四半期報告書-第71期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/09 9:05
【資料】
PDFをみる
【項目】
15項目
当第2四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりとなりました。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ310億円増加の6,402億円となりました。
流動資産は、現金及び現金同等物の増加などから82億円増加の2,176億円となりました。
非流動資産は、投資有価証券の増加などから228億円増加の4,226億円となりました。
負債は、長期前受収益や仕入債務及びその他の債務の減少などから95億円減少の702億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加などから404億円増加の5,648億円となりました。
(経営成績)
(単位:百万円)
2018年3月期
第2四半期連結累計期間
2019年3月期
第2四半期連結累計期間
対前年同期
増減額
対前年同期
増減率
売上収益121,446144,39522,95018.9%
営業利益26,78935,1518,36231.2%
税引前四半期利益28,39336,9178,52430.0%
四半期利益
(親会社の所有者帰属)
21,21028,8457,63536.0%

[売上収益]
売上収益は、前第2四半期連結累計期間比230億円(18.9%)増加の1,444億円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、薬価制度の抜本改革による薬価改定の影響を受けましたが、一昨年 度に効能追加された腎細胞がん、頭頸部がん、昨年度に効能追加された胃がん等への使用が拡大したことにより、前第2四半期連結累計期間比48億円(11.9%)増加の454億円となりました。
・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は137億円(前第2四半期連結累計期間比0.1%増)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は86億円(同26.8%増)、2型糖尿病治療剤「フォシーガ錠」は70億円(同33.1%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」は合わせて53億円(同6.6%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は45億円(同1.4%増)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は27億円(同98.8%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は26億円(同4.6%減)となりました。
・長期収載品は、薬価改定および後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は55億円(前第2四半期連結累計期間比26.8%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は44億円(同19.0%減)となりました。
・ロイヤルティ・その他の営業収益は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からの「オプジーボ点滴静注」のロイヤルティ収入が増加したことや、長期収載品(注射剤5ブランド11品目)を丸石製薬株式会社へ譲渡したことに伴う収益を計上したことなどにより、前第2四半期連結累計期間比153億円(63.3%)増加の394億円となりました。
[営業利益]
営業利益は、前第2四半期連結累計期間比84億円(31.2%)増加の352億円となりました。
・売上原価は、前第2四半期連結累計期間比111億円(36.5%)増加の416億円となりました。
・研究開発費は、「オプジーボ点滴静注」関連費用や創薬提携に係るライセンス料などが増加したことにより、前第2四半期連結累計期間比16億円(5.2%)増加の330億円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、「オプジーボ点滴静注」や「フォシーガ錠」等の主要新製品に係る営業経費が増加したことにより、前第2四半期連結累計期間比16億円(5.0%)増加の342億円となりました。
[四半期利益](親会社所有者帰属)
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益の増加に伴い、前第2四半期連結累計期間比76億円(36.0%)増加の288億円となりました。
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(注)第1四半期連結会計期間よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。なお、当第2四半期連結累計期間の要約四半期連結損益計算書において、従前の会計基準を適用した場合と比較して、売上収益が5,145百万円、売上原価が5,183百万円それぞれ増加し、営業利益が38百万円、税引前四半期利益が38百万円それぞれ減少しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
2018年3月期
第2四半期連結累計期間
2019年3月期
第2四半期連結累計期間
対前年同期
増減額
現金及び現金同等物の期首残高146,32365,273
営業活動によるキャッシュ・フロー△10,38235,59145,973
投資活動によるキャッシュ・フロー△36,147△11,95224,195
財務活動によるキャッシュ・フロー△49,591△10,51439,077
現金及び現金同等物の増減額
(△は減少)
△96,12113,125
現金及び現金同等物に係る
為替変動による影響額
69129
現金及び現金同等物の四半期末残高50,27278,527

当第2四半期の現金及び現金同等物の増減額は、131億円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益369億円などがあった結果、356億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入41億円があった一方で、有形固定資産の取得による支出143億円などがあった結果、120億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額103億円などがあった結果、105億円の支出となりました。

