訂正有価証券報告書-第172期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、依然として中国における経済成長の鈍化や、米国の保護主義的政策の拡大懸念、地政学的リスクの顕在化など海外経済の不確実性に加え、金融資本市場は安定感を欠く状況で推移するなど、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
印刷業界におきましては、IT化の進展に伴い情報媒体のデジタルシフトが加速し、ペーパーメディアの需要が減少傾向にあるなど、全体を通しては厳しい経営環境となりました。一方、企業のESG(Environment, Social, Governance)への取り組みが強化されるなか、サプライチェーン全体でCO2削減や資源循環など環境負荷の低減を考慮した製品やサービスのニーズが高まっています。
このような環境のなかでトッパングループは、21 世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION 21」において、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」を4つの成長領域と定め、「可能性をデザインする~未来の価値を見いだし、企画・設計して、実現していく~」をコンセプトとして、グループ連携を強化し技術・ノウハウを組み合わせることによりトータルソリューションを実現し、事業拡大に取り組んでおります。また、新たな収益モデルを早期確立すべく、既存事業においてはコスト削減や技術開発強化などの競争優位性の確立を推進し、新規事業においては積極的に経営資源を投入してまいりました。
以上の結果、当期の連結売上高は前期に比べ1.5%増の1兆4,527億円となりました。また、連結営業利益は1.3%増の522億円、連結経常利益は9.9%増の546億円、親会社株主に帰属する当期純利益は29.9%増の422億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカードや金融業界向けのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が減少するなど、総じて前年を下回りました。一方、サイバーセキュリティ分野においては、サイバー攻撃の巧妙化に伴い高度なセキュリティ対策への需要が拡大するなか、当社が培ってきた幅広い業界に対する機密情報の取扱いノウハウに加え、セキュリティのコンサルティングや対策ソリューションに強みを持つ企業との協業により、セキュリティの総合的な運用代行サービスを開始しました。
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは電子化に伴う需要量の減少により落ち込んだほか、BPOは大型案件の急速な縮小を受け前年を大きく下回りました。データ・プリント・サービスは、一部得意先における数量減や単価下落の影響などにより、前年を下回りました。一方、企業における帳票の運用管理を紙と電子の両面からサポートするサービスを積極的に展開し、新規得意先の開拓を推進しました。
マーケティング関連では、流通業界の広告宣伝費が削減傾向にあるなか、チラシやパンフ・カタログなどが減少しました。BPO事業は、豊富な実績と高いセキュリティ環境を活かして媒体製作やバックオフィス業務を強みに展開するなか、資本業務提携によりコンタクトセンター業務を強化するなど、事業拡大と高度化に向けてソリューションを拡充しました。
コンテンツ関連では、出版市場の低迷が続くなか、雑誌・書籍ともに前年を下回りました。一方、拡大を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveはデータ分析に基づくマーケティング機能の強化やオリジナルコンテンツの拡充を行うなど、事業基盤を強化しています。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ3.0%減の8,692億円、営業利益は10.8%減の449億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、軟包装材は群馬センター工場の高度な品質管理体制やクリーンな生産環境を活用した医療・医薬向けの高付加価値な包装材や、使用済みPETボトルを再生素材としたメカニカルリサイクルPETフィルムの包装材などが増加したほか、紙器も堅調に推移しました。また、バリア製品ブランド「GL BARRIER」において初の紙製品となるバリア紙や、液体製品のスムーズな詰め替えを実現するスタンディングパウチを開発するなど、製品のラインアップを拡充しています。一方、ラベル事業が減少したほか、中国において当局の環境規制強化の
影響を受け軟包装材の工場が一時的に操業停止になるなど、一部の事業は低調に推移しました。
建装材関連では、世界最高水準の表面性能を持つ化粧シート「Smart NANO」の拡大に加え、商業施設や海外向けの需要を取り込み、前年を上回りました。また、スペインの現地建装材印刷メーカーを子会社化し、建装材関連として初となる欧州製造拠点を確立するなど、グローバル市場における事業拡大を進めております。
生活・産業事業分野においては、原材料価格の高騰など外部環境の変化による影響を受けたものの、製造・販売体制の最適化に向けて協業を開始した段ボール事業をはじめとして、事業環境の変化に応じて迅速に構造改革を進めております。構造改革による収益体質の強化に加え、成長戦略を着実に実行することにより、経営資源の再配分を行っております。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ0.7%減の4,086億円、営業利益は6.7%減の232億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
ディスプレイ関連では、カラーフィルタはスマートフォン向けなどの中小型サイズを中心に減少したほか、反射防止フィルムはテレビ向けが低調に推移しました。TFT液晶パネルは、子会社化した台湾の中小型液晶パネルメーカーとの統合効果に加えて、産業機器向けが好調に推移し、前年を大きく上回りました。
