有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米の政策動向の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるものの、全体として緩やかな回復基調となりました。欧米では、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が拡大し、景気は順調に回復しました。中国を始めとするアジア諸国でも、底堅い内外需を背景に、景気は持ち直しの動きが続きました。
国内においては、このような世界経済の成長を受けて、企業収益が堅調に推移しました。また、雇用・所得環境の改善が持続したことにより個人消費も持ち直し、景気は緩やかな回復が続きました。
即席めん業界におきましては、アジア新興国を始め各地域で需要が伸び、世界総需要は1千億食に回復しました。また、国内総需要は微増し、過去最高となりました。
このような状況の中、当社グループは平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ309億31百万円増加し、5,681億11百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ73億27百万円減少し、1,763億35百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ382億58百万円増加し、3,917億76百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高では前期比4.2%増の5,164億円となりました。利益面では、営業利益は前期比19.2%増の341億12百万円、経常利益は前期比23.5%増の405億88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比23.5%増の291億4百万円となりました。
<連結業績>(単位:百万円)
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、袋めん市場の低迷による影響はあったものの、カップめん類、即席ライス類が売上を伸ばし前期比で増収となりました。
カップめん類では、平成29年4月に発売した、こってりなのに"脂質50%OFF" "糖質40%OFF" "カロリー178kcal" を実現した「カップヌードル ナイス」を始め、「カップヌードル」群が順調に推移したことに加え、平成29年8月にリニューアルした「日清麺職人」群も好調に推移しました。また、袋めん類では、平成29年9月に発売した、“もう一品にちょうどいい!”をコンセプトにした「お椀で食べるシリーズ」が売上増加に寄与しました。さらに即席ライス類では、「日清カレーメシ」群が引き続き好調であったことに加え、「ぶっこみ飯」群、「日本めし」群などの湯かけタイプの商品ラインナップが充実し、売上増加に貢献しました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上高は、前期比1.9%増の2,329億32百万円となり、セグメント利益は、前期比2.2%増の282億91百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、袋めん類ではバリカタ麺が特長の「明星 ノンフライチャルメラ 豚骨」が引き続き好調であった「明星 チャルメラ」シリーズや、新たに「味噌」味を加えた「明星 評判屋」シリーズが堅調で増収を確保しました。
また、カップめん類では「明星 ぶぶか」シリーズ、「明星 チャルメラカップ」シリーズに加え、昨年発売の「明星 旨だし屋」シリーズも伸長し増収となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上高は、前期比2.2%増の414億87百万円となり、セグメント利益は、前期比15.2%増の20億56百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、主力ブランド「日清のラーメン屋さん」のリニューアル及び「フライパンひとつで」シリーズの簡単調理が評価されたことにより、ラーメン類が順調に推移しました。しかしながら、需要停滞及び競争環境の悪化による焼そば類の売上減少が影響し、全体として前期比で減収となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に推移しました。具付きパスタ類では、「牛挽肉とまいたけのクリーミーボロネーゼ」を始めとする、「日清もちっと生パスタ」シリーズが引き続き好調だったことに加え、ボリューム感、プレミアム感が特長の「日清Spa王BIG」「日清Spa王プレミアム」シリーズも好調に推移しました。具付きラーメン類では「冷凍 日清中華 汁なし担々麺」、「冷凍 日清具多 辣椒担々麺」等が売上を伸ばし、堅調に推移したことで、全体として増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上高は、前期比3.6%増の640億4百万円となり、セグメント利益は、前期比10.7%増の21億40百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、価格競争の影響を受けにくい企業体質への改善を目指し、既存商品の強化に加え、付加価値市場の創造に取り組んでおります。
そのようななか、売上につきましては平成28年9月に米国及びブラジルで「CUP NOODLES」のリニューアルを実施し、また米国における高品質の「CUP NOODLES」の発売が売上増加に寄与したことで増収となりました。利益につきましては、ブラジルでの価格改定や主要原料安等といった増益要因があったものの、物流費及び人件費の上昇といった米国における外部環境の悪化により、米州セグメントとしては減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上高は、前期比6.7%増の644億55百万円となり、セグメント利益は、前期比12.4%減の20億23百万円となりました。
(中国地域)
中国地域においては、中国大陸での即席めん市場が底を打ち、高価格帯市場が拡大しております。そのようななか、販売エリア拡大(華北・東北・西南地区)と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に取り組んでおり、また香港地域及び中国大陸ともに「出前一丁」が好調に推移しました。さらに前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり増収となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上高は、前期比18.3%増の425億83百万円となり、セグメント利益は、前期比4.8%増の35億69百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上高は、前期比3.8%増の709億36百万円となり、セグメント利益は、前期比25.2%減の19億74百万円となりました。
