四半期報告書-第124期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2021年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比14.0%増の3,918億円でした。新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗などに伴い、世界各国で感染対策と経済活動の両立が図られるなか、国内外におけるデジタル関連需要の拡大や設備投資の回復に支えられて、高付加価値製品である半導体、電気・電子向け材料を中心に広範な分野で出荷が伸びました。自動車向け材料につきましても、自動車市場への半導体不足による影響が懸念されるなか、堅調に推移しました。また、米国や欧州の一部の国で行動制限が緩和されたことにより、化粧品用顔料の出荷が回復基調となりました。更に生活必需品である食品包装分野でも、海外を中心に引き続き出荷が好調に推移した結果、全てのセグメントで増収となりました。
営業利益は、前年同期比53.1%増の273億円でした。第2四半期に入り、原油価格上昇による原料コスト増加の影響が強まりましたが、高付加価値製品を中心に各セグメントで出荷を伸ばしたことに加え、価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
経常利益は、持分法による投資利益や為替差益の増加などにより、前年同期比81.5%増の282億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比55.1%増の160億円でした。6月30日に取得を完了したドイツBASF社の顔料事業に関する一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比24.5%増の382億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
[パッケージング&グラフィック]
売上高は、前年同期比11.0%増の2,110億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキはアジア及び米州や欧州で引き続き出荷が伸びたことに加え、国内では緊急事態宣言が再発令されるなか、昨年よりも影響が限定的であったことにより、増収となりました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキについては、国内での商業向けの回復が緩やかであるものの、好調な市況を取り込んだアジアや安定供給を背景にシェアを伸ばす米州や欧州で出荷が増えたことにより、増収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは野外看板・ポスターやバナーなどの産業用やオフィス用が好調に推移したことに加え、2020年6月に実施したテキスタイル用事業の買収効果もあり、大幅な増収となりました。
営業利益は、前年同期比20.5%増の105億円でした。パッケージ用及び出版用インキや高付加価値製品であるジェットインキの出荷増に加え、原料コストの増加に対して各地域で価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
[カラー&ディスプレイ]
売上高は、前年同期比8.5%増の592億円でした。色材分野では全体で増収となるなか、化粧品用顔料も新型コロナウイルスのワクチン普及により行動制限が緩和されたことで出荷が回復基調となりました。ディスプレイ分野では、カラーフィルタ用顔料は好調なパネル需要により出荷が伸び増収となりましたが、TFT液晶は中国メーカーとの競争激化により、減収となりました。スペシャリティ分野では光輝材が引き続き欧州での建材用発泡コンクリートの需要増により、増収となりました。
営業利益は、前年同期比52.2%増の70億円でした。化粧品用顔料の出荷回復に加え、カラーフィルタ用顔料や光輝材など高付加価値製品の出荷が引き続き堅調であったことより、大幅な増益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
売上高は、前年同期比20.0%増の1,374億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は車載関連や電子機器に使用される封止材向け全般の出荷が引き続き好調に推移しました。また、スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープの出荷も堅調に推移しました。サステナブル樹脂※は、自動車、電気・電子、建材向けなど幅広い用途の出荷が好調に推移し、全ての品目で大幅な増収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドは、自動車市場への半導体不足による影響が懸念されるなか、高い受注状況を維持し、全ての地域で増収となりました。
営業利益は、前年同期比74.2%増の141億円でした。原料コストが増加傾向にあるなか、エポキシ樹脂など高付加価値製品の出荷が引き続き好調を維持していることに加え、各製品で価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にドイツBASF社が保有する顔料事業を買収したことなどにより、前連結会計年度末と比べて2,855億円増加し、1兆1,035億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行及び借入金の増加により、前連結会計年度末比2,525億円増の7,191億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替の影響などにより、前連結会計年度末比331億円増の3,844億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] 304億円 (前第2四半期連結累計期間 233億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が222億円、減価償却費が166億円となりました。また、運転資本の減少により11億円の資金を取得した一方、法人税等に77億円を支払いました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は304億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △1,283億円 (前第2四半期連結累計期間 △185億円)
当第2四半期連結累計期間は、子会社株式の取得に1,279億円、設備投資に153億円の資金を使用しました。一方で、関係会社株式及び出資金の売却により116億円を取得しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は1,283億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 1,504億円 (前第2四半期連結累計期間 835億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により1,567億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として47億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は1,504億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、6,148百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、7,119百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、ドイツBASF社が保有する顔料事業を取得したことにより、「カラー&ディスプレイ」セグメントにおける従業員数が前連結会計年度末と比べて2,601人増加し、当第2四半期連結会計期間末において、連結従業員数は22,851人となりました。
(7)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、ドイツBASF社が保有する顔料事業を取得したことにより、主要な設備が増加しています。
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |
売上高 | 3,437 | 3,918 | +14.0% | +11.4% |
営業利益 | 178 | 273 | +53.1% | +48.9% |
経常利益 | 156 | 282 | +81.5% | |
親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 103 | 160 | +55.1% | |
EBITDA | 307 | 382 | +24.5% | |
US$/円(平均) | 108.03 | 107.68 | △0.3% | |
EUR/円(平均) | 118.99 | 129.63 | +8.9% |
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2021年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比14.0%増の3,918億円でした。新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗などに伴い、世界各国で感染対策と経済活動の両立が図られるなか、国内外におけるデジタル関連需要の拡大や設備投資の回復に支えられて、高付加価値製品である半導体、電気・電子向け材料を中心に広範な分野で出荷が伸びました。自動車向け材料につきましても、自動車市場への半導体不足による影響が懸念されるなか、堅調に推移しました。また、米国や欧州の一部の国で行動制限が緩和されたことにより、化粧品用顔料の出荷が回復基調となりました。更に生活必需品である食品包装分野でも、海外を中心に引き続き出荷が好調に推移した結果、全てのセグメントで増収となりました。
