有価証券報告書-第47期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:42
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、日銀による金融政策の修正に伴う「金利のある世界」への本格的な移行という大きな転換点を迎えつつも、緩やかな回復基調を維持しました。堅調な企業収益を背景とした設備投資の継続や、前年に続き実施された高い水準の賃上げが内需を下支えしたほか、訪日外国人客数は過去最高更新を継続し、消費単価の上昇を伴うインバウンド需要がサービス業を中心に経済を牽引しました。
しかしながら、為替相場の激しい変動やエネルギー価格の底堅い推移は、引き続き輸入コストの負担増をもたらし、特に価格転嫁が困難な中小企業の経営環境を圧迫しました。また、賃上げの浸透により実質賃金は一部でプラス転換の兆しを見せたものの、依然として高止まりする物価上昇が家計の慎重な消費行動を招いており、個人消費の本格的な回復には至っておりません。加えて、生産年齢人口の減少に伴う深刻な人手不足が、企業の事業継続や成長の制約要因として顕在化しています。
先行きにつきましては、米欧の景気動向や中国経済の減速懸念といった海外景気の下振れリスクに加え、地政学リスクの常態化、さらには国内における金利上昇が経済活動に与える影響など、不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当社グループにおきましては、インバウンド需要や外食需要の回復を的確に捉え、積極的な販促活動や適時適切な価格改定を実施することで、売上の維持・向上に努めてまいりました。一方で、物流コストや人件費の上昇が収益を圧迫したほか、主原料の調達難や価格高騰も重なり、厳しい事業環境が続きました。これら複合的な課題に対し、当社グループでは高付加価値製品への注力や生産体制の見直しに取り組み、変化する事業環境への適応を推進してまいりました。
なお、当社食品事業の収益性低下に伴い、当該事業に係る有形固定資産について減損損失18億98百万円を特別損失として計上いたしました。また、当社連結子会社である株式会社なかしまの株式について、業績の状況を踏まえた評価を行った結果、実質価額が低下したため、個別財務諸表上で関係会社株式評価損3億91百万円を特別損失として計上いたしました。関係会社株式評価損は連結財務諸表において消去されるため、連結業績への影響はありません。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高133億32百万円(前期比5.6%減)、営業利益4億34百万円(前期比196.6%増)、経常利益4億79百万円(前期比68.4%増)、親会社株主に帰属する当期純損失7億13百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益80百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(水産事業)
水産事業におきましては、インバウンド需要の質的向上に伴い、高付加価値商材の流通が活発化しました。深刻な人手不足を背景に、飲食店等では調理工程を省力化する業務用加工商材の利用が定着しています。
一方で、海水温の上昇による成長不良や天然魚の不漁など、水産商材確保の困難な状況が続いています。養殖現場では環境変化への対策として、スマート養殖の導入や魚種転換を模索する動きが見られます。物流コスト増への対応も喫緊の課題となっており、厳しい事業環境下での構造転換が進んでいます。
養魚用配合飼料の主要原料である魚粉や魚油の価格は、ピークを越えたものの、依然として高値圏で推移しています。燃料費や輸送費等の生産コストも高止まりが常態化するなか、当社は業界動向や取引先の状況を注視し、徹底したコスト低減に加え、原料配合の見直しや高付加価値製品へのシフトによる収益性の改善に注力してまいりました。
エビ飼料類は、水温が例年より高く推移したことに加え、大手生産者でのシェア拡大や養殖在池尾数の増加、さらには南米向けの輸出が好調であったことなどから、売上高は前期を上回りました。ハマチ飼料類は、販売先の養殖在池尾数が少なかったことや、他社との競合により受託製品の製造依頼が減少したことなどにより、売上高は前期を下回りました。ヒラメ・マダイ飼料類は、水温が例年より高く推移したことに加え、販売先での養殖在池尾数の増加、大手養殖業者でのシェア拡大などにより販売が順調に進み、売上高は前期を上回りました。
子会社におきましては、鮮魚販売事業は、飼料費等の生産コスト上昇や在池尾数の減少を背景に産地相場が高値で推移した影響により、小売業者向け・業務用向けともに販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。クルマエビ養殖事業は、高水温期の病気発生による歩留りの低下で出荷量が減少したほか、活きエビの相場下落も重なり、売上高は前年同期を下回りました。
その結果、売上高は77億40百万円(前期比9.4%減)、セグメント利益は9億18百万円(前期比75.9%増)となりました。
(食品事業)
食品事業におきましては、外食産業が堅調に推移し、インバウンドでは大阪・関西万博などの大型イベントを契機に高付加価値な体験型飲食需要が拡大しました。一方で、物流コストの増加や生活防衛意識の定着を背景に、量販店等ではPB商品の拡充や簡便性の高い冷凍食品・惣菜類の強化、DXによる販売促進が加速しました。消費者ニーズは多角化しており、「タイパ・コスパ」に加え、健康や環境、ウェルビーイングを重視する傾向が強まるなか、新たな価値提案による差別化の動きが顕著となっています。
当社グループにおきましても、主原料である小麦粉の価格は安定傾向にあるものの、食用油やその他原材料価格は依然として高止まりしており、人件費や物流費を含む製造コストの上昇が継続しています。激化する市場競争のなか、不採算アイテムの統廃合による生産効率の最適化や、付加価値の高い新製品の積極的な投入を通じた利益確保に注力してまいりました。
即席麺類、乾麺類(うどん・そうめん等)、皿うどん類およびカップ類は、新商品の投入や大手小売店での導入拡大による拡販はできましたが、価格改定に伴う一部PB商品の終売により販売数量が減少し、いずれも売上高は前期を下回りました。なお、乾麺類においては販売アイテムの整理による生産効率の向上を図りました。ラーメン類は、新商品の導入は進んだものの、海外向けPB商品の受注減少が影響し、売上高は前期を下回りました。
子会社におきましては、カレールー・シチュールー類では、健康志向の高まりを背景とした『グルテンフリー米粉カレールー』の新規導入やメディアでの紹介効果により『銀のクリームシチュールー』等の定番導入が拡大し、新規PBカレールーの販売も好調に推移しました。レトルトでもNB商品の新商品投入に加え、ECサイトやTVショッピングでのPB商品の増販があったことから、売上高は前期を上回りました。穀粉類は、海外向け業務用製品や企画向け製品の販売減少があった一方で、既存顧客向けの業務用製品の販売拡大や新規市販用製品の企画採用などがあり、売上高は前期を上回りました。かき揚げ類は、新工場の生産体制見直しによるコスト低減を図りましたが、稼働率の低下や労務費の増加が重荷となりました。大手外食チェーン向けミニかき揚げの採用継続など販売面で進展はありましたが、白エビ代替製品の採用遅れや農産物価格高騰などの影響があったことから、売上高は前期を下回りました。
その結果、売上高は55億91百万円(前期比0.1%増)、セグメント損失は1億8百万円(前期セグメント利益42百万円)となりました。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
水産事業4,894△16.1
食品事業4,4670.2
合計9,362△9.1