<報告セグメントの売上高及びセグメント利益>(単位:百万円)
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、496億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ179億42百万円の減少となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は448億90百万円(前期比117億39百万円の資金の増加)となりました。これは主に、退職給付に係る負債の増減額が50億24百万円減少したものの、有価証券等売却損益が61億61百万円、仕入債務の増減額が52億18百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は477億81百万円(前期比179億67百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券等の取得による支出が減少したことにより資金が89億81百万円増加したものの、有形固定資産の取得による支出が増加したことにより資金が172億86百万円、投資有価証券等の売却及び償還による収入が減少したことにより資金が103億8百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は111億26百万円(前期比149億28百万円の資金の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増減額の減少により資金が144億74百万円減少したものの、自己株式の取得による支出が減少したことにより資金が229億30百万円、非支配株主からの払込みによる収入が増加したことにより資金が124億54百万円増加したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。これら連結財務諸表の作成にあたっては、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 貸倒引当金
当社は、債権の貸倒損失に備えるため、過去の貸倒発生率等を勘案した格付けに基づき引当率を定め、貸倒引当金を計上しております。ただし、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。
b. 繰延税金資産
当社は、将来減算一時差異のうち、将来発生する課税所得で回収が可能と見込まれる部分について繰延税金資産を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その回収可能性について毎期検討し、内容の見直しを行っております。見直しにあたっては、将来の課税所得及び回収可能性の高い継続的な経営計画を検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩しております。
c. 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は国債の市場利回りを基礎に算出しています。長期期待運用収益率は、国債等の安定した長期債券利回りの加重平均に基づいて計算しています。
実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、数理計算上の差異は、発生した翌連結会計年度に一括して損益処理することとしております。
d. 棚卸資産
当社の主力製品である即席めんは、準主食ともいうべき食品で、原材料・製品とも在庫の回転日数は短くなっています。
このような状況ではありますが、当社ではより適切に棚卸資産の価値を財務諸表に反映させるため、期末在庫に対して収益性の低下を考慮して、評価減を実施しております。
e. 投資の減損
当社は、次の基準で減損処理を実施しております。
(時価のあるもの)
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に基づき時価のある有価証券については、期末の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合、減損処理を行い、期末の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合には、個々の銘柄毎に回復の可能性を検討し、回復の可能性がないものについては減損処理を行っております。
(時価のないもの)
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に基づき時価のない有価証券及び出資金等については、期末の実質価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合、減損処理を行っておりますが、下落率が50%未満であっても回復可能性を勘案し、回復の可能性がないものについては減損処理を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前期比4.2%増の5,164億円となり、過去最高となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したことに加え、即席ライス類の成長が貢献しました。また、低温事業において日清食品冷凍㈱の具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に販売が推移しました。この結果、国内の売上高は過去最高となりました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したこと等により各地域で増収となったほか、中国地域において前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり、大幅な増収となりました。この結果、海外の売上高も過去最高となりました。
当連結会計年度の営業利益は前期比19.2%増の341億12百万円となりました。
国内においては、各事業において増収となったことに加え、原価率が改善し、増益となりました。
海外においては、中国地域において「出前一丁」の販売が好調だったものの、新工場稼働による減価償却費の増加や米州地域における物流費や人件費等の販売費及び一般管理費の増加により減益となりました。
