四半期報告書-第156期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
当社グループは、前連結会計年度末(2020年3月期)における連結財務諸表から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しております。なお、前第3四半期連結累計期間の財務数値につきましてもIFRSに準拠して表示しております。
(1)経営成績等
①経営成績
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)の経営成績は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
※会計基準の変更に伴い、会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益につきましては、前年同期比11.9%の減収となりました。国内医療用医薬品の売上収益につきましては、サインバルタ及びインチュニブの売上収益が拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制や感染予防対策の励行によるインフルエンザを含む多くの感染症の著しい減少等、医薬品市場における環境変化に加え、長期収載品を中心に薬価改定による影響を受けた結果、前年同期比10.5%の減収となりました。海外子会社及び輸出の売上収益につきましても、米国において多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すFetrojaが好調に推移した一方、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて、中国で販売するラベプラゾール等一部製品の売上収益が減少しました。加えて、米国において、前第3四半期連結累計期間にバイオデリバリー・サイエンシズ・インターナショナル社よりSymproicの共同販売契約に伴う一時金を受領した影響が大きく、海外子会社及び輸出の売上収益は、前年同期比27.2%の減収となりました。製造受託による売上収益につきましては、医薬品製造を請け負うナガセ医薬品の連結子会社化により増加したものの、ドルテグラビル原薬の製造法改良を控えた一時的な受注減や、インフルエンザの流行予想に基づくゾフルーザの受注減等の影響により、前年同期比14.3%の減収となりました。ロイヤリティー収入につきましては、ヴィーブ社による抗HIV薬テビケイ、トリーメク、ジャルカ及びドウベイトのグローバル販売は引き続き堅調に推移したものの、為替の影響により同社からのロイヤリティー収入は前年同期比2.8%の減収となりました。さらに、前年同期にゾフルーザのグローバル開発の進展に伴うマイルストンをロシュ社より受領したため、ロイヤリティー収入全体では前年同期比11.5%の減収となりました。
利益面では、営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて医療機関への訪問自粛等の対応を行ったため販売費及び一般管理費が減少し、シオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益(その他の収益に含みます)が発生した一方、新型コロナウイルス関連プロジェクトや注力プロジェクトへの研究開発投資が増加し、さらに売上総利益の減少の影響が大きく、前年同期比4.2%の減少となりました。コア営業利益は、非経常的な要因である前述のシオノギ渋谷ビルの交換益を除いたため、前年同期比23.4%の減少となりました。税引前四半期利益及び親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、営業利益の減少に伴い、それぞれ前年同期比5.5%、8.7%の減少となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は9,457億26百万円で、前連結会計年度末に比べて720億30百万円増加しました。
非流動資産は、Tetraの連結子会社化によるのれんの増加及びシオノギ渋谷ビル再開発による投資不動産の増加等により前連結会計年度末に比べて439億30百万円増加となりました。流動資産は、棚卸資産及び3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加等の結果、前連結会計年度末に比べて280億99百万円増加しました。
資本については8,502億67百万円となり、四半期利益の計上と配当金の支払、第三者割当による自己株式の処分、平安グループとの子会社設立に伴う非支配持分が増加した結果、前連結会計年度末に比べて850億63百万円増加しました。
負債については954億58百万円で、前連結会計年度末に比べて130億33百万円減少しました。
非流動負債は43億10百万円減少、流動負債は87億23百万円減少となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたTetra及びナガセ医薬品について、取得対価の配分等が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。また、前第3四半期連結会計期間より暫定的な会計処理をしておりましたUMNファーマにつきましては、当第3四半期連結会計期間において取得対価の配分を完了し、取得した資産および引き受けた負債の暫定的な公正価値を遡及修正しております。
③キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益の減少、営業債権及びその他債権の回収額の減少等により、前年同期に比べ260億42百万円少ない586億40百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、余資運用に係る定期預金及び有価証券の取得・売却、子会社の取得による支出等により、前年同期に比べ280億65百万円多い479億73百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得、第三者割当による自己株式の処分及び平安グループとの子会社設立に伴う株式発行収入等により、前年同期に比べ545億1百万円少ない133億42百万円の支出となりました。
これらを合わせた当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は40億72百万円の減少となり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,047億88百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、392億34百万円となり、売上収益に対する比率は17.5%となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
当社は2020年7月13日開催の取締役会において、新型コロナウイルス感染症に対するトータルケアの提供及びワクチン事業への本格参入を目的として、以下の設備投資を行うことを決議しております。
(1)経営成績等
①経営成績
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)の経営成績は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間 | 前第3四半期連結累計期間 | 増減 | 増減率(%) | |
