有価証券報告書-第154期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお財政状態につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態」に記載のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度の業績は、売上高が499億2千6百万円で前年度比31億1千9百万円の増収(6.7%増)となりました。
営業利益は22億1千7百万円で、販売価格改定の浸透や高付加価値製品の販売拡大により利益率が改善したことから、前年度比9億8百万円の増益(69.4%増)となりました。
経常利益は24億5千4百万円で、営業利益の増加に加え、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.において前年度に計上した出資金運用損8億円が出資先の解散に起因して当期はなくなったこと等により、前年度比17億4千8百万円の増益(247.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は18億6千7百万円で、加工品事業のネトロン事業の業績悪化による固定資産の減損損失7億9千9百万円を計上しましたが、経営資源の有効活用および資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却等に伴う固定資産売却益5億4千2百万円、ならびに政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益5億5百万円を計上したこと等により、前年度比6億8千7百万円の増益(58.2%増)となりました。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円)

「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

(インキ事業)
(単位:百万円)
インキ事業の当連結会計年度の業績は、売上高が183億6千8百万円で前年度比20億2千6百万
円の増収(12.4%増)、セグメント利益は10億1百万円で前年度比4億3千8百万円の増益(77.8%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
(化成品事業)
(単位:百万円)
化成品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が238億8千7百万円で前年度比13億3千8百万円の増収(5.9%増)、セグメント利益は8億1百万円で前年度比1億9千5百万円の増益(32.3%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
(加工品事業)
(単位:百万円)
加工品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が75億7千9百万円で前年度比2億4千6百万円の減収(3.1%減)、セグメント利益は4億8千4百万円で前年度比1億4千8百万円の増益(44.4%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、売上高が9千万円で前年度比1百万円の増収(1.4%増)、セグメント利益は5千2百万円で前年度比3百万円の減益(6.5%減)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千5百万円の収入となりました(前連結会計年度は22億8千万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益25億7千9百万円、減価償却費16億2千9百万円、減損損失7億9千9百万円が計上され、売上債権の増加4億3千1百万円、棚卸資産の増加7億8百万円、仕入債務の増加2億4千4百万円、退職給付に係る資産の増加5億7千6百万円、有形固定資産売却益5億4千2百万円、投資有価証券売却益5億5百万円、法人税等の支払額の増加5億3千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9千8百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億7千8百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千4百万円、有形固定資産の売却による収入7億9千8百万円、無形固定資産の取得による支出6千3百万円、投資有価証券の売却による収入8億5千3百万円、出資金の清算分配金による収入6億1百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億7千2百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億5千4百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額11億円、長期借入による純増額4億2千万円、自己株式の取得による支出5億5千4百万円、配当金の支払額6億6千5百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態
◆資産の部
(単位:百万円)
当連結会計年度末の総資産は536億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加いたしました。
主な要因は、売上伸長による売上債権の増加4億5千4百万円、棚卸資産の増加7億2千4百万円、投資有価証券の時価上昇等による増加9億2千6百万円、退職給付に係る資産の増加16億4千2百万円等により増加しております。一方、加工品事業におけるネトロン事業の減損計上7億9千9百万円の影響により有・無形固定資産が6億4千万円減少しております。
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
◆負債の部
(単位:百万円)
当連結会計年度末の負債合計は215億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億6千5百万円増加いたしました。
主な要因は、原材料価格上昇および売上伸長に伴う仕入債務の増加2億5千万円、未払法人税等の増加1億8千8百万円、繰延税金負債の増加7億1千5百万円、新規借入等による長期借入金の増加2億8千3百万円等で増加しております。一方、借入の返済により短期借入金(1年内含)は9億6千2百万円減少しております。
◆純資産の部
(単位:百万円)
