有価証券報告書-第76期(2023/04/01-2024/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国において個人消費が堅調であるなど底堅く推移したものの、地政学リスクの高まりやインフレの進行等で先行き不透明感が増しております。国内においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により経済活動が正常化し、内需が回復しつつあることなどから、景気は緩やかに回復基調にあります。一方で、原材料やエネルギー価格の高騰に加え、為替変動や金融政策の転換などのリスク要因もあり、予断を許さない状況であります。
かかる環境下、即席めん業界においては、新型コロナウイルス感染症流行期の需要増の反動もあり、中国など一部の国では前年比消費が減少しましたが、世界総需要は、流行前の2019年と比較すると10%以上高い堅調な水準を維持しています。
こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,040億8百万円増加し、8,123億82百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ369億48百万円増加し、2,773億72百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ670億60百万円増加し、5,350億10百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比9.5%増の7,329億33百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比33.9%増の806億1百万円、営業利益は前期比31.9%増の733億61百万円、税引前利益は前期比32.7%増の769億15百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比21.0%増の541億70百万円となりました。
また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比6.5%増の7,125億17百万円、既存事業コア営業利益は前期比30.2%増の783億90百万円となりました。(注2)
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益および非経常損益としての「その他収支」
を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規
事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用
している指標であります。
(注2)2024年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<連結業績>
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループにおける事業管理区分の見直しにより、従来、「その他」に含めていた「ニッシンフーズベトナム CO., LTD.」について、「中国地域」に含めて記載する方法に変更しております。
以下の前期比較は前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類、カップライス類が堅調に推移し、価格改定効果もあり、各カテゴリーとも前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル 具材まみれ」シリーズをはじめ、期間限定商品の「日清のどん兵衛 だし比べ」シリーズなどお客さまニーズを捉えた商品が順調に推移しています。袋めん類では、発売65周年商品である「チキンラーメン」をはじめとするロングセラー商品や、2024年3月発売の「日清ラ王 3食パック」シリーズ等が売上を伸ばし、増収に寄与しました。カップライス類では、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調を維持しています。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、増収効果により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比5.5%増の2,322億21百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比11.3%増の295億48百万円、営業利益は、前期比11.0%増の297億41百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。
カップめん類では、主力の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」が好調に推移したほか、2023年3月に新発売した「ロカボNOODLESおいしさプラス」も貢献しました。
袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが引き続き好調に推移しました。
利益面では、原材料価格の上昇や広告宣伝費・販売費用等の増加等、費用の増加がありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比7.3%増の434億50百万円、コア営業利益(注3)は、前期比18.4%増の27億38百万円、営業利益は、前期比18.7%増の28億18百万円となりました。
(低温・飲料事業)
チルド事業は、新商品の「チルド 日清Spa王」、夏場の冷し中華群、秋季より賞味期限を40日から60日に延長した「行列のできる店のラーメン」が好調に推移しました。さらに、2024年3月発売の「チルド 日清焼そばU.F.O.」も単月ながら大きく売上に貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、売上増及び価格改定により原材料価格上昇等によるコストアップを吸収し前期比で増益となりました。
冷凍事業は、ラーメン類、うどん類等が堅調に推移し、前期比で増収となりました。ラーメン類では「冷凍 日清中華」、「冷凍 日清まぜ麺亭」シリーズが好調でした。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、価格改定効果により前期比で増益となりました。
飲料事業は、乳酸菌飲料の「ピルクル400」シリーズ、 “睡眠の質を改善し、疲労感を軽減する”「ピルクル ミラクルケア」が引き続き好調に推移したほか、「十勝のむヨーグルト」シリーズも秋のリニューアルで大きく伸長しました。また価格改定効果もあり、前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比9.7%増の952億21百万円、コア営業利益(注3)は、前期比96.3%増の77億2百万円、営業利益は、前期比97.7%増の76億92百万円となりました。
(菓子事業)
