四半期報告書-第125期第2四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2022年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比33.1%増の5,214億円でした。ウクライナ情勢のもとでの資源価格の高騰、中国などにおける新型コロナウイルス感染の再拡大によるサプライチェーンの混乱など世界経済の不確実性の高まりを受けて、エネルギー、物流及び原料コストが高止まりするなか、全てのセグメントの幅広い製品において、継続的に価格対応に取り組んだ結果、大幅な増収となりました。また、カラー&ディスプレイセグメントにおいて、前第2四半期は連結対象外であったC&E顔料事業の売上が加わったことが増収幅を押し上げました。出荷動向につきましては、世界経済の先行き不透明感とサプライチェーンの混乱が長期化する状況下、自動車減産や中国でのロックダウンの影響などを受けて、一部の製品や地域で停滞感が見られました。
営業利益は、前年同期比12.2%減の240億円でした。一部の製品や地域で出荷の停滞感が見られるなか、引き続き幅広い製品において価格対応に取り組み、エネルギー、物流及び原料コスト増加分の転嫁を試みましたが、転嫁が十分に追い付かず、減益となりました。この状況下、C&E顔料事業につきましては、統合後の物流体制の構築の遅れによって発生した出荷遅延が解消し、販売が堅調に推移した結果、黒字となりました。
経常利益は、前年同期比7.4%減の262億円でした。前年同期比で減益となったものの、為替差益の増加などにより、営業利益よりも減益幅が縮小しました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比10.2%減の144億円でした。
EBITDAは、前年同期比24.2%増の474億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
[パッケージング&グラフィック]
売上高は、前年同期比22.0%増の2,574億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは各地域ともに価格対応を進めた結果、増収となりました。しかしながら出荷数量ベースで見ると、アジアではロックダウン解消後も出荷が停滞した中国の影響により前年を下回りました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキについては、国内でまん延防止等重点措置の解除後もチラシやイベント関連印刷物の回復が限定的であったほか、米州や欧州で紙不足などを背景に需要が停滞したことから、それぞれの地域で出荷が落ち込みましたが、全地域で価格対応を積極的に進めたことにより、増収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは屋外広告(看板・ポスター)やバナーなどの産業用や商業印刷用が引き続き堅調に推移した結果、増収となりました。また、2022年1月に買収を完了したイタリアの接着剤メーカーSapici S.p.A.の売上が加わったことも増収要因となりました。
営業利益は、前年同期比26.9%減の77億円でした。各地域でエネルギー、物流及び原料コストの増加に対する価格対応に取り組みましたが、転嫁が追い付かず、全ての地域で減益となりました。この状況下、Sapici S.p.A.につきましては、買収後の統合作業が問題なく完了し、欧州での接着剤製品の拡販を進めたことで、利益を着実に上げました。
[カラー&ディスプレイ]
売上高は、前年同期比126.2%増の1,339億円でした。C&E顔料事業が加わったことにより、塗料用、プラスチック用及び化粧品用顔料が特に大幅な増収となりました。こうしたなか、化粧品用顔料につきましては、海外での脱マスクの動きから需要の回復基調がより鮮明となり、出荷を伸ばしました。一方で、ディスプレイ用途であるカラーフィルタ用顔料は、パネルメーカーの生産調整によって出荷が落ち込んだ結果、減収となりました。光輝材を中心としたスペシャリティ用顔料は、農業用については引き続き堅調に推移しましたが、建材用発泡コンクリートで使用される建築用については、主な需要地である欧州で出荷が落ち込みました。
営業利益は、前年同期比11.0%増の78億円でした。カラーフィルタ用、スペシャリティ用などを中心に一部の高付加価値製品の出荷が落ち込みましたが、サーチャージ制の導入など引き続き積極的な価格対応を進めました。また、C&E顔料事業において、出荷遅延の解消によって販売が堅調に推移したことで、黒字となりました。これらの結果、全体として増益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
売上高は、前年同期比11.6%増の1,532億円でした。電気・電子やディスプレイを中心とするデジタル分野については、半導体を主用途とするエポキシ樹脂は、海外では中国でのロックダウン解消後も出荷への影響が見られましたが、電子機器市場の旺盛な需要の取り込みと価格対応の進展により、増収となりました。また、スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープにつきましても、需要の着実な取り込みにより、増収となりました。モビリティ(自動車)を中心とするインダストリアル分野については、半導体不足や物流の混乱を背景とした自動車減産の影響が出荷に影響しましたが、それぞれ価格対応を進めた結果、PPSコンパウンドを除く主要製品がいずれも増収となりました。PPSコンパウンドにつきましては、価格対応を進めたものの、国内及び海外で出荷数量が落ち込んだ結果、ほぼ前年同期並となりました。
営業利益は、前年同期比5.5%減の133億円でした。自動車向け材料を中心とした出荷数量の落ち込みも見られるなか、各製品において、エネルギー、物流及び原料コストの増加に対する価格対応を進めたものの、転嫁が追い付かず、減益となりました。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加及び運転資本の増加などにより、前連結会計年度末と比べて2,379億円増加し、1兆3,094億円となりました。負債の部は、主に借入金の増加により、前連結会計年度末比1,774億円増の8,678億円となりました。また、純資産の部は、為替の影響などにより、前連結会計年度末比606億円増の4,416億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] △248億円 (前第2四半期連結累計期間 304億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が240億円、減価償却費が225億円となりました。また、法人税等に81億円を支払い、運転資本の増加により486億円の資金を使用しました。以上の結果、営業活動に使用した資金の総額は248億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △331億円 (前第2四半期連結累計期間 △1,283億円)
