有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、様々な経済活動が制約を受けた結果、個人消費および企業収益が急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。緊急事態宣言の解除後は経済活動が段階的に再開され、緩やかに回復の動きが見られたものの、国内の感染者数が再び増加に転じたことを受けて、2021年1月には緊急事態宣言が再発出されるなど、経済活動の停滞や景気後退の懸念は払しょくされず、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
繊維業界においては、商業施設の臨時休業や営業時間短縮、外出自粛要請等に伴う消費活動の制限や衣料品の消費マインドの低下等により、実店舗における衣料品の販売は総じて苦戦するなど、厳しい環境が続いております。
このような状況において当社グループは、2018年度から2020年度までの3年間を実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』で掲げる「企画・開発と営業戦略の融合」、「繊維事業におけるバランスの改革」、「製造原価の低減」、「女性の美と快適に「健康」をプラス」、「生産性の向上」の5つの課題への取り組みに加え、これらを強化するための施策として、2019年度より「事業構造改革」、「業務構造改革」、「コスト構造改革」の3つの構造改革を推進することにより、次の時代を見据えた事業構造への転換を図り、強固な事業基盤の構築に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、当社が強化を志向するインナーウエアの販売構成比の高い株式会社レナウンインクスを完全子会社とするなどの構造改革を推し進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う在宅勤務の広がりや外出自粛要請等による生活様式の急激な変化等により、当社の主力商品であるストッキングの需要が急速に減少した結果、売上が年間を通じて前年を大きく下回ることとなり、また、販売の減少に伴う生産工場の収支悪化等により利益面でも大変厳しい状況で推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は16,228百万円(前年同期比17.3%減)、営業損失は2,593百万円(前年同期は461百万円の損失)、経常損失は1,995百万円(前年同期は204百万円の損失)、固定資産の減損に係る会計基準に基づき保有する固定資産の減損損失を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は3,826百万円(前年同期は5,933百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[繊維事業]
レッグウエア分野は、新型コロナウイルス感染症の拡大による取引先店舗の臨時休業、在宅勤務や外出自粛の広がりを背景とした個人消費の冷え込み、生活様式の急激な変化等の影響を受け、プレーンストッキングなどのベーシック商品の販売が期初より苦戦し、更には最盛期である秋冬期においてもタイツなどの季節商品が伸び悩むなど全般的に厳しく、同分野の売上高は9,899百万円(前年同期比34.2%減)となりました。
インナーウエア分野は、レッグウエア同様、新型コロナウイルス感染症の拡大による取引先店舗の営業自粛、在宅勤務や外出自粛等の影響を受けましたが、株式会社レナウンインクスを子会社化したことなどにより、同分野の売上高は5,073百万円(前年同期比51.0%増)となりました。
これらの結果、繊維事業の売上高は14,972百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は2,922百万円(前年同期は690百万円の損失)となりました。
[不動産事業]
保有資産の有効活用を進めておりますが、当事業の売上高は571百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は391百万円(前年同期比27.1%増)となりました。
[その他]
その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は順調に推移しました。介護用品の販売は外出自粛の影響などにより一時苦戦しましたが、その後は堅調に推移し、また、2020年4月より認知症高齢者向け介護施設であるグループホームを開設しました。これらの結果、当事業の売上高は683百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は31百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は44,343百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,948百万円増加いたしました。主な増減内容は、収益性の低下等が見込まれる繊維事業、不動産事業にかかる事業用資産および全社資産において減損処理を行ったこと等による有形固定資産の減少1,577百万円、投資有価証券の増加1,560百万円、売上債権の増加897百万円およびたな卸資産の増加489百万円等によるものであります。
負債の部は10,386百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,747百万円増加いたしました。これは主に、一年内返済予定を含む長期借入金の増加2,321百万円および未払金の増加1,050百万円等によるものであります。
純資産の部は33,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,799百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失3,826百万円の計上による減少や、前期決算に係る配当金240百万円による減少、その他の包括利益累計額の増加2,279百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は、製造原価によっております。
b.受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失3,977百万円の計上や仕入債務の減少2,467百万円、減損損失2,311百万円、減価償却費482百万円等により、2,949百万円の支出となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入996百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出327百万円等により、522百万円の支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入2,352百万円、配当金の支払い238百万円等により、2,069百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ58百万円減少し、7,403百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」をご参照下さい。