菓子事業では、㈱湖池屋は「湖池屋ポテトチップス」シリーズや「スコーン」シリーズ等の主力商品や「湖池屋プライドポテト」シリーズ等の高付加価値商品の販売が拡大したことに加え、国内外において価格改定が奏功したことで、前期比で大幅な増収増益となりました。日清シスコ㈱は発売から60年を迎えた「シスコーン」シリーズや「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し前期比で増収増益となりました。ぼんち㈱は5パック商品や値ごろ感のある商品が堅調に推移し、また、価格改定を行ったことにより前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比15.0%増の851億50百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比73.6%増の49億30百万円、営業利益は、前期比62.4%増の44億96百万円となりました。
(米州地域)
米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に加えて価格改定も寄与し、増収増益となりました。
売上については、米国では2022年8月に実施した価格改定後も底堅い即席めん需要が続く中、普及価格帯商品の販売が堅調に推移したことに加え、高付加価値商品を中心とした積極的な販売施策に取り組んだことで増収、ブラジルでは生産設備の大型メンテナンスや自然災害による生産トラブルの影響で販売数量減があったものの、価格改定効果及び為替影響により、増収となりました。
利益については、米国において第3工場建設関連等の一時費用が発生したものの、主要原材料等のコスト上昇が落ち着きつつあることや、価格改定による増収効果、為替影響等によりセグメント全体で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比14.5%増の1,603億33百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比72.3%増の215億31百万円、営業利益は、前期比72.1%増の214億86百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比4.2%増の1,459億31百万円となり、コア営業利益は、前期比57.8%増の197億24百万円となりました。(注4)
(中国地域)
中国地域においては、販売エリア拡大や中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化及び高価格帯袋めんの販売の拡大に取り組んでいます。中国大陸は、第4四半期の販売は緩やかな回復傾向にありましたが、年度を通じて消費は伸び悩みました。香港は、第4四半期の販売は中国本土からの旅行客が増加し、外食産業向けの即席めんの販売が伸び、更に輸出や香港でのプレミアム袋めんの「北海道出前一丁」の販売が伸長しました。また当期中国地域セグメントに変更をしたベトナム日清のベトナム国内販売チャネルが拡大し、即席めんの販売ボリュームが増加しました。年間を通じては香港市民の深圳への越境旅行増加による消費行動の変化などにより伸び悩みました。
こうした状況の下、当年度の売上に関しては、第4四半期の増収要因があったものの、第3四半期までの減収要因を吸収できず微減になりました。
利益については、前年度計上した一過性の政府補助金要因が今年度なくなり前期比で減益になりましたが、本業ベースは主に原材料価格低下や販売費用減少により利益率は改善し、加えて為替換算影響もあり、前期比で増益になりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比0.8%減の664億52百万円、コア営業利益(注3)は、前期比3.6%増の80億53百万円、営業利益は、前期比2.8%減の81億29百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比4.4%減の640億27百万円となり、コア営業利益は、前期比0.8%増の78億39百万円となりました。(注4)
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比23.3%増の501億2百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比36.9%増の77億82百万円、営業利益は、前期比32.5%増の71億46百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比14.5%増の465億13百万円となり、コア営業利益は、前期比33.5%増の75億90百万円となりました。(注4)
(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。
(注4)2024年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、966億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億71百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は941億23百万円(前期比293億14百万円の資金の増加)となりました。これは主に税引前利益769億15百万円、減価償却費312億62百万円に対して、法人所得税の支払額が166億88百万円、持分法による投資損益が130億38百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は619億12百万円(前期比298億55百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が620億88百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は263億23百万円(前期比213億53百万円の資金の増加)となりました。これは主に配当金の支払額が157億9百万円、長期借入金の返済による支出が87億1百万円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要性がある会計方針 5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比9.5%増の7,329億33百万円となりました。
国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、価格改定の影響及び高付加価値商品の販売が好調であることにより増収となりました。
海外事業においては、米国における価格改定効果やその他セグメントに含まれるアジア地域の販売が好調であることにより増収となりました。
当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比33.9%増の806億1百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比31.9%増の733億61百万円となりました。
国内即席めん事業においては、資材価格上昇によるコスト増がありましたが、価格改定等による増収効果がカバーし、増益となりました。
