有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米諸国における雇用数の改善を背景とし景気は緩やかな回復基調で推移していたものの、米中貿易摩擦、米イラン対立の激化等のリスクにより先行き不透明な状態で推移したことに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、景気は大幅に減速しました。
国内においては、雇用・所得環境が改善傾向で推移していたものの、消費税の引き上げによる消費者心理への影響、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、景気が減速し、厳しい状況となりました。
即席めん業界におきましては、アジア新興国を始め各地域で需要が伸び、世界総需要は引き続き1,000億食を超えました。一方で国内総需要は前年を下回りました。
このような状況の中、当社グループは2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ190億44百万円増加し、5,766億21百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ175億26百万円増加し、2,225億58百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円増加し、3,540億63百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比4.0%増の4,688億79百万円となりました。利益面では、営業利益は前期比42.4%増の412億52百万円、税引前利益は前期比36.8%増の426億50百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比51.5%増の293億16百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
<連結業績>
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、濃厚な味噌スープが特長の「カップヌードル 味噌」の売上が引き続き順調に推移したことに加え、「あっさりおいしいカップヌードル」シリーズ、「カップヌードル ビッグ」シリーズが売上に貢献し、前期比で増収となりました。袋めん類では、「お椀で食べる」シリーズが引き続き好調を維持しましたが、袋めん類全体では、前期比で減収となりました。カップめん類、袋めん類ともに平時の需要に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛による商品需要の増加も売上に貢献しました。利益面では、関西工場稼働に伴う減価償却費の増加、物流費の上昇等がありましたが、売上の増加による利益の増加により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比4.2%増の2,013億14百万円となり、セグメント利益は、前期比16.3%増の275億73百万円となりました。
(明星食品)
明星食品の販売状況は、カップめん類では「明星 チャルメラ」シリーズ、「明星 中華三昧」シリーズの好調に加え、消費の二極化に対応したオープン価格商品が伸長し、前期比で増収となりました。袋めん類においても、主要ブランドの「明星 チャルメラ」シリーズが伸長し、オープン価格商品の「明星 評判屋」シリーズも引き続き堅調に推移し、前期比で増収となりました。また、新型コロナウイルス感染症対策に伴う巣ごもり需要も起因しました。
利益面では、物流費、人件費等が増加したものの、2019年6月に実施した価格改定が順調に進んだほか、販売数量も伸び前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比11.1%増の365億32百万円となり、セグメント利益は、前期比7.4%増の21億93百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う巣ごもり需要の拡大により主力ブランド「行列のできる店のラーメン」シリーズ、「つけ麺の達人」シリーズ、「日清のラーメン屋さん」シリーズ、「日清の太麺焼そば」シリーズを中心に売上が伸長し、冷夏による冷しめん類の低迷及び暖冬による売上の減少をカバーしました。しかしながら、その他ルートの売上の減少が影響し前期比で減収となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、主力商品である「冷凍 日清もちっと生パスタ」シリーズ、「冷凍 日清スパ王プレミアム」シリーズ、「冷凍 日清中華 上海焼そば 大盛り」、「冷凍 日清具多」シリーズ、「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」が引き続き好調に推移し、また、新型コロナウイルス感染症拡大を受けての巣ごもり需要もあり、増収となりました。しかしながら原材料価格、物流費等が上昇していることにより、前期比で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上収益は、前期比3.4%増の573億6百万円となり、セグメント利益は、前期比8.1%減の14億10百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、既存商品の収益力の向上に加え、新たな需要の創造に向けた付加価値商品の提案強化に取り組んでおります。
売上につきましては、ブラジルでは主力商品の「Nissin Lamen」が好調に推移し、また、「CUP NOODLES」の売上が大きく伸長しました。米国においても高価格帯商品の販売推進により売上が引き続き好調に推移し、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による商品需要の増加も売上に寄与し、セグメント全体で増収となりました。利益につきましては、価格改定効果、高価格帯商品の販売増等により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比3.9%増の659億22百万円となり、セグメント利益は、前期比93億15百万円増の40億80百万円となりました。
(中国地域)
中国地域においては、中国大陸での高付加価値商品市場が拡大しており、販売エリア拡大と中国版カップヌードル『合味道』のブランド強化に取り組んでおります。また、第4四半期に新型コロナウイルス感染症により、自宅での喫食機会が増加し、需要が更に拡大しました。こうした状況の下、売上につきましては、『合味道』や『出前一丁』のブランドを中心に、中国大陸ではカップめん類、香港では袋めん類が好調に推移し、前期比で売上の伸びに寄与しました。利益につきましては、中国大陸及び香港における販売数量の増加とそれに伴うコスト低減により、前期比で大きな増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比3.9%増の430億83百万円となり、セグメント利益は、前期比26.6%増の48億65百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上収益は、前期比0.3%増の647億19百万円となり、セグメント利益は、前期比42.1%減の66億19百万円となりました。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、601億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億37百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は575億33百万円(前期比167億93百万円の資金の増加)となりました。