有価証券報告書-第173期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用の改善が続くなか、緩やかな回復基調が続きました。一方、米中貿易摩擦による影響や中国経済の減速など海外経済の不確実性、金融資本市場の変動影響も懸念され、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
印刷業界におきましては、IT化の進展に伴う情報媒体のデジタルシフトの影響により、ペーパーメディアの需要は減少し、競争激化による単価の下落など、依然として厳しい経営環境が続きました。また、企業のESG(Environment, Social, Governance)への取り組みが強化されるなか、サプライチェーン全体でCO2削減や資源循環など環境負荷の低減を考慮した製品やサービスに対するニーズが高まっています。
このような環境のなかでトッパングループは、21世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION 21」において、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」を4つの成長領域と定め、「可能性をデザインする~未来の価値を見いだし、企画・設計して、実現していく~」をコンセプトとして、グループ連携を強化し技術・ノウハウを組み合わせることによりトータルソリューションを実現し、事業拡大に取り組んでおります。また、新たな収益モデルを早期確立すべく、新規事業においては積極的に経営資源を投入してまいります。一方、既存事業においては技術開発強化やコスト削減など、競争優位性の確立を推進してまいります。
以上の結果、当期の売上高は前年に比べ0.8%増の1兆4,647億円となりました。また、連結営業利益は12.5%減の457億円、連結経常利益は10.1%減の491億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2.9%減の410億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカードは好調に推移しましたが、一般証券物などが減少し、全体では前年を下回りました。一方で、電子認証サービスを提供する企業と業務提携し、スマートフォンなどのモバイル端末で個人向け住宅ローンの契約が完結できるサービスを開発するなど、デジタル化社会に対応したサービスを強化しました。
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは電子化に伴う需要量の減少などにより落ち込んだほか、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は大型案件縮小の影響を受け前年を大きく下回りました。データ・プリント・サービスは、一部得意先における数量減や単価下落の影響はあったものの、金融機関を中心に事務通知物やダイレクトメールの受託が堅調に推移し、前年を上回りました。
マーケティング関連では、企業の販促費の削減やデジタルシフトの影響により、POPは減少しましたが、BPOは業務効率化のニーズを取り込み増加しました。一方で、流通業界を中心にCRM(顧客関係管理)におけるデジタルマーケティングのコンサルティングから開発、運用まで一括で支援するサービスを拡販するなど、デジタルの取り組みを強化しました。また、一般商業印刷物は、米国の総合ファイナンス印刷会社の一部事業を買収した影響により増加しました。地方創生・観光立国への取り組みとしては、官公庁、自治体、観光関連団体・企業との共創拠点「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」をオープンしました。従来培ってきた文化遺産のデジタルアーカイブ化・コンテンツ化の実績とノウハウを核に、プロモーションを絡めた観光関連事業を受託するなど、地域の活性化、観光促進を支援するサービスを展開しました。
コンテンツ関連では、出版市場の低迷が続くなか、雑誌を中心として前年を下回りました。一方、拡大を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveは、広告宣伝の実施による更なるブランド認知の向上を図るなど、事業基盤を強化しました。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ0.7%増の8,751億円、営業利益は2.9%減の436億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、軟包装材は、機能性に優れたパッケージの需要が高まるASEAN地域において、インドネシアの事業会社を子会社化した影響に加え、群馬センター工場の高度な品質管理体制やクリーンな生産環境を活用した医療・医薬向けの高付加価値な包装材の増加などにより、前年を上回りました。一方、紙器は飲料向けなどが減少し前年を下回りました。温室効果ガス排出や海洋プラスチック問題など地球環境問題の深刻化を受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まるなか、プラスチックボトルからの代替が可能な水回りでも使用できる耐水性の高い紙パックを開発するなど、環境配慮型製品の開発に注力しました。また、原材料価格高騰の影響などを受けましたが、原価削減や構造改革による収益体質の強化に取り組みました。
建装材関連では、国内の化粧シートのシェアアップ、欧州(スペイン)製造拠点Decotec社の統合効果等により前年を上回りました。一方で、ディスプレイと化粧シートを組み合わせ、家族や地域の情報を受信・表示できる壁材「インフォウォール」を開発するなど、従来展開してきた建装材にIoTを組み合わせた、「トッパンIoT建材」の新たな製品ラインナップの拡充に注力しました。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ1.5%増の4,146億円、営業利益は19.4%減の187億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