国内非即席めん事業においては、日清ヨーク㈱や㈱湖池屋が大きく貢献し、増益となりました。
海外においては、価格改定等による増収効果に加え、前連結会計年度中に持分法を適用したPremier Foods plcの貢献もあり、増益となりました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比32.7%増の769億15百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比21.0%増の541億70百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,040億8百万円増加し、8,123億82百万円となりました。これは主に有形固定資産が497億34百万円、営業債権及びその他の債権が149億23百万円、現金及び現金同等物が92億71百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ369億48百万円増加し、2,773億72百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が211億6百万円、繰延税金負債が69億89百万円増加したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べ670億60百万円増加し、5,350億10百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が315億66百万円、利益剰余金が306億32百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の60.8%から60.7%となり、0.1ポイント減少しております。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定いたしました。
ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。
(注)1 IFRS上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標
2 2024年5月に中長期的目標を上方修正
既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」
ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」
3 Mid-single Digit(オーガニック):
インオーガニックグロース(M&A等)、外部環境の急変(為替、インフレ率等)を含まない実力値としての
成長性
4 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出
A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計
D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
5 非財務目標については、2030年度の目標値
6 外部認証の活用および独自アセスメントによる
7 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正
Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国において個人消費が堅調であるなど底堅く推移したものの、地政学リスクの高まりやインフレの進行等で先行き不透明感が増しております。国内においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により経済活動が正常化し、内需が回復しつつあることなどから、景気は緩やかに回復基調にあります。一方で、原材料やエネルギー価格の高騰に加え、為替変動や金融政策の転換などのリスク要因もあり、予断を許さない状況であります。
かかる環境下、即席めん業界においては、新型コロナウイルス感染症流行期の需要増の反動もあり、中国など一部の国では前年比消費が減少しましたが、世界総需要は、流行前の2019年と比較すると10%以上高い堅調な水準を維持しています。
こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,040億8百万円増加し、8,123億82百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ369億48百万円増加し、2,773億72百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ670億60百万円増加し、5,350億10百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比9.5%増の7,329億33百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比33.9%増の806億1百万円、営業利益は前期比31.9%増の733億61百万円、税引前利益は前期比32.7%増の769億15百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比21.0%増の541億70百万円となりました。
また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比6.5%増の7,125億17百万円、既存事業コア営業利益は前期比30.2%増の783億90百万円となりました。(注2)
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益および非経常損益としての「その他収支」
を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規
事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用
している指標であります。
(注2)2024年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<連結業績>
| (単位:百万円) | ||||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | |
| 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 | 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 | 金額 | % | |
| 売上収益 | 669,248 | 732,933 | 63,685 | 9.5 |
| 既存事業コア営業利益 | 60,192 | 80,601 | 20,409 | 33.9 |
| 営業利益 | 55,636 | 73,361 | 17,724 | 31.9 |