当連結会計年度末の純資産は321億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億7千5百万円増加いたしました。
主な要因は、利益剰余金の増加12億円、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加8億4千7百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7億2千1百万円等によるその他の包括利益累計額の増加16億1千6百万円等で増加しております。一方、自己株式の取得により自己株式は5億5千4百万円増加しております。
ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年にわたる中期経営計画「TOKYOink 2027」に基づき、持続的な成長に向けた各種施策を推進してまいりました。当連結会計年度の経営成績は、主力製品の市況回復に加え、各事業内における製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定の実施等が奏功し、売上高、営業利益とも大きく向上しました。売上高と営業利益の増減要因分析は下記のとおりになります。
「売上高増減要因分析」 (単位:百万円)

主な売上高増加要因として、インキ事業のオフセットインキやグラビアインキのメディカルパッケージ向け製品、化成品事業の機能性包材用途向け製品、モビリティ用途向け製品等が増加したことによる販売数量要因で17億1千万円、また、製品ポートフォリオ見直しに伴う高付加価値製品へのシフトや、販売価格改定による販売価格差要因で13億6千4百万円増加となり、結果として前年度比31億1千9百万円の増収になりました。
「営業利益増減要因分析」 (単位:百万円)
主な利益増加要因として、汎用製品の販売価格改定効果および高付加価値製品の売上比率増加に伴う交易条件(販売価格差異と原材料価格差異のネット影響額)改善で10億4千4百万円、需要期に向けた生産拡大による棚卸資産増加により3億2千4百万円、販売数量要因で2億8千9百万円の増加になりました。一方、主な利益減少要因として、人件費や減価償却費等の固定費増で4億6千7百万円、生産数量増加に伴う外注加工費、発送費等の変動費増で3億6千6百万円の減少になり、結果として、前年度比9億8百万円の増益になりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インキ事業)
今後のインキ事業につきましては、オフセットインキの市場縮小が続く一方で、グラビアインキはパッケージ用途を中心とした機能性ニーズの高まりを背景に、堅調に推移すると見込まれます。インクジェットインクは当社の強みを活かせる用途・技術に注力した製品ラインアップの拡充を進めてまいります。こうした成長が期待される領域に経営資源を重点的に投入し、事業内ポートフォリオの変革を通じて、利益の拡大を図ってまいります。
(化成品事業)
今後の化成品事業につきましては、日本国内における環境意識の高まりを背景とした市場ニーズの変化が継続すると想定されることから、低収益製品の整理や高付加価値製品へのシフトを進め、利益拡大を図ってまいります。この取り組みを支えるため、生産体制の再構築を目的とした新工場建設にも取り組み、自動化・省力化による生産効率の向上を図るとともに、将来の生産能力拡大等にも対応可能な整備を進めてまいります。併せて、成長が期待できる海外(タイ)では、モビリティ用途向け製品や機能性包材用途向け製品を中心に、事業領域の拡大に取り組んでまいります。
(加工品事業)
今後の加工品事業につきましては、引き続き国が推進する「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途向け製品を扱う土木資材の市場拡大が見込まれることから、新規工法の開発や既存工法のブラッシュアップを通じて、事業規模拡大を図ってまいります。ネトロン®は、収益性の確保が喫緊の課題となっております。このため、コスト削減の徹底や、採算性を重視した製品・用途の選別を進めるとともに、既存製品の付加価値向上による競争力の回復に取り組んでまいります。併せて、世界的な水資源確保に対する需要動向を注視しつつ、水処理用資材を中心とした販売体制の強化や、新規用途の可能性についても慎重に検討してまいります。一軸延伸フィルムと農業資材は、それぞれの特長を活かせる分野に向けて、製品の開発・拡販を推進してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。
この資金の増加の主な要因は、製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定等に伴う利益率の改善により営業キャッシュ・フローの増加したことに加え、経営資源の有効活用、資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却ならびに政策保有株式の縮減による投資活動によるキャッシュ・フローの増加等によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費および仕入債務の増加等により、23億7千5百万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却、投資有価証券の売却による収入等により、9千8百万円の収入になったため、フリー・キャッシュ・フローは、24億7千3百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億2百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
b.資本政策の基本的な方針
当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。
当社は、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と同水準となります。
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
c.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施、
福岡支店・大阪支店の売却実施
・強固な財務基盤の確保 ……… シンジケートローン更新、調達余力の確保、金融コスト抑制
・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得、株式分割実施、株主優待制度の拡充