営業利益は、前年同期比53.1%増の273億円でした。第2四半期に入り、原油価格上昇による原料コスト増加の影響が強まりましたが、高付加価値製品を中心に各セグメントで出荷を伸ばしたことに加え、価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
経常利益は、持分法による投資利益や為替差益の増加などにより、前年同期比81.5%増の282億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比55.1%増の160億円でした。6月30日に取得を完了したドイツBASF社の顔料事業に関する一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比24.5%増の382億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:億円) | ||||||||
セグメント | 売 上 高 | 営 業 利 益 | ||||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | |
パッケージング& グラフィック | 1,901 | 2,110 | +11.0% | +8.3% | 87 | 105 | +20.5% | +19.4% |
カラー&ディスプレイ | 545 | 592 | +8.5% | +6.7% | 46 | 70 | +52.2% | +46.5% |
ファンクショナル プロダクツ | 1,145 | 1,374 | +20.0% | +17.5% | 81 | 141 | +74.2% | +70.7% |
その他、全社・消去 | △154 | △158 | - | - | △36 | △43 | - | - |
計 | 3,437 | 3,918 | +14.0% | +11.4% | 178 | 273 | +53.1% | +48.9% |
[パッケージング&グラフィック]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 1,901 | 億円 | 2,110 | 億円 | +11.0% | +8.3% |
営 業 利 益 | 87 | 億円 | 105 | 億円 | +20.5% | +19.4% |
売上高は、前年同期比11.0%増の2,110億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキはアジア及び米州や欧州で引き続き出荷が伸びたことに加え、国内では緊急事態宣言が再発令されるなか、昨年よりも影響が限定的であったことにより、増収となりました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキについては、国内での商業向けの回復が緩やかであるものの、好調な市況を取り込んだアジアや安定供給を背景にシェアを伸ばす米州や欧州で出荷が増えたことにより、増収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは野外看板・ポスターやバナーなどの産業用やオフィス用が好調に推移したことに加え、2020年6月に実施したテキスタイル用事業の買収効果もあり、大幅な増収となりました。
営業利益は、前年同期比20.5%増の105億円でした。パッケージ用及び出版用インキや高付加価値製品であるジェットインキの出荷増に加え、原料コストの増加に対して各地域で価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
[カラー&ディスプレイ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 545 | 億円 | 592 | 億円 | +8.5% | +6.7% |
営 業 利 益 | 46 | 億円 | 70 | 億円 | +52.2% | +46.5% |
売上高は、前年同期比8.5%増の592億円でした。色材分野では全体で増収となるなか、化粧品用顔料も新型コロナウイルスのワクチン普及により行動制限が緩和されたことで出荷が回復基調となりました。ディスプレイ分野では、カラーフィルタ用顔料は好調なパネル需要により出荷が伸び増収となりましたが、TFT液晶は中国メーカーとの競争激化により、減収となりました。スペシャリティ分野では光輝材が引き続き欧州での建材用発泡コンクリートの需要増により、増収となりました。
営業利益は、前年同期比52.2%増の70億円でした。化粧品用顔料の出荷回復に加え、カラーフィルタ用顔料や光輝材など高付加価値製品の出荷が引き続き堅調であったことより、大幅な増益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 1,145 | 億円 | 1,374 | 億円 | +20.0% | +17.5% |
営 業 利 益 | 81 | 億円 | 141 | 億円 | +74.2% | +70.7% |
売上高は、前年同期比20.0%増の1,374億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は車載関連や電子機器に使用される封止材向け全般の出荷が引き続き好調に推移しました。また、スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープの出荷も堅調に推移しました。サステナブル樹脂※は、自動車、電気・電子、建材向けなど幅広い用途の出荷が好調に推移し、全ての品目で大幅な増収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドは、自動車市場への半導体不足による影響が懸念されるなか、高い受注状況を維持し、全ての地域で増収となりました。
営業利益は、前年同期比74.2%増の141億円でした。原料コストが増加傾向にあるなか、エポキシ樹脂など高付加価値製品の出荷が引き続き好調を維持していることに加え、各製品で価格対応に取り組んだことにより、大幅な増益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にドイツBASF社が保有する顔料事業を買収したことなどにより、前連結会計年度末と比べて2,855億円増加し、1兆1,035億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行及び借入金の増加により、前連結会計年度末比2,525億円増の7,191億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替の影響などにより、前連結会計年度末比331億円増の3,844億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] 304億円 (前第2四半期連結累計期間 233億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が222億円、減価償却費が166億円となりました。また、運転資本の減少により11億円の資金を取得した一方、法人税等に77億円を支払いました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は304億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △1,283億円 (前第2四半期連結累計期間 △185億円)
当第2四半期連結累計期間は、子会社株式の取得に1,279億円、設備投資に153億円の資金を使用しました。一方で、関係会社株式及び出資金の売却により116億円を取得しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は1,283億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 1,504億円 (前第2四半期連結累計期間 835億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により1,567億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として47億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は1,504億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、6,148百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、7,119百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、ドイツBASF社が保有する顔料事業を取得したことにより、「カラー&ディスプレイ」セグメントにおける従業員数が前連結会計年度末と比べて2,601人増加し、当第2四半期連結会計期間末において、連結従業員数は22,851人となりました。
(7)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、ドイツBASF社が保有する顔料事業を取得したことにより、主要な設備が増加しています。