有価証券報告書-第70期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進み、緩やかに持ち直しが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化により、資源価格やエネルギー価格の高騰が続き、世界経済は先行きの読めない厳しい状況が続いている。
この間、国内建設業界においては、国土強靭化関連等の公共工事は比較的堅調に推移したものの、民間建築分野では資材価格高騰による採算悪化の傾向が続き、厳しい状況が続いている。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、302億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億44百万円の増加となった。
当連結会計年度末の負債の残高は、96億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億27百万円の増加となった。
当連結会計年度末の純資産の残高は、206億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円の減少となった。
b.経営成績
当連結会計年度の業績については、受注高は、国内では、都市部を中心に予定数量の大幅見直しや来期以降への発注遅延等の影響により、計画を大きく下回る結果となった。また、米国現地法人でも、大型案件の工事着工が来期以降に大幅に延期されたことから、国内・海外の受注高合計は、前年同期比15億78百万円(7.0%)減の210億76百万円となった。その主な内容は、「法面保護工事」が27億61百万円(前年同期比9.9%減)、「アンカー工事」が25億32百万円(前年同期比22.3%減)、「重機工事」が74億37百万円(前年同期比42.1%増)、「注入工事」が39億49百万円(前年同期比29.8%減)である。
売上高については、国内では、都市部での再開発工事、国土強靭化関連工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事等が堅調に進捗したため、期初計画を達成した。一方、米国現地法人では、大型案件の発注遅延に伴い、施工が先送りとなり計画を下回る結果となった。
売上高は、全体で前年同期比17億97百万円(8.1%)増の239億8百万円となり、海外の減少を国内でカバーする結果となっている。その主な内容は、「法面保護工事」が33億56百万円(前年同期比2.0%減)、「アンカー工事」が33億54百万円(前年同期比13.0%増)、「重機工事」が70億2百万円(前年同期比35.3%増)、「注入工事」が51億90百万円(前年同期比20.0%増)となっている。
利益面では、一部の大型工事での進捗遅れによる不採算工事の発生、ならびに労働日数縮減のなかでの工期遵守厳命による就労人員の増により、労務費が増加したことから工事利益率は低下したが、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や鉄道・高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内では期初計画を上回った。一方、米国現地法人では、売上高の減少により、工事利益が大幅に低下し、赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億78百万円の利益となり(前年同期は7億51百万円の営業利益)、経常損益については10億8百万円の利益となった(前年同期は9億63百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、5億26百万円の純利益となった(前年同期は4億98百万円の純利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億95百万円の減少となり、57億52百万円となった。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億69百万円の収入(前連結会計年度は11億87百万円の収入)となった。
これは、売上債権の増加額3億93百万円(前連結会計年度は55百万円の支出)、法人税等の支払額4億87百万円(前連結会計年度は4億55百万円の支出)、賞与引当金の減少額1億37百万円(前連結会計年度は34百万円の収入)、受取利息及び受取配当金1億73百万円(前連結会計年度は1億79百万円)等により資金が減少する一方で、税金等調整前当期純利益10億11百万円(前連結会計年度は10億44百万円)をはじめ減価償却費9億96百万円(前連結会計年度は10億1百万円)、仕入債務の増加額5億44百万円(前連結会計年度は1億72百万円の支出)等により資金を獲得したことが主な要因である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9億45百万円の支出(前連結会計年度は3億25百万円の支出)となった。
これは、主として有形固定資産の取得による9億48百万円の支出(前連結会計年度は9億94百万円の支出)、無形固定資産の取得による1億94百万円の支出(前連結会計年度は1億89百万円の支出)と、利息及び配当金の受取額1億73百万円(前連結会計年度は1億81百万円の収入)等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億76百万円の支出(前連結会計年度は48百万円の収入)となった。
主な収入は、短期借入金の増加額6億円(前連結会計年度は15億円の収入)と自己株式取得のための預託金の減少額3億25百万円(前連結会計年度は2億65百万円の収入)であり、主な支出は、自己株式の取得による支出8億33百万円(前連結会計年度は14億3百万円の支出)、配当金の支払額2億76百万円(前連結会計年度は2億36百万円の支出)及びリース債務の返済による支出83百万円(前連結会計年度は71百万円の支出)等があったためである。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
b.売上実績
(注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
2.受注実績、売上実績とも「建設コンサル・地質調査等」には、前連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当連結会計年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
前事業年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)
当事業年度(自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日)
(注)1.賃貸収入等工事以外の売上は、「建設コンサル・地質調査」に含めている。
2.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。