これは主に減損損失が81億97百万円減少したものの、税引前利益が114億83百万円、固定資産売却損益が51億79百万円、減価償却費が48億87百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は404億13百万円(前期比41億30百万円の資金の増加)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が減少したことにより資金が120億2百万円、有形固定資産の売却による収入が減少したことにより資金が94億7百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出の減少により資金が138億23百万円、定期預金の預入による支出の減少により資金が108億97百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は101億42百万円(前期比232億12百万円の資金の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入が増加したことにより資金が266億89百万円増加したものの、短期借入金の純増減額が421億23百万円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比4.0%増の4,688億79百万円となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したのに加え、低温事業において日清食品冷凍㈱の具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に販売が推移しました。また新型コロナウイルス感染症対策による巣ごもり需要拡大も売上に貢献しました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したこと等により各地域で増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前期比42.4%増の412億52百万円となりました。
国内においては、増収効果があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益を計上したこと等により減益となりました。
海外においては、各地域における増収効果に加え、前連結会計年度に米国において減損損失を計上したこと等により増益となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比36.8%増の426億50百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比51.5%増の293億16百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ190億44百万円増加し、5,766億21百万円となりました。
これは主に、日清食品㈱において生産性向上と品質管理の強化を図るため、2018年10月に稼働を開始した「次世代型スマートファクトリー」である関西工場への設備投資、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことによる使用権資産の増加等によるものであります。
負債は、主に流動負債の借入金が224億72百万円減少した一方、非流動負債の借入金が283億33百万円、非流動負債のその他の金融負債が130億67百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ175億26百万円増加し、2,225億58百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円増加し、3,540億63百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が169億59百万円減少した一方、利益剰余金が180億90百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の58.6%から56.9%となり、1.7ポイント減少しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を2016年5月12日に策定いたしました(2019年5月9日に修正、2019年度末に再修正)。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底します。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計4年目に当たる2019年度の実績数値は下表のとおりです。
なお、当社は、2018年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しております。
(注)1 調整後EPS = (営業利益±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)
÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
2 時価総額1兆円を将来の通過点として捉え、企業価値の向上に引き続き務めてまいり
ます。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米諸国における雇用数の改善を背景とし景気は緩やかな回復基調で推移していたものの、米中貿易摩擦、米イラン対立の激化等のリスクにより先行き不透明な状態で推移したことに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、景気は大幅に減速しました。
国内においては、雇用・所得環境が改善傾向で推移していたものの、消費税の引き上げによる消費者心理への影響、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、景気が減速し、厳しい状況となりました。
即席めん業界におきましては、アジア新興国を始め各地域で需要が伸び、世界総需要は引き続き1,000億食を超えました。一方で国内総需要は前年を下回りました。
このような状況の中、当社グループは2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を実現すべく、戦略テーマである①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ190億44百万円増加し、5,766億21百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ175億26百万円増加し、2,225億58百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円増加し、3,540億63百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比4.0%増の4,688億79百万円となりました。利益面では、営業利益は前期比42.4%増の412億52百万円、税引前利益は前期比36.8%増の426億50百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比51.5%増の293億16百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
<連結業績>
| (単位:百万円) | ||||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期比 | |
| 自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 | 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | 金額 | % | |
| 売上収益 | 450,984 | 468,879 | 17,894 | 4.0 |
| 営業利益 | 28,967 | 41,252 | 12,285 | 42.4 |