また、当社は退職給付会計により生じた数理計算上の差異を翌連結会計年度に一括して損益処理しております。前連結会計年度において割引率変更等に伴う損失42億75百万円を一括処理した影響がなくなっております。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の経常利益は、前期比23.5%増の405億88百万円となり、また当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.5%増の291億4百万円となり、いずれも過去最高となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要)
さらなる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。
(資金の調達)
必要な資金は、主として、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入によって調達しております。なお、当連結会計年度において、当社の連結子会社である日清食品有限公司は、平成29年12月11日に香港証券取引所メインボード市場に株式を上場し、新株式発行による資金調達を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ309億31百万円増加し、5,681億11百万円となりました。
これは主に、日清食品㈱において生産性向上と品質管理の強化を図るため、「次世代型スマートファクトリー」として関西工場の建設をすすめ、有形固定資産が増加したことによるものであります。また、持分法適用関連会社であるタイプレジデントフーズPub.Co.,Ltd.の株式を追加取得したこと及び持分法による投資利益を計上したこと等により投資有価証券も増加しました。
負債は、支払手形及び買掛金が増加したものの、短期借入金の返済を行ったことにより、前連結会計年度末に比べ73億27百万円減少し、1,763億35百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ382億58百万円増加し、3,917億76百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。また、当社の連結子会社である日清食品有限公司が、意思決定のスピードアップ及び変化に即応した体制の強化を行い、中国市場におけるプレゼンス拡大を目指すために、平成29年12月11日に香港証券取引所メインボード市場に上場したこと等により、前連結会計年度に比べ非支配株主持分が126億36百万円増加しました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の63.5%から64.5%となり、1.0ポイント増加しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を策定いたしました。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底します。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計2年目に当たる平成29年度の実績数値は下表のとおりです。当連結会計年度は、過去最高の売上高を更新し、本中計の達成に向けて堅実な成長を果たしております。
なお、当社は、平成30年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を行う予定であります。
(注)1 調整後営業利益 = 営業利益 - 退職給付会計の影響
2 時価総額 = 株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)
3 純利益 = 日本基準における「親会社株主に帰属する当期純利益」、IFRSにおける「親会社の所有者に帰属する当期利益」
4 調整後EPS(日本基準) = 調整後NOPAT(注5)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
5 調整後NOPAT = 税引後調整後営業利益+持分法損益+のれん償却額(持分法に含まれるものを含む)-非支配株主に帰属する当期純利益
6 調整後EPS(IFRS) = (営業利益(IFRS)±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日清食品)
売上高は、袋めん市場の低迷による影響はあったものの、カップめん類、即席ライス類が売上を伸ばしたことにより、前期比1.9%増の2,329億32百万円となり、セグメント利益は、前期比2.2%増の282億91百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比10.4%増の1,840億52百万円となりました。
(明星食品)
売上高は、袋めん類及びカップめん類が増収だったことにより、前期比2.2%増の414億87百万円となり、セグメント利益は、前期比15.2%増の20億56百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比3.8%増の511億13百万円となりました。
(低温事業)
売上高は、日清食品チルド㈱において焼そば類の売上が減少したものの、日清食品冷凍㈱において具付きパスタ類、具付きラーメン類が順調に推移したことにより、前期比3.6%増の640億4百万円となり、セグメント利益は、前期比10.7%増の21億40百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比8.0%増の323億52百万円となりました。
(米州地域)
売上高は、米国及びブラジルで「CUP NOODLES」をリニューアルしたことや、米国で高品質の「CUP NOODLES」を発売したことにより、前期比6.7%増の644億55百万円となりました。セグメント利益は、ブラジルでの価格改定や主要原料安等といった増益要因があったものの、物流費及び人件費の上昇といった米国における外部環境の悪化により、前期比12.4%減の20億23百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比1.8%増の454億33百万円となりました。
(中国地域)
