有価証券報告書-第141期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
業績等の概要
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
当社は、2018年4月26日、カゴメ株式会社、日清オイリオグループ株式会社、日清フーズ株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社との間で、味の素物流株式会社(以下、「AB社」という。)、カゴメ物流サービス株式会社、ハウス物流サービス株式会社、F-LINE株式会社、九州F-LINE株式会社の物流機能を再編し、2019年4月に物流事業を統合する全国規模の物流会社の発足に関する契約を締結しました。
これにより、2019年4月にAB社の支配を喪失することが確実になったため、当連結会計年度よりAB社の資産及び負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、物流事業を非継続事業に分類しております。
なお、2019年4月1日付にて、予定通り上記会社の物流事業を統合し、新たにF-LINE株式会社が発足しております。
また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 業績
当連結会計年度の売上高は、製薬カスタムサービス及び医薬用・食品用アミノ酸が大幅な増収となったことに加え、冷凍食品(海外)や調味料・加工食品(海外)の増収等により、前期を126億円上回る1兆1,274億円(前期比101.1%)となりました。
事業利益は、冷凍食品(日本)、冷凍食品(海外)及びコーヒー類が大幅な減益となったことに加え、持分法による損益にプロマシドール・ホールディングス社(以下、「PH社」という。)の商標権に係る減損損失を計上したこと等により、前期を30億円下回る926億円(前期比96.8%)となりました。
営業利益は、その他の営業費用に味の素フーズ・ノースアメリカ社(以下、「AFNA社」という。)及びイスタンブール味の素食品社(以下、「AIS社」という。)に係るのれんの減損損失、並びにPH社に係る持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したこと等により、前期を255億円下回る531億円(前期比67.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期を304億円下回る296億円(前期比49.4%)となりました。
なお、PH社、AFNA社及びAIS社に関する減損損失の内容を各段階利益別に記載すると以下のとおりです。
当連結会計年度のセグメント別の概況
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
当連結会計年度より、従来「ライフサポート」セグメントに含めていた香粧品事業を「ヘルスケア」セグメントに含めております。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分により作成しております。
(注)1.国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向けうま味調味料「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
(注)2.各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、競争激化の影響等によりコーヒー類及び冷凍食品(日本)の売上げが前期を下回ったことから、前期を91億円下回る3,750億円(前期比97.6%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)及びコーヒー類が減収に伴い大幅な減益となったことから、前期を90億円下回る298億円(前期比76.9%)となりました。
② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、冷凍食品(海外)や調味料・加工食品(海外)の売上げが増加したことにより、前期を169億円上回る4,816億円(前期比103.7%)となりました。事業利益は、調味料・加工食品(海外)でPH社の商標権に係る減損損失を計上したものの、増収による増益がこれをカバーしたことに加え、加工用うま味調味料が大幅な増益となったため、前期を8億円上回る423億円(前期比102.0%)となりました。
③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、化成品が増収となったものの、動物栄養が大幅な減収となったことにより、前期を106億円下回る1,079億円(前期比91.0%)となりました。事業利益は、化成品が大幅な増益となったことから、前期を14億円上回る95億円(前期比118.5%)となりました。
④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、製薬カスタムサービス及び医薬用・食品用アミノ酸が大幅な増収となったことにより、前期を153億円上回る1,353億円(前期比112.8%)となりました。事業利益は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスの増収に伴い大幅な増益となったことから、前期を27億円上回る120億円(前期比128.9%)となりました。
⑤ その他
その他の事業の売上高は、前期を1億円上回る274億円(前期比100.5%)となり、事業利益は、前期比で9億円赤字幅が縮小し、12億円の損失となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績は、「(1) 業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たっては会計上の見積りを行う必要があり、各種引当金の計上、非金融資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績又は各状況下で合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前期を126億円上回る1兆1,274億円(前期比101.1%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期を20億円下回る4,848億円(前期比99.6%)となりました。海外では、冷凍食品(海外)、調味料・加工食品(海外)の増収により、前期を147億円上回る6,426億円(前期比102.4%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ2,847億円(前期比103.9%)、2,395億円(前期比100.2%)及び1,183億円(前期比103.1%)となりました。なお、売上高海外比率は57.0%(前期は56.3%)となりました。
② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から117億円増加し、7,319億円(前期比101.6%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.3ポイント悪化し、64.9%となりました。販売費は、主として為替影響により、前期から12億円減少し、1,751億円(前期比99.3%)となりました。研究開発費は、前期並みの278億円(前期比100.0%)となりました。一般管理費は、連結子会社増加による従業員給付費用等の増加により前期から6億円増加し、994億円(前期比100.7%)となりました。持分法による損益は、5億円の損失(前期は39億円の利益)となりました。
③ 事業利益
事業利益は、前期を30億円下回る926億円(前期比96.8%)となりました。地域別に見ますと、日本では369億円(前期比81.5%)、海外では556億円(前期比110.6%)となりました。日本において、冷凍食品(日本)、コーヒー類が大幅な減益となったことにより、全体として大幅な減益となりました。海外において、冷凍食品(海外)が大幅な減益となったものの、加工用うま味調味料、アミノ酸の大幅増益により、全体として増益となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ382億円(前期比110.0%)、133億円(前期比119.2%)及び40億円(前期比93.1%)となりました。なお、事業利益海外比率は60.1%(前期は52.6%)となりました。
セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記 7.セグメント情報」をご参照ください。
④ その他の営業収益(費用)
その他の営業収益は、前期から17億円減少し、61億円(前期比78.1%)となりました。その他の営業費用は、のれんの減損損失、並びに持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したこと等により、前期から207億円増加し、456億円(前期比183.8%)となりました。
⑤ 営業利益
営業利益は、前期を255億円下回り、531億円(前期比67.5%)となりました。
⑥ 金融収益(費用)
金融収益は、前期から14億円減少し、81億円(前期比84.7%)となりました。金融費用は、前期から4億円減少し、70億円(前期比94.6%)となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を304億円下回り、296億円(前期比49.4%)となり、1株当たり当期利益は53円62銭(前期は105円76銭)となりました。
(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末の1兆4,262億円に対して323億円減少し、1兆3,938億円となりました。これは主として、自己株式の取得に伴う現金及び現金同等物の減少等によるものです。
負債残高は、前連結会計年度末の7,056億円に対して22億円増加し、7,079億円となりました。なお、有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して71億円減少し、3,370億円となりました。
資本合計は、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に対して346億円減少しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,105億円となり、親会社所有者帰属持分比率は43.8%となりました。
セグメントごとの概況は、次のとおりです。
① 日本食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の2,843億円に対して94億円増加し、2,937億円となりました。これは主として、設備投資等に伴う有形固定資産の増加によるものです。
② 海外食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,436億円に対して256億円減少し、4,180億円となりました。これは主としてAFNA社及びAIS社に係るのれんの減損損失、並びにPH社に係る持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したことによる減少です。
③ ライフサポートセグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1,208億円に対して38億円減少し、1,169億円となりました。これは主として、動物栄養での棚卸資産及び固定資産の減少等によるものです。
④ ヘルスケアセグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1,422億円に対して174億円増加し、1,597億円となりました。これは主として、設備投資等に伴う有形固定資産の増加や製薬カスタムでの棚卸資産の増加等によるものです。
(6) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,232億円の収入(前期は1,266億円の収入)となりました。税引前当期利益が542億円であり、減価償却費及び償却費524億円と、法人所得税の支払額233億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、729億円の支出(前期は991億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出701億円と、無形資産の取得による支出98億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、789億円の支出(前期は239億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出400億円と、配当金の支払があったこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,537億円となりました。
(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金です。
(8)経営上の目標の達成状況について
