四半期報告書-第123期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2020年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比10.7%減の3,437億円でした。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済停滞の影響から、当第2四半期(4~6月)は、出版用インキ、化粧品用顔料、自動車向け材料など広範な分野で出荷が落ち込み、全てのセグメントで減収となりました。第1四半期(1~3月)との比較では10.8%の減収となりました。
営業利益は前年同期比3.0%減の178億円でした。現地通貨ベースでは3.2%の増益でした。広範な分野での出荷数量の落ち込みを原料価格の低下、活動経費の減少と合理化を含めたコスト削減効果により補いましたが、新興国通貨安などによる海外事業の換算目減りが利益を押し下げました。
経常利益は、前年同期比18.1%減の156億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比21.3%減の103億円でした。2019年8月29日に公表したBASF社の顔料事業取得に伴う買収関連の一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比9.0%減の307億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
[パッケージング&グラフィック]
売上高は、前年同期比8.9%減の1,901億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは需要が回復した中国地域に加えて、引き続き堅調に推移した米州や欧州では前年同期並となりましたが、巣ごもり需要が一巡し、行楽需要が伸び悩んだことにより国内では減収となりました。出版や新聞を主用途とする出版用インキは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるイベントの制限に伴い、広告及びチラシの需要が減少し、商業印刷が引き続き落ち込んだことで大幅な減収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキも在宅勤務の増加により、オフィス用途の需要が減少したことから減収となりました。
営業利益は、前年同期比9.4%増の87億円でした。出版用インキの出荷数量の落ち込みを、米州や欧州でのパッケージ用インキの堅調な出荷や合理化効果を中心としたコストダウンによりカバーしました。
[カラー&ディスプレイ]
売上高は、前年同期比10.8%減の545億円でした。色材分野では、世界的な外出制限による影響やマスク着用の常態化など生活様式の変化により、化粧品用顔料を中心に出荷が減少し、大幅な減収となりました。ディスプレイ分野では、カラーフィルタ用顔料やTFT液晶は、前年同期比では減収となりました。
営業利益は、前年同期比23.8%減の46億円でした。米州や欧州において、化粧品用顔料などの出荷が落ち込むなか、生産調整を目的に一部工場の稼働を停止したことにより、固定費などのコストを吸収できず、大幅な減益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
売上高は、前年同期比13.3%減の1,145億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は引き続き出荷が好調でした。一方、自動車や建材など幅広く工業製品の需要が落ち込んだことからUV硬化型樹脂以外のサステナブル樹脂※の出荷が減少したことにより、減収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドは、中国では需要の回復が見られましたが、国内とその他の海外では、自動車需要が低調に推移するなか、第1四半期における顧客の在庫確保の反動もあり、出荷が大幅に減少しました。
営業利益は、前年同期比2.6%増の81億円でした。全般的な出荷の落ち込みが影響しましたが、エポキシ樹脂や半導体市場の復調による中空糸膜モジュールなど高付加価値製品の出荷が引き続き好調であったことに加えて原料価格の低下によるプラス影響を受けたことにより前年同期比で増益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加により、前連結会計年度末と比べて678億円増加し、8,709億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行により、前連結会計年度末比705億円増の5,301億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替の影響などにより、前連結会計年度末比27億円減の3,408億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] 233億円 (前第2四半期連結累計期間 32億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が154億円、減価償却費が159億円となりました。また、運転資本の減少により57億円の資金を取得した一方、法人税等に36億円を支払いました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は233億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △185億円 (前第2四半期連結累計期間 △157億円)
当第2四半期連結累計期間は、設備投資に146億円、子会社株式の取得に21億円の資金を使用しました。一方で、有形固定資産の売却により17億円を取得しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は185億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 835億円 (前第2四半期連結累計期間 528億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により893億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として38億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は835億円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、5,795百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、6,969百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |
売上高 | 3,850 | 3,437 | △10.7% | △7.7% |
営業利益 | 184 | 178 | △3.0% | +3.2% |
経常利益 | 190 | 156 | △18.1% | - |
親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 131 | 103 | △21.3% | - |
EBITDA | 337 | 307 | △9.0% | - |
US$/円(平均) | 109.83 | 108.03 | △1.6% | - |
EUR/円(平均) | 124.05 | 118.99 | △4.1% | - |
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2020年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比10.7%減の3,437億円でした。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済停滞の影響から、当第2四半期(4~6月)は、出版用インキ、化粧品用顔料、自動車向け材料など広範な分野で出荷が落ち込み、全てのセグメントで減収となりました。第1四半期(1~3月)との比較では10.8%の減収となりました。
