四半期報告書-第124期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/05/14 15:48
【資料】
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【項目】
37項目
(1)経営成績
当第1四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比現地通貨ベース
前 年 同 期 比
売上高1,8171,903+4.7%+4.2%
営業利益99140+40.7%+40.4%
経常利益83148+78.6%-
親会社株主に帰属
する四半期純利益
46102+121.4%-
EBITDA144214+48.9%-
US$/円(平均)108.72106.17△2.3%-
EUR/円(平均)119.68127.88+6.9%-

EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第1四半期連結累計期間(2021年1月~3月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比4.7%増の1,903億円でした。新型コロナウイルス感染拡大の傾向は続くものの、世界経済が米国や中国を中心に回復し、国内でも自動車を中心に幅広い産業で経済活動が戻るなか、高付加価値製品である半導体、電機・電子、自動車向け材料など広範な分野で出荷が伸びました。また、生活必需品である食品包装分野でも、海外を中心に引き続き出荷が堅調に推移しました。
営業利益は、前年同期比40.7%増の140億円でした。高付加価値製品を中心に出荷が全般的に伸びたことに加え、活動経費の抑制や米州や欧州における原料コスト上昇に対する価格対応などが寄与した結果、大幅な増益となりました。
経常利益は、営業外費用の減少などにより、前年同期比78.6%増の148億円でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比121.4%増の102億円でした。関係会社株式売却益を特別利益として計上しました。
EBITDAは、前年同期比48.9%増の214億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:億円)
セグメント売 上 高営 業 利 益
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年
同期比
現地通貨
ベース
前年同期比
前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間前年
同期比
現地通貨
ベース
前年同期比
パッケージング&
グラフィック
9931,024+3.1%+3.0%4054+34.7%+36.7%
カラー&ディスプレイ295288△2.6%△2.2%2730+9.2%+8.6%
ファンクショナル
プロダクツ
612666+8.9%+7.6%4876+58.6%+56.6%
その他、全社・消去△84△76--△16△20--
1,8171,903+4.7%+4.2%99140+40.7%+40.4%

[パッケージング&グラフィック]
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比現地通貨ベース
前 年 同 期 比
売 上 高993億円1,024億円+3.1%+3.0%
営 業 利 益40億円54億円+34.7%+36.7%

売上高は、前年同期比3.1%増の1,024億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは経済回復が鮮明な中国を中心にアジアで大幅に出荷が伸びたことに加え、米州や欧州でも堅調に推移しましたが、出荷が伸び悩んだ国内では減収となりました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキは、国内では緊急事態宣言の再発令により広告及びカタログなどの商業向けなどが伸び悩みましたが、海外では好調な市況を取り込んだアジアに加え、米州や欧州でも出荷を伸ばした結果、全体としてほぼ前年並となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは、野外看板・ポスターやバナーなどの産業用が昨年落ち込んだ需要の反動から出荷が伸びたほか、2020年6月に実施した米国のテキスタイル用事業の買収効果もあり、大幅な増収となりました。
営業利益は、前年同期比34.7%増の54億円でした。海外でのパッケージ用及び出版用インキの出荷増や高付加価値製品であるジェットインキの増収に加え、米州や欧州を中心に原料コスト上昇に対する価格対応に取り組んだことなどにより、大幅な増益となりました。
[カラー&ディスプレイ]
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比現地通貨ベース
前 年 同 期 比
売 上 高295億円288億円△2.6%△2.2%
営 業 利 益27億円30億円+9.2%+8.6%

売上高は、前年同期比2.6%減の288億円でした。色材分野では、コロナ禍でマスク着用や移動制限が各国で続くなか、化粧品用顔料の出荷の回復が遅れているほか、インキ用顔料も減収となりました。ディスプレイ分野では、カラーフィルタ用顔料は堅調に推移しましたが、TFT液晶は出荷が落ち込み、減収となりました。一方、スペシャリティ分野では光輝材が欧州での建材用発泡コンクリートの需要増により、増収となりました。
営業利益は、前年同期比9.2%増の30億円でした。全体では減収となったものの、カラーフィルタ用顔料や光輝材など高付加価値製品の出荷が堅調であったことにより増益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比現地通貨ベース
前 年 同 期 比
売 上 高612億円666億円+8.9%+7.6%
営 業 利 益48億円76億円+58.6%+56.6%

売上高は、前年同期比8.9%増の666億円でした。半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂は車載関連や電子機器に使用される封止材向け全般の出荷が好調に推移しました。また、スマートフォンを主用途とする工業用テープの出荷も堅調に推移しました。サステナブル樹脂※は、水性やウレタン樹脂など自動車関連材料を中心に全ての品目で増収となりました。自動車の軽量化や電装化に伴って用途が拡大しているPPSコンパウンドは、世界的な自動車販売台数の回復に伴い出荷が伸び、全ての地域で増収となりました。
営業利益は、前年同期比58.6%増の76億円でした。エポキシ樹脂など高付加価値製品を中心とした出荷増により大幅な増益となりました。
※サステナブル樹脂:環境対応と機能性を高めることを目指した樹脂戦略製品の総称で、水性、UV硬化型、ポリエステル、アクリル、ウレタン樹脂が含まれます。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第1四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加により、前連結会計年度末と比べて1,458億円増加し、9,638億円となりました。負債の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行により、前連結会計年度末比1,231億円増の5,897億円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替の影響などにより、前連結会計年度末比227億円増の3,741億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当四半期連結累計期間は第1四半期連結累計期間であり、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していません。このため、キャッシュ・フローの状況に関する分析について記載していません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、2,955百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、3,450百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。