211億9百万円となり、前期連結会計年度末に比べ15億28百万円の減少となった。その主な要因として、自己株式が増加(純資産は減少)したこと等によるものである。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、70.2%となり3.2ポイントの低下となった。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高は、国内では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、民間設備投資の一部で規模縮小や発注遅れが見られたが、国土強靭化関連工事や公共に寄与する事業が堅調に推移したことから、全体として期初計画を上回る結果となった。その結果、国内・海外の受注高合計は226億54百万円(前年同期比0.4%増)となった。
売上高は、国内においては、一部民間工事の受注減の影響があったものの、都市部での再開発工事、国土強靭化関連の防災減災工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事などが堅調に進捗したため、期初計画通りの結果となった。一方、米国現地法人では、カーボンニュートラル政策の影響等により、LNG基地地盤改良工事の施工が先送りとなった。また、生態系環境問題(保護植物)により、工事着工が大幅に遅延した案件もあったことから期初計画を大幅に下回る結果となった。その結果、全体で221億11百万円(前年同期比3.3%減)となった。
また、利益面では、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内においては計画を上回ることができた。しかしながら、米国現地法人においては、売上高の大幅減少を見越して経費の削減に努めたが、大幅な赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億51百万円の利益となり(前年同期は5億68百万円の営業利益)、経常損益については9億63百万円の利益となった(前年同期は7億44百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、4億98百万円の純利益となった(前年同期は2億13百万円の純利益)。
なお、受注高、売上高の内訳は、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③生産・受注及び販売の実績」に記載のとおりである。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けている。
当社が策定した中期経営計画(2020年度~2022年度)に従い、米国現地法人JAFEC USA,Inc.を含めたグループ全体としての数値目標の達成に向け、重点施策に従って、全社を挙げて取り組んでいく所存である。
c.資本の財源及び資金の流動性
資本の政策については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は59億円を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えている。運転資金及び設備資金については、自己資金または借入により資金調達することとしている。
令和4年3月現在、短期借入金の残高は25億円である。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結している。(借入実行残高25億円、借入金未実行残高15億円)なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はない。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前期同様新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況で推移した。また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化により、世界経済は、原油・天然ガス等資源エネルギー価格の高騰で混迷を続けており、先行きの読めない非常に厳しい状況が続いている。
この間、国内建設業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響から民間設備投資の一部に規模縮小や発注遅れがあったものの、国土強靭化関連等の公共工事は比較的堅調に推移した。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、300億91百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億66百万円の減少となった。
当連結会計年度末の負債の残高は、89億81百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億61百万円の増加となった。
当連結会計年度末の純資産の残高は、211億9百万円となり、前期連結会計年度末に比べ15億28百万円の減少となった。
b.経営成績
当連結会計年度の業績については、受注高は、国内では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、民間設備投資の一部で規模縮小や発注遅れが見られたが、国土強靭化関連工事や公共に寄与する事業が堅調に推移したことから、全体として期初計画を上回ることとなった。その主な内容は、「法面保護工事」が30億66百万円(前期比27.1%減)、「アンカー工事」が32億59百万円(前期比5.3%増)、「重機工事」が52億35百万円(前期比11.3%増)、「注入工事」が56億24百万円(前期比11.0%増)で、国内・海外の受注高合計は前期比83百万円(0.4%)増の226億54百万円となった。
完成工事高については、国内では、一部民間工事の受注減の影響があったものの、都市部での再開発工事、国土強靭化関連の防災減災工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事などが堅調に進捗したため、期初計画通りの結果となった。一方、米国現地法人では、カーボンニュートラル政策の影響等により、LNG基地地盤改良工事の施工が先送りとなった。また、生態系環境問題(保護植物)により、工事着工が大幅に遅延した案件もあり、計画を大幅に下回る結果となった。その結果、完成工事高は、全体で前期比7億43百万円(3.3%)減の221億11百万円となった。その主な内容は、「法面保護工事」が34億24百万円(前期比13.9%減)、「アンカー工事」が29億68百万円(前期比37.2%増)、「重機工事」が51億74百万円(前期比29.1%減)、「注入工事」が43億26百万円(前期比11.6%増)となった。