ディスプレイ関連では、カラーフィルタは、スマートフォン向けなどの中小型サイズが減少し、前年を下回りました。反射防止フィルムは、テレビやモニター向けなどの高付加価値品を取り込み、堅調に推移しました。TFT液晶パネルは、民生品向けを中心として前年を下回りましたが、安定した事業基盤の構築に向け、台湾の子会社の事業構造改革に取り組みました。
半導体関連では、AIやIoT需要の高まりを受け半導体市場が拡大するなか、フォトマスクは旺盛な先端品需要を取り込み、好調に推移しました。高密度半導体パッケージ基板のFC-BGA基板は、海外向けを中心としたハイエンド品の需要を積極的に取り込み、前年を上回りました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ1.6%減の1,953億円、営業利益は6.4%減の138億円となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ460億円増加し2兆1,939億円となりました。これは投資有価証券が190億円、建設仮勘定が184億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度に比べ208億円増加し8,650億円となりました。これは短期借入金が224億円増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度に比べ252億円増加し1兆3,288億円となりました。これは非支配株主持分が52億円減少したものの、利益剰余金が279億円増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億円(0.1%)減少し2,729億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ49億円(6.9%)増加し767億円となりました。これは、減少要因である投資有価証券売却損益の増加が244億円あったものの、法人税等の支払額が150億円減少したことや、減少要因である退職給付に係る資産の増減額の減少が109億円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億円(1.6%)減少し738億円となりました。これは、有価証券の売却による収入が454億円減少、定期預金の預入による支出が267億円増加、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が84億円増加したものの、有価証券の取得による支出が302億円減少、投資有価証券の売却及び償還による収入が257億円増加、有形固定資産取得による支出が141億円減少、投資有価証券の取得による支出が139億円減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ158億円(92.6%)減少し12億円となりました。これは、長期借入による収入が164億円減少、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が52億円増加したものの、短期借入金の純増減額が221億円増加、長期借入金の返済による支出が162億円減少したことなどによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、120億円(0.8%)増の1兆4,647億円となりました。ペーパーメディアやセキュアの減少、大型案件の縮小影響など、国内の情報コミュニケーション事業は低調に推移するとともに、TFT液晶は民生品向けを中心に減少しました。一方、海外の事業会社を子会社化したことにより、情報コミュニケーション事業分野及び生活・産業事業分野において純増影響があったほか、フォトマスクやFC-BGA基板などの半導体関連事業が好調に推移し、全体としては増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ、65億円(12.5%)減の457億円となりました。フォトマスクやFC-BGA基板の受注拡大に伴う利益増はありましたが、ペーパーメディア、セキュア、TFT液晶の落ち込み、原材料価格の高騰影響に対し価格転嫁が十分進まなかったこと、前期に退職給付制度に関わる会計上の見積り変更による影響を利益計上した反動減もあり、減益となりました。
経常利益は、営業利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ、55億円(10.1%)減の491億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の増加、減損損失の増加、前期に退職給付制度改定益を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べ、12億円(2.9%)減の410億円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は313億円(3.8%)増加し8,570億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は202億円(4.5%)減少し4,272億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は15億円(0.7%)増加し2,152億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理経費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。成長分野・新事業投資を含めたこれらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用の改善が続くなか、緩やかな回復基調が続きました。一方、米中貿易摩擦による影響や中国経済の減速など海外経済の不確実性、金融資本市場の変動影響も懸念され、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
印刷業界におきましては、IT化の進展に伴う情報媒体のデジタルシフトの影響により、ペーパーメディアの需要は減少し、競争激化による単価の下落など、依然として厳しい経営環境が続きました。また、企業のESG(Environment, Social, Governance)への取り組みが強化されるなか、サプライチェーン全体でCO2削減や資源循環など環境負荷の低減を考慮した製品やサービスに対するニーズが高まっています。
