有価証券報告書-第165期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/26 13:18
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、当初より半導体製造装置向け新製品の立ち上げに伴う費用の先行負担や、処遇改善に伴う人件費の増加、エネルギー・資材価格上昇などによりコストが増大すると想定していました。これらの増加分は、価格転嫁を行いながら、連結売上高の3割強を占めるトナー事業と、前連結会計年度に新製品が立ち上がった機能性不織布事業を主とする増収によって可能な限り吸収を図ることで、減益ながらも1,500百万円の営業利益、経常利益を目指しました。
しかし、中国経済の低迷により、トナー事業・機能性不織布事業の業績は第3四半期連結累計期間まで低迷しました。一方、半導体・ディスプレイ関連事業は当初想定より好調に推移し、新規クレジットカードへの切り替えが継続するセキュリティメディア事業も売上を拡大しました。
以上の結果、売上高は33,692百万円となり、トナー事業が特に好調だった前年同期比では477百万円の減収(前年同期34,170百万円、前年同期比1.4%減)となりました。
利益面においては、各種コストの増加による影響は、試作収入の増加と現場の生産性改善などが部分的に相殺し、当初想定よりも小幅なものとなりました。また価格転嫁に関しても想定以上の成果を達成しました。さらに、年度後半には円安が進展したことも利益にプラスの影響を与えました。しかしながら、前年同期比での売上高の減少に加えて、特にトナー事業において在庫の圧縮を目的とした生産調整を実施したことが、利益にマイナスの影響を及ぼしました。これらの結果、営業利益は1,331百万円と前年同期と比べ720百万円の減益(同2,052百万円、同比35.1%減)となりました。
経常利益については、ディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法投資利益の貢献が引き続きあったことから、1,643百万円と前年同期と比べ507百万円の減益(同2,151百万円、同比23.6%減)に止まり、昨年5月12日公表の当初計画を上回りました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、前第1四半期連結会計期間に計上した固定資産売却による特別利益がなかったほか、当第4四半期連結会計期間において新型静電チャックの開発でターゲットとしている顧客製品(半導体製造装置)の変更があったこと、さらに生産及び開発拠点の集約実施に伴い設備除却損を計上したこともあり、594百万円と前年同期比では857百万円の減益(同1,451百万円、同比59.1%減)となりましたが、当初計画をほぼ達成いたしました。
なお、当第4四半期連結会計期間(2024年1~3月期)の3か月間については、トナー事業の一部に受注環境の改善が見られたほか、半導体・ディスプレイ関連事業における値上げ前の一時的な需要増などが増収要因として作用しました。加えて、円安によるプラス効果や試作収入の増加などが増益要因として作用しております。
また、連結貸借対照表における資産の部は、前連結会計年度末に比べ2,765百万円増加し、45,713百万円となりました。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ1,740百万円増加し、26,317百万円となりました。
純資産については1,025百万円増加し、19,396百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
トナー事業
トナー事業においては、円安による海外関連売上高の嵩上げはあったものの、中国経済の不振が継続した影響等により受注が伸び悩んだほか、海外競合他社との価格競争が拡大したことなどにより、特にモノクロトナーにおいて大幅減収となりました。
利益面では、海外子会社を含む売上高の大幅な減少に加え、原材料価格上昇によるコスト増加のほか、在庫調整のための生産量抑制の影響もあり大幅な減益となりました。
この結果、売上高は11,719百万円(同13,531百万円、同比13.4%減)となり、セグメント(営業)利益は815百万円(同2,093百万円の利益、同比61.0%減)となりました。
半導体・ディスプレイ関連事業
半導体・ディスプレイ関連事業においては、半導体実装用テープSBUの販売が堅調に推移したほか、光学フィルムSBUについて、年間を通じて子会社を含めて当初想定していなかったディスプレイ向けフィルム加工への注文が引き続き好調を維持したことにより増収となりました。
利益面では、新製品開発コストの増加はあったものの新製品の試作・試験入金が当初予想を上回ったほか、光学フィルムSBUでの増収効果に加えて、事業共通の基幹設備である塗工機の稼働率が上昇したことなどにより、前年同期比で増益となりました。
この結果、売上高は6,518百万円(同5,634百万円、同比15.7%増)となり、セグメント(営業)利益は608百万円(同186百万円の利益、同比226.9%増)となりました。
機能性シート事業
機能性シート事業においては、機能性不織布SBUについて中国経済不振の影響を受け受注が伸び悩みましたが、事業全体で案件獲得や製品価格改定を進めたことにより前年並みの売上となりました。
利益面では、原材料価格上昇によるコスト増加などはありましたが、コスト上昇分の製品価格への反映に加え、各種コストダウンを行うことにより、前年同期に比べ赤字幅を圧縮しております。
この結果、売上高は10,770百万円(同10,769百万円、同比0.0%増)となり、セグメント(営業)損失は42百万円(同72百万円の損失)となりました。
セキュリティメディア事業
セキュリティメディア事業においては、コンビカードへの切り替えが進んだことに加え、通帳類等が増加したほか、宣伝印刷物などの受注が増えたことにより、売上高は4,384百万円(同3,985百万円、同比10.0%増)となりました。利益面では、増収効果が大きく、セグメント(営業)利益は439百万円(同224百万円の利益、同比95.6%増)となりました。
新規開発事業
新規開発事業においては、主にiCas関連製品の開発と販売を進めており、特に半導体製造装置向け新製品群の上市に向け専心しております。売上高は67百万円(同54百万円、同比25.2%増)となり、セグメント(営業)損失は608百万円(同499百万円の損失)となりました。
その他の事業
その他の事業においては、売上高は231百万円(同196百万円、同比17.8%増)となり、セグメント(営業)利益は78百万円(同84百万円の利益、同比6.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,062百万円増加し、5,345百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ3,174百万円増加し4,185百万円となりました。これは主に、持分法による投資利益311百万円や売上債権の増加額211百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益1,363百万円や減価償却費1,669百万円、仕入債務の増加額1,004百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期に比べ1,686百万円増加し1,741百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,605百万円となり前期に比べ720百万円の増加があった一方で、前期にあった米国トナー工場跡地の売却に伴う固定資産売却収入580百万円がなかったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期に比べ78百万円増加し1,645百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,595百万円や長期借入れによる収入1,050百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,497百万円やA種優先株式の償還に伴う自己株式の取得による支出1,135百万円などがあったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比(%)
トナー事業(百万円)8,434△16.9
半導体・ディスプレイ関連事業(百万円)4,4973.4
機能性シート事業(百万円)10,8725.3
セキュリティメディア事業(百万円)3,4725.4
新規開発事業(百万円)3518.6
合計(百万円)27,312△3.0