半導体関連では、半導体市場がスマートフォンの大容量化やデータセンター需要の高まりを受けて拡大するなか、フォトマスクは先端品需要を取り込み、堅調に推移しました。また、今後需要の拡大が見込まれる中国において、最先端品の量産に対応した設備投資を決定するなど、アジアにおけるフォトマスクの生産体制を強化しています。高密度半導体パッケージ基板のFC-BGA基板は、好調な海外需要を取り込んだ結果、前年を上回りました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ34.0%増の1,984億円、営業利益は160.9%増の148億円となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ1,548億円増加し2兆1,527億円となりました。これは投資有価証券が1,391億円、土地が139億円、退職給付に係る資産が136億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度に比べ231億円増加し8,490億円となりました。これは1年内返済予定の長期借入金が145億円、退職給付に係る負債が112億円、それぞれ減少したものの、繰延税金負債が421億円、長期借入金が173億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度に比べ1,317億円増加し1兆3,036億円となりました。これはその他有価証券評価差額金が767億円、利益剰余金が293億円、非支配株主持分が150億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ217億円(7.4%)減少し2,733億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ190億円(20.9%)減少し718億円となりました。これは、減少要因である売上債権の増減額の増加が164億円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ346億円(85.5%)増加し750億円となりました。これは、有価証券の売却による収入が408億円増加したものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が327億円減少、有形固定資産の取得による支出が267億円増加、投資有価証券の売却及び償還による収入が141億円減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ279億円(62.1%)減少し171億円となりました。これは、社債の発行による収入が298億円減少したものの、社債の償還による支出が362億円減少、短期借入金の純増減額が91億円増加、長期借入れによる収入が79億円増加したことなどによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、211億円(1.5%)増の1兆4,527億円となりました。ペーパーメディアやセキュアの減少、大型案件の縮小影響などにより、情報コミュニケーション事業分野が減収となるとともに、生活・産業事業分野においても、中国の軟包装材工場の一時的な操業停止やラベル事業の落ち込みなど、一部の事業が低調に推移しました。一方、生活・産業事業分野の主要な製品である軟包装材や紙器、建装材などは堅調に増加するとともに、エレクトロニクス事業分野において、台湾の中小型液晶パネルメーカーの子会社化影響を含めTFT液晶が好調に推移したほか、半導体市場の活況を受けてフォトマスクやFC-BGA基板が増加したことなどから、増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ、6億円(1.3%)増の522億円となりました。情報コミュニケーション事業分野における数量減に伴う利益減のほか、生活・産業事業分野における中国の工場操業停止やラベル事業の低迷、原材料価格の高騰影響を受けましたが、各セグメントとも生産効率の向上や収率改善等の徹底したコスト削減に努めるとともに、エレクトロニクス事業分野におけるTFT液晶やFC-BGA基板の増加、フォトマスクの先端品受注の拡大などによる利益増に加え、退職給付制度移行に係る会計上の見積りの変更による影響もあり、増益となりました。
経常利益は、解体撤去費用の減少や受取配当金の増加などにより、前連結会計年度に比べ、49億円(9.9%)増の546億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の減少や退職給付制度改定益を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べ、97億円(29.9%)増の422億円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は347億円(4.4%)増加し8,276億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は389億円(9.5%)増加し4,487億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は47億円(2.3%)増加し2,139億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理経費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。成長分野・新事業投資を含めたこれらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、依然として中国における経済成長の鈍化や、米国の保護主義的政策の拡大懸念、地政学的リスクの顕在化など海外経済の不確実性に加え、金融資本市場は安定感を欠く状況で推移するなど、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
印刷業界におきましては、IT化の進展に伴い情報媒体のデジタルシフトが加速し、ペーパーメディアの需要が減少傾向にあるなど、全体を通しては厳しい経営環境となりました。一方、企業のESG(Environment, Social, Governance)への取り組みが強化されるなか、サプライチェーン全体でCO2削減や資源循環など環境負荷の低減を考慮した製品やサービスのニーズが高まっています。