売上高は、中国大陸及び香港において「出前一丁」が好調に推移したことに加え、前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり、前期比18.3%増の425億83百万円となり、セグメント利益は、前期比4.8%増の35億69百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比21.1%増の612億19百万円となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上高は、前期比3.8%増の709億36百万円となり、セグメント利益は、前期比25.2%減の19億74百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比12.1%増の1,448億円58百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米の政策動向の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるものの、全体として緩やかな回復基調となりました。欧米では、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が拡大し、景気は順調に回復しました。中国を始めとするアジア諸国でも、底堅い内外需を背景に、景気は持ち直しの動きが続きました。
国内においては、このような世界経済の成長を受けて、企業収益が堅調に推移しました。また、雇用・所得環境の改善が持続したことにより個人消費も持ち直し、景気は緩やかな回復が続きました。
即席めん業界におきましては、アジア新興国を始め各地域で需要が伸び、世界総需要は1千億食に回復しました。また、国内総需要は微増し、過去最高となりました。
このような状況の中、当社グループは平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ309億31百万円増加し、5,681億11百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ73億27百万円減少し、1,763億35百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ382億58百万円増加し、3,917億76百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高では前期比4.2%増の5,164億円となりました。利益面では、営業利益は前期比19.2%増の341億12百万円、経常利益は前期比23.5%増の405億88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比23.5%増の291億4百万円となりました。
<連結業績>(単位:百万円)
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期比 | |
| 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 | 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | 金額 | % | |
| 売上高 | 495,715 | 516,400 | +20,684 | +4.2 |
| 営業利益 | 28,618 | 34,112 | +5,493 | +19.2 |
| 経常利益 | 32,864 | 40,588 | +7,724 | +23.5 |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 23,558 | 29,104 | +5,545 | +23.5 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、袋めん市場の低迷による影響はあったものの、カップめん類、即席ライス類が売上を伸ばし前期比で増収となりました。
カップめん類では、平成29年4月に発売した、こってりなのに"脂質50%OFF" "糖質40%OFF" "カロリー178kcal" を実現した「カップヌードル ナイス」を始め、「カップヌードル」群が順調に推移したことに加え、平成29年8月にリニューアルした「日清麺職人」群も好調に推移しました。また、袋めん類では、平成29年9月に発売した、“もう一品にちょうどいい!”をコンセプトにした「お椀で食べるシリーズ」が売上増加に寄与しました。さらに即席ライス類では、「日清カレーメシ」群が引き続き好調であったことに加え、「ぶっこみ飯」群、「日本めし」群などの湯かけタイプの商品ラインナップが充実し、売上増加に貢献しました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上高は、前期比1.9%増の2,329億32百万円となり、セグメント利益は、前期比2.2%増の282億91百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、袋めん類ではバリカタ麺が特長の「明星 ノンフライチャルメラ 豚骨」が引き続き好調であった「明星 チャルメラ」シリーズや、新たに「味噌」味を加えた「明星 評判屋」シリーズが堅調で増収を確保しました。
また、カップめん類では「明星 ぶぶか」シリーズ、「明星 チャルメラカップ」シリーズに加え、昨年発売の「明星 旨だし屋」シリーズも伸長し増収となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上高は、前期比2.2%増の414億87百万円となり、セグメント利益は、前期比15.2%増の20億56百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、主力ブランド「日清のラーメン屋さん」のリニューアル及び「フライパンひとつで」シリーズの簡単調理が評価されたことにより、ラーメン類が順調に推移しました。しかしながら、需要停滞及び競争環境の悪化による焼そば類の売上減少が影響し、全体として前期比で減収となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に推移しました。具付きパスタ類では、「牛挽肉とまいたけのクリーミーボロネーゼ」を始めとする、「日清もちっと生パスタ」シリーズが引き続き好調だったことに加え、ボリューム感、プレミアム感が特長の「日清Spa王BIG」「日清Spa王プレミアム」シリーズも好調に推移しました。具付きラーメン類では「冷凍 日清中華 汁なし担々麺」、「冷凍 日清具多 辣椒担々麺」等が売上を伸ばし、堅調に推移したことで、全体として増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上高は、前期比3.6%増の640億4百万円となり、セグメント利益は、前期比10.7%増の21億40百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、価格競争の影響を受けにくい企業体質への改善を目指し、既存商品の強化に加え、付加価値市場の創造に取り組んでおります。