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、一般市況及び直接需要を勘案して生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比(%)
トナー事業(百万円)11,719△13.4
半導体・ディスプレイ関連事業(百万円)6,51815.7
機能性シート事業(百万円)10,7700.0
セキュリティメディア事業(百万円)4,38410.0
新規開発事業(百万円)6725.2
報告セグメント計(百万円)33,461△1.5
その他の事業(百万円)23117.8
合計(百万円)33,692△1.4

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は45,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,765百万円の増加となりました。流動資産は22,600百万円で、前連結会計年度末に比べ1,062百万円の増加となり、その主な要因は、売上高が減少する中で生産調整も含めて棚卸資産の圧縮を行ったものの、当連結会計年度末が金融機関の休業日であったことや為替相場の円安変動の影響により、現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加したことなどによるものです。固定資産は23,113百万円で、前連結会計年度末に比べ1,703百万円の増加となり、その主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加や、保有株式の時価評価による投資有価証券が増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債の合計は26,317百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,740百万円の増加となりました。このうち流動負債は18,405百万円で、前連結会計年度末に比べ2,326百万円の増加となり、その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、短期借入金が増加したことに加え当連結会計年度末が金融機関の休業日であったことによる支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものです。固定負債は7,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ586百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金の返済が進んだことや退職給付に係る負債などが減少したことによるものです。当連結会計年度末における有利子負債残高は12,835百万円となり、前連結会計年度末に比べ122百万円の増加となりました。
また、当連結会計年度末の純資産の合計は19,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,025百万円の増加となりました。2023年9月に実施したA種優先株式の全部償還に伴い資本剰余金が1,135百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加に加え、その他有価証券評価差額金や為替相場の円安変動に伴う為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加などがあったことによるものです。
なお、A種優先株式の全部償還により、優先配当等の支払い負担を低減させ財務体質の健全化を図っており、償還後においても連結純資産比率は40%超の安定した財務基盤を維持しております。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、半導体・ディスプレイ関連事業及びセキュリティメディア事業が当初想定より好調な販売となったものの、中国経済不振によるトナー事業及び機能性不織布事業の業績が第3四半期まで低迷したことにより、売上高が33,692百万円となり、トナー事業は好調であった前連結会計年度と比べ477百万円減少となりました。また、第4四半期の3か月間はトナー事業の一部に受注環境の改善が見られたほか、半導体・ディスプレイ関連事業における値上げ前の一時的な需要増などにより前四半期に比べて増収となりました。利益面では、各種コストの増加による影響は、試作収入の増加や現場の生産性改善等により部分的に相殺することができ、当初想定よりも小幅なものとなりました。また、価格転嫁に関しても想定以上の成果を達成したことに加え、当連結会計年度後半には為替相場がさらに円安に進展したことも利益にプラスの影響を与えました。しかしながら、売上高が前連結会計年度に比べ減少したことに加え、特にトナー事業においては在庫の圧縮を目的とした生産調整を実施したことが利益にマイナスの影響を及ぼしたこともあり、営業利益は1,331百万円となり、前連結会計年度と比べ720百万円の減少となりました。各事業及びセグメント別の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当連結会計年度の経常利益につきましては、営業外収益にディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法による投資利益311百万円を計上したことなどから1,643百万円となり、前連結会計年度と比べ507百万円の減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した固定資産売却による特別利益が無かったほか、当連結会計年度において生産及び開発拠点の集約実施に伴う固定資産の除却損を計上したことなどもあり594百万円となり、前連結会計年度と比べ857百万円の減少となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は5,345百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,062百万円の増加となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、当社グループは様々な業界に製品を提供しております。これらの製品を取り巻く事業環境は変動が激しく、市況変動並びに技術革新等の影響を強く受けます。また、収益面では、特に主要原材料である各種石油化学製品・原紙・パルプ等及び燃料であるLNG等の価格変動が、業績に影響を与える可能性があります。従って、当社グループはこれらの経営成績に影響を与えるリスク要因を分析し、個々に対策を立案し実行に移しております。なお、この詳細は「3 事業等のリスク」に記載しております。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ既存製品の製造に係る費用及び製品の品質向上、原価低減のための設備改善並びに新製品開発投資等によるものです。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入等により資金調達をすることとしております。借入等による資金調達に関しては、運転資金としての短期借入金、設備等の長期借入金を当社及び各連結子会社が調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的とし一部グループ会社間で資金融通を行っております。
また、緊急時の流動性補完枠として既存取引のある金融機関5行と総額4,000百万円のシンジケート形式のコミットメントラインを設定しており、十分な手元流動性の確保に努めております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は、売上高、営業利益、ROE(自己資本利益率)、新製品売上高比率(連結売上高に占める新製品売上高の比率)、D/Eレシオ(連結純資産に占める有利子負債の割合)、純資産比率です。

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