四半期報告書-第141期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
当社は、2018年4月26日、カゴメ株式会社、日清オイリオグループ株式会社、日清フーズ株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社との間で、味の素物流株式会社(以下「AB社」という。)、カゴメ物流サービス株式会社、ハウス物流サービス株式会社、F-LINE株式会社、九州F-LINE株式会社の物流機能を再編し、2019年4月に物流事業を統合する全国規模の物流会社の発足に関する契約を締結しました。
これにより、2019年4月にAB社の支配を喪失することが確実になったため、当第1四半期連結会計期間よりAB社の資産及び負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、物流事業を非継続事業に分類しております。詳細は、「第4経理の状況 (1)要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記6.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」をご参照ください。
また、前連結会計年度において、企業結合及び共同支配企業に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第1四半期連結累計期間については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しております。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の売上高は、製薬カスタムサービスが大幅な増収となったことに加え、調味料・加工食品(海外)や冷凍食品(海外)の増収等により、前年同期を128億円上回る2,714億円(前年同期比105.0%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)、コーヒー類及び冷凍食品(海外)が大幅に減益となったこと等により、前年同期を16億円下回る217億円(前年同期比92.8%)となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期を20億円下回る137億円(前年同期比87.0%)となりました。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。
当第1四半期連結会計期間より、従来「ライフサポート」セグメントに含めていた香粧品事業を「ヘルスケア」セグメントに含めております。前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は変更後の区分により作成しております。
(注)国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。
また、国内外の食品加工業向けうま味調味料「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、家庭用冷凍食品及び家庭用コーヒーの競争激化等により冷凍食品(日本)及びコーヒー類の売上げが前年同期を下回ったことから、前年同期を40億円下回る881億円(前年同期比95.6%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)及びコーヒー類が減収に伴い大幅な減益となったことから、前年同期を46億円下回る53億円(前年同期比53.5%)となりました。
② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、調味料・加工食品(海外)や冷凍食品(海外)の売上が増加したことに加え、子会社の新規連結影響等もあり、前年同期を64億円上回る1,152億円(前年同期比105.9%)となりました。事業利益は、調味料・加工食品(海外)が増益となったものの、冷凍食品(海外)が大幅な減益となったことにより、前年同期を6億円下回る106億円(前年同期比94.6%)となりました。
③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、動物栄養は前年同期並みであったものの、化成品が増収となったことにより、前年同期を9億円上回る276億円(前年同期比103.5%)となりました。事業利益は、動物栄養、化成品ともに大幅な増益となったことから、前年同期を18億円上回る28億円(前年同期比293.2%)となりました。
④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスが大幅な増収となったことにより、前年同期を95億円上回る342億円(前年同期比138.5%)となりました。事業利益は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスが増収に伴い大幅な増益となったことから、前年同期を14億円上回る19億円(前年同期比389.2%)となりました。
⑤ その他
その他の事業の売上高は、前年同期並みの60億円(前年同期比99.2%)となり、事業利益は、主に持分法利益増加により、前年同期を2億円上回る9億円(前年同期比139.8%)となりました。
(2) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆4,258億円に対して127億円減少し、1兆4,130億円となりました。これは主として、自己株式の取得に伴う現金及び現金同等物の減少等によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末の7,053億円に対して14億円減少し、7,038億円となりました。なお、有利子負債残高は、コマーシャル・ペーパーの発行等により、前連結会計年度末に対して229億円増加し、3,671億円となりました。