営業利益は前年同期比3.0%減の178億円でした。現地通貨ベースでは3.2%の増益でした。広範な分野での出荷数量の落ち込みを原料価格の低下、活動経費の減少と合理化を含めたコスト削減効果により補いましたが、新興国通貨安などによる海外事業の換算目減りが利益を押し下げました。
経常利益は、前年同期比18.1%減の156億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比21.3%減の103億円でした。2019年8月29日に公表したBASF社の顔料事業取得に伴う買収関連の一時費用が発生しました。
EBITDAは、前年同期比9.0%減の307億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:億円) | ||||||||
セグメント | 売 上 高 | 営 業 利 益 | ||||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | |
パッケージング& グラフィック | 2,087 | 1,901 | △8.9% | △4.6% | 80 | 87 | +9.4% | +20.3% |
カラー&ディスプレイ | 611 | 545 | △10.8% | △8.1% | 60 | 46 | △23.8% | △21.2% |
ファンクショナル プロダクツ | 1,321 | 1,145 | △13.3% | △12.4% | 79 | 81 | +2.6% | +3.7% |
その他、全社・消去 | △169 | △154 | - | - | △35 | △36 | - | - |
計 | 3,850 | 3,437 | △10.7% | △7.7% | 184 | 178 | △3.0% | +3.2% |
[パッケージング&グラフィック]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 2,087 | 億円 | 1,901 | 億円 | △8.9% | △4.6% |
営 業 利 益 | 80 | 億円 | 87 | 億円 | +9.4% | +20.3% |
売上高は、前年同期比8.9%減の1,901億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは需要が回復した中国地域に加えて、引き続き堅調に推移した米州や欧州では前年同期並となりましたが、巣ごもり需要が一巡し、行楽需要が伸び悩んだことにより国内では減収となりました。出版や新聞を主用途とする出版用インキは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるイベントの制限に伴い、広告及びチラシの需要が減少し、商業印刷が引き続き落ち込んだことで大幅な減収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキも在宅勤務の増加により、オフィス用途の需要が減少したことから減収となりました。
営業利益は、前年同期比9.4%増の87億円でした。出版用インキの出荷数量の落ち込みを、米州や欧州でのパッケージ用インキの堅調な出荷や合理化効果を中心としたコストダウンによりカバーしました。
[カラー&ディスプレイ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 611 | 億円 | 545 | 億円 | △10.8% | △8.1% |
営 業 利 益 | 60 | 億円 | 46 | 億円 | △23.8% | △21.2% |
売上高は、前年同期比10.8%減の545億円でした。色材分野では、世界的な外出制限による影響やマスク着用の常態化など生活様式の変化により、化粧品用顔料を中心に出荷が減少し、大幅な減収となりました。ディスプレイ分野では、カラーフィルタ用顔料やTFT液晶は、前年同期比では減収となりました。
営業利益は、前年同期比23.8%減の46億円でした。米州や欧州において、化粧品用顔料などの出荷が落ち込むなか、生産調整を目的に一部工場の稼働を停止したことにより、固定費などのコストを吸収できず、大幅な減益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 1,321 | 億円 | 1,145 | 億円 | △13.3% | △12.4% |
営 業 利 益 | 79 | 億円 | 81 | 億円 | +2.6% | +3.7% |
売上高は、前年同期比13.3%減の1,145億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は引き続き出荷が好調でした。一方、自動車や建材など幅広く工業製品の需要が落ち込んだことからUV硬化型樹脂以外のサステナブル樹脂※の出荷が減少したことにより、減収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドは、中国では需要の回復が見られましたが、国内とその他の海外では、自動車需要が低調に推移するなか、第1四半期における顧客の在庫確保の反動もあり、出荷が大幅に減少しました。
営業利益は、前年同期比2.6%増の81億円でした。全般的な出荷の落ち込みが影響しましたが、エポキシ樹脂や半導体市場の復調による中空糸膜モジュールなど高付加価値製品の出荷が引き続き好調であったことに加えて原料価格の低下によるプラス影響を受けたことにより前年同期比で増益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加により、前連結会計年度末と比べて678億円増加し、8,709億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行により、前連結会計年度末比705億円増の5,301億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替の影響などにより、前連結会計年度末比27億円減の3,408億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] 233億円 (前第2四半期連結累計期間 32億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が154億円、減価償却費が159億円となりました。また、運転資本の減少により57億円の資金を取得した一方、法人税等に36億円を支払いました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は233億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △185億円 (前第2四半期連結累計期間 △157億円)
当第2四半期連結累計期間は、設備投資に146億円、子会社株式の取得に21億円の資金を使用しました。一方で、有形固定資産の売却により17億円を取得しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は185億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 835億円 (前第2四半期連結累計期間 528億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により893億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として38億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は835億円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、5,795百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、6,969百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。