そのようななか、売上につきましては平成28年9月に米国及びブラジルで「CUP NOODLES」のリニューアルを実施し、また米国における高品質の「CUP NOODLES」の発売が売上増加に寄与したことで増収となりました。利益につきましては、ブラジルでの価格改定や主要原料安等といった増益要因があったものの、物流費及び人件費の上昇といった米国における外部環境の悪化により、米州セグメントとしては減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上高は、前期比6.7%増の644億55百万円となり、セグメント利益は、前期比12.4%減の20億23百万円となりました。
(中国地域)
中国地域においては、中国大陸での即席めん市場が底を打ち、高価格帯市場が拡大しております。そのようななか、販売エリア拡大(華北・東北・西南地区)と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に取り組んでおり、また香港地域及び中国大陸ともに「出前一丁」が好調に推移しました。さらに前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり増収となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上高は、前期比18.3%増の425億83百万円となり、セグメント利益は、前期比4.8%増の35億69百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上高は、前期比3.8%増の709億36百万円となり、セグメント利益は、前期比25.2%減の19億74百万円となりました。
<報告セグメントの売上高及びセグメント利益>(単位:百万円)
| 区分 | 売上高 | 増減額 | セグメント利益又は損失(△) | 増減額 | ||
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |||
| 日清食品 | 228,560 | 232,932 | +4,372 | 27,683 | 28,291 | +608 |
| 明星食品 | 40,612 | 41,487 | +875 | 1,784 | 2,056 | +271 |
| 低温事業 | 61,794 | 64,004 | +2,210 | 1,933 | 2,140 | +207 |
| 米州地域 | 60,420 | 64,455 | +4,035 | 2,309 | 2,023 | △285 |
| 中国地域 | 35,987 | 42,583 | +6,595 | 3,405 | 3,569 | +163 |
| そ の 他 | 68,341 | 70,936 | +2,594 | 2,638 | 1,974 | △664 |
| 合 計 | 495,715 | 516,400 | +20,684 | 39,755 | 40,056 | +300 |
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、496億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ179億42百万円の減少となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 |
| 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 | 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 33,151 | 44,890 | +11,739 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △29,814 | △47,781 | △17,967 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △26,055 | △11,126 | +14,928 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,360 | △3,185 | △4,545 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △21,357 | △17,203 | +4,154 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 88,689 | 67,563 | △21,125 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 67,563 | 49,620 | △17,942 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は448億90百万円(前期比117億39百万円の資金の増加)となりました。これは主に、退職給付に係る負債の増減額が50億24百万円減少したものの、有価証券等売却損益が61億61百万円、仕入債務の増減額が52億18百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は477億81百万円(前期比179億67百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券等の取得による支出が減少したことにより資金が89億81百万円増加したものの、有形固定資産の取得による支出が増加したことにより資金が172億86百万円、投資有価証券等の売却及び償還による収入が減少したことにより資金が103億8百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は111億26百万円(前期比149億28百万円の資金の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増減額の減少により資金が144億74百万円減少したものの、自己株式の取得による支出が減少したことにより資金が229億30百万円、非支配株主からの払込みによる収入が増加したことにより資金が124億54百万円増加したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 122,986 | △1.6 | |
| 明星食品(百万円) | 22,211 | +9.4 | |
| 低温事業(百万円) | 30,149 | +5.5 | |
| 米州地域(百万円) | 44,464 | +2.7 | |
| 中国地域(百万円) | 25,742 | +26.6 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 245,553 | +3.4 | |
| その他(百万円) | 41,518 | +4.7 | |
