有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大・長期化により世界中の各都市で非常事態宣言やロックダウンが発令されるなど大幅に影響を受け、企業収益や個人消費は急速に落ち込みを見せました。中国では新型コロナウイルス拡大前のGDP水準まで回復しているものの、世界全体では依然として収束の目途は立たず、本格的な景気回復までは見通せない状態が続いています。
国内においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業収益や雇用・所得環境は急激に悪化しました。2020年5月の緊急事態宣言解除により回復の動きはみられたものの、感染が長期化する中で景気回復のペースは緩やかとなっています。2021年1月には、再度緊急事態宣言が出され、先行き不透明な状況が続いています。
即席めん業界におきましては、巣ごもり需要の増加により各地域で販売が増加し世界総需要は1,100億食を超えました。国内総需要も増加し、過去最高となりました。
このような状況の中、当社グループは2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでまいりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ869億8百万円増加し、6,635億30百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ195億36百万円増加し、2,420億95百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ673億72百万円増加し、4,214億35百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比7.9%増の5,061億7百万円となりました。利益面では、営業利益は前期比34.6%増の555億32百万円、税引前利益は前期比31.8%増の562億33百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比39.3%増の408億28百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
<連結業績>
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、袋めん類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。袋めん類では、「出前一丁」、「日清焼そば」、「日清のラーメン屋さん」シリーズが第3四半期に引き続き売上を伸ばしたほか、2020年9月に発売した若年ファミリー向けの3食入り袋めん「日清これ絶対うまいやつ!」シリーズや〆の鍋ラ王として提案された「日清ラ王」シリーズが売上に貢献しました。また、袋めん類以外では、「あっさりおいしいカップヌードル」シリーズ、「あっさりおだしがおいしいどん兵衛」シリーズの売上が引き続き好調だったほか、累計販売食数1億食を突破した「カレーメシ」をはじめとするカップライス製品が売上を大きく伸ばしました。平時の需要に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛による商品需要の増加も売上に貢献しました。利益面では、関西工場稼働に伴う減価償却費の増加、物流費の上昇等がありましたが、増収効果により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比2.1%増の2,056億24百万円となり、セグメント利益は、前期比16.8%増の321億96百万円となりました。
(明星食品)
明星食品の販売状況は、袋めん類では、主要ブランドの「明星 チャルメラ」が「宮崎辛麺」の好調もあり伸長し、さらに新ブランド「明星 麺神(めがみ)」も貢献し、前期比で増収となりました。
カップめん類においては、新型コロナウイルスの影響でCVS(コンビニエンスストア)向けが要因となり、前年を僅かに下回りましたが、新ブランド「明星 麺神」が売上に貢献しました。
利益面では、販売数量増加による増収と促進費や一般管理費等の減少等により、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比2.8%増の375億51百万円となり、セグメント利益は、前期比45.2%増の31億83百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加により主力ブランド「行列のできる店のラーメン」、「つけ麺の達人」、「日清のラーメン屋さん」、「まぜ麺の達人」、「フライパンひとつで」の各シリーズを中心に引き続き売上が伸長し、前期比で増収増益となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、主力商品である「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」をはじめとして、「冷凍 日清具多」、「冷凍 日清もちっと生パスタ」、「冷凍 日清スパ王プレミアム」の各シリーズが順調に売上を伸ばし、また、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加もあり、前期比で増収となりました。利益面では、増収効果や増産に伴う生産性の向上により前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上収益は、前期比8.0%増の618億69百万円となり、セグメント利益は、前期比104.9%増の28億90百万円となりました。
(菓子・飲料事業)
菓子事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によりシリアルの価値が再認識されたことにより、日清シスコ㈱の「ごろっとグラノーラ」シリーズや「シスコーンBIG」シリーズを中心に売上が伸長しました。また、2020年12月より㈱湖池屋を連結子会社化したことも寄与し、前期比で増収増益となりました。
飲料事業は、健康志向の高まりや新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加により、日清ヨーク㈱の主力ブランドの「ピルクル」シリーズが好調に推移し、前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子・飲料事業の売上収益は、前期比35.7%増の569億18百万円となり、セグメント利益は、前期比52.2%増の33億37百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、既存商品の収益力の向上に加え、新たな需要の創造に向けた付加価値商品の提案強化に取り組んでおります。