このような環境のなかでトッパングループは、21世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION 21」において、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」を4つの成長領域と定め、「可能性をデザインする~未来の価値を見いだし、企画・設計して、実現していく~」をコンセプトとして、グループ連携を強化し技術・ノウハウを組み合わせることによりトータルソリューションを実現し、事業拡大に取り組んでおります。また、新たな収益モデルを早期確立すべく、新規事業においては積極的に経営資源を投入してまいります。一方、既存事業においては技術開発強化やコスト削減など、競争優位性の確立を推進してまいります。
以上の結果、当期の売上高は前年に比べ0.8%増の1兆4,647億円となりました。また、連結営業利益は12.5%減の457億円、連結経常利益は10.1%減の491億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2.9%減の410億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカードは好調に推移しましたが、一般証券物などが減少し、全体では前年を下回りました。一方で、電子認証サービスを提供する企業と業務提携し、スマートフォンなどのモバイル端末で個人向け住宅ローンの契約が完結できるサービスを開発するなど、デジタル化社会に対応したサービスを強化しました。
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは電子化に伴う需要量の減少などにより落ち込んだほか、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は大型案件縮小の影響を受け前年を大きく下回りました。データ・プリント・サービスは、一部得意先における数量減や単価下落の影響はあったものの、金融機関を中心に事務通知物やダイレクトメールの受託が堅調に推移し、前年を上回りました。
マーケティング関連では、企業の販促費の削減やデジタルシフトの影響により、POPは減少しましたが、BPOは業務効率化のニーズを取り込み増加しました。一方で、流通業界を中心にCRM(顧客関係管理)におけるデジタルマーケティングのコンサルティングから開発、運用まで一括で支援するサービスを拡販するなど、デジタルの取り組みを強化しました。また、一般商業印刷物は、米国の総合ファイナンス印刷会社の一部事業を買収した影響により増加しました。地方創生・観光立国への取り組みとしては、官公庁、自治体、観光関連団体・企業との共創拠点「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」をオープンしました。従来培ってきた文化遺産のデジタルアーカイブ化・コンテンツ化の実績とノウハウを核に、プロモーションを絡めた観光関連事業を受託するなど、地域の活性化、観光促進を支援するサービスを展開しました。
コンテンツ関連では、出版市場の低迷が続くなか、雑誌を中心として前年を下回りました。一方、拡大を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveは、広告宣伝の実施による更なるブランド認知の向上を図るなど、事業基盤を強化しました。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ0.7%増の8,751億円、営業利益は2.9%減の436億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、軟包装材は、機能性に優れたパッケージの需要が高まるASEAN地域において、インドネシアの事業会社を子会社化した影響に加え、群馬センター工場の高度な品質管理体制やクリーンな生産環境を活用した医療・医薬向けの高付加価値な包装材の増加などにより、前年を上回りました。一方、紙器は飲料向けなどが減少し前年を下回りました。温室効果ガス排出や海洋プラスチック問題など地球環境問題の深刻化を受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まるなか、プラスチックボトルからの代替が可能な水回りでも使用できる耐水性の高い紙パックを開発するなど、環境配慮型製品の開発に注力しました。また、原材料価格高騰の影響などを受けましたが、原価削減や構造改革による収益体質の強化に取り組みました。
建装材関連では、国内の化粧シートのシェアアップ、欧州(スペイン)製造拠点Decotec社の統合効果等により前年を上回りました。一方で、ディスプレイと化粧シートを組み合わせ、家族や地域の情報を受信・表示できる壁材「インフォウォール」を開発するなど、従来展開してきた建装材にIoTを組み合わせた、「トッパンIoT建材」の新たな製品ラインナップの拡充に注力しました。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ1.5%増の4,146億円、営業利益は19.4%減の187億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
ディスプレイ関連では、カラーフィルタは、スマートフォン向けなどの中小型サイズが減少し、前年を下回りました。反射防止フィルムは、テレビやモニター向けなどの高付加価値品を取り込み、堅調に推移しました。TFT液晶パネルは、民生品向けを中心として前年を下回りましたが、安定した事業基盤の構築に向け、台湾の子会社の事業構造改革に取り組みました。
