四半期報告書-第144期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 13:54
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【項目】
38項目
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の売上高は、調味料・食品及び冷凍食品において、主に海外における家庭用製品の好調や前年度COVID-19の蔓延で影響を受けた外食用・業務用製品の販売が一部復調したことに加え、ヘルスケア等においても大幅な増収となった結果、前年同期を284億円上回る2,763億円(前年同期比111.5%)となりました。事業利益は、調味料・食品及び冷凍食品におけるマーケティング費用の戦略的活用や原材料価格上昇の影響を受けたものの、ヘルスケア等の大幅増益により、前年同期を51億円上回る389億円(前年同期比115.1%)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、その他の営業費用において、欧州の動物栄養事業の売却に関連する費用を計上したこと等により、前年同期を2億円下回る220億円(前年同期比98.7%)となりました。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。
対前年実績売上高(億円)事業利益(億円)
第144期
第1四半期
前年同期増減前年同期比第144期
第1四半期
前年同期増減前年同期比
調味料・食品1,575151110.7%2424101.7%
冷凍食品52442108.8%9△951.1%
ヘルスケア等63595117.7%12752170.0%
その他27△582.2%93165.2%
合計2,763284111.5%38951115.1%

① 調味料・食品セグメント
調味料・食品セグメントの売上高は、主に、海外における家庭用製品の好調や前年度COVID-19の蔓延で影響を受けた外食用・業務用製品の販売が一部復調したことにより、前年同期を151億円上回る1,575億円(前年同期比110.7%)となりました。事業利益は、マーケティング費用の戦略的活用や原材料価格上昇の影響があったものの、海外の増収効果等により、前年同期を4億円上回る242億円(前年同期比101.7%)となりました。
0102010_001.png<主要な変動要因>
・調味料は、国内は前年並みも、海外における家庭用製品の好調、外食向け製品の一部復調により、大幅増収。
国内は、販売促進活動の効果あるも、前年の内食需要急拡大の反動等により前年並み。
海外は、堅調な内食需要に伴う家庭用製品の好調や外食向け製品の一部復調により、大幅増収。
・栄養・加工食品は、国内のスープや海外の即席麺、飲料の販売増等により増収。
国内は、継続的な需要拡大を背景としたスープの販売増等により、増収。
海外は、即席麺や飲料の販売増により大幅増収。
・ソリューション&イングリディエンツは、加工用うま味調味料や国内外食向け製品の販売増等により、増収。
0102010_002.png<主要な変動要因>
・調味料は、国内におけるマーケティング費用の戦略的活用や原材料価格上昇の影響あるも、海外の増収効果により全体で増益。
国内は、売上前年並みも、マーケティング費用の戦略的活用や原材料価格上昇の影響等により大幅減益。
海外は、増収効果により大幅増益。
・栄養・加工食品は、国内の新工場立ち上げやマーケティング費用の戦略的活用の影響あるも、海外の増収効果により全体で増益。
国内は、新工場立ち上げの影響やマーケティング費用の戦略的活用等により減益。
海外は、大幅増収に伴い大幅増益。
・ソリューション&イングリディエンツは、増収も、加工用うま味調味料が原燃料価格上昇の影響を受け、全体で大幅減益。

② 冷凍食品セグメント
冷凍食品セグメントの売上高は、主に、海外における業務用製品の販売が増加したことにより、前年同期を42億円上回る524億円(前年同期比108.8%)となりました。事業利益は、国内におけるマーケティング費用の戦略的活用や北米における人件費等のコストの上昇等により、前年同期を9億円下回る9億円(前年同期比51.1%)となりました。
0102010_003.png<主要な変動要因>
・構造改革影響等により国内は減収も、海外は北米・欧州の販売増により大幅増収となり、全体で増収。
国内は、高付加価値製品の販売増も、構造改革に伴う終売影響等により減収。
海外は、北米における業務用製品の急回復や家庭用製品の堅調な需要継続、欧州の主力製品を中心とした販売増等により大幅増収。
0102010_004.png<主要な変動要因>
・増収も、国内のマーケティング費用の戦略的活用や、北米のコスト増等により大幅減益。
国内は、マーケティング費用の戦略的活用等により減益。
海外は、大幅増収も、北米における人件費や原材料価格、物流費上昇の影響等により大幅減益。


③ ヘルスケア等セグメント
ヘルスケア等セグメントの売上高は、動物栄養が構造改革の影響により大幅な減収となったものの、バイオファーマサービス&イングリティエンツ及びファンクショナルマテリアルズの大幅な増収により、前年同期を95億円上回る635億円(前年同期比117.7%)となりました。事業利益は、増収効果により、前年同期を52億円上回る127億円(前年同期比170.0%)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間より一部の製品区分の名称及び製品分類を変更しております。詳細については「要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照ください。また、当第1四半期連結会計期間より「医療用・食品用アミノ酸」と「バイオファーマサービス」をまとめて「バイオファーマサービス&イングリディエンツ」と表示しております。
0102010_005.png<主要な変動要因>
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービスともに販売増となり、全体で大幅増収。
・ファンクショナルマテリアルズは、主に電子材料の販売好調により大幅増収。
・その他は、動物栄養は構造改革の影響により大幅減収も、パーソナルケア素材やスポーツニュートリションの販売増等により増収。
0102010_006.png<主要な変動要因>
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、大幅増収に伴い大幅増益。
・ファンクショナルマテリアルズは、大幅増収に伴い大幅増益。
・その他は、増収効果等により大幅増益。

④ その他
その他の事業の売上高は、前年同期を5億円下回る27億円(前年同期比82.2%)となり、事業利益は、前年同期を3億円上回る9億円(前年同期比165.2%)となりました。
(2) 重要な会計方針及び見積り
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが採用している重要な会計方針及び見積りについては、「要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する新型コロナウイルス感染症の影響については、「要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(3) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆4,312億円に対して107億円減少し、1兆4,205億円となりました。これは主として、動物栄養事業の構造改革に伴い欧州の動物栄養事業を売却したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末の7,634億円に対して198億円減少し、7,436億円となりました。これは主として、有利子負債が増加したものの、仕入債務及びその他の債務の減少や、欧州の動物栄養事業を売却したことによるものです。なお、有利子負債残高は、コマーシャル・ペーパーの増加等により、前連結会計年度末に対して224億円増加し、4,293億円となりました。
資本合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して90億円増加しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,282億円となり、親会社所有者帰属持分比率は44.2%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、225億円の収入(前年同期は328億円の収入)となりました。税引前四半期利益が349億円であり、減価償却費及び償却費164億円と、法人所得税の支払額97億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、242億円の支出(前年同期は159億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出261億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億円の収入(前年同期は34億円の収入)となりました。コマーシャル・ペーパーの増加200億円があった一方で、配当金の支払額137億円や、自己株式取得のための金銭の信託の増加97億円があったこと等によるものです。
以上の結果、当第1四半期末における現金及び現金同等物の残高は、1,805億円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、63億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金の流動性について
当第1四半期連結累計期間は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識にもとづく資金面での取り組みとして、十分な手元流動性比率の維持と既に設定している主要取引銀行との間のコミットメント・ラインにより資金の安全性を確保し、加えて、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。
② 資金の調達
当第1四半期連結累計期間の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当第1四半期連結累計期間の資金の使途は、主として事業資金です。