| 税引前利益 | 31,166 | 42,650 | 11,483 | 36.8 |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 19,356 | 29,316 | 9,960 | 51.5 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、濃厚な味噌スープが特長の「カップヌードル 味噌」の売上が引き続き順調に推移したことに加え、「あっさりおいしいカップヌードル」シリーズ、「カップヌードル ビッグ」シリーズが売上に貢献し、前期比で増収となりました。袋めん類では、「お椀で食べる」シリーズが引き続き好調を維持しましたが、袋めん類全体では、前期比で減収となりました。カップめん類、袋めん類ともに平時の需要に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛による商品需要の増加も売上に貢献しました。利益面では、関西工場稼働に伴う減価償却費の増加、物流費の上昇等がありましたが、売上の増加による利益の増加により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比4.2%増の2,013億14百万円となり、セグメント利益は、前期比16.3%増の275億73百万円となりました。
(明星食品)
明星食品の販売状況は、カップめん類では「明星 チャルメラ」シリーズ、「明星 中華三昧」シリーズの好調に加え、消費の二極化に対応したオープン価格商品が伸長し、前期比で増収となりました。袋めん類においても、主要ブランドの「明星 チャルメラ」シリーズが伸長し、オープン価格商品の「明星 評判屋」シリーズも引き続き堅調に推移し、前期比で増収となりました。また、新型コロナウイルス感染症対策に伴う巣ごもり需要も起因しました。
利益面では、物流費、人件費等が増加したものの、2019年6月に実施した価格改定が順調に進んだほか、販売数量も伸び前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比11.1%増の365億32百万円となり、セグメント利益は、前期比7.4%増の21億93百万円となりました。
(低温事業)
日清食品チルド㈱の販売状況は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う巣ごもり需要の拡大により主力ブランド「行列のできる店のラーメン」シリーズ、「つけ麺の達人」シリーズ、「日清のラーメン屋さん」シリーズ、「日清の太麺焼そば」シリーズを中心に売上が伸長し、冷夏による冷しめん類の低迷及び暖冬による売上の減少をカバーしました。しかしながら、その他ルートの売上の減少が影響し前期比で減収となりました。
日清食品冷凍㈱の販売状況は、主力商品である「冷凍 日清もちっと生パスタ」シリーズ、「冷凍 日清スパ王プレミアム」シリーズ、「冷凍 日清中華 上海焼そば 大盛り」、「冷凍 日清具多」シリーズ、「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」が引き続き好調に推移し、また、新型コロナウイルス感染症拡大を受けての巣ごもり需要もあり、増収となりました。しかしながら原材料価格、物流費等が上昇していることにより、前期比で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温事業の売上収益は、前期比3.4%増の573億6百万円となり、セグメント利益は、前期比8.1%減の14億10百万円となりました。
(米州地域)
米州地域においては、既存商品の収益力の向上に加え、新たな需要の創造に向けた付加価値商品の提案強化に取り組んでおります。
売上につきましては、ブラジルでは主力商品の「Nissin Lamen」が好調に推移し、また、「CUP NOODLES」の売上が大きく伸長しました。米国においても高価格帯商品の販売推進により売上が引き続き好調に推移し、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による商品需要の増加も売上に寄与し、セグメント全体で増収となりました。利益につきましては、価格改定効果、高価格帯商品の販売増等により増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比3.9%増の659億22百万円となり、セグメント利益は、前期比93億15百万円増の40億80百万円となりました。
(中国地域)
中国地域においては、中国大陸での高付加価値商品市場が拡大しており、販売エリア拡大と中国版カップヌードル『合味道』のブランド強化に取り組んでおります。また、第4四半期に新型コロナウイルス感染症により、自宅での喫食機会が増加し、需要が更に拡大しました。こうした状況の下、売上につきましては、『合味道』や『出前一丁』のブランドを中心に、中国大陸ではカップめん類、香港では袋めん類が好調に推移し、前期比で売上の伸びに寄与しました。利益につきましては、中国大陸及び香港における販売数量の増加とそれに伴うコスト低減により、前期比で大きな増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比3.9%増の430億83百万円となり、セグメント利益は、前期比26.6%増の48億65百万円となりました。
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内の菓子事業、飲料事業等及び欧州地域、アジア地域を含んだ「その他」の売上収益は、前期比0.3%増の647億19百万円となり、セグメント利益は、前期比42.1%減の66億19百万円となりました。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
| (単位:百万円) | ||||||
| 区分 | 売上収益 | 増減額 | セグメント利益又は損失(△) | 増減額 | ||
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||
| 日清食品 | 193,256 | 201,314 | 8,058 | 23,699 | 27,573 | 3,873 |
| 明星食品 | 32,882 | 36,532 | 3,650 | 2,041 | 2,193 | 151 |
| 低温事業 | 55,424 | 57,306 | 1,882 | 1,534 | 1,410 | △124 |
| 米州地域 | 63,425 | 65,922 | 2,496 | △5,234 | 4,080 | 9,315 |
| 中国地域 | 41,447 | 43,083 | 1,635 | 3,843 | 4,865 | 1,022 |
| そ の 他 | 64,547 | 64,719 | 171 | 11,430 | 6,619 | △4,811 |
| 合 計 | 450,984 | 468,879 | 17,894 | 37,315 | 46,743 | 9,427 |
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、601億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億37百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 |
| 自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 | 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 40,740 | 57,533 | 16,793 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △44,544 | △40,413 | 4,130 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 13,069 | △10,142 | △23,212 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △1,761 | △3,939 | △2,177 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 7,504 | 3,037 | △4,466 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 49,620 | 57,125 | 7,504 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 57,125 | 60,163 | 3,037 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は575億33百万円(前期比167億93百万円の資金の増加)となりました。