| 税引前利益 | 57,950 | 76,915 | 18,964 | 32.7 |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 44,760 | 54,170 | 9,409 | 21.0 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループにおける事業管理区分の見直しにより、従来、「その他」に含めていた「ニッシンフーズベトナム CO., LTD.」について、「中国地域」に含めて記載する方法に変更しております。
以下の前期比較は前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類、カップライス類が堅調に推移し、価格改定効果もあり、各カテゴリーとも前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル 具材まみれ」シリーズをはじめ、期間限定商品の「日清のどん兵衛 だし比べ」シリーズなどお客さまニーズを捉えた商品が順調に推移しています。袋めん類では、発売65周年商品である「チキンラーメン」をはじめとするロングセラー商品や、2024年3月発売の「日清ラ王 3食パック」シリーズ等が売上を伸ばし、増収に寄与しました。カップライス類では、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調を維持しています。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、増収効果により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比5.5%増の2,322億21百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比11.3%増の295億48百万円、営業利益は、前期比11.0%増の297億41百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。
カップめん類では、主力の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」が好調に推移したほか、2023年3月に新発売した「ロカボNOODLESおいしさプラス」も貢献しました。
袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが引き続き好調に推移しました。
利益面では、原材料価格の上昇や広告宣伝費・販売費用等の増加等、費用の増加がありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比7.3%増の434億50百万円、コア営業利益(注3)は、前期比18.4%増の27億38百万円、営業利益は、前期比18.7%増の28億18百万円となりました。
(低温・飲料事業)
チルド事業は、新商品の「チルド 日清Spa王」、夏場の冷し中華群、秋季より賞味期限を40日から60日に延長した「行列のできる店のラーメン」が好調に推移しました。さらに、2024年3月発売の「チルド 日清焼そばU.F.O.」も単月ながら大きく売上に貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、売上増及び価格改定により原材料価格上昇等によるコストアップを吸収し前期比で増益となりました。
冷凍事業は、ラーメン類、うどん類等が堅調に推移し、前期比で増収となりました。ラーメン類では「冷凍 日清中華」、「冷凍 日清まぜ麺亭」シリーズが好調でした。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、価格改定効果により前期比で増益となりました。
飲料事業は、乳酸菌飲料の「ピルクル400」シリーズ、 “睡眠の質を改善し、疲労感を軽減する”「ピルクル ミラクルケア」が引き続き好調に推移したほか、「十勝のむヨーグルト」シリーズも秋のリニューアルで大きく伸長しました。また価格改定効果もあり、前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比9.7%増の952億21百万円、コア営業利益(注3)は、前期比96.3%増の77億2百万円、営業利益は、前期比97.7%増の76億92百万円となりました。
(菓子事業)
菓子事業では、㈱湖池屋は「湖池屋ポテトチップス」シリーズや「スコーン」シリーズ等の主力商品や「湖池屋プライドポテト」シリーズ等の高付加価値商品の販売が拡大したことに加え、国内外において価格改定が奏功したことで、前期比で大幅な増収増益となりました。日清シスコ㈱は発売から60年を迎えた「シスコーン」シリーズや「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し前期比で増収増益となりました。ぼんち㈱は5パック商品や値ごろ感のある商品が堅調に推移し、また、価格改定を行ったことにより前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比15.0%増の851億50百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比73.6%増の49億30百万円、営業利益は、前期比62.4%増の44億96百万円となりました。
(米州地域)
米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に加えて価格改定も寄与し、増収増益となりました。
売上については、米国では2022年8月に実施した価格改定後も底堅い即席めん需要が続く中、普及価格帯商品の販売が堅調に推移したことに加え、高付加価値商品を中心とした積極的な販売施策に取り組んだことで増収、ブラジルでは生産設備の大型メンテナンスや自然災害による生産トラブルの影響で販売数量減があったものの、価格改定効果及び為替影響により、増収となりました。
利益については、米国において第3工場建設関連等の一時費用が発生したものの、主要原材料等のコスト上昇が落ち着きつつあることや、価格改定による増収効果、為替影響等によりセグメント全体で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比14.5%増の1,603億33百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比72.3%増の215億31百万円、営業利益は、前期比72.1%増の214億86百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比4.2%増の1,459億31百万円となり、コア営業利益は、前期比57.8%増の197億24百万円となりました。(注4)
(中国地域)
中国地域においては、販売エリア拡大や中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化及び高価格帯袋めんの販売の拡大に取り組んでいます。中国大陸は、第4四半期の販売は緩やかな回復傾向にありましたが、年度を通じて消費は伸び悩みました。香港は、第4四半期の販売は中国本土からの旅行客が増加し、外食産業向けの即席めんの販売が伸び、更に輸出や香港でのプレミアム袋めんの「北海道出前一丁」の販売が伸長しました。また当期中国地域セグメントに変更をしたベトナム日清のベトナム国内販売チャネルが拡大し、即席めんの販売ボリュームが増加しました。年間を通じては香港市民の深圳への越境旅行増加による消費行動の変化などにより伸び悩みました。