資本合計は、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に対して113億円減少しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,302億円となり、親会社所有者帰属持分比率は44.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、120億円の収入(前年同期は165億円の収入)となりました。税引前四半期利益が219億円であり、減価償却費及び償却費131億円と、法人所得税の支払額95億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、168億円の支出(前年同期は189億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出169億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、74億円の支出(前年同期は91億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出があったこと等によるものです。
以上の結果、当第1四半期末における現金及び現金同等物の残高は、1,691億円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、74億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金の流動性について
当第1四半期連結累計期間は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
② 資金の調達
当第1四半期連結累計期間の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当第1四半期連結累計期間の資金の使途は、主として事業資金です。
当社は、2018年4月26日、カゴメ株式会社、日清オイリオグループ株式会社、日清フーズ株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社との間で、味の素物流株式会社(以下「AB社」という。)、カゴメ物流サービス株式会社、ハウス物流サービス株式会社、F-LINE株式会社、九州F-LINE株式会社の物流機能を再編し、2019年4月に物流事業を統合する全国規模の物流会社の発足に関する契約を締結しました。
これにより、2019年4月にAB社の支配を喪失することが確実になったため、当第1四半期連結会計期間よりAB社の資産及び負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、物流事業を非継続事業に分類しております。詳細は、「第4経理の状況 (1)要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記6.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」をご参照ください。
また、前連結会計年度において、企業結合及び共同支配企業に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第1四半期連結累計期間については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しております。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の売上高は、製薬カスタムサービスが大幅な増収となったことに加え、調味料・加工食品(海外)や冷凍食品(海外)の増収等により、前年同期を128億円上回る2,714億円(前年同期比105.0%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)、コーヒー類及び冷凍食品(海外)が大幅に減益となったこと等により、前年同期を16億円下回る217億円(前年同期比92.8%)となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期を20億円下回る137億円(前年同期比87.0%)となりました。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。
当第1四半期連結会計期間より、従来「ライフサポート」セグメントに含めていた香粧品事業を「ヘルスケア」セグメントに含めております。前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は変更後の区分により作成しております。
売上高 (億円) | 前年同期増減 (億円) | 前年同期比 | 事業利益 (億円) | 前年同期増減 (億円) | 前年同期比 | |||
日本食品 | 881 | △40 | 95.6 | % | 53 | △46 | 53.5 | % |
海外食品 | 1,152 | 64 | 105.9 | % | 106 | △6 | 94.6 | % |
ライフサポート | 276 | 9 | 103.5 | % | 28 | 18 | 293.2 | % |
ヘルスケア | 342 | 95 | 138.5 | % | 19 | 14 | 389.2 | % |
その他 | 60 | △0 | 99.2 | % | 9 | 2 | 139.8 | % |
合計 | 2,714 | 128 | 105.0 | % | 217 | △16 | 92.8 | % |
(注)国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。
また、国内外の食品加工業向けうま味調味料「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、家庭用冷凍食品及び家庭用コーヒーの競争激化等により冷凍食品(日本)及びコーヒー類の売上げが前年同期を下回ったことから、前年同期を40億円下回る881億円(前年同期比95.6%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)及びコーヒー類が減収に伴い大幅な減益となったことから、前年同期を46億円下回る53億円(前年同期比53.5%)となりました。
<主要な変動要因> | ||
・調味料・加工食品(日本)は、主に家庭用の合わせ調味料が増収となるも、業務用が前年を下回って推移し、前年並み。 ・冷凍食品(日本)は、家庭用は、「ギョーザ」が前年同期を下回ったことに加え、「ザ★チャーハン」等の主力品が競争激化の影響等により、減収。業務用はデザート、餃子、鶏肉加工品等のコアカテゴリーが前年並みで推移し、前年並み。よって、全体で減収。 ・コーヒー類は、主に市場縮小に伴う競争激化の影響を受けた家庭用製品やギフト製品、またCVS向けの減収により全体で減収。 | ||