3.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
4.「その他土木工事」は、一般土木工事、土留工事、推進工事、建築および造成地の基礎杭工事、地すべり防止工事、災害復旧工事等である。
5.「注入工事」は、地盤補強・止水のための都市部における薬液注入工事、老朽ため池の止水注入工事、トンネル裏込注入工事、管路・水路の充填・閉塞のグラウト工事等である。
6.「建設コンサル・地質調査」の[当期受注工事高][計][当期完成工事高]のそれぞれの欄には前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(3)完成工事高
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.区分の建設コンサル・地質調査欄の民間には、前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
(4)次期繰越工事高(令和5年3月31日現在)
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.次期繰越工事のうち請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施している。詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりである。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、302億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億44百万円の増加となった。その主な要因として、流動資産では、完成工事未収入金は増加したが、現金預金およびその他が減少したこと等により、84百万円減少した。固定資産では、投資有価証券が増加したこと等により2億29百万円増加したことによるものである。
負債の残高は、96億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億27百万円の増加となった。その主な要因として、短期借入金が増加したこと等によるものである。
純資産の残高は、206億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円の減少となった。その主な要因として、利益剰余金が減少したこと等によるものである。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、68.2%となり2.0ポイントの低下となった。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高は、国内では、都市部を中心に予定数量の大幅見直しや来期以降への発注遅延等の影響により、計画を大きく下回る結果となった。また、米国現地法人でも、大型案件の工事着工が来期以降に大幅に延期されたことから、国内・海外の受注高合計は、210億76百万円(前年同期比7.0%減)となった。
売上高は、国内では、都市部での再開発工事、国土強靭化関連工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事等が堅調に進捗したため、期初計画を達成した。一方、米国現地法人では、大型案件の発注遅延に伴い、施工が先送りとなり計画を下回る結果となった。その結果、全体で239億8百万円(前年同期比8.1%増)となり、海外の減少を国内でカバーする結果となっている。
また、利益面においては、一部の大型工事での進捗遅れによる不採算工事の発生、ならびに労働日数縮減のなかでの工期遵守厳命による就労人員の増により、労務費が増加したことから工事利益率は低下したが、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や鉄道・高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内では期初計画を上回った。一方、米国現地法人では、売上高の減少により、工事利益が大幅に低下し、赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億78百万円の利益となり(前年同期は7億51百万円の営業利益)、経常損益については10億8百万円の利益となった(前年同期は9億63百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、5億26百万円の純利益となった(前年同期は4億98百万円の純利益)。
なお、受注高、売上高の内訳は、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③生産・受注及び販売の実績」に記載のとおりである。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けている。
当社が策定した中期経営計画(2023年度~2025年度)に従い、米国現地法人JAFEC USA,Inc.を含めたグループ全体としての数値目標の達成に向け、重点施策に従って、全社を挙げて取り組んでいく所存である。
c.資本の財源及び資金の流動性
資本の政策については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は57億円を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えている。運転資金及び設備資金については、自己資金または借入により資金調達することとしている。
令和5年3月現在、短期借入金の残高は31億円である。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結している。(借入実行残高31億円、借入金未実行残高9億円)なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はない。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進み、緩やかに持ち直しが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化により、資源価格やエネルギー価格の高騰が続き、世界経済は先行きの読めない厳しい状況が続いている。
この間、国内建設業界においては、国土強靭化関連等の公共工事は比較的堅調に推移したものの、民間建築分野では資材価格高騰による採算悪化の傾向が続き、厳しい状況が続いている。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、302億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億44百万円の増加となった。
当連結会計年度末の負債の残高は、96億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億27百万円の増加となった。
