有価証券報告書-第155期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社グループは、当連結会計年度より、IFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
また当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は8,715億26百万円で、前連結会計年度末に比べて670億13百万円減少しました。
非流動資産は、株式会社UMNファーマ社(以下「UMNファーマ社」という)の株式取得によりのれんが増加しましたが、保有株式の公正価値の下落及び売却による減少などの結果、前連結会計年度末に比べて893億94百万円減少となりました。流動資産は、現金及び現金同等物及び為替予約の時価評価等によるデリバティブ資産(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加、売掛金回収が進んだことによる営業債権の減少などの結果、前連結会計年度末に比べて223億80百万円増加しました。
資本については7,646億11百万円となり、前連結会計年度末に比べて484億76百万円減少しました。親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加しましたが、配当金の支払、自己株式の取得及び保有株式の公正価値の下落により減少となりました。
負債については1,069億15百万円で、前連結会計年度末に比べて185億37百万円減少しました。
非流動負債は、退職給付に係る負債の減少などにより、35億7百万円減少となりました。流動負債は、主に法人税等の納付により未払法人所得税の減少などの結果、150億29百万円減少となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたUMNファーマ社について、取得原価の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っています。
b.経営成績
売上収益は、3,334億円(前期比9.4%減)となりました。主な売上として、輸出/海外子会社の売上が308億円(前期比1.1%増)となりましたが、国内医療用医薬品の売上が1,063億円(前期比15.6%減)となり、ロイヤリティー収入及びマイルストン収入が1,669億円(前期比10.6%減)と減少した結果、減収となりました。
営業利益は、1,306億円(前期比10.0%減)となりました。研究開発費が前期比で7.9%減少しましたが、上述の売上収益の減少により減益となりました。
税引前利益は、1,585億円(前期比8.9%減)となりました。英国ヴィーブヘルスケア社(以下、ヴィーブ社)より引き続き安定した配当金を受領しましたが、営業利益の減少や為替の影響により減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、上述の営業利益、税引前利益の減少の結果、1,222億円(前期比10.9%減)となりました。
・国内医療用医薬品
国内医療用医薬品の売上収益は、サインバルタ及びインチュニブが順調に拡大しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響やインフルエンザの流行が近年稀にみる小規模なものであったことを受け、ゾフルーザを中心とするインフルエンザ関連製品の売上が大きく減少した結果、戦略品売上は392億円(前期比32.3%減)となりました。また、これら戦略品を含む新製品売上は543億円(前期比25.1%減)となりました。大きな減収要因となったインフルエンザ関連3品目を除く国内医療用医薬品売上収益は、ほぼ計画通りに推移しました。
・輸出/海外子会社
海外事業におきましては、売上収益が308億円(前期比1.1%増)となりました。米国において、バイオデリバリー・サイエンシズ・インターナショナル社との間でSymproicの共同販売活動に関する業務提携契約を締結し、一時金を受領しました。また、多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すFetrojaの米国における自社販売を開始いたしました。中国におきましては、ラベプラゾールの売上収益が順調に拡大しました。
・ロイヤリティー収入及びヴィーブ社からの配当金収入
ヴィーブ社に導出した抗HIV薬テビケイ及びテビケイを含む配合剤トリーメク、ジャルカ、並びに当期より販売を開始したドウベイトのグローバル販売の拡大はありましたが、同社からのロイヤリティー収入は1,281億円(前期比2.1%減)となりました。また、ヴィーブ社のグローバルでの好調なHIVビジネスに基づき、当期も安定した配当金を受領しました。
当期も前期に引き続き、ゾフルーザのグローバル開発の進展に伴いスイス ロシュ社からマイルストンを受領しましたが、複数回受領した前期に比べマイルストン収入総額は減少しました。また、英国アストラゼネカ社からクレストールのロイヤリティー収入223億円(前期比1.3%増)を受領しました。
以上により、ロイヤリティー、マイルストン及び配当金収入は、全体として1,932億円(前期比10.2%減)となりました。
・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2020年6月に新中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を策定しております。
成長性を測る指標として、売上収益、コア営業利益、コア営業利益率、ロイヤリティー収入を除く海外売上高比率、自社創薬比率の5つを設定しており、また株主還元を測る指標として、事業成長と財務施策の観点から基本的1株当たり利益(EPS)、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の3つを設定しております。
2016年10月に更新した中期経営計画(SGS2020)の中で、「成長性」「効率性」「株主還元」の3つのフレームワークの中で重要な指標として設定しておりました、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)につきましては、当連結会計年度において、ROEは15.5%(前連結会計年度比△2.3%)、ROICは13.2%(前連結会計年度比△0.8%)、CCCは7.7ヶ月(前連結会計年度比1.1ヶ月改善)となりました。