利益面では、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内においては計画を上回ることができた。しかしながら、米国現地法人においては、売上高の大幅減少を見越して経費の削減に努めたが、大幅な赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億51百万円の利益となり(前年同期は5億68百万円の営業利益)、経常損益については9億63百万円の利益となった(前年同期は7億44百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、4億98百万円の純利益となった(前年同期は2億13百万円の純利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億64百万円の増加となり、59億47百万円となった。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億87百万円の収入(前連結会計年度は13億65百万円の収入)となった。
これは、未成工事受入金の減少額4億93百万円(前連結会計年度は5億29百万円の支出)、仕入債務の減少額1億72百万円(前連結会計年度は1億95百万円の支出)、法人税等の支払額4億55百万円(前連結会計年度は3億31百万円の支出)、受取利息及び受取配当金1億79百万円(前連結会計年度は1億75百万円)等により資金が減少する一方で、税金等調整前当期純利益10億44百万円(前連結会計年度は7億3百万円)をはじめ減価償却費10億1百万円(前連結会計年度は9億21百万円)、未成工事支出金の減少額10億22百万円(前連結会計年度は8億19百万円の収入)等により資金を獲得したことが主な要因である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億25百万円の支出(前連結会計年度は7億83百万円の支出)となった。
これは、主として有形固定資産の取得による9億94百万円の支出(前連結会計年度は11億28百万円の支出)、無形固定資産の取得による1億89百万円の支出(前連結会計年度は31百万円の支出)と、有価証券及び投資有価証券の取得による1億69百万円の支出(前連結会計年度は2億68百万円の支出)、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入7億36百万円(前連結会計年度は2億14百万円の収入)、利息及び配当金の受取額1億81百万円(前連結会計年度は1億77百万円の収入)等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、48百万円の収入(前連結会計年度は3億50百万円の支出)となった。
主な収入は、短期借入金の増加額15億円(前連結会計年度は10億円の収入)と自己株式取得のための預託金の減少額2億65百万円(前連結会計年度は1億96百万円の収入)であり、主な支出は、自己株式の取得による支出14億3百万円(前連結会計年度は12億4百万円の支出)、配当金の支払額2億36百万円(前連結会計年度は2億64百万円の支出)及びリース債務の返済による支出71百万円(前連結会計年度は75百万円の支出)等があったためである。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
区 分 | 前連結会計年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) (百万円) | |
建設工事 | 21,485 | 21,296 | ( 0.9%減) |
建設コンサル・地質調査等 | 1,085 | 1,358 | (25.2%増) |
合 計 | 22,571 | 22,654 | ( 0.4%増) |
b.売上実績
区 分 | 前連結会計年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) (百万円) | |
建設工事 | 21,865 | 20,957 | ( 4.2%減) |
建設コンサル・地質調査等 | 989 | 1,153 | (16.6%増) |
合 計 | 22,854 | 22,111 | ( 3.3%減) |
(注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
2.受注実績、売上実績とも「建設コンサル・地質調査等」には、前連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
前事業年度(自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日)
工種別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
法面保護工事 | 2,848 | 4,204 | 7,053 | 3,978 | 3,074 |
ダム基礎工事 | 1,384 | 756 | 2,141 | 1,119 | 1,021 |
アンカー工事 | 1,758 | 3,094 | 4,852 | 2,163 | 2,688 |
重機工事 | 1,800 | 3,711 | 5,512 | 4,165 | 1,346 |
注入工事 | 1,772 | 5,068 | 6,841 | 3,875 | 2,966 |
維持修繕工事 | 24 | 319 | 344 | 288 | 56 |
環境保全工事 | 448 | 367 | 815 | 599 | 215 |
その他土木工事 | 630 | 2,969 | 3,599 | 2,543 | 1,055 |
建設コンサル・地質調査 | 662 | 1,085 | 1,747 | 989 | 758 |
計 | 11,330 | 21,576 | 32,907 | 19,723 | 13,183 |