| 合計(百万円) | 287,072 | +3.6 | |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 232,932 | +1.9 | |
| 明星食品(百万円) | 41,487 | +2.2 | |
| 低温事業(百万円) | 64,004 | +3.6 | |
| 米州地域(百万円) | 64,455 | +6.7 | |
| 中国地域(百万円) | 42,583 | +18.3 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 445,463 | +4.2 | |
| その他(百万円) | 70,936 | +3.8 | |
| 合計(百万円) | 516,400 | +4.2 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱商事㈱ | 180,969 | 36.5 | 194,882 | 37.7 |
| 伊藤忠商事㈱ | 138,731 | 28.0 | 140,135 | 27.1 |
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。これら連結財務諸表の作成にあたっては、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 貸倒引当金
当社は、債権の貸倒損失に備えるため、過去の貸倒発生率等を勘案した格付けに基づき引当率を定め、貸倒引当金を計上しております。ただし、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。
b. 繰延税金資産
当社は、将来減算一時差異のうち、将来発生する課税所得で回収が可能と見込まれる部分について繰延税金資産を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その回収可能性について毎期検討し、内容の見直しを行っております。見直しにあたっては、将来の課税所得及び回収可能性の高い継続的な経営計画を検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩しております。
c. 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は国債の市場利回りを基礎に算出しています。長期期待運用収益率は、国債等の安定した長期債券利回りの加重平均に基づいて計算しています。
実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、数理計算上の差異は、発生した翌連結会計年度に一括して損益処理することとしております。
d. 棚卸資産
当社の主力製品である即席めんは、準主食ともいうべき食品で、原材料・製品とも在庫の回転日数は短くなっています。
このような状況ではありますが、当社ではより適切に棚卸資産の価値を財務諸表に反映させるため、期末在庫に対して収益性の低下を考慮して、評価減を実施しております。
e. 投資の減損
当社は、次の基準で減損処理を実施しております。
(時価のあるもの)
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に基づき時価のある有価証券については、期末の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合、減損処理を行い、期末の時価が取得原価に比べ30%以上50%未満下落した場合には、個々の銘柄毎に回復の可能性を検討し、回復の可能性がないものについては減損処理を行っております。
(時価のないもの)
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に基づき時価のない有価証券及び出資金等については、期末の実質価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合、減損処理を行っておりますが、下落率が50%未満であっても回復可能性を勘案し、回復の可能性がないものについては減損処理を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前期比4.2%増の5,164億円となり、過去最高となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したことに加え、即席ライス類の成長が貢献しました。また、低温事業において日清食品冷凍㈱の具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に販売が推移しました。この結果、国内の売上高は過去最高となりました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したこと等により各地域で増収となったほか、中国地域において前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり、大幅な増収となりました。この結果、海外の売上高も過去最高となりました。
当連結会計年度の営業利益は前期比19.2%増の341億12百万円となりました。
国内においては、各事業において増収となったことに加え、原価率が改善し、増益となりました。
海外においては、中国地域において「出前一丁」の販売が好調だったものの、新工場稼働による減価償却費の増加や米州地域における物流費や人件費等の販売費及び一般管理費の増加により減益となりました。
また、当社は退職給付会計により生じた数理計算上の差異を翌連結会計年度に一括して損益処理しております。前連結会計年度において割引率変更等に伴う損失42億75百万円を一括処理した影響がなくなっております。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の経常利益は、前期比23.5%増の405億88百万円となり、また当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.5%増の291億4百万円となり、いずれも過去最高となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要)
さらなる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。
(資金の調達)
必要な資金は、主として、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入によって調達しております。なお、当連結会計年度において、当社の連結子会社である日清食品有限公司は、平成29年12月11日に香港証券取引所メインボード市場に株式を上場し、新株式発行による資金調達を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ309億31百万円増加し、5,681億11百万円となりました。