当社グループにおける資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて、金融機関からの借り入れによる調達を行っております。また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最適と思われる調達手段を選択しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、現在、2020年度までの3年間を実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』として、「更なる利益率の向上」に重点を置き、これまで培ってきた商品企画から開発、生産、販売、物流まで手がける一貫体制を持つメーカーという当社グループ最大の強みを維持しながら、利益創出のための新たな施策によって次の時代を見据えた事業構造への転換を図ることにより強固な事業基盤の構築を目指し、これらを実現するため、「企画・開発と営業戦略の融合」、「繊維事業におけるバランスの改革」、「製造原価の低減」、「女性の美と快適に「健康」をプラス」、「生産性の向上」の5つの課題に重点的に取り組むとともに、あわせて「事業構造改革」、「業務構造改革」、「コスト構造改革」の3つの構造改革に注力してまいりました。
実行期間を終えた総括としては、売上においては、直営店の出店などによる新規販売ルートの開拓や、ヨガウエアなどの健康・スポーツ関連商品の積極展開、コロナ禍におけるマスクの発売など、新たな販路・アイテムに積極的に進出することにより販売ルートおよび販売商品の構造改革に挑み、一定の成果も見られましたが、インバウンド需要の減少や天候不順等の外部環境の変化、更に2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大による取引先小売店舗の臨時休業、在宅勤務の急拡大や外出自粛などに伴う主力のストッキング需要の急速な減少等の影響を大きく受けた結果、売上は計画を下回り、当初の目標値はもとより修正目標に対しても大幅な未達となりました。
営業利益においては、生産子会社の一部拠点の統廃合や人員削減を進めるなど製造原価の低減に取り組み、本社においても希望退職者募集を実施するなどの合理化を断行したほか、生産性向上のための基幹システムの見直し等に着手いたしましたが、実行期間を通じて売上が想定を大きく下回って推移したことに伴い、当初の目標値はもとより修正目標に対しても大幅な未達となりました。
2021年3月期をもって中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』が終了することに伴い、当社グループは、中期ビジョンに沿った新たな中期経営計画を策定し、公表する準備を進めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による在宅勤務の急拡大や外出自粛などに伴う「新しい生活様式」が当社の主力商品であるストッキング需要の急速な減少を招くなど、当社グループを取り巻く経営環境はこの1年間で急激に変化しております。また、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、今後の事業活動への長期影響は避けられず、当社グループを取り巻く経営環境は極めて不確実性の高い状況にあることなどから、これらの現状を鑑み、現段階で数値計画を含む中期的な経営計画を公表することは株主の皆様の投資判断に混乱を生じさせてしまう可能性があると判断し、次期中期経営計画の公表を延期しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、様々な経済活動が制約を受けた結果、個人消費および企業収益が急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。緊急事態宣言の解除後は経済活動が段階的に再開され、緩やかに回復の動きが見られたものの、国内の感染者数が再び増加に転じたことを受けて、2021年1月には緊急事態宣言が再発出されるなど、経済活動の停滞や景気後退の懸念は払しょくされず、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
繊維業界においては、商業施設の臨時休業や営業時間短縮、外出自粛要請等に伴う消費活動の制限や衣料品の消費マインドの低下等により、実店舗における衣料品の販売は総じて苦戦するなど、厳しい環境が続いております。
このような状況において当社グループは、2018年度から2020年度までの3年間を実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』で掲げる「企画・開発と営業戦略の融合」、「繊維事業におけるバランスの改革」、「製造原価の低減」、「女性の美と快適に「健康」をプラス」、「生産性の向上」の5つの課題への取り組みに加え、これらを強化するための施策として、2019年度より「事業構造改革」、「業務構造改革」、「コスト構造改革」の3つの構造改革を推進することにより、次の時代を見据えた事業構造への転換を図り、強固な事業基盤の構築に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、当社が強化を志向するインナーウエアの販売構成比の高い株式会社レナウンインクスを完全子会社とするなどの構造改革を推し進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う在宅勤務の広がりや外出自粛要請等による生活様式の急激な変化等により、当社の主力商品であるストッキングの需要が急速に減少した結果、売上が年間を通じて前年を大きく下回ることとなり、また、販売の減少に伴う生産工場の収支悪化等により利益面でも大変厳しい状況で推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は16,228百万円(前年同期比17.3%減)、営業損失は2,593百万円(前年同期は461百万円の損失)、経常損失は1,995百万円(前年同期は204百万円の損失)、固定資産の減損に係る会計基準に基づき保有する固定資産の減損損失を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は3,826百万円(前年同期は5,933百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[繊維事業]
レッグウエア分野は、新型コロナウイルス感染症の拡大による取引先店舗の臨時休業、在宅勤務や外出自粛の広がりを背景とした個人消費の冷え込み、生活様式の急激な変化等の影響を受け、プレーンストッキングなどのベーシック商品の販売が期初より苦戦し、更には最盛期である秋冬期においてもタイツなどの季節商品が伸び悩むなど全般的に厳しく、同分野の売上高は9,899百万円(前年同期比34.2%減)となりました。
インナーウエア分野は、レッグウエア同様、新型コロナウイルス感染症の拡大による取引先店舗の営業自粛、在宅勤務や外出自粛等の影響を受けましたが、株式会社レナウンインクスを子会社化したことなどにより、同分野の売上高は5,073百万円(前年同期比51.0%増)となりました。
これらの結果、繊維事業の売上高は14,972百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は2,922百万円(前年同期は690百万円の損失)となりました。
[不動産事業]
保有資産の有効活用を進めておりますが、当事業の売上高は571百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は391百万円(前年同期比27.1%増)となりました。
[その他]
その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は順調に推移しました。介護用品の販売は外出自粛の影響などにより一時苦戦しましたが、その後は堅調に推移し、また、2020年4月より認知症高齢者向け介護施設であるグループホームを開設しました。これらの結果、当事業の売上高は683百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は31百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は44,343百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,948百万円増加いたしました。主な増減内容は、収益性の低下等が見込まれる繊維事業、不動産事業にかかる事業用資産および全社資産において減損処理を行ったこと等による有形固定資産の減少1,577百万円、投資有価証券の増加1,560百万円、売上債権の増加897百万円およびたな卸資産の増加489百万円等によるものであります。