売上につきましては、ブラジルでは主力商品の「Nissin Lamen」が引き続き好調に推移したことに加え「CUP NOODLES」の売上も伸長しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加も売上に貢献しました。米国においても新型コロナウイルス感染症の影響により普及価格帯商品の売上が好調に推移し、また高価格帯商品も新商品が好調に推移し大幅に伸長したことによりセグメント全体で増収となりました。利益につきましては、売上増、高価格帯商品の販売増等の増収効果もありましたが、主要原材料価格の上昇や為替影響等により減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比7.5%増の708億73百万円となり、セグメント利益は、前期比0.8%減の40億47百万円となりました。
(中国地域)
中国地域において、中国大陸での高付加価値商品市場が拡大しており、販売エリア拡大と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に取り組んでおります。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、自宅での喫食機会が増加し、需要が更に拡大しました。こうした状況の下、売上につきましては、中国大陸で「合味道」ブランド群を中心に販売が好調に推移し、前期比で売上の伸びに貢献しました。利益につきましては、中国大陸及び香港における販売数量の増加とそれに伴うコスト低減により、前期比で大きな増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比11.8%増の481億77百万円となり、セグメント利益は、前期比18.4%増の57億63百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上収益は、前期比10.1%増の250億92百万円となり、セグメント利益は、前期比34.6%増の59億58百万円となりました。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、902億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ301億30百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は727億14百万円(前期比151億81百万円の資金の増加)となりました。これは主に棚卸資産の増減額で52億29百万円、段階取得に係る差損益により45億89百万円減少したものの、税引前利益が135億83百万円、営業債権及びその他の債権の増減額が94億37百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は265億28百万円(前期比138億84百万円の資金の増加)となりました。これは主に定期預金の預入による支出が増加したことにより資金が86億97百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出の減少により資金が66億31百万円、定期預金の払戻による収入の増加により資金が56億94百万円、有価証券の取得による支出の減少により資金が37億21百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は190億46百万円(前期比89億3百万円の資金の減少)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が208億24百万円増加したものの、長期借入れによる収入の減少により資金が291億30百万円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 菓子・飲料事業が大きく増加したのは、(株)湖池屋を新規連結した事によるものであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 菓子・飲料事業が大きく増加したのは、(株)湖池屋を新規連結した事によるものであります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比7.9%増の5,061億7百万円となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したのに加え、2020年12月より(株)湖池屋を連結子会社化したことも寄与し、大幅な増収となりました。また新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加も、売上に貢献しました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したことや、新型コロナウイルス感染症の影響等により各地域で増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前期比34.6%増の555億32百万円となりました。
国内においては、増収効果や増産に伴う生産性の向上等により増益となりました。
海外においては、為替影響を受けたものの、各地域における増収効果により増益となりました。
また、(株)湖池屋の企業結合の影響もあり、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比31.8%増の562億33百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比39.3%増の408億28百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ869億8百万円増加し、6,635億30百万円となりました。
これは主に現金及び現金同等物が301億30百万円、非流動資産のその他の金融資産が237億80百万円、有形固定資産が170億72百万円増加したことによるものであります。
負債は、主に営業債務及びその他の債務が144億59百万円、繰延税金負債が43億28百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ195億36百万円増加し、2,420億95百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ673億72百万円増加し、4,214億35百万円となりました。これは主に利益剰余金が340億80百万円、その他の資本の構成要素が219億41百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の56.9%から57.9%となり、1.0ポイント増加しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を2016年5月12日に策定いたしました(2019年5月9日に修正、2019年度末に再修正)。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底してまいりました。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計最終年度に当たる2020年度の実績数値は下表のとおりです。
なお、当社は、2018年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しております。