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローン(極度設定額20億円)の更新を実施し、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は8億2千万円、借入未実行残高は41億8千万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2026年3月31日現在の自己資本比率は59.4%と前連結会計年度末と比較し、1.1ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
Net D/Eレシオ:ネット有利子負債(有利子負債-現預金)/自己資本
2026年3月31日現在のD/Eレシオは0.19倍、ネットD/Eレシオは0.06倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
今後は自己資本の水準に加え、最適な資本構成および負債比率の観点から、適切な有利子負債の活用も含め、収益力の改善とのバランスを踏まえた資本政策を進めてまいります。
2026年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は62億1千7百万円となっております。
(契約債務)
2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお財政状態につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態」に記載のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 46,806 | 49,926 | 3,119 | 6.7% |
| 営業利益 | 1,309 | 2,217 | 908 | 69.4% |
| 経常利益 | 705 | 2,454 | 1,748 | 247.6% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 1,180 | 1,867 | 687 | 58.2% |
当連結会計年度の業績は、売上高が499億2千6百万円で前年度比31億1千9百万円の増収(6.7%増)となりました。
営業利益は22億1千7百万円で、販売価格改定の浸透や高付加価値製品の販売拡大により利益率が改善したことから、前年度比9億8百万円の増益(69.4%増)となりました。
経常利益は24億5千4百万円で、営業利益の増加に加え、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.において前年度に計上した出資金運用損8億円が出資先の解散に起因して当期はなくなったこと等により、前年度比17億4千8百万円の増益(247.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は18億6千7百万円で、加工品事業のネトロン事業の業績悪化による固定資産の減損損失7億9千9百万円を計上しましたが、経営資源の有効活用および資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却等に伴う固定資産売却益5億4千2百万円、ならびに政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益5億5百万円を計上したこと等により、前年度比6億8千7百万円の増益(58.2%増)となりました。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円)

「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

(インキ事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 16,341 | 18,368 | 2,026 | 12.4% |
| セグメント利益 | 563 | 1,001 | 438 | 77.8% |
インキ事業の当連結会計年度の業績は、売上高が183億6千8百万円で前年度比20億2千6百万
円の増収(12.4%増)、セグメント利益は10億1百万円で前年度比4億3千8百万円の増益(77.8%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減(ポイント) |
| オフセットインキ | 4.5% | 5.8% | 1.3 |
| グラビアインキ | △4.5% | 3.5% | 8.0 |
| インクジェットインク | 14.1% | 3.0% | △11.1 |
(化成品事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 22,549 | 23,887 | 1,338 | 5.9% |
| セグメント利益 | 605 | 801 | 195 | 32.3% |
化成品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が238億8千7百万円で前年度比13億3千8百万円の増収(5.9%増)、セグメント利益は8億1百万円で前年度比1億9千5百万円の増益(32.3%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減(ポイント) |
| 自社製品 | 4.7% | 5.9% | 1.2 |
| 受託製品 | △3.0% | △3.1% | △0.1 |
| 海外(タイ) | 20.8% | 24.0% | 3.2 |
(加工品事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 7,825 | 7,579 | △246 | △3.1% |
| セグメント利益 | 335 | 484 | 148 | 44.4% |
加工品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が75億7千9百万円で前年度比2億4千6百万円の減収(3.1%減)、セグメント利益は4億8千4百万円で前年度比1億4千8百万円の増益(44.4%増)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減(ポイント) |
| ネトロン® | △12.2% | △17.4% | △5.2 |
| 一軸延伸フィルム | 2.9% | 6.2% | 3.3 |
| 土木資材 | 18.9% | 20.6% | 1.7 |
| 農業資材 | 1.0% | 2.2% | 1.2 |
(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 89 | 90 | 1 | 1.4% |