こうした状況の下、当年度の売上に関しては、第4四半期の増収要因があったものの、第3四半期までの減収要因を吸収できず微減になりました。
利益については、前年度計上した一過性の政府補助金要因が今年度なくなり前期比で減益になりましたが、本業ベースは主に原材料価格低下や販売費用減少により利益率は改善し、加えて為替換算影響もあり、前期比で増益になりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比0.8%減の664億52百万円、コア営業利益(注3)は、前期比3.6%増の80億53百万円、営業利益は、前期比2.8%減の81億29百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比4.4%減の640億27百万円となり、コア営業利益は、前期比0.8%増の78億39百万円となりました。(注4)
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比23.3%増の501億2百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比36.9%増の77億82百万円、営業利益は、前期比32.5%増の71億46百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比14.5%増の465億13百万円となり、コア営業利益は、前期比33.5%増の75億90百万円となりました。(注4)
(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。
(注4)2024年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
| (単位:百万円) | ||||||
| 報告セグメント | 売上収益 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 | ||
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |||
| 日清食品 | 220,204 | 232,221 | 12,017 | 26,795 | 29,741 | 2,946 |
| 明星食品 | 40,511 | 43,450 | 2,939 | 2,373 | 2,818 | 444 |
| 低温・飲料事業 | 86,838 | 95,221 | 8,383 | 3,890 | 7,692 | 3,802 |
| 菓子事業 | 74,057 | 85,150 | 11,092 | 2,768 | 4,496 | 1,727 |
| 米州地域 | 140,042 | 160,333 | 20,290 | 12,483 | 21,486 | 9,002 |
| 中国地域 | 66,972 | 66,452 | △519 | 8,360 | 8,129 | △231 |
| そ の 他 | 40,621 | 50,102 | 9,481 | 5,392 | 7,146 | 1,754 |
| 合 計 | 669,248 | 732,933 | 63,685 | 62,065 | 81,512 | 19,446 |
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、966億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億71百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 |
| 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 | 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 64,809 | 94,123 | 29,314 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △32,057 | △61,912 | △29,855 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △47,676 | △26,323 | 21,353 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 306 | 3,383 | 3,076 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △14,617 | 9,271 | 23,888 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 102,005 | 87,388 | △14,617 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 87,388 | 96,659 | 9,271 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は941億23百万円(前期比293億14百万円の資金の増加)となりました。これは主に税引前利益769億15百万円、減価償却費312億62百万円に対して、法人所得税の支払額が166億88百万円、持分法による投資損益が130億38百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は619億12百万円(前期比298億55百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が620億88百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は263億23百万円(前期比213億53百万円の資金の増加)となりました。これは主に配当金の支払額が157億9百万円、長期借入金の返済による支出が87億1百万円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 162,672 | 1.7 | |
| 明星食品(百万円) | 30,307 | 5.1 | |
| 低温・飲料事業(百万円) | 53,413 | 6.9 | |
| 菓子事業(百万円) | 83,098 | 5.7 | |
| 米州地域(百万円) | 107,881 | 5.8 | |
| 中国地域(百万円) | 44,022 | △1.8 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 481,395 | 3.7 | |
| その他(百万円) | 29,601 | 14.5 | |
| 合計(百万円) | 510,996 | 4.3 | |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 232,221 | 5.5 | |
