四半期報告書-第123期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第3四半期連結累計期間(2020年1月~9月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比10.8%減の5,143億円でした。コロナ禍が世界規模で続くなか、当第3四半期(7~9月)は、幅広い地域で感染拡大が一旦落ち着き、行動制限が緩和されたことで出版用インキ、自動車向け材料などの品目で出荷回復の傾向が見られましたが、前四半期と同様に全てのセグメントで前年同期比で減収となりました。第2四半期(4~6月)との比較では5.2%の増収となりました。
営業利益は、前年同期比13.2%減の256億円でした。現地通貨ベースでは8.1%の減益でした。海外ではアジア及び米州や欧州でのインキを中心とした出荷数量の回復に加え、活動経費の減少と合理化を含めたコスト削減効果により現地通貨ベースで前年同期を上回る利益水準となりましたが、国内では全般的に出荷数量の回復に時間がかかっており、減益幅が拡大しました。
経常利益は、前年同期比23.4%減の230億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比24.1%減の139億円でした。2019年8月29日に公表したBASF社の顔料事業取得に伴う買収関連の一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比12.9%減の436億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
[パッケージング&グラフィック]
売上高は、前年同期比8.3%減の2,862億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは需要が堅調なアジアで増収となったことに加えて、引き続き堅調に推移した米州や欧州では前年同期並となりましたが、コロナ禍で販売が悪化した国内では減収となりました。出版や新聞を主用途とする出版用インキは、各地域とも第2四半期(4~6月)と比べて広告及び商業印刷の需要に回復が見られましたが、コロナ禍で落ち込んだ需要を完全に取り戻すには至らず減収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキも在宅勤務の増加により、オフィス用途の需要が減少したことから引き続き減収となりました。
営業利益は、前年同期比3.5%増の135億円でした。出版用インキや国内のパッケージ用インキの出荷数量の落ち込みを、アジア及び米州や欧州でのパッケージ用インキの堅調な出荷や合理化効果を中心としたコストダウンによりカバーしました。
[カラー&ディスプレイ]
売上高は、前年同期比10.8%減の799億円でした。色材分野では、世界的なマスク着用の常態化など生活様式の変化により、化粧品用顔料を中心に出荷が減少し、大幅な減収となりました。ディスプレイ分野では、液晶パネル市場の回復に伴い、カラーフィルタ用顔料やTFT液晶は回復基調にありますが、前年同期比では減収となりました。一方、欧州での建材用発泡コンクリートの需要増により、光輝材は前年同期並となりました。
営業利益は、前年同期比28.9%減の63億円でした。米州や欧州において、化粧品用顔料などの出荷が落ち込むなか、生産調整に伴う一部工場の稼働率の低下により、固定費などのコストを吸収できず、大幅な減益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
売上高は、前年同期比14.8%減の1,704億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は5G関連の需要が第3四半期に入って滞り、出荷が減速しました。また、サステナブル樹脂※の需要は自動車や建材関連を中心に戻ってきていますが、本格的な回復には至らず、減収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドにつきましても、各地域とも自動車市場の回復に伴い、需要が大きく落ち込んだ第2四半期から回復基調にありますが、前年同期比では出荷が大幅に減少しました。
営業利益は、前年同期比13.1%減の112億円でした。自動車や建材など幅広い工業製品の需要が回復途上であることに加え、好調であったエポキシ樹脂の出荷の停滞を原料費の低下やコスト削減効果などによってカバーできず、前年同期比で減益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加により、前連結会計年度末と比べて581億円増加し、8,612億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行により、前連結会計年度末比638億円増の5,234億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替の影響などにより、前連結会計年度末比57億円減の3,378億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当四半期連結累計期間は第3四半期連結累計期間であり、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していません。このため、キャッシュ・フローの状況に関する分析について記載していません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、8,918百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、10,517百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |
売上高 | 5,766 | 5,143 | △10.8% | △8.2% |
営業利益 | 295 | 256 | △13.2% | △8.1% |
経常利益 | 300 | 230 | △23.4% | - |
親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 183 | 139 | △24.1% | - |
EBITDA | 501 | 436 | △12.9% | - |
US$/円(平均) | 109.15 | 107.16 | △1.8% | - |
EUR/円(平均) | 122.56 | 120.49 | △1.7% | - |
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第3四半期連結累計期間(2020年1月~9月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比10.8%減の5,143億円でした。コロナ禍が世界規模で続くなか、当第3四半期(7~9月)は、幅広い地域で感染拡大が一旦落ち着き、行動制限が緩和されたことで出版用インキ、自動車向け材料などの品目で出荷回復の傾向が見られましたが、前四半期と同様に全てのセグメントで前年同期比で減収となりました。第2四半期(4~6月)との比較では5.2%の増収となりました。