経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(9) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
① 退職後給付費用に係る費用
日本基準では数理計算上の差異及び過去勤務費用について、その発生時にその他の包括利益を通じて純資産の部に計上したうえで、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりました。IFRSでは確定給付制度の再測定を発生時にその他の包括利益を通じて資本に認識し、過去勤務費用は発生時に一括で収益又は費用として処理しております。
② のれんの償却
日本基準ではのれんはその効果の及ぶ期間で定額償却し、のれん償却費を販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは償却を行っておりません。
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
当社は、2018年4月26日、カゴメ株式会社、日清オイリオグループ株式会社、日清フーズ株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社との間で、味の素物流株式会社(以下、「AB社」という。)、カゴメ物流サービス株式会社、ハウス物流サービス株式会社、F-LINE株式会社、九州F-LINE株式会社の物流機能を再編し、2019年4月に物流事業を統合する全国規模の物流会社の発足に関する契約を締結しました。
これにより、2019年4月にAB社の支配を喪失することが確実になったため、当連結会計年度よりAB社の資産及び負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、物流事業を非継続事業に分類しております。
なお、2019年4月1日付にて、予定通り上記会社の物流事業を統合し、新たにF-LINE株式会社が発足しております。
また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 業績
当連結会計年度の売上高は、製薬カスタムサービス及び医薬用・食品用アミノ酸が大幅な増収となったことに加え、冷凍食品(海外)や調味料・加工食品(海外)の増収等により、前期を126億円上回る1兆1,274億円(前期比101.1%)となりました。
事業利益は、冷凍食品(日本)、冷凍食品(海外)及びコーヒー類が大幅な減益となったことに加え、持分法による損益にプロマシドール・ホールディングス社(以下、「PH社」という。)の商標権に係る減損損失を計上したこと等により、前期を30億円下回る926億円(前期比96.8%)となりました。
営業利益は、その他の営業費用に味の素フーズ・ノースアメリカ社(以下、「AFNA社」という。)及びイスタンブール味の素食品社(以下、「AIS社」という。)に係るのれんの減損損失、並びにPH社に係る持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したこと等により、前期を255億円下回る531億円(前期比67.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期を304億円下回る296億円(前期比49.4%)となりました。
なお、PH社、AFNA社及びAIS社に関する減損損失の内容を各段階利益別に記載すると以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
事業利益 | 営業利益 税引前当期利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | |
(1) AFNA社に係るのれんの減損損失 | - | 13,525 | 10,047 |
(2) 持分法で会計処理されているPH社に対する投資に係る減損損失 (33.33%出資相当) | - | 14,107 | 14,107 |
(3) PH社商標権に係る減損損失 (33.33%出資相当) | 3,222 | 3,222 | 3,222 |
(4) AIS社に係るのれんの減損損失 | - | 3,843 | 3,843 |
合計 | 3,222 | 34,698 | 31,220 |
当連結会計年度のセグメント別の概況
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
当連結会計年度より、従来「ライフサポート」セグメントに含めていた香粧品事業を「ヘルスケア」セグメントに含めております。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分により作成しております。
売上高 (億円) | 前期増減 (億円) | 前期比 | 事業利益 (億円) | 前期増減 (億円) | 前期比 | |||
日本食品 | 3,750 | △91 | 97.6 | % | 298 | △90 | 76.9 | % |
海外食品 | 4,816 | 169 | 103.7 | % | 423 | 8 | 102.0 | % |
ライフサポート | 1,079 | △106 | 91.0 | % | 95 | 14 | 118.5 | % |
ヘルスケア | 1,353 | 153 | 112.8 | % | 120 | 27 | 128.9 | % |
その他 | 274 | 1 | 100.5 | % | △12 | 9 | - | % |
合計 | 11,274 | 126 | 101.1 | % | 926 | △30 | 96.8 | % |
(注)1.国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向けうま味調味料「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
(注)2.各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
① 日本食品セグメント
日本食品セグメントの売上高は、競争激化の影響等によりコーヒー類及び冷凍食品(日本)の売上げが前期を下回ったことから、前期を91億円下回る3,750億円(前期比97.6%)となりました。事業利益は、冷凍食品(日本)及びコーヒー類が減収に伴い大幅な減益となったことから、前期を90億円下回る298億円(前期比76.9%)となりました。
![]() | <主要な変動要因> | |
・調味料・加工食品(日本)は、家庭用、業務用ともに前期並みで、全体で前期並み。 ・冷凍食品(日本)は、業務用は主力カテゴリーが拡大し増収。家庭用は、「ギョーザ」がシリーズ計で前期を上回るも、から揚げや米飯の主力製品が競争激化の影響等により前期を下回り減収。よって、全体で減収。 ・コーヒー類は、CVS向けやギフト製品、また市場縮小に伴う競争激化の影響を受けた家庭用製品の減収により、全体で減収。 | ||
