四半期報告書-第158期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/13 10:12
【資料】
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【項目】
38項目
(1) 経営成績等
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)の経営成績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間前第3四半期連結累計期間増減増減率(%)
売上収益338,347219,626118,72154.1
営業利益146,47360,42286,051142.4
コア営業利益 ※144,02961,91782,112132.6
税引前四半期利益198,78674,784124,002165.8
親会社の所有者に
帰属する四半期利益
157,72971,00086,728122.2

※会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益につきましては、前年同期比54.1%の増収となりました。COVID-19関連製品につきましては、厚生労働省と締結した国内供給に関する契約に基づき、日本国政府によるCOVID-19治療薬ゾコーバの200万人分の購入が行われ1,000億円の売上収益を計上しました。国内医療用医薬品の売上収益につきましては、インチュニブの売上収益が拡大しましたが、サインバルタの後発品参入の影響及び第2四半期に発生したゾフルーザ、ラピアクタの返品による売上収益の減少により前年同期比21.4%の減収となりました。海外子会社及び輸出の売上収益につきましては、前第1四半期に米国においてFORTAMETの販売権等の移管に関する一時金を受領した影響を受けたものの、多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)が欧米で引き続き好調に推移した結果、前年同期比16.9%の増収となりました。ロイヤリティー収入につきましては、ドウベイト、カベヌバなどを中心にヴィーブに導出したHIVフランチャイズの売上が伸長したことや為替の影響により前年同期比28.7%の増収となりました。
利益面につきましては、COVID-19に対する治療薬、ワクチン等の最優先課題や注力プロジェクトへの投資により研究開発費が増加しましたが、前述の売上収益の増加により、営業利益は前年同期比142.4%と大幅な増益となりました。コア営業利益は、第2四半期に発生した投資不動産の売却益をはじめ非経常的な項目を調整した結果、前年同期比で132.6%の大幅増益となりました。税引前四半期利益につきましては、ヴィーブによるHIVフランチャイズの売上が順調に伸長したことと、ヴィーブがギリアドとの訴訟の和解に伴う一時金を受領したことによる配当金の増加、前第4四半期に受領予定であったヴィーブからの配当金を第1四半期に受領したことにより、前年同期比165.8%の増益となりました。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、前第1四半期に大阪国税局からの更正処分に対する取消請求訴訟の勝訴に関する還付金を受領した影響により、前年同期比122.2%の増益となりました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1兆2,616億16百万円で、前連結会計年度末に比べて1,110億14百万円増加しました。
非流動資産は、仕掛研究開発資産等の無形資産の増加により5,120億64百万円となり、前連結会計年度末に比べて206億68百万円の増加となりました。流動資産は棚卸資産の増加、営業債権の増加、現金及び現金同等物、3ヶ月超の定期預金及び債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減等の結果、7,495億52百万円となり、前連結会計年度末に比べて903億46百万円増加しました。
資本については1兆785億26百万円となり、四半期利益の計上、配当金の支払、自己株式の取得、在外営業活動体の外貨換算差額(その他の資本の構成要素に含みます)の増加及び子会社における第三者割当による非支配持分の増加により、前連結会計年度末に比べて852億41百万円増加しました。
負債については1,830億89百万円で、前連結会計年度末に比べて257億73百万円増加しました。
非流動負債は、377億67百万円で、前連結会計年度末に比べて48億47百万円の増加となりました。流動負債は1,453億22百万円で、前連結会計年度末に比べて209億26百万円の増加となりました。
③ キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益の計上、ヴィーブからの受取配当金の増加、営業債権の増加及び棚卸資産の増加等により、前年同期に比べ396億77百万円多い1,163億87百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得、定期預金の増減等により、前年同期に比べ386億65百万円少ない792億98百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、子会社における第三者割当による増資があった一方で、自己株式の取得による支出の増加により、前年同期に比べ478億99百万円多い836億33百万円の支出となりました。
これらを合わせた当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は357億51百万円の減少となり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,186億69百万円となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
研究開発活動の状況につきましては、年間の研究開発費として過去最大規模となる先行投資を続けてきたCOVID-19治療薬及びワクチンの製品化に向けた取り組みが大きく進展しました。3CLプロテアーゼを選択的に阻害する低分子経口抗ウイルス薬ゾコーバにつきましては、国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験のうち第Ⅱb相臨床試験Partまでの結果並びに第Ⅲ相臨床試験Partの速報データから本剤の臨床における有効性が推定され、安全性が許容可能であることが確認されたことに基づき、緊急承認制度に基づく製造販売承認を取得しました。海外におきましても、Ildongが韓国における製造販売承認申請を実施するなど、海外での実用化に向けても大きな進展がありました。また、グローバル第Ⅲ相臨床試験では、昨年度から開発を進めているSCORPIO-HR試験に加え、入院を伴うSARS-COV-2感染患者を対象としたSTRIVE試験、発症予防試験のSCORPIO-PEP試験の準備が整い、まもなく開始が予定されるなど、海外での臨床開発に関しても進捗しました。遺伝子組み換えタンパクワクチン S-268019につきましては、国内で実施した5つの臨床試験の良好な結果に基づき、成人における、初回免疫(1回目、2回目接種)及び追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防を適応として、日本国内における製造販売承認申請を行いました。また、COVID-19に対する研究開発に注力しながらも、並行して注力プロジェクトへの投資を進め、新規シデロフォアセファロスポリン系抗菌薬セフィデロコルの台湾における新薬承認申請など研究開発の着実な進展及び有望化合物(新規抗真菌薬olorofim、新規疼痛治療薬resiniferatoxin)の導入に関する契約の締結を実現しました。
こうした活動の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、748億8百万円となり、売上収益に対する比率は22.1%となりました。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成したも
のは次のとおりであります。
会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容完成年月
シオノギファーマ(株)摂津工場大阪府摂津市医薬品事業生産設備2022.12