(注)1 調整後EPS = (営業利益±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)
÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
2 時価総額1兆円を将来の通過点として捉え、企業価値の向上に務めてまいりました。2020
年6月に時価総額1兆円を達成することができました。
なお、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」につきましては、第2「事業の状況」1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大・長期化により世界中の各都市で非常事態宣言やロックダウンが発令されるなど大幅に影響を受け、企業収益や個人消費は急速に落ち込みを見せました。中国では新型コロナウイルス拡大前のGDP水準まで回復しているものの、世界全体では依然として収束の目途は立たず、本格的な景気回復までは見通せない状態が続いています。
国内においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業収益や雇用・所得環境は急激に悪化しました。2020年5月の緊急事態宣言解除により回復の動きはみられたものの、感染が長期化する中で景気回復のペースは緩やかとなっています。2021年1月には、再度緊急事態宣言が出され、先行き不透明な状況が続いています。
即席めん業界におきましては、巣ごもり需要の増加により各地域で販売が増加し世界総需要は1,100億食を超えました。国内総需要も増加し、過去最高となりました。
このような状況の中、当社グループは2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでまいりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ869億8百万円増加し、6,635億30百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ195億36百万円増加し、2,420億95百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ673億72百万円増加し、4,214億35百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比7.9%増の5,061億7百万円となりました。利益面では、営業利益は前期比34.6%増の555億32百万円、税引前利益は前期比31.8%増の562億33百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比39.3%増の408億28百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
<連結業績>
| (単位:百万円) | ||||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期比 | |
| 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 | 金額 | % | |
| 売上収益 | 468,879 | 506,107 | 37,227 | 7.9 |
| 営業利益 | 41,252 | 55,532 | 14,279 | 34.6 |
| 税引前利益 | 42,650 | 56,233 | 13,583 | 31.8 |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 29,316 | 40,828 | 11,511 | 39.3 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、袋めん類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。袋めん類では、「出前一丁」、「日清焼そば」、「日清のラーメン屋さん」シリーズが第3四半期に引き続き売上を伸ばしたほか、2020年9月に発売した若年ファミリー向けの3食入り袋めん「日清これ絶対うまいやつ!」シリーズや〆の鍋ラ王として提案された「日清ラ王」シリーズが売上に貢献しました。また、袋めん類以外では、「あっさりおいしいカップヌードル」シリーズ、「あっさりおだしがおいしいどん兵衛」シリーズの売上が引き続き好調だったほか、累計販売食数1億食を突破した「カレーメシ」をはじめとするカップライス製品が売上を大きく伸ばしました。平時の需要に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛による商品需要の増加も売上に貢献しました。利益面では、関西工場稼働に伴う減価償却費の増加、物流費の上昇等がありましたが、増収効果により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比2.1%増の2,056億24百万円となり、セグメント利益は、前期比16.8%増の321億96百万円となりました。
(明星食品)
明星食品の販売状況は、袋めん類では、主要ブランドの「明星 チャルメラ」が「宮崎辛麺」の好調もあり伸長し、さらに新ブランド「明星 麺神(めがみ)」も貢献し、前期比で増収となりました。
カップめん類においては、新型コロナウイルスの影響でCVS(コンビニエンスストア)向けが要因となり、前年を僅かに下回りましたが、新ブランド「明星 麺神」が売上に貢献しました。
利益面では、販売数量増加による増収と促進費や一般管理費等の減少等により、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比2.8%増の375億51百万円となり、セグメント利益は、前期比45.2%増の31億83百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加により主力ブランド「行列のできる店のラーメン」、「つけ麺の達人」、「日清のラーメン屋さん」、「まぜ麺の達人」、「フライパンひとつで」の各シリーズを中心に引き続き売上が伸長し、前期比で増収増益となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、主力商品である「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」をはじめとして、「冷凍 日清具多」、「冷凍 日清もちっと生パスタ」、「冷凍 日清スパ王プレミアム」の各シリーズが順調に売上を伸ばし、また、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加もあり、前期比で増収となりました。利益面では、増収効果や増産に伴う生産性の向上により前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上収益は、前期比8.0%増の618億69百万円となり、セグメント利益は、前期比104.9%増の28億90百万円となりました。
(菓子・飲料事業)