| セグメント利益 | 56 | 52 | △3 | △6.5% |
不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、売上高が9千万円で前年度比1百万円の増収(1.4%増)、セグメント利益は5千2百万円で前年度比3百万円の減益(6.5%減)になりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 区 分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,280 | 2,375 | 94 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,178 | 98 | 1,276 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 1,102 | 2,473 | 1,371 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,254 | △1,972 | △717 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 3,695 | 4,229 | 533 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千5百万円の収入となりました(前連結会計年度は22億8千万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益25億7千9百万円、減価償却費16億2千9百万円、減損損失7億9千9百万円が計上され、売上債権の増加4億3千1百万円、棚卸資産の増加7億8百万円、仕入債務の増加2億4千4百万円、退職給付に係る資産の増加5億7千6百万円、有形固定資産売却益5億4千2百万円、投資有価証券売却益5億5百万円、法人税等の支払額の増加5億3千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9千8百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億7千8百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千4百万円、有形固定資産の売却による収入7億9千8百万円、無形固定資産の取得による支出6千3百万円、投資有価証券の売却による収入8億5千3百万円、出資金の清算分配金による収入6億1百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億7千2百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億5千4百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額11億円、長期借入による純増額4億2千万円、自己株式の取得による支出5億5千4百万円、配当金の支払額6億6千5百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産数量合計(トン) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 32,281 (5,832) [2,017] | 114.4 (110.0) [135.8] |
| 化成品事業 | 43,214 (171) [17,705] | 109.1 (136.4) [103.7] |
| 加工品事業 | 3,554 (-) [1,009] | 91.2 (-) [96.0] |
| 不動産賃貸事業 | - (-) [-] | - (-) [-] |
| 合計 | 79,051 (6,004) [20,732] | 110.2 (110.6) [105.7] |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 1,565 | 100.3 |
| 化成品事業 | 268 | 101.7 |
| 加工品事業 | 2,865 | 99.0 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| 合計 | 4,699 | 99.6 |
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 18,368 | 112.4 |
| 化成品事業 | 23,887 | 105.9 |
| 加工品事業 | 7,579 | 96.9 |
| 不動産賃貸事業 | 90 | 101.4 |
| 合計 | 49,926 | 106.7 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態
◆資産の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 流動資産 | 現預金 | 3,697 | 4,231 | 533 | 売上伸長に伴う流動性資金確保 |
| 売上債権 | 15,785 | 16,240 | 454 | 売上伸長による売上債権の増加 | |
| 棚卸資産 | 9,542 | 10,266 | 724 | 商品及び製品+184、仕掛品+200、原材料及び貯蔵品+339 | |
| その他 | 704 | 420 | △283 | 前年度自己株式信託金の影響△280 | |
| 計 | 29,729 | 31,159 | 1,429 | ||
| 固定資産 | 有・無形 固定資産 | 13,717 | 13,077 | △640 | ネトロン事業減損損失計上△799 |
| 投資 その他 | 7,385 | 9,436 | 2,051 | ・保有株式評価増+926、退職給付に係る資産+1,642 ・その他の投資△533 | |
| 計 | 21,102 | 22,514 | 1,411 | ||
| 資産合計 | 50,832 | 53,673 | 2,840 | 成長投資に向けた手元流動性の確保継続 | |
当連結会計年度末の総資産は536億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加いたしました。
主な要因は、売上伸長による売上債権の増加4億5千4百万円、棚卸資産の増加7億2千4百万円、投資有価証券の時価上昇等による増加9億2千6百万円、退職給付に係る資産の増加16億4千2百万円等により増加しております。一方、加工品事業におけるネトロン事業の減損計上7億9千9百万円の影響により有・無形固定資産が6億4千万円減少しております。