当連結会計年度末の純資産の残高は、206億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円の減少となった。
b.経営成績
当連結会計年度の業績については、受注高は、国内では、都市部を中心に予定数量の大幅見直しや来期以降への発注遅延等の影響により、計画を大きく下回る結果となった。また、米国現地法人でも、大型案件の工事着工が来期以降に大幅に延期されたことから、国内・海外の受注高合計は、前年同期比15億78百万円(7.0%)減の210億76百万円となった。その主な内容は、「法面保護工事」が27億61百万円(前年同期比9.9%減)、「アンカー工事」が25億32百万円(前年同期比22.3%減)、「重機工事」が74億37百万円(前年同期比42.1%増)、「注入工事」が39億49百万円(前年同期比29.8%減)である。
売上高については、国内では、都市部での再開発工事、国土強靭化関連工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事等が堅調に進捗したため、期初計画を達成した。一方、米国現地法人では、大型案件の発注遅延に伴い、施工が先送りとなり計画を下回る結果となった。
売上高は、全体で前年同期比17億97百万円(8.1%)増の239億8百万円となり、海外の減少を国内でカバーする結果となっている。その主な内容は、「法面保護工事」が33億56百万円(前年同期比2.0%減)、「アンカー工事」が33億54百万円(前年同期比13.0%増)、「重機工事」が70億2百万円(前年同期比35.3%増)、「注入工事」が51億90百万円(前年同期比20.0%増)となっている。
利益面では、一部の大型工事での進捗遅れによる不採算工事の発生、ならびに労働日数縮減のなかでの工期遵守厳命による就労人員の増により、労務費が増加したことから工事利益率は低下したが、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や鉄道・高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内では期初計画を上回った。一方、米国現地法人では、売上高の減少により、工事利益が大幅に低下し、赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億78百万円の利益となり(前年同期は7億51百万円の営業利益)、経常損益については10億8百万円の利益となった(前年同期は9億63百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、5億26百万円の純利益となった(前年同期は4億98百万円の純利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億95百万円の減少となり、57億52百万円となった。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億69百万円の収入(前連結会計年度は11億87百万円の収入)となった。
これは、売上債権の増加額3億93百万円(前連結会計年度は55百万円の支出)、法人税等の支払額4億87百万円(前連結会計年度は4億55百万円の支出)、賞与引当金の減少額1億37百万円(前連結会計年度は34百万円の収入)、受取利息及び受取配当金1億73百万円(前連結会計年度は1億79百万円)等により資金が減少する一方で、税金等調整前当期純利益10億11百万円(前連結会計年度は10億44百万円)をはじめ減価償却費9億96百万円(前連結会計年度は10億1百万円)、仕入債務の増加額5億44百万円(前連結会計年度は1億72百万円の支出)等により資金を獲得したことが主な要因である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9億45百万円の支出(前連結会計年度は3億25百万円の支出)となった。
これは、主として有形固定資産の取得による9億48百万円の支出(前連結会計年度は9億94百万円の支出)、無形固定資産の取得による1億94百万円の支出(前連結会計年度は1億89百万円の支出)と、利息及び配当金の受取額1億73百万円(前連結会計年度は1億81百万円の収入)等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億76百万円の支出(前連結会計年度は48百万円の収入)となった。
主な収入は、短期借入金の増加額6億円(前連結会計年度は15億円の収入)と自己株式取得のための預託金の減少額3億25百万円(前連結会計年度は2億65百万円の収入)であり、主な支出は、自己株式の取得による支出8億33百万円(前連結会計年度は14億3百万円の支出)、配当金の支払額2億76百万円(前連結会計年度は2億36百万円の支出)及びリース債務の返済による支出83百万円(前連結会計年度は71百万円の支出)等があったためである。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
区 分 | 前連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) (百万円) | |
建設工事 | 21,296 | 20,203 | (5.1%減) |
建設コンサル・地質調査等 | 1,358 | 872 | (35.8%減) |
合 計 | 22,654 | 21,076 | (7.0%減) |
b.売上実績
区 分 | 前連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) (百万円) | |
建設工事 | 20,957 | 22,723 | (8.4%増) |
建設コンサル・地質調査等 | 1,153 | 1,185 | (2.8%増) |
合 計 | 22,111 | 23,908 | (8.1%増) |
(注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
2.受注実績、売上実績とも「建設コンサル・地質調査等」には、前連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当連結会計年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
前事業年度(自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日)
工種別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
法面保護工事 | 3,070 | 3,066 | 6,137 | 3,424 | 2,712 |
ダム基礎工事 | 1,021 | 793 | 1,815 | 1,373 | 441 |
アンカー工事 | 2,688 | 3,259 | 5,948 | 2,968 | 2,979 |