当事業年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)
工種別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
法面保護工事 | 3,070 | 3,066 | 6,137 | 3,424 | 2,712 |
ダム基礎工事 | 1,021 | 793 | 1,815 | 1,373 | 441 |
アンカー工事 | 2,688 | 3,259 | 5,948 | 2,968 | 2,979 |
重機工事 | 1,183 | 3,907 | 5,090 | 3,585 | 1,505 |
注入工事 | 2,866 | 5,624 | 8,491 | 4,326 | 4,165 |
維持修繕工事 | 56 | 620 | 676 | 645 | 31 |
環境保全工事 | 214 | 387 | 602 | 449 | 152 |
その他土木工事 | 1,055 | 2,309 | 3,364 | 2,594 | 770 |
建設コンサル・地質調査 | 725 | 1,358 | 2,084 | 1,153 | 931 |
計 | 12,883 | 21,327 | 34,210 | 20,521 | 13,689 |
(注)1.賃貸収入等工事以外の売上は、「建設コンサル・地質調査」に含めている。
2.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号令和2年3月31日)等を当期の期首から適用しており、上記の数値等については、当該会計基準等を適用した後の数値等となっている。
4.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
5.「その他土木工事」は、一般土木工事、土留工事、推進工事、建築および造成地の基礎杭工事、地すべり防止工事、災害復旧工事等である。
6.「注入工事」は、地盤補強・止水のための都市部における薬液注入工事、老朽ため池の止水注入工事、トンネル裏込注入工事、管路・水路の充填・閉塞のグラウト工事等である。
7.「建設コンサル・地質調査」の[当期受注工事高][計][当期完成工事高]のそれぞれの欄には前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) | |
前事業年度 | (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) | 93.5 | 6.5 | 100 |
当事業年度 | (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) | 94.5 | 5.5 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比である。
(3)完成工事高
期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
前事業年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) | 法面保護工事 | 3,025 | 952 | 3,978 |
ダム基礎工事 | 1,119 | - | 1,119 | |
アンカー工事 | 1,625 | 538 | 2,163 | |
重機工事 | 1,602 | 2,563 | 4,165 | |
注入工事 | 2,012 | 1,863 | 3,875 | |
維持修繕工事 | 244 | 43 | 288 | |
環境保全工事 | 404 | 195 | 599 | |
その他土木工事 | 2,254 | 289 | 2,543 | |
建設コンサル・地質調査 | 753 | 235 | 989 | |
計 | 13,041 | 6,682 | 19,723 | |
当事業年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) | 法面保護工事 | 2,628 | 796 | 3,424 |
ダム基礎工事 | 1,373 | - | 1,373 | |
アンカー工事 | 2,311 | 657 | 2,968 | |
重機工事 | 1,432 | 2,152 | 3,585 | |
注入工事 | 1,913 | 2,412 | 4,326 | |
維持修繕工事 | 561 | 83 | 645 | |
環境保全工事 | 172 | 277 | 449 | |
その他土木工事 | 2,094 | 500 | 2,594 | |
建設コンサル・地質調査 | 959 | 194 | 1,153 | |
計 | 13,447 | 7,073 | 20,521 |
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.区分の建設コンサル・地質調査欄の民間には、前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち請負金額3億円以上の主なもの
西松建設(株) | :東京外かく環状道路中央ジャンクション南工事 |
大林組・ジェイアール東海建設・ 前田建設工業JV | :中央新幹線名古屋駅新設(中央西工区) |
清水建設(株)・(株)鴻池組・(株)平野組特定共同企業体 | :簗川ダム その他土木関連工事 |
当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
奥村・日本国土・札建・山田北海道新幹線、羊蹄トンネル(比羅夫)他特定JV | :北海道新幹線、羊蹄トンネル(比羅夫)他 |
(株)大林組 | :京都競馬場改修工事(スタンド工区)に伴うメインスタンド底盤部薬液注入工 |
清水建設(株) 飛島建設・太名嘉組・丸尾建設特定建設工事共同企業体 | :官)(土)足羽川ダム原石山掘削 法面吹付・防護 :平成30年度赤嶺トンネル(北側)工事の内、地盤改良工事 |
4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
(4)次期繰越工事高(令和4年3月31日現在)
区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
法面保護工事 | 2,291 | 421 | 2,712 |