![]() | <主要な変動要因> | |
・調味料・加工食品(日本)は、家庭用は前期並みも、業務用は原燃料価格の上昇影響等により大幅減益となり、全体で減益。 ・冷凍食品(日本)及びコーヒー類は、上述の売上減少等により大幅減益。 |
② 海外食品セグメント
海外食品セグメントの売上高は、冷凍食品(海外)や調味料・加工食品(海外)の売上げが増加したことにより、前期を169億円上回る4,816億円(前期比103.7%)となりました。事業利益は、調味料・加工食品(海外)でPH社の商標権に係る減損損失を計上したものの、増収による増益がこれをカバーしたことに加え、加工用うま味調味料が大幅な増益となったため、前期を8億円上回る423億円(前期比102.0%)となりました。
![]() | <主要な変動要因> | |
・調味料・加工食品(海外)は、換算為替によるマイナス影響あるも、調味料や「味の素®」、タイにおける缶コーヒーの販売拡大等により、全体で増収。 ・冷凍食品(海外)は、北米におけるアジアン製品やアペタイザー製品の販売拡大、また欧州の販売拡大等により増収。 ・加工用うま味調味料は、海外における販売拡大により、甘味料は、加工用の販売拡大により増収。 | ||
![]() | <主要な変動要因> | |
・調味料・加工食品(海外)は、増収に伴う増益効果あるも、PH社の減損損失、換算為替によるマイナス影響、発酵原燃料価格の上昇等により全体で、前期並み。 ・冷凍食品(海外)は、米国における生産性改善が進むも、物流費の高騰等により大幅減益。 ・加工用うま味調味料は、発酵原燃料価格上昇の影響あるも、貿易為替影響及び販売拡大等により大幅増益。甘味料は、主に増収に伴い増益。 |
③ ライフサポートセグメント
ライフサポートセグメントの売上高は、化成品が増収となったものの、動物栄養が大幅な減収となったことにより、前期を106億円下回る1,079億円(前期比91.0%)となりました。事業利益は、化成品が大幅な増益となったことから、前期を14億円上回る95億円(前期比118.5%)となりました。
![]() | <主要な変動要因> | |
・動物栄養は、主にスレオニン、リジンの販売数量減少により大幅減収。 ・化成品は、主に電子材料の販売好調により増収。 | ||
![]() | <主要な変動要因> | |
・動物栄養は、主にトリプトファンの単価下落影響により大幅減益。 ・化成品は、増収に伴い大幅増益。 |
④ ヘルスケアセグメント
ヘルスケアセグメントの売上高は、製薬カスタムサービス及び医薬用・食品用アミノ酸が大幅な増収となったことにより、前期を153億円上回る1,353億円(前期比112.8%)となりました。事業利益は、医薬用・食品用アミノ酸及び製薬カスタムサービスの増収に伴い大幅な増益となったことから、前期を27億円上回る120億円(前期比128.9%)となりました。
![]() | <主要な変動要因> | |
・アミノ酸は、製薬カスタムサービス、医薬用・食品用アミノ酸ともに、販売拡大及び子会社の新規連結影響等により大幅増収。 ・その他は、香粧品素材の販売拡大等により増収。 | ||
![]() | <主要な変動要因> | |
・アミノ酸は、医薬用・食品用アミノ酸、製薬カスタムサービスともに大幅増収に伴い大幅増益。 ・その他は、計上サブセグメント変更(製薬カスタムサービスに移管)影響等により減益。 |
⑤ その他
その他の事業の売上高は、前期を1億円上回る274億円(前期比100.5%)となり、事業利益は、前期比で9億円赤字幅が縮小し、12億円の損失となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績は、「(1) 業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たっては会計上の見積りを行う必要があり、各種引当金の計上、非金融資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績又は各状況下で合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前期を126億円上回る1兆1,274億円(前期比101.1%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期を20億円下回る4,848億円(前期比99.6%)となりました。海外では、冷凍食品(海外)、調味料・加工食品(海外)の増収により、前期を147億円上回る6,426億円(前期比102.4%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ2,847億円(前期比103.9%)、2,395億円(前期比100.2%)及び1,183億円(前期比103.1%)となりました。なお、売上高海外比率は57.0%(前期は56.3%)となりました。
② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から117億円増加し、7,319億円(前期比101.6%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.3ポイント悪化し、64.9%となりました。販売費は、主として為替影響により、前期から12億円減少し、1,751億円(前期比99.3%)となりました。研究開発費は、前期並みの278億円(前期比100.0%)となりました。一般管理費は、連結子会社増加による従業員給付費用等の増加により前期から6億円増加し、994億円(前期比100.7%)となりました。持分法による損益は、5億円の損失(前期は39億円の利益)となりました。
③ 事業利益
事業利益は、前期を30億円下回る926億円(前期比96.8%)となりました。地域別に見ますと、日本では369億円(前期比81.5%)、海外では556億円(前期比110.6%)となりました。日本において、冷凍食品(日本)、コーヒー類が大幅な減益となったことにより、全体として大幅な減益となりました。海外において、冷凍食品(海外)が大幅な減益となったものの、加工用うま味調味料、アミノ酸の大幅増益により、全体として増益となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ382億円(前期比110.0%)、133億円(前期比119.2%)及び40億円(前期比93.1%)となりました。なお、事業利益海外比率は60.1%(前期は52.6%)となりました。
セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記 7.セグメント情報」をご参照ください。