重機工事 | 1,183 | 3,907 | 5,090 | 3,585 | 1,505 |
注入工事 | 2,866 | 5,624 | 8,491 | 4,326 | 4,165 |
維持修繕工事 | 56 | 620 | 676 | 645 | 31 |
環境保全工事 | 214 | 387 | 602 | 449 | 152 |
その他土木工事 | 1,055 | 2,309 | 3,364 | 2,594 | 770 |
建設コンサル・地質調査 | 725 | 1,358 | 2,084 | 1,153 | 931 |
計 | 12,883 | 21,327 | 34,210 | 20,521 | 13,689 |
当事業年度(自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日)
工種別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
法面保護工事 | 2,712 | 2,761 | 5,473 | 3,356 | 2,117 |
ダム基礎工事 | 441 | 817 | 1,258 | 1,060 | 198 |
アンカー工事 | 2,979 | 2,532 | 5,511 | 3,354 | 2,157 |
重機工事 | 1,505 | 5,230 | 6,736 | 5,053 | 1,682 |
注入工事 | 4,165 | 3,949 | 8,114 | 5,190 | 2,923 |
維持修繕工事 | 31 | 121 | 152 | 151 | 0 |
環境保全工事 | 152 | 201 | 354 | 283 | 71 |
その他土木工事 | 770 | 2,382 | 3,152 | 2,323 | 828 |
建設コンサル・地質調査 | 931 | 872 | 1,803 | 1,185 | 617 |
計 | 13,689 | 18,869 | 32,558 | 21,960 | 10,597 |
(注)1.賃貸収入等工事以外の売上は、「建設コンサル・地質調査」に含めている。
2.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。
3.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
4.「その他土木工事」は、一般土木工事、土留工事、推進工事、建築および造成地の基礎杭工事、地すべり防止工事、災害復旧工事等である。
5.「注入工事」は、地盤補強・止水のための都市部における薬液注入工事、老朽ため池の止水注入工事、トンネル裏込注入工事、管路・水路の充填・閉塞のグラウト工事等である。
6.「建設コンサル・地質調査」の[当期受注工事高][計][当期完成工事高]のそれぞれの欄には前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) | |
前事業年度 | (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) | 94.5 | 5.5 | 100 |
当事業年度 | (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) | 96.1 | 3.9 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比である。
(3)完成工事高
期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
前事業年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) | 法面保護工事 | 2,628 | 796 | 3,424 |
ダム基礎工事 | 1,373 | - | 1,373 | |
アンカー工事 | 2,311 | 657 | 2,968 | |
重機工事 | 1,432 | 2,152 | 3,585 | |
注入工事 | 1,913 | 2,412 | 4,326 | |
維持修繕工事 | 561 | 83 | 645 | |
環境保全工事 | 172 | 277 | 449 | |
その他土木工事 | 2,094 | 500 | 2,594 | |
建設コンサル・地質調査 | 959 | 194 | 1,153 | |
計 | 13,447 | 7,073 | 20,521 | |
当事業年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) | 法面保護工事 | 2,371 | 984 | 3,356 |
ダム基礎工事 | 1,060 | - | 1,060 | |
アンカー工事 | 2,232 | 1,122 | 3,354 | |
重機工事 | 2,160 | 2,893 | 5,053 | |
注入工事 | 1,376 | 3,814 | 5,190 | |
維持修繕工事 | 96 | 55 | 151 | |
環境保全工事 | 114 | 168 | 283 | |
その他土木工事 | 1,324 | 998 | 2,323 | |
建設コンサル・地質調査 | 1,006 | 178 | 1,185 | |
計 | 11,743 | 10,216 | 21,960 |
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.区分の建設コンサル・地質調査欄の民間には、前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として104百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入として104百万円がそれぞれ含まれている。
3.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
奥村・日本国土・札建・山田北海道 新幹線、羊蹄トンネル(比羅夫)他 特定JV | :北海道新幹線、羊蹄トンネル(比羅夫)他 |
(株)大林組 | :京都競馬場改修工事(スタンド工区)に伴うメインスタンド 底盤部薬液注入工 |
清水建設(株) | :官)(土)足羽川ダム原石山掘削 法面吹付・防護 |
飛島建設・太名嘉組・丸尾建設特定 建設工事共同企業体 | :平成30年度赤嶺トンネル(北側)工事の内、地盤改良工事 |
当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの
清水建設・株木建設共同企業体 | :東海第二発電所 緊急時対策所液状化対策工事(超多点注入工法) |
大成建設(株) | :(仮称)内神田一丁目計画 |
清水建設・株木建設共同企業体 | :東海第二発電所 緊急時対策所建屋設置工事 地盤改良工事(流動化処理土工) |
西松・安藤ハザマ・青木あすなろ特定建設工事共同企業体 | :立野ダム建設(二期)工事 基礎処理工他工事 |
東興ジオテック(株) | :新東名高速道路 浜松管内切土のり面補強工事(2020年度) |