売上収益 | 224,419 | 254,753 | △30,334 | △11.9 |
営業利益 | 102,201 | 106,694 | △4,492 | △4.2 |
コア営業利益 ※ | 79,974 | 104,443 | △24,469 | △23.4 |
税引前四半期利益 | 116,830 | 123,641 | △6,810 | △5.5 |
親会社の所有者に帰属する 四半期利益 | 86,073 | 94,260 | △8,186 | △8.7 |
※会計基準の変更に伴い、会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益につきましては、前年同期比11.9%の減収となりました。国内医療用医薬品の売上収益につきましては、サインバルタ及びインチュニブの売上収益が拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制や感染予防対策の励行によるインフルエンザを含む多くの感染症の著しい減少等、医薬品市場における環境変化に加え、長期収載品を中心に薬価改定による影響を受けた結果、前年同期比10.5%の減収となりました。海外子会社及び輸出の売上収益につきましても、米国において多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すFetrojaが好調に推移した一方、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて、中国で販売するラベプラゾール等一部製品の売上収益が減少しました。加えて、米国において、前第3四半期連結累計期間にバイオデリバリー・サイエンシズ・インターナショナル社よりSymproicの共同販売契約に伴う一時金を受領した影響が大きく、海外子会社及び輸出の売上収益は、前年同期比27.2%の減収となりました。製造受託による売上収益につきましては、医薬品製造を請け負うナガセ医薬品の連結子会社化により増加したものの、ドルテグラビル原薬の製造法改良を控えた一時的な受注減や、インフルエンザの流行予想に基づくゾフルーザの受注減等の影響により、前年同期比14.3%の減収となりました。ロイヤリティー収入につきましては、ヴィーブ社による抗HIV薬テビケイ、トリーメク、ジャルカ及びドウベイトのグローバル販売は引き続き堅調に推移したものの、為替の影響により同社からのロイヤリティー収入は前年同期比2.8%の減収となりました。さらに、前年同期にゾフルーザのグローバル開発の進展に伴うマイルストンをロシュ社より受領したため、ロイヤリティー収入全体では前年同期比11.5%の減収となりました。
利益面では、営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて医療機関への訪問自粛等の対応を行ったため販売費及び一般管理費が減少し、シオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益(その他の収益に含みます)が発生した一方、新型コロナウイルス関連プロジェクトや注力プロジェクトへの研究開発投資が増加し、さらに売上総利益の減少の影響が大きく、前年同期比4.2%の減少となりました。コア営業利益は、非経常的な要因である前述のシオノギ渋谷ビルの交換益を除いたため、前年同期比23.4%の減少となりました。税引前四半期利益及び親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、営業利益の減少に伴い、それぞれ前年同期比5.5%、8.7%の減少となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は9,457億26百万円で、前連結会計年度末に比べて720億30百万円増加しました。
非流動資産は、Tetraの連結子会社化によるのれんの増加及びシオノギ渋谷ビル再開発による投資不動産の増加等により前連結会計年度末に比べて439億30百万円増加となりました。流動資産は、棚卸資産及び3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加等の結果、前連結会計年度末に比べて280億99百万円増加しました。
資本については8,502億67百万円となり、四半期利益の計上と配当金の支払、第三者割当による自己株式の処分、平安グループとの子会社設立に伴う非支配持分が増加した結果、前連結会計年度末に比べて850億63百万円増加しました。
負債については954億58百万円で、前連結会計年度末に比べて130億33百万円減少しました。
非流動負債は43億10百万円減少、流動負債は87億23百万円減少となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたTetra及びナガセ医薬品について、取得対価の配分等が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。また、前第3四半期連結会計期間より暫定的な会計処理をしておりましたUMNファーマにつきましては、当第3四半期連結会計期間において取得対価の配分を完了し、取得した資産および引き受けた負債の暫定的な公正価値を遡及修正しております。
③キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益の減少、営業債権及びその他債権の回収額の減少等により、前年同期に比べ260億42百万円少ない586億40百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、余資運用に係る定期預金及び有価証券の取得・売却、子会社の取得による支出等により、前年同期に比べ280億65百万円多い479億73百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得、第三者割当による自己株式の処分及び平安グループとの子会社設立に伴う株式発行収入等により、前年同期に比べ545億1百万円少ない133億42百万円の支出となりました。
これらを合わせた当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は40億72百万円の減少となり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,047億88百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、392億34百万円となり、売上収益に対する比率は17.5%となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
当社は2020年7月13日開催の取締役会において、新型コロナウイルス感染症に対するトータルケアの提供及びワクチン事業への本格参入を目的として、以下の設備投資を行うことを決議しております。
区分 | 事業所名 | 所在地 | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達 方法 | 着手及び完了予定 | ||
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | ||||||
新設 | 本社 | 岐阜県 揖斐郡 | 医薬品事業 | 生産設備 | 42,000 | 4,946 | 自己資金 及び補助金 | 2020.08 | 2022.12 |