菓子事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によりシリアルの価値が再認識されたことにより、日清シスコ㈱の「ごろっとグラノーラ」シリーズや「シスコーンBIG」シリーズを中心に売上が伸長しました。また、2020年12月より㈱湖池屋を連結子会社化したことも寄与し、前期比で増収増益となりました。
飲料事業は、健康志向の高まりや新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加により、日清ヨーク㈱の主力ブランドの「ピルクル」シリーズが好調に推移し、前期比で増収増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子・飲料事業の売上収益は、前期比35.7%増の569億18百万円となり、セグメント利益は、前期比52.2%増の33億37百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、既存商品の収益力の向上に加え、新たな需要の創造に向けた付加価値商品の提案強化に取り組んでおります。
売上につきましては、ブラジルでは主力商品の「Nissin Lamen」が引き続き好調に推移したことに加え「CUP NOODLES」の売上も伸長しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加も売上に貢献しました。米国においても新型コロナウイルス感染症の影響により普及価格帯商品の売上が好調に推移し、また高価格帯商品も新商品が好調に推移し大幅に伸長したことによりセグメント全体で増収となりました。利益につきましては、売上増、高価格帯商品の販売増等の増収効果もありましたが、主要原材料価格の上昇や為替影響等により減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比7.5%増の708億73百万円となり、セグメント利益は、前期比0.8%減の40億47百万円となりました。
(中国地域)
中国地域において、中国大陸での高付加価値商品市場が拡大しており、販売エリア拡大と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に取り組んでおります。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、自宅での喫食機会が増加し、需要が更に拡大しました。こうした状況の下、売上につきましては、中国大陸で「合味道」ブランド群を中心に販売が好調に推移し、前期比で売上の伸びに貢献しました。利益につきましては、中国大陸及び香港における販売数量の増加とそれに伴うコスト低減により、前期比で大きな増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比11.8%増の481億77百万円となり、セグメント利益は、前期比18.4%増の57億63百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上収益は、前期比10.1%増の250億92百万円となり、セグメント利益は、前期比34.6%増の59億58百万円となりました。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
| (単位:百万円) | ||||||
| 区分 | 売上収益 | 増減額 | セグメント利益 | 増減額 | ||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |||
| 日清食品 | 201,314 | 205,624 | 4,309 | 27,573 | 32,196 | 4,622 |
| 明星食品 | 36,532 | 37,551 | 1,018 | 2,193 | 3,183 | 990 |
| 低温事業 | 57,306 | 61,869 | 4,562 | 1,410 | 2,890 | 1,479 |
| 菓子・飲料事業 | 41,934 | 56,918 | 14,983 | 2,193 | 3,337 | 1,144 |
| 米州地域 | 65,922 | 70,873 | 4,951 | 4,080 | 4,047 | △32 |
| 中国地域 | 43,083 | 48,177 | 5,094 | 4,865 | 5,763 | 897 |
| そ の 他 | 22,785 | 25,092 | 2,307 | 4,425 | 5,958 | 1,533 |
| 合 計 | 468,879 | 506,107 | 37,227 | 46,743 | 57,377 | 10,634 |
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、902億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ301億30百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 |
| 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 57,533 | 72,714 | 15,181 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △40,413 | △26,528 | 13,884 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △10,142 | △19,046 | △8,903 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △3,939 | 2,991 | 6,930 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 3,037 | 30,130 | 27,092 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 57,125 | 60,163 | 3,037 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 60,163 | 90,294 | 30,130 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は727億14百万円(前期比151億81百万円の資金の増加)となりました。これは主に棚卸資産の増減額で52億29百万円、段階取得に係る差損益により45億89百万円減少したものの、税引前利益が135億83百万円、営業債権及びその他の債権の増減額が94億37百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は265億28百万円(前期比138億84百万円の資金の増加)となりました。これは主に定期預金の預入による支出が増加したことにより資金が86億97百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出の減少により資金が66億31百万円、定期預金の払戻による収入の増加により資金が56億94百万円、有価証券の取得による支出の減少により資金が37億21百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は190億46百万円(前期比89億3百万円の資金の減少)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が208億24百万円増加したものの、長期借入れによる収入の減少により資金が291億30百万円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 133,719 | 8.1 | |