<主要な変動要因> | ||
・調味料・加工食品(日本)は、家庭用は前年並みも、業務用における原燃料価格の上昇影響等により全体で減益。 ・冷凍食品(日本)は、家庭用の減収影響等により大幅減益。 ・コーヒー類は、減収に伴い大幅減益。 |
② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、調味料・加工食品(海外)や冷凍食品(海外)の売上が増加したことに加え、子会社の新規連結影響等もあり、前年同期を64億円上回る1,152億円(前年同期比105.9%)となりました。事業利益は、調味料・加工食品(海外)が増益となったものの、冷凍食品(海外)が大幅な減益となったことにより、前年同期を6億円下回る106億円(前年同期比94.6%)となりました。
<主要な変動要因> | ||
・調味料・加工食品(海外)は、換算為替によるマイナス影響あるも、調味料の販売拡大、タイにおける缶コーヒーの値上げによる増収等により全体で増収。 ・冷凍食品(海外)は、北米におけるアジアン製品の販売拡大や欧州の子会社新規連結影響により増収。 ・加工用うま味調味料は、主に海外における販売拡大により、甘味料は、主に加工用の販売拡大により増収。 | ||
<主要な変動要因> | ||
・調味料・加工食品(海外)は、発酵原燃料価格上昇の影響あるも、全体として増収に伴い増益。 ・冷凍食品(海外)は、主に米国における新生産体制構築に伴う生産コスト増や物流費の高騰等により大幅減益。 ・加工用うま味調味料は、主に発酵原燃料価格上昇の影響により減益。甘味料は、前年並み。 |
③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、動物栄養は前年同期並みであったものの、化成品が増収となったことにより、前年同期を9億円上回る276億円(前年同期比103.5%)となりました。事業利益は、動物栄養、化成品ともに大幅な増益となったことから、前年同期を18億円上回る28億円(前年同期比293.2%)となりました。
<主要な変動要因> | ||
・動物栄養は、トリプトファンが大幅増収となるも、リジンおよびスレオニンが主に販売数量減少により減収となり、全体で前年並み。 ・化成品は、主に電子材料の販売好調により増収。 | ||
<主要な変動要因> | ||
・動物栄養は、トリプトファンの増収影響等により大幅増益。 ・化成品は、増収に伴い大幅増益。 |
④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスが大幅な増収となったことにより、前年同期を95億円上回る342億円(前年同期比138.5%)となりました。事業利益は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスが増収に伴い大幅な増益となったことから、前年同期を14億円上回る19億円(前年同期比389.2%)となりました。
<主要な変動要因> | ||
・アミノ酸は、医薬用・食品用アミノ酸、製薬カスタムサービスともに、販売拡大および子会社の新規連結影響等により、大幅増収。 ・その他は、主に香粧品素材や機能性表示食品の販売拡大等により、増収。 | ||
<主要な変動要因> | ||
・アミノ酸は、医薬用・食品用アミノ酸、製薬カスタムサービスともに、主に増収に伴い大幅増益。 ・その他は、増収に伴い増益。 |
⑤ その他
その他の事業の売上高は、前年同期並みの60億円(前年同期比99.2%)となり、事業利益は、主に持分法利益増加により、前年同期を2億円上回る9億円(前年同期比139.8%)となりました。
(2) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆4,258億円に対して127億円減少し、1兆4,130億円となりました。これは主として、自己株式の取得に伴う現金及び現金同等物の減少等によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末の7,053億円に対して14億円減少し、7,038億円となりました。なお、有利子負債残高は、コマーシャル・ペーパーの発行等により、前連結会計年度末に対して229億円増加し、3,671億円となりました。
資本合計は、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に対して113億円減少しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,302億円となり、親会社所有者帰属持分比率は44.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、120億円の収入(前年同期は165億円の収入)となりました。税引前四半期利益が219億円であり、減価償却費及び償却費131億円と、法人所得税の支払額95億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、168億円の支出(前年同期は189億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出169億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、74億円の支出(前年同期は91億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出があったこと等によるものです。
以上の結果、当第1四半期末における現金及び現金同等物の残高は、1,691億円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、74億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金の流動性について
当第1四半期連結累計期間は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
② 資金の調達
当第1四半期連結累計期間の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当第1四半期連結累計期間の資金の使途は、主として事業資金です。