今後はSTS2030で設定した経営指標の達成にむけて取り組みを進めてまいります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、営業債権の減少によるキャッシュ増がありましたが、税引前利益の減少及び法人所得税の支払額の増加などにより、前連結会計年度に比べ330億60百万円少ない1,319億40百万円の収入となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、余資運用に係る有価証券の売却及び償還による収入などにより、前連結会計年度に比べ271億12百万円少ない291億44百万円の支出となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、当期は自己株式の取得による支出及び配当金の支払いなどにより、前連結会計年度に比べ17億37百万円少ない881億74百万円の支出となりました。この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ130億60百万円多い2,088億61百万円となりました。
また、財務政策に関して、当社グループは事業活動に必要な運転資金・設備投資資金を自己資金で賄っております。今後も財務の健全性を保ちながら、サステナブルな成長モデルの確立と株主還元の両立を目指しており、内部留保を中心としながら必要に応じて借入等の資金調達を行います。
[キャッシュ・フロー指標のトレンド]
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値(IFRS)により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
②生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注)1.金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。
(注)1.金額は、実際仕入額によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注状況
当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注)1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
新規設立、新規取得により4社増加、合併により1社減少しております。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
新規設立、新規取得により2社増加、合併、清算により4社減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.IFRSへの移行に関する開示」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんをその効果が発現すると見積もられる期間にわたり均等償却しておりますが、IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が1,776百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品及び技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理しておりますが、IFRSでは、これらの費用のうち、IAS第38号「無形資産」における資産計上要件を満たしたものを無形資産として計上し、使用可能となった時点から見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて研究開発費が449百万円減少しており、その他費用が100百万円増加しております。
(非上場株式の公正価値評価)
非上場株式について、日本基準では、原則として取得原価で計上しておりますが、IFRSでは、公正価値で測定しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ「その他の金融資産」が91,526百万円、「その他の資本の構成要素」が91,526百万円増加しております。
また当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は8,715億26百万円で、前連結会計年度末に比べて670億13百万円減少しました。
非流動資産は、株式会社UMNファーマ社(以下「UMNファーマ社」という)の株式取得によりのれんが増加しましたが、保有株式の公正価値の下落及び売却による減少などの結果、前連結会計年度末に比べて893億94百万円減少となりました。流動資産は、現金及び現金同等物及び為替予約の時価評価等によるデリバティブ資産(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加、売掛金回収が進んだことによる営業債権の減少などの結果、前連結会計年度末に比べて223億80百万円増加しました。
資本については7,646億11百万円となり、前連結会計年度末に比べて484億76百万円減少しました。親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加しましたが、配当金の支払、自己株式の取得及び保有株式の公正価値の下落により減少となりました。
負債については1,069億15百万円で、前連結会計年度末に比べて185億37百万円減少しました。
非流動負債は、退職給付に係る負債の減少などにより、35億7百万円減少となりました。流動負債は、主に法人税等の納付により未払法人所得税の減少などの結果、150億29百万円減少となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたUMNファーマ社について、取得原価の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っています。
b.経営成績
売上収益は、3,334億円(前期比9.4%減)となりました。主な売上として、輸出/海外子会社の売上が308億円(前期比1.1%増)となりましたが、国内医療用医薬品の売上が1,063億円(前期比15.6%減)となり、ロイヤリティー収入及びマイルストン収入が1,669億円(前期比10.6%減)と減少した結果、減収となりました。
営業利益は、1,306億円(前期比10.0%減)となりました。研究開発費が前期比で7.9%減少しましたが、上述の売上収益の減少により減益となりました。
税引前利益は、1,585億円(前期比8.9%減)となりました。英国ヴィーブヘルスケア社(以下、ヴィーブ社)より引き続き安定した配当金を受領しましたが、営業利益の減少や為替の影響により減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、上述の営業利益、税引前利益の減少の結果、1,222億円(前期比10.9%減)となりました。
・国内医療用医薬品