(注) 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。
(受注実績)
当社グループは、主に需要予測に基づく見込生産を行っているため、記載を省略しております。
(仕入実績)
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
水産事業1,129△17.3
食品事業133△7.0
合計1,263△16.3

(注) 金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
水産事業7,740△9.4
食品事業5,5910.1
合計13,332△5.6

(注) 1 セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
② 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ20億96百万円減少の121億29百万円となりました。
流動資産は、6億26百万円減少し61億29百万円となりました。これは、主として現金及び預金の減少62百万円、売掛金の減少1億円、仕掛品の減少2億92百万円、原材料及び貯蔵品の減少1億6百万円によるものであります。
固定資産は、14億70百万円減少し60億円となりました。主な増減は、有形固定資産の減少20億96百万円、無形固定資産の減少17百万円、投資その他の資産の増加6億43百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ14億20百万円減少し76億71百万円となりました。
流動負債は、9億円減少し45億13百万円となりました。これは主として、買掛金の増加1億78百万円、短期借入金の減少8億37百万円によるものであります。
固定負債は、5億20百万円減少し31億57百万円となりました。これは、主として長期借入金の減少2億1百万円、リース債務の減少1億13百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ6億76百万円減少し44億58百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少7億73百万円、その他有価証券評価差額金の増加88百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度と比べ70百万円減少し12億77百万円となりました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億29百万円の収入(前連結会計年度は5億2百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失11億64百万円、減損損失18億98百万円、減価償却費4億43百万円、関係会社株式売却益2億53百万円、棚卸資産の減少1億72百万円、仕入債務の増加1億95百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億35百万円の収入(前連結会計年度は3億56百万円の支出)となりました。これは主として、定期預金の預入による支出3億3百万円、定期預金の払戻による収入2億96百万円、有形固定資産の取得による支出4億55百万円、連結の範囲の変更を伴う関係会社株式の売却及び債権譲渡による収入5億83百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11億34百万円の支出と(前連結会計年度は24百万円の収入)となりました。これは主として、短期借入金の減少3億85百万円、長期借入れによる収入5億円、長期借入金の返済による支出11億1百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1億円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、財務健全性を維持し、収益力と資産効率の向上によることを基本としています。当連結会計年度においては、59億23百万円の有利子負債残高があります。また、資金の流動性に関しては、不測の事態に備え一定の余裕を持ちながら、資本効率も意識した水準を維持してまいります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
② 今後の見通し
2027年3月期につきましては、米国トランプ政権による関税政策の動向に加え、長期化するウクライナ情勢や緊迫の度を増す中東情勢が、世界経済に与える影響を注視する必要があります。特に中東情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の再上昇や、物流網の混乱による輸送コストの高止まりは、原材料を海外に依存する食品・飼料業界において依然として大きな懸念材料となります。
国内におきましては、継続的な賃上げや物価上昇の沈静化を背景に、実質賃金のプラス圏での定着が期待される一方、段階的な金利上昇に伴う家計及び企業の心理への影響を慎重に見極める必要があります。このように、米国を中心とした通商問題と、地政学リスクに起因する供給側の制約が相互に作用し、先行き不透明な状況は継続するものと考えられます。
このような事業環境の下、当社グループは社会経済の変化に迅速に対応すべく、サプライチェーンの再構築や徹底したコスト管理を推進するとともに、新商品の開発、生産性の向上及び海外販売の開拓を強化してまいります。また、世界的なサステナビリティへの関心の高まりから、水産及び食品業界の持続可能な社会構築に貢献する取り組みにおいても邁進してまいります。
その結果、2027年3月期の連結業績見通しにつきましては、売上高145億48百万円、営業利益2億19百万円、経常利益1億87百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億33百万円を見込んでおります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産・負債や収益・費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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