このような環境のなかでトッパングループは、21 世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION 21」において、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」を4つの成長領域と定め、「可能性をデザインする~未来の価値を見いだし、企画・設計して、実現していく~」をコンセプトとして、グループ連携を強化し技術・ノウハウを組み合わせることによりトータルソリューションを実現し、事業拡大に取り組んでおります。また、新たな収益モデルを早期確立すべく、既存事業においてはコスト削減や技術開発強化などの競争優位性の確立を推進し、新規事業においては積極的に経営資源を投入してまいりました。
以上の結果、当期の連結売上高は前期に比べ1.5%増の1兆4,527億円となりました。また、連結営業利益は1.3%増の522億円、連結経常利益は9.9%増の546億円、親会社株主に帰属する当期純利益は29.9%増の422億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカードや金融業界向けのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が減少するなど、総じて前年を下回りました。一方、サイバーセキュリティ分野においては、サイバー攻撃の巧妙化に伴い高度なセキュリティ対策への需要が拡大するなか、当社が培ってきた幅広い業界に対する機密情報の取扱いノウハウに加え、セキュリティのコンサルティングや対策ソリューションに強みを持つ企業との協業により、セキュリティの総合的な運用代行サービスを開始しました。
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは電子化に伴う需要量の減少により落ち込んだほか、BPOは大型案件の急速な縮小を受け前年を大きく下回りました。データ・プリント・サービスは、一部得意先における数量減や単価下落の影響などにより、前年を下回りました。一方、企業における帳票の運用管理を紙と電子の両面からサポートするサービスを積極的に展開し、新規得意先の開拓を推進しました。
マーケティング関連では、流通業界の広告宣伝費が削減傾向にあるなか、チラシやパンフ・カタログなどが減少しました。BPO事業は、豊富な実績と高いセキュリティ環境を活かして媒体製作やバックオフィス業務を強みに展開するなか、資本業務提携によりコンタクトセンター業務を強化するなど、事業拡大と高度化に向けてソリューションを拡充しました。
コンテンツ関連では、出版市場の低迷が続くなか、雑誌・書籍ともに前年を下回りました。一方、拡大を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveはデータ分析に基づくマーケティング機能の強化やオリジナルコンテンツの拡充を行うなど、事業基盤を強化しています。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ3.0%減の8,692億円、営業利益は10.8%減の449億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、軟包装材は群馬センター工場の高度な品質管理体制やクリーンな生産環境を活用した医療・医薬向けの高付加価値な包装材や、使用済みPETボトルを再生素材としたメカニカルリサイクルPETフィルムの包装材などが増加したほか、紙器も堅調に推移しました。また、バリア製品ブランド「GL BARRIER」において初の紙製品となるバリア紙や、液体製品のスムーズな詰め替えを実現するスタンディングパウチを開発するなど、製品のラインアップを拡充しています。一方、ラベル事業が減少したほか、中国において当局の環境規制強化の
影響を受け軟包装材の工場が一時的に操業停止になるなど、一部の事業は低調に推移しました。
建装材関連では、世界最高水準の表面性能を持つ化粧シート「Smart NANO」の拡大に加え、商業施設や海外向けの需要を取り込み、前年を上回りました。また、スペインの現地建装材印刷メーカーを子会社化し、建装材関連として初となる欧州製造拠点を確立するなど、グローバル市場における事業拡大を進めております。
生活・産業事業分野においては、原材料価格の高騰など外部環境の変化による影響を受けたものの、製造・販売体制の最適化に向けて協業を開始した段ボール事業をはじめとして、事業環境の変化に応じて迅速に構造改革を進めております。構造改革による収益体質の強化に加え、成長戦略を着実に実行することにより、経営資源の再配分を行っております。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ0.7%減の4,086億円、営業利益は6.7%減の232億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
ディスプレイ関連では、カラーフィルタはスマートフォン向けなどの中小型サイズを中心に減少したほか、反射防止フィルムはテレビ向けが低調に推移しました。TFT液晶パネルは、子会社化した台湾の中小型液晶パネルメーカーとの統合効果に加えて、産業機器向けが好調に推移し、前年を大きく上回りました。