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| インキ事業 | 18,460 | 20,136 | 1,675 | 売上債権、棚卸資産の増加 |
| 化成品事業 | 21,495 | 23,920 | 2,425 | 売上債権、棚卸資産の増加 |
| 加工品事業 | 6,944 | 6,261 | △682 | 売上債権、棚卸資産、固定資産の減少 |
| 不動産賃貸事業 | 604 | 583 | △20 | |
| 報告セグメント合計 | 47,504 | 50,901 | 3,397 |
◆負債の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 流動負債 | 仕入債務 | 9,800 | 10,051 | 250 | 原材料価格上昇、売上伸長に伴う仕入債務の増加 |
| 短期借入金 (1年内含) | 3,819 | 2,856 | △962 | 借入返済 | |
| その他 | 2,737 | 3,044 | 307 | 未払法人税等増+188、未払費用+68他 | |
| 計 | 16,357 | 15,952 | △404 | ||
| 固定負債 | 長期借入金 | 2,912 | 3,195 | 283 | 約定返済減、新規借入 |
| その他 | 1,731 | 2,418 | 686 | 繰延税金負債+715他 | |
| 計 | 4,643 | 5,613 | 970 | ||
| 負債合計 | 21,000 | 21,566 | 565 | 調達余力の確保継続 | |
当連結会計年度末の負債合計は215億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億6千5百万円増加いたしました。
主な要因は、原材料価格上昇および売上伸長に伴う仕入債務の増加2億5千万円、未払法人税等の増加1億8千8百万円、繰延税金負債の増加7億1千5百万円、新規借入等による長期借入金の増加2億8千3百万円等で増加しております。一方、借入の返済により短期借入金(1年内含)は9億6千2百万円減少しております。
◆純資産の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 |
| 株主資本 | 27,348 | 27,993 | 645 | 利益剰余金増+1,200、自己株式の取得△554 |
| その他の 包括利益累計額 | 2,282 | 3,899 | 1,616 | 保有株式評価増+847、為替換算調整勘定増+47、退職給付に係る調整累計額増+721 |
| 非支配株主持分 | 200 | 213 | 13 | |
| 純資産合計 | 29,831 | 32,106 | 2,275 | 利益剰余金の大幅な増加に伴う自己資本比率ポイント上昇 |
当連結会計年度末の純資産は321億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億7千5百万円増加いたしました。
主な要因は、利益剰余金の増加12億円、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加8億4千7百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7億2千1百万円等によるその他の包括利益累計額の増加16億1千6百万円等で増加しております。一方、自己株式の取得により自己株式は5億5千4百万円増加しております。
ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年にわたる中期経営計画「TOKYOink 2027」に基づき、持続的な成長に向けた各種施策を推進してまいりました。当連結会計年度の経営成績は、主力製品の市況回復に加え、各事業内における製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定の実施等が奏功し、売上高、営業利益とも大きく向上しました。売上高と営業利益の増減要因分析は下記のとおりになります。
「売上高増減要因分析」 (単位:百万円)

主な売上高増加要因として、インキ事業のオフセットインキやグラビアインキのメディカルパッケージ向け製品、化成品事業の機能性包材用途向け製品、モビリティ用途向け製品等が増加したことによる販売数量要因で17億1千万円、また、製品ポートフォリオ見直しに伴う高付加価値製品へのシフトや、販売価格改定による販売価格差要因で13億6千4百万円増加となり、結果として前年度比31億1千9百万円の増収になりました。
「営業利益増減要因分析」 (単位:百万円)
主な利益増加要因として、汎用製品の販売価格改定効果および高付加価値製品の売上比率増加に伴う交易条件(販売価格差異と原材料価格差異のネット影響額)改善で10億4千4百万円、需要期に向けた生産拡大による棚卸資産増加により3億2千4百万円、販売数量要因で2億8千9百万円の増加になりました。一方、主な利益減少要因として、人件費や減価償却費等の固定費増で4億6千7百万円、生産数量増加に伴う外注加工費、発送費等の変動費増で3億6千6百万円の減少になり、結果として、前年度比9億8百万円の増益になりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インキ事業)
| 2026年3月期 実績 | 内容分析 | ||
| 前期比 | |||
| オフセット インキ | 売上高 | ![]() | ・オフセット輪転インキを中心に重要顧客への販売強化および新規顧客開拓に取り組んだ結果、販売は堅調に推移 ・利益面では第3四半期の主要設備修繕に伴う一時的な経費増加により一定の影響を受けるも前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
| グラビア インキ | 売上高 | ![]() | ・2025年4月から本格的に販売を開始したメディカルパッケージ用途向け製品が順調に推移したことに加え、注力製品である機能性インキ・コート剤が伸長し、前期比大幅プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
| インクジェットインク | 売上高 | ![]() | ・自社製品が伸び悩んだことに加え、欧州向け受託製品の受注が減少した結果、前期比マイナス |
| 利益額 | ![]() | ||