当第2四半期連結累計期間は、子会社株式の取得に117億円、設備投資に196億円の資金を使用しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は331億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 1,062億円 (前第2四半期連結累計期間 1,504億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により1,168億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として47億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は1,062億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、7,212百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、7,242百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
(単位:億円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |
売上高 | 3,918 | 5,214 | +33.1% | +26.8% |
営業利益 | 273 | 240 | △12.2% | △10.2% |
経常利益 | 282 | 262 | △7.4% | - |
親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 160 | 144 | △10.2% | - |
EBITDA | 382 | 474 | +24.2% | - |
US$/円(平均) | 107.68 | 123.25 | +14.5% | - |
EUR/円(平均) | 129.63 | 134.89 | +4.1% | - |
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第2四半期連結累計期間(2022年1月~6月)における当社グループの業績は、売上高は前年同期比33.1%増の5,214億円でした。ウクライナ情勢のもとでの資源価格の高騰、中国などにおける新型コロナウイルス感染の再拡大によるサプライチェーンの混乱など世界経済の不確実性の高まりを受けて、エネルギー、物流及び原料コストが高止まりするなか、全てのセグメントの幅広い製品において、継続的に価格対応に取り組んだ結果、大幅な増収となりました。また、カラー&ディスプレイセグメントにおいて、前第2四半期は連結対象外であったC&E顔料事業の売上が加わったことが増収幅を押し上げました。出荷動向につきましては、世界経済の先行き不透明感とサプライチェーンの混乱が長期化する状況下、自動車減産や中国でのロックダウンの影響などを受けて、一部の製品や地域で停滞感が見られました。
営業利益は、前年同期比12.2%減の240億円でした。一部の製品や地域で出荷の停滞感が見られるなか、引き続き幅広い製品において価格対応に取り組み、エネルギー、物流及び原料コスト増加分の転嫁を試みましたが、転嫁が十分に追い付かず、減益となりました。この状況下、C&E顔料事業につきましては、統合後の物流体制の構築の遅れによって発生した出荷遅延が解消し、販売が堅調に推移した結果、黒字となりました。
経常利益は、前年同期比7.4%減の262億円でした。前年同期比で減益となったものの、為替差益の増加などにより、営業利益よりも減益幅が縮小しました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比10.2%減の144億円でした。
EBITDAは、前年同期比24.2%増の474億円でした。
また、各セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:億円) | ||||||||
セグメント | 売 上 高 | 営 業 利 益 | ||||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 前年 同期比 | 現地通貨 ベース 前年同期比 | |
パッケージング& グラフィック | 2,110 | 2,574 | +22.0% | +17.2% | 105 | 77 | △26.9% | △16.9% |
カラー&ディスプレイ | 592 | 1,339 | +126.2% | +107.8% | 70 | 78 | +11.0% | +10.3% |
ファンクショナル プロダクツ | 1,374 | 1,532 | +11.6% | +7.4% | 141 | 133 | △5.5% | △8.3% |
その他、全社・消去 | △158 | △231 | - | - | △43 | △48 | - | - |
計 | 3,918 | 5,214 | +33.1% | +26.8% | 273 | 240 | △12.2% | △10.2% |
[パッケージング&グラフィック]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 2,110 | 億円 | 2,574 | 億円 | +22.0% | +17.2% |
営 業 利 益 | 105 | 億円 | 77 | 億円 | △26.9% | △16.9% |