(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。
現在、開発パイプラインには、オプジーボなどの抗体医薬品を含む抗がん剤およびそのサポーティブケアの領域の新薬候補化合物をはじめ、慢性心不全やパーキンソン病の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかでも、がん治療およびそのサポーティブケアの領域はアンメット・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけ、がん患者さんの包括的薬物治療への貢献を目指します。
創薬研究においては、当社独自の「化合物オリエント」という創薬手法を基盤として、医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患を重点研究領域に定めて経営資源を集中的に投入しています。さらにオープンイノベーションによって、国内外の世界最先端技術を取り入れることで、医療現場に革新をもたらす医薬品の創製を目指しています。また、ライセンス活動による有望な化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は33,125百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の主な成果(本年10月29日までのものを含む)は、以下のとおりです。
[開発品の主な進捗状況]
<国内>・本年4月、BRAF阻害薬「ONO-7702/エンコラフェニブ」およびMEK阻害薬「ONO-7703/ビニメチニブ」は、「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とした製造販売承認申請を行いました。
・本年4月、チロシン水酸化酵素阻害薬「ONO-5371/メチロシン」は、「褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善並びにそれに伴う諸症状の改善」を効能・効果とした製造販売承認申請を行いました。
・本年5月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年6月、XPO11)阻害薬「ONO-7705」は「多発性骨髄腫及び非ホジキンリンパ腫」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
・本年7月、「オプジーボ」および抗CSF-1R2)抗体「ONO-4687(BMS-986227)/Cabiralizumab」は膵がんを対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
・本年7月、「オノアクト」は、「心室性不整脈」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
・本年7月、Btk3)阻害薬「ONO-4059」は、「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を対象とした第Ⅱ相試験を開始しました。
・本年8月、「オプジーボ」は、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」および「悪性黒色腫の術後補助療法」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認、並びに固定用量を用法・用量とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年8月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、「根治切除不能又は転移性腎細胞がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年8月、「オプジーボ」およびAxl/Mer阻害薬「ONO-7475」は、「進行性又は転移性固形がん」を対象とした第Ⅰ相試験を開始しました。
・本年8月、「オプジーボ」とマルチキナーゼ阻害薬「cabozantinib」の併用療法について、「未治療の進行性又は転移性腎細胞がん」を対象とした第Ⅲ相試験を開始しました。
・本年8月、「オプジーボ」と抗CCR4抗体「モガムリズマブ」の併用療法について、固形がんを対象としたフェーズⅠ試験を実施しておりましたが、期待していた有効性を示さなかったため開発を中止しました。
・本年9月、FXIa阻害薬「ONO-7269」は、日本人健康成人男性を対象とした第Ⅰ相試験を開始しました。
・本年9月、「リバスタッチパッチ」は、新基剤製剤の製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
・本年10月、「オプジーボ」とPEG化インターロイキン-2製剤「NKTR-214(BMS-986321)」の併用療法について、固形がんを対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
<海外>・本年4月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、米国で「未治療の中及び高リスクの進行腎細胞がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年5月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、欧州で「腫瘍遺伝子変異量が10変異/メガベース以上のファーストラインの転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認申請が受理されたことを発表しました。
・本年5月、成長ホルモン分泌抑制薬「ONO-5788」は、米国で健康成人を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
・本年5月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」について、欧米で卵巣がんを対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
・本年6月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」について、中国で「プラチナ製剤を含む化学療法後の局所進行又は転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とした輸入販売承認を取得しました。
・本年6月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、米国で「腫瘍遺伝子変異量が10変異/メガベース以上のファーストラインの転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認申請が受理されたことを発表しました。
・本年6月、Meiji Seika ファルマ株式会社および小野薬品工業株式会社は、「オパルモン」について、タイで「腰部脊柱管狭窄症ならびに閉塞性血栓血管炎」を効能・効果とした輸入販売承認を取得しました。
・本年7月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」について、欧米で膵がんを対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
・本年7月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、米国で「フルオロピリミジン、オキサリプラチン及びイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性またはDNAミスマッチ修復機構欠損の転移性大腸がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年7月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」について、欧州で「リンパ節転移を伴う又は転移性悪性黒色腫の根治切除後の術後補助療法」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年8月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「オプジーボ」について、米国で「プラチナ製剤による化学療法及び1種類以上の前治療後に病勢進行した転移性小細胞肺がん」を効能・効果とした製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・本年8月、Trk4)阻害作用を有する「ONO-7579」は、固形がんを対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を実施しておりましたが、戦略上の理由により試験を中止しました。
・本年8月、プロスタグランディン受容体(EP2/EP3)作動薬「ONO-8055」は、低活動膀胱を対象としたフェーズⅠ試験を実施しておりましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
・本年9月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、プロスタグランディン受容体(EP4)拮抗作用を有する「ONO-4578(BMS-986310)」について、欧米で「進行性固形がん」を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しました。
・本年10月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法について、韓国で「未治療の中及び高リスク進行期腎細胞がん」を効能・効果とした輸入販売承認事項一部変更承認を取得しました。
1) XPO1:Exportin1
2) CSF-1R:Colony stimulating factor 1 receptor
3) Btk:Bruton's tyrosine kinase
4) Tropomyosin receptor kinase
[創薬/研究提携活動の状況]
・本年5月、慶應義塾大学、高知大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、田辺三菱製薬株式会社、第一三共株式会社とともに、免疫炎症性難病を対象とした創薬研究を行うことを目的に、「免疫炎症性難病創薬コンソーシアム」を発足しました。
・本年9月、米国フェイト社と、がんを対象とした iPS 細胞由来他家 CAR-T 細胞治療薬の創製を目的とした創薬提携契約を締結しました。
(6)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。