営業利益は、前年同期比13.2%減の256億円でした。現地通貨ベースでは8.1%の減益でした。海外ではアジア及び米州や欧州でのインキを中心とした出荷数量の回復に加え、活動経費の減少と合理化を含めたコスト削減効果により現地通貨ベースで前年同期を上回る利益水準となりましたが、国内では全般的に出荷数量の回復に時間がかかっており、減益幅が拡大しました。
経常利益は、前年同期比23.4%減の230億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比24.1%減の139億円でした。2019年8月29日に公表したBASF社の顔料事業取得に伴う買収関連の一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比12.9%減の436億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:億円) | ||||||||
セグメント | 売 上 高 | 営 業 利 益 | ||||||
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | |
パッケージング& グラフィック | 3,121 | 2,862 | △8.3% | △4.6% | 131 | 135 | +3.5% | +12.4% |
カラー&ディスプレイ | 896 | 799 | △10.8% | △8.5% | 88 | 63 | △28.9% | △26.7% |
ファンクショナル プロダクツ | 1,999 | 1,704 | △14.8% | △14.1% | 129 | 112 | △13.1% | △12.4% |
その他、全社・消去 | △250 | △222 | - | - | △53 | △55 | - | - |
計 | 5,766 | 5,143 | △10.8% | △8.2% | 295 | 256 | △13.2% | △8.1% |
[パッケージング&グラフィック]
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 3,121 | 億円 | 2,862 | 億円 | △8.3% | △4.6% |
営 業 利 益 | 131 | 億円 | 135 | 億円 | +3.5% | +12.4% |
売上高は、前年同期比8.3%減の2,862億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは需要が堅調なアジアで増収となったことに加えて、引き続き堅調に推移した米州や欧州では前年同期並となりましたが、コロナ禍で販売が悪化した国内では減収となりました。出版や新聞を主用途とする出版用インキは、各地域とも第2四半期(4~6月)と比べて広告及び商業印刷の需要に回復が見られましたが、コロナ禍で落ち込んだ需要を完全に取り戻すには至らず減収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキも在宅勤務の増加により、オフィス用途の需要が減少したことから引き続き減収となりました。
営業利益は、前年同期比3.5%増の135億円でした。出版用インキや国内のパッケージ用インキの出荷数量の落ち込みを、アジア及び米州や欧州でのパッケージ用インキの堅調な出荷や合理化効果を中心としたコストダウンによりカバーしました。
[カラー&ディスプレイ]
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 896 | 億円 | 799 | 億円 | △10.8% | △8.5% |
営 業 利 益 | 88 | 億円 | 63 | 億円 | △28.9% | △26.7% |
売上高は、前年同期比10.8%減の799億円でした。色材分野では、世界的なマスク着用の常態化など生活様式の変化により、化粧品用顔料を中心に出荷が減少し、大幅な減収となりました。ディスプレイ分野では、液晶パネル市場の回復に伴い、カラーフィルタ用顔料やTFT液晶は回復基調にありますが、前年同期比では減収となりました。一方、欧州での建材用発泡コンクリートの需要増により、光輝材は前年同期並となりました。
営業利益は、前年同期比28.9%減の63億円でした。米州や欧州において、化粧品用顔料などの出荷が落ち込むなか、生産調整に伴う一部工場の稼働率の低下により、固定費などのコストを吸収できず、大幅な減益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 1,999 | 億円 | 1,704 | 億円 | △14.8% | △14.1% |
営 業 利 益 | 129 | 億円 | 112 | 億円 | △13.1% | △12.4% |
売上高は、前年同期比14.8%減の1,704億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は5G関連の需要が第3四半期に入って滞り、出荷が減速しました。また、サステナブル樹脂※の需要は自動車や建材関連を中心に戻ってきていますが、本格的な回復には至らず、減収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドにつきましても、各地域とも自動車市場の回復に伴い、需要が大きく落ち込んだ第2四半期から回復基調にありますが、前年同期比では出荷が大幅に減少しました。
営業利益は、前年同期比13.1%減の112億円でした。自動車や建材など幅広い工業製品の需要が回復途上であることに加え、好調であったエポキシ樹脂の出荷の停滞を原料費の低下やコスト削減効果などによってカバーできず、前年同期比で減益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加により、前連結会計年度末と比べて581億円増加し、8,612億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行により、前連結会計年度末比638億円増の5,234億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替の影響などにより、前連結会計年度末比57億円減の3,378億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当四半期連結累計期間は第3四半期連結累計期間であり、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していません。このため、キャッシュ・フローの状況に関する分析について記載していません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、8,918百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、10,517百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。