ダム基礎工事 | 441 | - | 441 |
アンカー工事 | 2,361 | 617 | 2,979 |
重機工事 | 592 | 913 | 1,505 |
注入工事 | 913 | 3,252 | 4,165 |
維持修繕工事 | 25 | 6 | 31 |
環境保全工事 | 48 | 104 | 152 |
その他土木工事 | 657 | 112 | 770 |
建設コンサル・地質調査 | 839 | 91 | 931 |
計 | 8,170 | 5,518 | 13,689 |
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.次期繰越工事のうち請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりである。
大林組・鉄建建設共同企業体 | :品川駅北部駅改良・駅ビル整備他 | 令和6年12月完成予定 |
(株)安藤・間 | :高原トンネル上部斜面対策工事に伴う抑止アンカー工 | 令和5年2月完成予定 |
清水・岩田地崎特定建設工事共同企業体 | :新東名高速道路川西工事 法面工 | 令和5年4月完成予定 |
清水建設・株木建設共同企業体 | :東海第二発電所 緊急時対策所液状化対策工事(超多点注入工法) | 令和5年3月完成予定 |
安藤ハザマ・五洋・若築特定建設工事共同企業体 | :東海第二防潮堤(海水ポンプエリア区間)設置 | 令和4年4月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施している。詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりである。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、300億91百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億66百万円の減少となった。その主な要因として、流動資産では、現金預金および完成工事未収入金は増加したが、未成工事支出金および受取手形が減少したこと等により、3億18百万円減少したことによるものである。固定資産では、投資有価証券が減少したこと等により4億48百万円減少したことによるものである。
負債の残高は、89億81百万円となり、前期連結会計年度末に比べ7億61百万円の増加となった。その主な要因として、短期借入金が増加したこと等によるものである。
純資産の残高は、211億9百万円となり、前期連結会計年度末に比べ15億28百万円の減少となった。その主な要因として、自己株式が増加(純資産は減少)したこと等によるものである。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、70.2%となり3.2ポイントの低下となった。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高は、国内では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、民間設備投資の一部で規模縮小や発注遅れが見られたが、国土強靭化関連工事や公共に寄与する事業が堅調に推移したことから、全体として期初計画を上回る結果となった。その結果、国内・海外の受注高合計は226億54百万円(前年同期比0.4%増)となった。
売上高は、国内においては、一部民間工事の受注減の影響があったものの、都市部での再開発工事、国土強靭化関連の防災減災工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事などが堅調に進捗したため、期初計画通りの結果となった。一方、米国現地法人では、カーボンニュートラル政策の影響等により、LNG基地地盤改良工事の施工が先送りとなった。また、生態系環境問題(保護植物)により、工事着工が大幅に遅延した案件もあったことから期初計画を大幅に下回る結果となった。その結果、全体で221億11百万円(前年同期比3.3%減)となった。
また、利益面では、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内においては計画を上回ることができた。しかしながら、米国現地法人においては、売上高の大幅減少を見越して経費の削減に努めたが、大幅な赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億51百万円の利益となり(前年同期は5億68百万円の営業利益)、経常損益については9億63百万円の利益となった(前年同期は7億44百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、4億98百万円の純利益となった(前年同期は2億13百万円の純利益)。
なお、受注高、売上高の内訳は、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③生産・受注及び販売の実績」に記載のとおりである。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けている。
当社が策定した中期経営計画(2020年度~2022年度)に従い、米国現地法人JAFEC USA,Inc.を含めたグループ全体としての数値目標の達成に向け、重点施策に従って、全社を挙げて取り組んでいく所存である。
c.資本の財源及び資金の流動性
資本の政策については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は59億円を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えている。運転資金及び設備資金については、自己資金または借入により資金調達することとしている。
令和4年3月現在、短期借入金の残高は25億円である。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結している。(借入実行残高25億円、借入金未実行残高15億円)なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はない。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。