国内医療用医薬品の売上収益は、サインバルタ及びインチュニブが順調に拡大しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響やインフルエンザの流行が近年稀にみる小規模なものであったことを受け、ゾフルーザを中心とするインフルエンザ関連製品の売上が大きく減少した結果、戦略品売上は392億円(前期比32.3%減)となりました。また、これら戦略品を含む新製品売上は543億円(前期比25.1%減)となりました。大きな減収要因となったインフルエンザ関連3品目を除く国内医療用医薬品売上収益は、ほぼ計画通りに推移しました。
・輸出/海外子会社
海外事業におきましては、売上収益が308億円(前期比1.1%増)となりました。米国において、バイオデリバリー・サイエンシズ・インターナショナル社との間でSymproicの共同販売活動に関する業務提携契約を締結し、一時金を受領しました。また、多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すFetrojaの米国における自社販売を開始いたしました。中国におきましては、ラベプラゾールの売上収益が順調に拡大しました。
・ロイヤリティー収入及びヴィーブ社からの配当金収入
ヴィーブ社に導出した抗HIV薬テビケイ及びテビケイを含む配合剤トリーメク、ジャルカ、並びに当期より販売を開始したドウベイトのグローバル販売の拡大はありましたが、同社からのロイヤリティー収入は1,281億円(前期比2.1%減)となりました。また、ヴィーブ社のグローバルでの好調なHIVビジネスに基づき、当期も安定した配当金を受領しました。
当期も前期に引き続き、ゾフルーザのグローバル開発の進展に伴いスイス ロシュ社からマイルストンを受領しましたが、複数回受領した前期に比べマイルストン収入総額は減少しました。また、英国アストラゼネカ社からクレストールのロイヤリティー収入223億円(前期比1.3%増)を受領しました。
以上により、ロイヤリティー、マイルストン及び配当金収入は、全体として1,932億円(前期比10.2%減)となりました。
・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2020年6月に新中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を策定しております。
成長性を測る指標として、売上収益、コア営業利益、コア営業利益率、ロイヤリティー収入を除く海外売上高比率、自社創薬比率の5つを設定しており、また株主還元を測る指標として、事業成長と財務施策の観点から基本的1株当たり利益(EPS)、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の3つを設定しております。
2016年10月に更新した中期経営計画(SGS2020)の中で、「成長性」「効率性」「株主還元」の3つのフレームワークの中で重要な指標として設定しておりました、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)につきましては、当連結会計年度において、ROEは15.5%(前連結会計年度比△2.3%)、ROICは13.2%(前連結会計年度比△0.8%)、CCCは7.7ヶ月(前連結会計年度比1.1ヶ月改善)となりました。
今後はSTS2030で設定した経営指標の達成にむけて取り組みを進めてまいります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、営業債権の減少によるキャッシュ増がありましたが、税引前利益の減少及び法人所得税の支払額の増加などにより、前連結会計年度に比べ330億60百万円少ない1,319億40百万円の収入となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、余資運用に係る有価証券の売却及び償還による収入などにより、前連結会計年度に比べ271億12百万円少ない291億44百万円の支出となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、当期は自己株式の取得による支出及び配当金の支払いなどにより、前連結会計年度に比べ17億37百万円少ない881億74百万円の支出となりました。この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ130億60百万円多い2,088億61百万円となりました。
また、財務政策に関して、当社グループは事業活動に必要な運転資金・設備投資資金を自己資金で賄っております。今後も財務の健全性を保ちながら、サステナブルな成長モデルの確立と株主還元の両立を目指しており、内部留保を中心としながら必要に応じて借入等の資金調達を行います。
[キャッシュ・フロー指標のトレンド]
2019年3月期 | 2020年3月期 | |
親会社所有者帰属持分比率 | 86.2% | 87.7% |
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 | 227.3% | 185.3% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 0.1 | 0.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 237.8 | 378.1 |
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値(IFRS)により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
②生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
医薬品事業 | 107,345 | △15.2 |
(注)1.金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
医薬品事業 | 14,120 | 12.8 |
(注)1.金額は、実際仕入額によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注状況
当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
医薬品事業 | 333,371 | △9.4 |
(注)1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
ヴィーブ社 | 130,857 | 35.6 | 128,107 | 38.4 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 461,743 | 485,932 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 74,653 | 74,897 |
無形固定資産 | 54,769 | 54,479 |