| 明星食品(百万円) | 25,450 | 7.6 | |
| 低温事業(百万円) | 33,662 | 9.2 | |
| 菓子・飲料事業(百万円) | 44,743 | 58.6 | |
| 米州地域(百万円) | 52,344 | 8.5 | |
| 中国地域(百万円) | 31,026 | 18.1 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 320,947 | 14.3 | |
| その他(百万円) | 15,120 | 18.4 | |
| 合計(百万円) | 336,067 | 14.4 | |
(注)1 菓子・飲料事業が大きく増加したのは、(株)湖池屋を新規連結した事によるものであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 205,624 | 2.1 | |
| 明星食品(百万円) | 37,551 | 2.8 | |
| 低温事業(百万円) | 61,869 | 8.0 | |
| 菓子・飲料事業(百万円) | 56,918 | 35.7 | |
| 米州地域(百万円) | 70,873 | 7.5 | |
| 中国地域(百万円) | 48,177 | 11.8 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 481,014 | 7.8 | |
| その他(百万円) | 25,092 | 10.1 | |
| 合計(百万円) | 506,107 | 7.9 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱食品㈱ | 71,850 | 15.3 | 73,380 | 14.5 |
2 菓子・飲料事業が大きく増加したのは、(株)湖池屋を新規連結した事によるものであります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比7.9%増の5,061億7百万円となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したのに加え、2020年12月より(株)湖池屋を連結子会社化したことも寄与し、大幅な増収となりました。また新型コロナウイルス感染症の影響による需要の増加も、売上に貢献しました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したことや、新型コロナウイルス感染症の影響等により各地域で増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前期比34.6%増の555億32百万円となりました。
国内においては、増収効果や増産に伴う生産性の向上等により増益となりました。
海外においては、為替影響を受けたものの、各地域における増収効果により増益となりました。
また、(株)湖池屋の企業結合の影響もあり、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比31.8%増の562億33百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比39.3%増の408億28百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ869億8百万円増加し、6,635億30百万円となりました。
これは主に現金及び現金同等物が301億30百万円、非流動資産のその他の金融資産が237億80百万円、有形固定資産が170億72百万円増加したことによるものであります。
負債は、主に営業債務及びその他の債務が144億59百万円、繰延税金負債が43億28百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ195億36百万円増加し、2,420億95百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ673億72百万円増加し、4,214億35百万円となりました。これは主に利益剰余金が340億80百万円、その他の資本の構成要素が219億41百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の56.9%から57.9%となり、1.0ポイント増加しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を2016年5月12日に策定いたしました(2019年5月9日に修正、2019年度末に再修正)。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底してまいりました。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計最終年度に当たる2020年度の実績数値は下表のとおりです。
なお、当社は、2018年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しております。
| 区分 | 2021年3月期(中期経営計画2020) | 2021年3月期(実績) | |||||
| 本業で稼ぐ力 | 売上収益 | 4,860 | 億円 | 5,061 | 億円 | ||
| 営業利益 | 435 | 億円 | 555 | 億円 | |||
| 資本市場価値 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 305 | 億円 | 408 | 億円 | ||
| ROE | 9.0 | % | 11.5 | % | |||
| 調整後EPS(注1) | 281 | 円 | 329 | 円 | |||
| 時価総額 | (注2) | ||||||
(注)1 調整後EPS = (営業利益±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)
÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
2 時価総額1兆円を将来の通過点として捉え、企業価値の向上に務めてまいりました。2020
年6月に時価総額1兆円を達成することができました。
なお、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」につきましては、第2「事業の状況」1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。