半導体関連では、AIやIoT需要の高まりを受け半導体市場が拡大するなか、フォトマスクは旺盛な先端品需要を取り込み、好調に推移しました。高密度半導体パッケージ基板のFC-BGA基板は、海外向けを中心としたハイエンド品の需要を積極的に取り込み、前年を上回りました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ1.6%減の1,953億円、営業利益は6.4%減の138億円となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ460億円増加し2兆1,939億円となりました。これは投資有価証券が190億円、建設仮勘定が184億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度に比べ208億円増加し8,650億円となりました。これは短期借入金が224億円増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度に比べ252億円増加し1兆3,288億円となりました。これは非支配株主持分が52億円減少したものの、利益剰余金が279億円増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億円(0.1%)減少し2,729億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ49億円(6.9%)増加し767億円となりました。これは、減少要因である投資有価証券売却損益の増加が244億円あったものの、法人税等の支払額が150億円減少したことや、減少要因である退職給付に係る資産の増減額の減少が109億円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ11億円(1.6%)減少し738億円となりました。これは、有価証券の売却による収入が454億円減少、定期預金の預入による支出が267億円増加、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が84億円増加したものの、有価証券の取得による支出が302億円減少、投資有価証券の売却及び償還による収入が257億円増加、有形固定資産取得による支出が141億円減少、投資有価証券の取得による支出が139億円減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ158億円(92.6%)減少し12億円となりました。これは、長期借入による収入が164億円減少、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が52億円増加したものの、短期借入金の純増減額が221億円増加、長期借入金の返済による支出が162億円減少したことなどによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 873,093 | 1.8 |
| 生活・産業事業分野 | 406,210 | 1.2 |
| エレクトロニクス事業分野 | 195,527 | △2.6 |
| 合 計 | 1,474,831 | 1.0 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 865,395 | 2.4 | 39,567 | 3.3 |
| 生活・産業事業分野 | 407,031 | 2.6 | 94,964 | 1.3 |
| エレクトロニクス事業分野 | 188,982 | △7.5 | 11,456 | △34.3 |
| 合 計 | 1,461,409 | 1.1 | 145,988 | △2.3 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 863,975 | 0.9 |
| 生活・産業事業分野 | 405,816 | 1.9 |
| エレクトロニクス事業分野 | 194,963 | △1.6 |
| 合 計 | 1,464,755 | 0.8 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、120億円(0.8%)増の1兆4,647億円となりました。ペーパーメディアやセキュアの減少、大型案件の縮小影響など、国内の情報コミュニケーション事業は低調に推移するとともに、TFT液晶は民生品向けを中心に減少しました。一方、海外の事業会社を子会社化したことにより、情報コミュニケーション事業分野及び生活・産業事業分野において純増影響があったほか、フォトマスクやFC-BGA基板などの半導体関連事業が好調に推移し、全体としては増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ、65億円(12.5%)減の457億円となりました。フォトマスクやFC-BGA基板の受注拡大に伴う利益増はありましたが、ペーパーメディア、セキュア、TFT液晶の落ち込み、原材料価格の高騰影響に対し価格転嫁が十分進まなかったこと、前期に退職給付制度に関わる会計上の見積り変更による影響を利益計上した反動減もあり、減益となりました。
経常利益は、営業利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ、55億円(10.1%)減の491億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の増加、減損損失の増加、前期に退職給付制度改定益を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べ、12億円(2.9%)減の410億円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は313億円(3.8%)増加し8,570億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は202億円(4.5%)減少し4,272億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は15億円(0.7%)増加し2,152億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理経費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。成長分野・新事業投資を含めたこれらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しています。