投資その他の資産 | 187,574 | 158,340 |
固定資産合計 | 316,997 | 287,717 |
資産合計 | 778,741 | 773,650 |
負債の部 | ||
流動負債 | 89,107 | 72,653 |
固定負債 | 17,203 | 17,349 |
負債合計 | 106,311 | 90,002 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 652,371 | 694,489 |
その他の包括利益累計額 | 15,130 | △11,372 |
新株予約権 | 527 | 438 |
非支配株主持分 | 4,400 | 92 |
純資産合計 | 672,429 | 683,647 |
負債純資産合計 | 778,741 | 773,650 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
売上高 | 363,721 | 334,958 |
売上原価 | 54,880 | 56,685 |
売上総利益 | 308,841 | 278,273 |
販売費及び一般管理費 | 170,303 | 153,041 |
営業利益 | 138,537 | 125,231 |
営業外収益 | 33,256 | 31,018 |
営業外費用 | 5,218 | 4,499 |
経常利益 | 166,575 | 151,751 |
特別利益 | 20,854 | 9,048 |
特別損失 | 17,086 | 2,234 |
税金等調整前当期純利益 | 170,343 | 158,564 |
法人税等合計 | 37,037 | 37,354 |
当期純利益 | 133,306 | 121,210 |
非支配株主に帰属する当期純利益 又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 547 | △85 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 132,759 | 121,295 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
当期純利益 | 133,306 | 121,210 |
その他の包括利益合計 | △6,679 | △26,712 |
包括利益 | 126,626 | 94,497 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 126,300 | 94,792 |
非支配株主に係る包括利益 | 326 | △294 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括 利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 579,257 | 21,589 | 527 | 3,466 | 604,840 |
当期変動額合計 | 73,114 | △6,458 | - | 933 | 67,588 |
当期末残高 | 652,371 | 15,130 | 527 | 4,400 | 672,429 |
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括 利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 652,371 | 15,130 | 527 | 4,400 | 672,429 |
当期変動額合計 | 42,117 | △26,503 | △88 | △4,307 | 11,217 |
当期末残高 | 694,489 | △11,372 | 438 | 92 | 683,647 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 145,684 | 129,138 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △36,349 | △29,484 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △87,011 | △85,063 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,076 | △1,530 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 23,399 | 13,060 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 172,400 | 195,800 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 195,800 | 208,861 |
⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
新規設立、新規取得により4社増加、合併により1社減少しております。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
新規設立、新規取得により2社増加、合併、清算により4社減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.IFRSへの移行に関する開示」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんをその効果が発現すると見積もられる期間にわたり均等償却しておりますが、IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が1,776百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品及び技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理しておりますが、IFRSでは、これらの費用のうち、IAS第38号「無形資産」における資産計上要件を満たしたものを無形資産として計上し、使用可能となった時点から見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて研究開発費が449百万円減少しており、その他費用が100百万円増加しております。
(非上場株式の公正価値評価)
非上場株式について、日本基準では、原則として取得原価で計上しておりますが、IFRSでは、公正価値で測定しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ「その他の金融資産」が91,526百万円、「その他の資本の構成要素」が91,526百万円増加しております。