今後のインキ事業につきましては、オフセットインキの市場縮小が続く一方で、グラビアインキはパッケージ用途を中心とした機能性ニーズの高まりを背景に、堅調に推移すると見込まれます。インクジェットインクは当社の強みを活かせる用途・技術に注力した製品ラインアップの拡充を進めてまいります。こうした成長が期待される領域に経営資源を重点的に投入し、事業内ポートフォリオの変革を通じて、利益の拡大を図ってまいります。
(化成品事業)
| 2026年3月期 実績 | 内容分析 | ||
| 前期比 | |||
| 自社製品 | 売上高 | ![]() | ・主力製品である機能性包材用途向け製品およびモビリティ用途向け製品が堅調に推移したことに加え、容器・シート用途向け製品も堅調であった結果、前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
| 受託製品 | 売上高 | ![]() | ・光学用途向け製品が堅調に推移したことに加え、一時的な受注増もあり、前期比プラス ・低収益製品の整理と高収益製品へのシフトは進捗に遅れ発生 |
| 利益額 | ![]() | ||
| 海外(タイ) | 売上高 | ![]() | ・主力製品であるモビリティ用途向け製品および機能性包材用途向け製品が堅調に推移し、前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
今後の化成品事業につきましては、日本国内における環境意識の高まりを背景とした市場ニーズの変化が継続すると想定されることから、低収益製品の整理や高付加価値製品へのシフトを進め、利益拡大を図ってまいります。この取り組みを支えるため、生産体制の再構築を目的とした新工場建設にも取り組み、自動化・省力化による生産効率の向上を図るとともに、将来の生産能力拡大等にも対応可能な整備を進めてまいります。併せて、成長が期待できる海外(タイ)では、モビリティ用途向け製品や機能性包材用途向け製品を中心に、事業領域の拡大に取り組んでまいります。
(加工品事業)
| 2026年3月期 実績 | 内容分析 | ||
| 前期比 | |||
| ネトロン® | 売上高 | ![]() | ・包装用途向け製品は比較的堅調であったものの、水処理用資材が市場における競争の激化をはじめとする諸要因継続の影響を受けた結果、前期比マイナス ・2026年3月期において減損損失を計上 |
| 利益額 | ![]() | ||
| 一軸延伸フィルム 特長:直進カット性、形状保持性等 | 売上高 | ![]() | ・産業用途フィルムは堅調であったものの、食品包装用途フィルムが低調に推移した結果、売上高は前期比マイナス、利益は高付加価値製品比率向上により前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
| 土木資材 | 売上高 | ![]() | ・主力製品であるジオセル各工法(防災・減災用途向け製品・基礎地盤用途向け製品等)の需要が堅調に推移した結果、前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
| 農業資材 特長:保温性、遮熱性等 | 売上高 | ![]() | ・機能性農業資材エナジーシリーズが堅調であったことに加え、一部製品の利益率向上もあり、前期比プラス |
| 利益額 | ![]() | ||
今後の加工品事業につきましては、引き続き国が推進する「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途向け製品を扱う土木資材の市場拡大が見込まれることから、新規工法の開発や既存工法のブラッシュアップを通じて、事業規模拡大を図ってまいります。ネトロン®は、収益性の確保が喫緊の課題となっております。このため、コスト削減の徹底や、採算性を重視した製品・用途の選別を進めるとともに、既存製品の付加価値向上による競争力の回復に取り組んでまいります。併せて、世界的な水資源確保に対する需要動向を注視しつつ、水処理用資材を中心とした販売体制の強化や、新規用途の可能性についても慎重に検討してまいります。一軸延伸フィルムと農業資材は、それぞれの特長を活かせる分野に向けて、製品の開発・拡販を推進してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。
この資金の増加の主な要因は、製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定等に伴う利益率の改善により営業キャッシュ・フローの増加したことに加え、経営資源の有効活用、資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却ならびに政策保有株式の縮減による投資活動によるキャッシュ・フローの増加等によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
| 区分 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | 2026年 3月期 |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | 1,428 | △893 | 1,989 | 2,280 | 2,375 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | △1,040 | 2,461 | △1,281 | △1,178 | 98 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 387 | 1,568 | 708 | 1,102 | 2,473 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費および仕入債務の増加等により、23億7千5百万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却、投資有価証券の売却による収入等により、9千8百万円の収入になったため、フリー・キャッシュ・フローは、24億7千3百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億2百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 営業活動CF | 税金等調整前当期純利益 | 1,579 | 2,579 | 999 | 営業利益増、固定資産売却・政策保有株式売却による利益増 |
| 減価償却費 | 1,483 | 1,629 | 145 | ||
| 減損損失 | - | 799 | 799 | ネトロン事業減損損失 | |
| 有形固定資産売却損益(△益) | △0 | △542 | △541 | 福岡支店・大阪支店売却 | |