負債の部は10,386百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,747百万円増加いたしました。これは主に、一年内返済予定を含む長期借入金の増加2,321百万円および未払金の増加1,050百万円等によるものであります。
純資産の部は33,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,799百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失3,826百万円の計上による減少や、前期決算に係る配当金240百万円による減少、その他の包括利益累計額の増加2,279百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 対前年同期比(%) |
繊維事業 | 8,423 | 86.5 |
合計 | 8,423 | 86.5 |
(注)1.セグメント間取引については、内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は、製造原価によっております。
b.受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 対前年同期比(%) |
繊維事業 | 14,972 | 81.3 |
不動産事業 | 571 | 100.1 |
その他 | 683 | 106.8 |
合計 | 16,228 | 82.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱しまむら | 2,279 | 11.6 | 3,373 | 20.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④キャッシュ・フローの状況
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減(百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,013 | △2,949 | △3,963 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △158 | 522 | 681 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △479 | 2,069 | 2,549 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △152 | 299 | 451 |
現金及び現金同等物の増減額 | 223 | △58 | △281 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 7,461 | 7,403 | △58 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失3,977百万円の計上や仕入債務の減少2,467百万円、減損損失2,311百万円、減価償却費482百万円等により、2,949百万円の支出となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入996百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出327百万円等により、522百万円の支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入2,352百万円、配当金の支払い238百万円等により、2,069百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ58百万円減少し、7,403百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」をご参照下さい。
当社グループにおける資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて、金融機関からの借り入れによる調達を行っております。また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最適と思われる調達手段を選択しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、現在、2020年度までの3年間を実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』として、「更なる利益率の向上」に重点を置き、これまで培ってきた商品企画から開発、生産、販売、物流まで手がける一貫体制を持つメーカーという当社グループ最大の強みを維持しながら、利益創出のための新たな施策によって次の時代を見据えた事業構造への転換を図ることにより強固な事業基盤の構築を目指し、これらを実現するため、「企画・開発と営業戦略の融合」、「繊維事業におけるバランスの改革」、「製造原価の低減」、「女性の美と快適に「健康」をプラス」、「生産性の向上」の5つの課題に重点的に取り組むとともに、あわせて「事業構造改革」、「業務構造改革」、「コスト構造改革」の3つの構造改革に注力してまいりました。
実行期間を終えた総括としては、売上においては、直営店の出店などによる新規販売ルートの開拓や、ヨガウエアなどの健康・スポーツ関連商品の積極展開、コロナ禍におけるマスクの発売など、新たな販路・アイテムに積極的に進出することにより販売ルートおよび販売商品の構造改革に挑み、一定の成果も見られましたが、インバウンド需要の減少や天候不順等の外部環境の変化、更に2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大による取引先小売店舗の臨時休業、在宅勤務の急拡大や外出自粛などに伴う主力のストッキング需要の急速な減少等の影響を大きく受けた結果、売上は計画を下回り、当初の目標値はもとより修正目標に対しても大幅な未達となりました。
営業利益においては、生産子会社の一部拠点の統廃合や人員削減を進めるなど製造原価の低減に取り組み、本社においても希望退職者募集を実施するなどの合理化を断行したほか、生産性向上のための基幹システムの見直し等に着手いたしましたが、実行期間を通じて売上が想定を大きく下回って推移したことに伴い、当初の目標値はもとより修正目標に対しても大幅な未達となりました。
2021年3月期をもって中期経営計画『ATSUGI VISION 2020』が終了することに伴い、当社グループは、中期ビジョンに沿った新たな中期経営計画を策定し、公表する準備を進めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による在宅勤務の急拡大や外出自粛などに伴う「新しい生活様式」が当社の主力商品であるストッキング需要の急速な減少を招くなど、当社グループを取り巻く経営環境はこの1年間で急激に変化しております。また、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、今後の事業活動への長期影響は避けられず、当社グループを取り巻く経営環境は極めて不確実性の高い状況にあることなどから、これらの現状を鑑み、現段階で数値計画を含む中期的な経営計画を公表することは株主の皆様の投資判断に混乱を生じさせてしまう可能性があると判断し、次期中期経営計画の公表を延期しております。