| 明星食品(百万円) | 43,450 | 7.3 | |
| 低温・飲料事業(百万円) | 95,221 | 9.7 | |
| 菓子事業(百万円) | 85,150 | 15.0 | |
| 米州地域(百万円) | 160,333 | 14.5 | |
| 中国地域(百万円) | 66,452 | △0.8 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 682,830 | 8.6 | |
| その他(百万円) | 50,102 | 23.3 | |
| 合計(百万円) | 732,933 | 9.5 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱食品㈱ | 81,654 | 12.2 | 92,302 | 12.6 |
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要性がある会計方針 5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比9.5%増の7,329億33百万円となりました。
国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、価格改定の影響及び高付加価値商品の販売が好調であることにより増収となりました。
海外事業においては、米国における価格改定効果やその他セグメントに含まれるアジア地域の販売が好調であることにより増収となりました。
当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比33.9%増の806億1百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比31.9%増の733億61百万円となりました。
国内即席めん事業においては、資材価格上昇によるコスト増がありましたが、価格改定等による増収効果がカバーし、増益となりました。
国内非即席めん事業においては、日清ヨーク㈱や㈱湖池屋が大きく貢献し、増益となりました。
海外においては、価格改定等による増収効果に加え、前連結会計年度中に持分法を適用したPremier Foods plcの貢献もあり、増益となりました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比32.7%増の769億15百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比21.0%増の541億70百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,040億8百万円増加し、8,123億82百万円となりました。これは主に有形固定資産が497億34百万円、営業債権及びその他の債権が149億23百万円、現金及び現金同等物が92億71百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ369億48百万円増加し、2,773億72百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が211億6百万円、繰延税金負債が69億89百万円増加したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べ670億60百万円増加し、5,350億10百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が315億66百万円、利益剰余金が306億32百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の60.8%から60.7%となり、0.1ポイント減少しております。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定いたしました。
ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。
| 項目 | 区分 | 項目 | 目標値 | 進捗レビュー |
| 財務 | 成長性 | 既存事業コア営業利益成長率 (注1,2) | Mid-single Digit (オーガニック) (注3) | 2020年度-2023年度 +24.4% |
| 効率性 | ROE(注2) | 2030年度までを 目途に15% | 2023年度 11.7% | |
| 安全性 | Net Debt/EBITDA | 2倍以下 | 2023年度 △0.4x | |
| 安定的株主還元 | 累進的配当 | 配当性向:約40% | 2023年度 37.4% 累進的配当継続 | |
| 自己株式の取得 | 機動的な 自己株式取得 | 自己株式取得 2021年度 約120億円 2022年度 約120億円 | ||
| 相対TSR(TOPIX食料品対比)(注4) | 1倍超 | 2021年度 1.2倍 2022年度 1.1倍 2023年度 1.1倍 | ||
| 非財務 (注5) | 有限資源の 有効活用 | 持続可能なパーム油の調達比率(注6) | 100% | 2023年 43.4% |
| 水使用量(IFRS売上100万円あたり) | 12.3㎥以下 | 2023年 9.7㎥ | ||
| 流通廃棄物削減率 (2015年度対比/日本国内) | △50% | 2023年 △51.1% | ||
| 気候変動 インパクトの 軽減 | CO₂排出削減(Scope 1+2) (2020年対比) (注7) | △42% | 2023年 △16.1% | |
| CO₂排出削減(Scope 3)(2020年対比) (注7) | △25% | 2023年 △2.3% |
(注)1 IFRS上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標
2 2024年5月に中長期的目標を上方修正
既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」
ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」
3 Mid-single Digit(オーガニック):
インオーガニックグロース(M&A等)、外部環境の急変(為替、インフレ率等)を含まない実力値としての
成長性
4 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出
A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計
D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
5 非財務目標については、2030年度の目標値
6 外部認証の活用および独自アセスメントによる
7 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正
Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)