④ その他の営業収益(費用)
その他の営業収益は、前期から17億円減少し、61億円(前期比78.1%)となりました。その他の営業費用は、のれんの減損損失、並びに持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したこと等により、前期から207億円増加し、456億円(前期比183.8%)となりました。
⑤ 営業利益
営業利益は、前期を255億円下回り、531億円(前期比67.5%)となりました。
⑥ 金融収益(費用)
金融収益は、前期から14億円減少し、81億円(前期比84.7%)となりました。金融費用は、前期から4億円減少し、70億円(前期比94.6%)となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を304億円下回り、296億円(前期比49.4%)となり、1株当たり当期利益は53円62銭(前期は105円76銭)となりました。
(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末の1兆4,262億円に対して323億円減少し、1兆3,938億円となりました。これは主として、自己株式の取得に伴う現金及び現金同等物の減少等によるものです。
負債残高は、前連結会計年度末の7,056億円に対して22億円増加し、7,079億円となりました。なお、有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して71億円減少し、3,370億円となりました。
資本合計は、自己株式の取得等により、前連結会計年度末に対して346億円減少しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、6,105億円となり、親会社所有者帰属持分比率は43.8%となりました。
セグメントごとの概況は、次のとおりです。
① 日本食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の2,843億円に対して94億円増加し、2,937億円となりました。これは主として、設備投資等に伴う有形固定資産の増加によるものです。
② 海外食品セグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,436億円に対して256億円減少し、4,180億円となりました。これは主としてAFNA社及びAIS社に係るのれんの減損損失、並びにPH社に係る持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上したことによる減少です。
③ ライフサポートセグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1,208億円に対して38億円減少し、1,169億円となりました。これは主として、動物栄養での棚卸資産及び固定資産の減少等によるものです。
④ ヘルスケアセグメント
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1,422億円に対して174億円増加し、1,597億円となりました。これは主として、設備投資等に伴う有形固定資産の増加や製薬カスタムでの棚卸資産の増加等によるものです。
(6) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
(億円) | |||
2018年3月期 | 2019年3月期 | 差額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,266 | 1,232 | △33 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △991 | △729 | 261 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △239 | △789 | △549 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △17 | △7 | 9 |
現金及び現金同等物の増減額 | 18 | △293 | △312 |
売却目的保有に分類される処分グループに係る 資産に含まれる現金及び現金同等物 | - | △47 | △47 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,878 | 1,537 | △341 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,232億円の収入(前期は1,266億円の収入)となりました。税引前当期利益が542億円であり、減価償却費及び償却費524億円と、法人所得税の支払額233億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、729億円の支出(前期は991億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出701億円と、無形資産の取得による支出98億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、789億円の支出(前期は239億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出400億円と、配当金の支払があったこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,537億円となりました。
(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金です。
(8)経営上の目標の達成状況について
経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(9) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
① 退職後給付費用に係る費用
日本基準では数理計算上の差異及び過去勤務費用について、その発生時にその他の包括利益を通じて純資産の部に計上したうえで、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりました。IFRSでは確定給付制度の再測定を発生時にその他の包括利益を通じて資本に認識し、過去勤務費用は発生時に一括で収益又は費用として処理しております。
② のれんの償却
日本基準ではのれんはその効果の及ぶ期間で定額償却し、のれん償却費を販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは償却を行っておりません。