これは主に、日清食品㈱において生産性向上と品質管理の強化を図るため、「次世代型スマートファクトリー」として関西工場の建設をすすめ、有形固定資産が増加したことによるものであります。また、持分法適用関連会社であるタイプレジデントフーズPub.Co.,Ltd.の株式を追加取得したこと及び持分法による投資利益を計上したこと等により投資有価証券も増加しました。
負債は、支払手形及び買掛金が増加したものの、短期借入金の返済を行ったことにより、前連結会計年度末に比べ73億27百万円減少し、1,763億35百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ382億58百万円増加し、3,917億76百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。また、当社の連結子会社である日清食品有限公司が、意思決定のスピードアップ及び変化に即応した体制の強化を行い、中国市場におけるプレゼンス拡大を目指すために、平成29年12月11日に香港証券取引所メインボード市場に上場したこと等により、前連結会計年度に比べ非支配株主持分が126億36百万円増加しました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の63.5%から64.5%となり、1.0ポイント増加しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を策定いたしました。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底します。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計2年目に当たる平成29年度の実績数値は下表のとおりです。当連結会計年度は、過去最高の売上高を更新し、本中計の達成に向けて堅実な成長を果たしております。
なお、当社は、平成30年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を行う予定であります。
| 区分 | 平成29年度 | 平成32年度 | ||
| (実績値 日本基準) | (参考値 日本基準) | 目標値 IFRS | ||
| 本業で 稼ぐ力 | 売上高(売上収益(IFRS)) | 5,164億円 | 6,000億円 | 5,500億円 |
| 調整後営業利益(注1) | 334億円 | 400億円 | - | |
| 営業利益(IFRS) | - | - | 475億円 | |
| 資本市場価値 | 時価総額(注2) | 7,685億円 | 1兆円 | |
| 純利益(注3) | 291億円 | 330億円 | ||
| ROE | 8.2% | 8%以上 | ||
| 調整後EPS(日本基準)(注4) | 272円 | 年平均成長率 10%以上 | - | |
| 調整後EPS(IFRS)(注6) | - | 330円 | ||
(注)1 調整後営業利益 = 営業利益 - 退職給付会計の影響
2 時価総額 = 株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)
3 純利益 = 日本基準における「親会社株主に帰属する当期純利益」、IFRSにおける「親会社の所有者に帰属する当期利益」
4 調整後EPS(日本基準) = 調整後NOPAT(注5)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
5 調整後NOPAT = 税引後調整後営業利益+持分法損益+のれん償却額(持分法に含まれるものを含む)-非支配株主に帰属する当期純利益
6 調整後EPS(IFRS) = (営業利益(IFRS)±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日清食品)
売上高は、袋めん市場の低迷による影響はあったものの、カップめん類、即席ライス類が売上を伸ばしたことにより、前期比1.9%増の2,329億32百万円となり、セグメント利益は、前期比2.2%増の282億91百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比10.4%増の1,840億52百万円となりました。
(明星食品)
売上高は、袋めん類及びカップめん類が増収だったことにより、前期比2.2%増の414億87百万円となり、セグメント利益は、前期比15.2%増の20億56百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比3.8%増の511億13百万円となりました。
(低温事業)
売上高は、日清食品チルド㈱において焼そば類の売上が減少したものの、日清食品冷凍㈱において具付きパスタ類、具付きラーメン類が順調に推移したことにより、前期比3.6%増の640億4百万円となり、セグメント利益は、前期比10.7%増の21億40百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比8.0%増の323億52百万円となりました。
(米州地域)
売上高は、米国及びブラジルで「CUP NOODLES」をリニューアルしたことや、米国で高品質の「CUP NOODLES」を発売したことにより、前期比6.7%増の644億55百万円となりました。セグメント利益は、ブラジルでの価格改定や主要原料安等といった増益要因があったものの、物流費及び人件費の上昇といった米国における外部環境の悪化により、前期比12.4%減の20億23百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比1.8%増の454億33百万円となりました。
(中国地域)
売上高は、中国大陸及び香港において「出前一丁」が好調に推移したことに加え、前第4四半期連結会計期間より連結子会社化したMC Marketing & Sales (Hong Kong) Limitedの寄与もあり、前期比18.3%増の425億83百万円となり、セグメント利益は、前期比4.8%増の35億69百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比21.1%増の612億19百万円となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上高は、前期比3.8%増の709億36百万円となり、セグメント利益は、前期比25.2%減の19億74百万円となりました。また、セグメント資産は、前期比12.1%増の1,448億円58百万円となりました。