| 投資有価証券売却損益(△益) | △833 | △505 | 327 | 政策保有株式売却 | |
| 災害損失 | 43 | - | △43 | ||
| 売上債権の増減額(△増加) | 1,349 | △431 | △1,781 | 売上増加に伴う売上債権増 | |
| 棚卸資産の増減額(△増加) | 347 | △708 | △1,056 | 売上伸長への対応 | |
| 仕入債務の増減額(△減少) | △1,335 | 244 | 1,580 | 売上伸長に伴う仕入債務の増加 | |
| 法人税等の支払額 | △188 | △538 | △349 | 課税所得増による増加 | |
| その他 | △164 | △149 | 14 | ||
| 小計 | 2,280 | 2,375 | 94 | ||
| 投資活動CF | 有形固定資産の取得 | △1,943 | △1,944 | △1 | 新規設備投資実施 |
| 有形固定資産の売却 | 0 | 798 | 797 | 福岡支店・大阪支店売却 | |
| 投資有価証券の売却 | 989 | 853 | △135 | CGCに基づく政策保有株式売却継続 | |
| 出資金の清算分配金による収入 | - | 601 | 601 | 米国子会社出資先清算分配金 | |
| その他 | △225 | △210 | 15 | ||
| 小計 | △1,178 | 98 | 1,276 | 支店売却、米国子会社出資先清算分配金受領による大幅増 | |
| 財務活動CF | 短期借入金の純増減額 | △930 | △1,100 | △170 | 借入返済 |
| 長期借入金による収入 | 1,350 | 1,750 | 400 | 長期資金調達実施 | |
| 長期借入金の返済 | △1,065 | △1,329 | △264 | 約定弁済による返済 | |
| 自己株式の取得による支出 | △218 | △554 | △336 | 自己株式取得 | |
| その他 | △390 | △738 | △347 | 配当金支払、ファイナンスリース債務返済 | |
| 小計 | △1,254 | △1,972 | △717 | フリー・ キャッシュ・フローの大幅増を自己株式取得と配当金支払に充当 | |
b.資本政策の基本的な方針
当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。
当社は、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と同水準となります。
| 決算年月 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | 2026年 3月期 |
| 自己資本利益率 (ROE) | 2.9% | 6.3% | 3.1% | 4.0% | 6.1% |
| 総資産経常利益率 (ROA) | 1.9% | 10.1% | 2.0% | 1.4% | 4.7% |
| 売上高営業利益率 (ROS) | 1.6% | △0.1% | 1.8% | 2.8% | 4.4% |
| 配当性向(連結) | 28.9% | 25.5% | 29.8% | 42.7% | 42.7% |
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
c.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施、
福岡支店・大阪支店の売却実施
・強固な財務基盤の確保 ……… シンジケートローン更新、調達余力の確保、金融コスト抑制
・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得、株式分割実施、株主優待制度の拡充
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローン(極度設定額20億円)の更新を実施し、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は8億2千万円、借入未実行残高は41億8千万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | 2026年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 54.0 | 56.7 | 55.7 | 58.3 | 59.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 12.6 | 14.7 | 17.6 | 21.1 | 31.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 6.4 | - | 3.8 | 3.0 | 2.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 43.1 | - | 67.3 | 58.0 | 41.7 |
| D/Eレシオ(倍) | 0.36 | 0.28 | 0.26 | 0.23 | 0.19 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2026年3月31日現在の自己資本比率は59.4%と前連結会計年度末と比較し、1.1ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本Net D/Eレシオ:ネット有利子負債(有利子負債-現預金)/自己資本
2026年3月31日現在のD/Eレシオは0.19倍、ネットD/Eレシオは0.06倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
今後は自己資本の水準に加え、最適な資本構成および負債比率の観点から、適切な有利子負債の活用も含め、収益力の改善とのバランスを踏まえた資本政策を進めてまいります。
2026年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は62億1千7百万円となっております。
(契約債務)
2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 1,400 | 1,400 | - | - | - |
| 長期借入金 | 4,652 | 1,456 | 2,208 | 987 | - |
| リース債務 | 165 | 60 | 82 | 22 | - |
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。



