半導体関連では、半導体市場がスマートフォンの大容量化やデータセンター需要の高まりを受けて拡大するなか、フォトマスクは先端品需要を取り込み、堅調に推移しました。また、今後需要の拡大が見込まれる中国において、最先端品の量産に対応した設備投資を決定するなど、アジアにおけるフォトマスクの生産体制を強化しています。高密度半導体パッケージ基板のFC-BGA基板は、好調な海外需要を取り込んだ結果、前年を上回りました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ34.0%増の1,984億円、営業利益は160.9%増の148億円となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ1,548億円増加し2兆1,527億円となりました。これは投資有価証券が1,391億円、土地が139億円、退職給付に係る資産が136億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度に比べ231億円増加し8,490億円となりました。これは1年内返済予定の長期借入金が145億円、退職給付に係る負債が112億円、それぞれ減少したものの、繰延税金負債が421億円、長期借入金が173億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度に比べ1,317億円増加し1兆3,036億円となりました。これはその他有価証券評価差額金が767億円、利益剰余金が293億円、非支配株主持分が150億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ217億円(7.4%)減少し2,733億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ190億円(20.9%)減少し718億円となりました。これは、減少要因である売上債権の増減額の増加が164億円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ346億円(85.5%)増加し750億円となりました。これは、有価証券の売却による収入が408億円増加したものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が327億円減少、有形固定資産の取得による支出が267億円増加、投資有価証券の売却及び償還による収入が141億円減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ279億円(62.1%)減少し171億円となりました。これは、社債の発行による収入が298億円減少したものの、社債の償還による支出が362億円減少、短期借入金の純増減額が91億円増加、長期借入れによる収入が79億円増加したことなどによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 858,015 | △2.8 |
| 生活・産業事業分野 | 401,368 | 0.3 |
| エレクトロニクス事業分野 | 200,849 | 35.6 |
| 合 計 | 1,460,233 | 2.1 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 844,917 | △4.7 | 38,294 | 0.1 |
| 生活・産業事業分野 | 396,843 | △5.4 | 93,758 | △12.0 |
| エレクトロニクス事業分野 | 204,399 | 36.5 | 17,437 | 55.1 |
| 合 計 | 1,446,160 | △0.7 | 149,490 | △4.2 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 情報コミュニケーション事業分野 | 856,329 | △3.1 |
| 生活・産業事業分野 | 398,219 | △0.5 |
| エレクトロニクス事業分野 | 198,202 | 34.1 |
| 合 計 | 1,452,751 | 1.5 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、211億円(1.5%)増の1兆4,527億円となりました。ペーパーメディアやセキュアの減少、大型案件の縮小影響などにより、情報コミュニケーション事業分野が減収となるとともに、生活・産業事業分野においても、中国の軟包装材工場の一時的な操業停止やラベル事業の落ち込みなど、一部の事業が低調に推移しました。一方、生活・産業事業分野の主要な製品である軟包装材や紙器、建装材などは堅調に増加するとともに、エレクトロニクス事業分野において、台湾の中小型液晶パネルメーカーの子会社化影響を含めTFT液晶が好調に推移したほか、半導体市場の活況を受けてフォトマスクやFC-BGA基板が増加したことなどから、増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ、6億円(1.3%)増の522億円となりました。情報コミュニケーション事業分野における数量減に伴う利益減のほか、生活・産業事業分野における中国の工場操業停止やラベル事業の低迷、原材料価格の高騰影響を受けましたが、各セグメントとも生産効率の向上や収率改善等の徹底したコスト削減に努めるとともに、エレクトロニクス事業分野におけるTFT液晶やFC-BGA基板の増加、フォトマスクの先端品受注の拡大などによる利益増に加え、退職給付制度移行に係る会計上の見積りの変更による影響もあり、増益となりました。
経常利益は、解体撤去費用の減少や受取配当金の増加などにより、前連結会計年度に比べ、49億円(9.9%)増の546億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の減少や退職給付制度改定益を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べ、97億円(29.9%)増の422億円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は347億円(4.4%)増加し8,276億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は389億円(9.5%)増加し4,487億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は47億円(2.3%)増加し2,139億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理経費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。成長分野・新事業投資を含めたこれらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しています。