これは主に減損損失が81億97百万円減少したものの、税引前利益が114億83百万円、固定資産売却損益が51億79百万円、減価償却費が48億87百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は404億13百万円(前期比41億30百万円の資金の増加)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が減少したことにより資金が120億2百万円、有形固定資産の売却による収入が減少したことにより資金が94億7百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出の減少により資金が138億23百万円、定期預金の預入による支出の減少により資金が108億97百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は101億42百万円(前期比232億12百万円の資金の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入が増加したことにより資金が266億89百万円増加したものの、短期借入金の純増減額が421億23百万円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 123,657 | △3.6 | |
| 明星食品(百万円) | 23,648 | 3.8 | |
| 低温事業(百万円) | 30,836 | △0.7 | |
| 米州地域(百万円) | 48,259 | 9.8 | |
| 中国地域(百万円) | 26,280 | 0.3 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 252,682 | 0.2 | |
| その他(百万円) | 40,988 | △3.7 | |
| 合計(百万円) | 293,670 | △0.4 | |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 日清食品(百万円) | 201,314 | 4.2 | |
| 明星食品(百万円) | 36,532 | 11.1 | |
| 低温事業(百万円) | 57,306 | 3.4 | |
| 米州地域(百万円) | 65,922 | 3.9 | |
| 中国地域(百万円) | 43,083 | 3.9 | |
| 報告セグメント計(百万円) | 404,159 | 4.6 | |
| その他(百万円) | 64,719 | 0.3 | |
| 合計(百万円) | 468,879 | 4.0 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱食品㈱ | 67,241 | 14.9 | 71,850 | 15.3 |
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比4.0%増の4,688億79百万円となりました。
国内においては、日清食品㈱を中心とした即席めん事業のコアブランドが順調に推移したのに加え、低温事業において日清食品冷凍㈱の具付きパスタ類、具付きラーメン類を中心に順調に販売が推移しました。また新型コロナウイルス感染症対策による巣ごもり需要拡大も売上に貢献しました。
海外においては、高付加価値商品の販売を強化したこと等により各地域で増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、前期比42.4%増の412億52百万円となりました。
国内においては、増収効果があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益を計上したこと等により減益となりました。
海外においては、各地域における増収効果に加え、前連結会計年度に米国において減損損失を計上したこと等により増益となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度を大きく上回りました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比36.8%増の426億50百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比51.5%増の293億16百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資および配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、金融機関からの調達および保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ190億44百万円増加し、5,766億21百万円となりました。
これは主に、日清食品㈱において生産性向上と品質管理の強化を図るため、2018年10月に稼働を開始した「次世代型スマートファクトリー」である関西工場への設備投資、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことによる使用権資産の増加等によるものであります。
負債は、主に流動負債の借入金が224億72百万円減少した一方、非流動負債の借入金が283億33百万円、非流動負債のその他の金融負債が130億67百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ175億26百万円増加し、2,225億58百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円増加し、3,540億63百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が169億59百万円減少した一方、利益剰余金が180億90百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の58.6%から56.9%となり、1.7ポイント減少しました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を2016年5月12日に策定いたしました(2019年5月9日に修正、2019年度末に再修正)。
本中計の目標達成に向けて、①グローバルブランディングの促進、②海外重点地域への集中、③国内収益基盤の盤石化、④第2の収益の柱の構築、⑤グローバル経営人材の育成・強化に取り組み、収益性の追及を徹底します。
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を設定しております。本中計と本中計4年目に当たる2019年度の実績数値は下表のとおりです。
なお、当社は、2018年度の連結財務諸表より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しております。
| 区分 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |||||
| 本業で稼ぐ力 | 売上収益 | 4,689 | 億円 | 4,860 | 億円 | ||
| 営業利益 | 413 | 億円 | 435 | 億円 | |||
| 資本市場価値 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 293 | 億円 | 305 | 億円 | ||
| ROE | 9.0% | 9.0% | |||||
| 調整後EPS(注1) | 278 | 円 | 281 | 円 | |||
| 時価総額 | (注2) | ||||||
(注)1 調整後EPS = (営業利益±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)
÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
2 時価総額1兆円を将来の通過点として捉え、企業価値の向上に引き続き務めてまいり
ます。