売上高は、前年同期比22.0%増の2,574億円でした。食品包装分野では、パッケージ用インキは各地域ともに価格対応を進めた結果、増収となりました。しかしながら出荷数量ベースで見ると、アジアではロックダウン解消後も出荷が停滞した中国の影響により前年を下回りました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキについては、国内でまん延防止等重点措置の解除後もチラシやイベント関連印刷物の回復が限定的であったほか、米州や欧州で紙不足などを背景に需要が停滞したことから、それぞれの地域で出荷が落ち込みましたが、全地域で価格対応を積極的に進めたことにより、増収となりました。デジタル印刷で使用されるジェットインキは屋外広告(看板・ポスター)やバナーなどの産業用や商業印刷用が引き続き堅調に推移した結果、増収となりました。また、2022年1月に買収を完了したイタリアの接着剤メーカーSapici S.p.A.の売上が加わったことも増収要因となりました。
営業利益は、前年同期比26.9%減の77億円でした。各地域でエネルギー、物流及び原料コストの増加に対する価格対応に取り組みましたが、転嫁が追い付かず、全ての地域で減益となりました。この状況下、Sapici S.p.A.につきましては、買収後の統合作業が問題なく完了し、欧州での接着剤製品の拡販を進めたことで、利益を着実に上げました。
[カラー&ディスプレイ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 592 | 億円 | 1,339 | 億円 | +126.2% | +107.8% |
営 業 利 益 | 70 | 億円 | 78 | 億円 | +11.0% | +10.3% |
売上高は、前年同期比126.2%増の1,339億円でした。C&E顔料事業が加わったことにより、塗料用、プラスチック用及び化粧品用顔料が特に大幅な増収となりました。こうしたなか、化粧品用顔料につきましては、海外での脱マスクの動きから需要の回復基調がより鮮明となり、出荷を伸ばしました。一方で、ディスプレイ用途であるカラーフィルタ用顔料は、パネルメーカーの生産調整によって出荷が落ち込んだ結果、減収となりました。光輝材を中心としたスペシャリティ用顔料は、農業用については引き続き堅調に推移しましたが、建材用発泡コンクリートで使用される建築用については、主な需要地である欧州で出荷が落ち込みました。
営業利益は、前年同期比11.0%増の78億円でした。カラーフィルタ用、スペシャリティ用などを中心に一部の高付加価値製品の出荷が落ち込みましたが、サーチャージ制の導入など引き続き積極的な価格対応を進めました。また、C&E顔料事業において、出荷遅延の解消によって販売が堅調に推移したことで、黒字となりました。これらの結果、全体として増益となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | 現地通貨ベース 前 年 同 期 比 | |||
売 上 高 | 1,374 | 億円 | 1,532 | 億円 | +11.6% | +7.4% |
営 業 利 益 | 141 | 億円 | 133 | 億円 | △5.5% | △8.3% |
売上高は、前年同期比11.6%増の1,532億円でした。電気・電子やディスプレイを中心とするデジタル分野については、半導体を主用途とするエポキシ樹脂は、海外では中国でのロックダウン解消後も出荷への影響が見られましたが、電子機器市場の旺盛な需要の取り込みと価格対応の進展により、増収となりました。また、スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープにつきましても、需要の着実な取り込みにより、増収となりました。モビリティ(自動車)を中心とするインダストリアル分野については、半導体不足や物流の混乱を背景とした自動車減産の影響が出荷に影響しましたが、それぞれ価格対応を進めた結果、PPSコンパウンドを除く主要製品がいずれも増収となりました。PPSコンパウンドにつきましては、価格対応を進めたものの、国内及び海外で出荷数量が落ち込んだ結果、ほぼ前年同期並となりました。
営業利益は、前年同期比5.5%減の133億円でした。自動車向け材料を中心とした出荷数量の落ち込みも見られるなか、各製品において、エネルギー、物流及び原料コストの増加に対する価格対応を進めたものの、転嫁が追い付かず、減益となりました。
(2)財政状態
(資産、負債及び純資産の状況に関する分析)
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、主にコマーシャル・ペーパーの発行に伴う現預金の増加及び運転資本の増加などにより、前連結会計年度末と比べて2,379億円増加し、1兆3,094億円となりました。負債の部は、主に借入金の増加により、前連結会計年度末比1,774億円増の8,678億円となりました。また、純資産の部は、為替の影響などにより、前連結会計年度末比606億円増の4,416億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー] △248億円 (前第2四半期連結累計期間 304億円)
当第2四半期連結累計期間は、税金等調整前四半期純利益が240億円、減価償却費が225億円となりました。また、法人税等に81億円を支払い、運転資本の増加により486億円の資金を使用しました。以上の結果、営業活動に使用した資金の総額は248億円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △331億円 (前第2四半期連結累計期間 △1,283億円)
当第2四半期連結累計期間は、子会社株式の取得に117億円、設備投資に196億円の資金を使用しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は331億円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] 1,062億円 (前第2四半期連結累計期間 1,504億円)
当第2四半期連結累計期間は、借入等により1,168億円の資金を調達した一方で、剰余金の配当として47億円を支払いました。以上の結果、財務活動により得られた資金の総額は1,062億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、7,212百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、7,242百万円でした。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の体制及び方針に重要な変更はありません。