大成建設(株) | :地下水排水設備耐震化に係る地盤改良および新設集水管接続工事 山留工(当初計画BG) |
4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
(4)次期繰越工事高(令和5年3月31日現在)
区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
法面保護工事 | 1,433 | 684 | 2,117 |
ダム基礎工事 | 198 | - | 198 |
アンカー工事 | 1,309 | 847 | 2,157 |
重機工事 | 1,078 | 603 | 1,682 |
注入工事 | 629 | 2,293 | 2,923 |
維持修繕工事 | 0 | 0 | 0 |
環境保全工事 | 34 | 36 | 71 |
その他土木工事 | 603 | 225 | 828 |
建設コンサル・地質調査 | 542 | 75 | 617 |
計 | 5,831 | 4,766 | 10,597 |
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。
2.次期繰越工事のうち請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりである。
大林組・鉄建建設共同企業体 | :品川駅北部駅改良・駅ビル整備他 | 令和6年12月完成予定 |
(株)安藤・間 | :高原トンネル上部斜面対策工事に伴う抑止アンカー工 | 令和6年2月完成予定 |
清水・岩田地崎特定建設工事共同企業体 | :新東名高速道路川西工事 法面工 | 令和5年4月完成予定 |
(株)大林組 | :東京駅南部東西自由通路 | 令和10年3月完成予定 |
安藤ハザマ・中部プラント共同企業体 | :尾鷲三田火力発電所 発電所構内設備撤去工事(2期) | 令和5年5月完成予定 |
三井住友・クボタ・東芝インフラシステムズ・日本水工設計・日立建設・宇部興機・前村電気JV | :宇部市公共下水道玉川ポンプ場事業(鵜の島・栄川ポンプ場杭撤去工事) | 令和7年3月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施している。詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりである。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、302億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億44百万円の増加となった。その主な要因として、流動資産では、完成工事未収入金は増加したが、現金預金およびその他が減少したこと等により、84百万円減少した。固定資産では、投資有価証券が増加したこと等により2億29百万円増加したことによるものである。
負債の残高は、96億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億27百万円の増加となった。その主な要因として、短期借入金が増加したこと等によるものである。
純資産の残高は、206億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円の減少となった。その主な要因として、利益剰余金が減少したこと等によるものである。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、68.2%となり2.0ポイントの低下となった。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高は、国内では、都市部を中心に予定数量の大幅見直しや来期以降への発注遅延等の影響により、計画を大きく下回る結果となった。また、米国現地法人でも、大型案件の工事着工が来期以降に大幅に延期されたことから、国内・海外の受注高合計は、210億76百万円(前年同期比7.0%減)となった。
売上高は、国内では、都市部での再開発工事、国土強靭化関連工事、エネルギー関連工事、鉄道関連工事等が堅調に進捗したため、期初計画を達成した。一方、米国現地法人では、大型案件の発注遅延に伴い、施工が先送りとなり計画を下回る結果となった。その結果、全体で239億8百万円(前年同期比8.1%増)となり、海外の減少を国内でカバーする結果となっている。
また、利益面においては、一部の大型工事での進捗遅れによる不採算工事の発生、ならびに労働日数縮減のなかでの工期遵守厳命による就労人員の増により、労務費が増加したことから工事利益率は低下したが、都市再開発関連の障害物撤去等大型重機工事による生産性向上に加え、エネルギー関連工事や鉄道・高速道路の補修工事が順調に進捗した結果、国内では期初計画を上回った。一方、米国現地法人では、売上高の減少により、工事利益が大幅に低下し、赤字経営となった。その結果、連結営業損益は7億78百万円の利益となり(前年同期は7億51百万円の営業利益)、経常損益については10億8百万円の利益となった(前年同期は9億63百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、5億26百万円の純利益となった(前年同期は4億98百万円の純利益)。
なお、受注高、売上高の内訳は、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③生産・受注及び販売の実績」に記載のとおりである。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けている。
当社が策定した中期経営計画(2023年度~2025年度)に従い、米国現地法人JAFEC USA,Inc.を含めたグループ全体としての数値目標の達成に向け、重点施策に従って、全社を挙げて取り組んでいく所存である。
c.資本の財源及び資金の流動性
資本の政策については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としている。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は57億円を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えている。運転資金及び設備資金については、自己資金または借入により資金調達することとしている。
令和5年3月現在、短期借入金の残高は31億円である。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結している。(借入実行残高31億円、借入金未実行残高9億円)なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はない。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4.[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。