四半期報告書-第73期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりとなりました。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前期末に比べ334億円増加の7,068億円となりました。
流動資産は、その他金融資産の減少があったものの、現金及び現金同等物や棚卸資産の増加などから15億円増加の2,268億円となりました。
非流動資産は、無形資産や繰延税金資産の減少などがあったものの、投資有価証券やその他の金融資産の増加などから318億円増加の4,800億円となりました。
負債は、未払法人所得税や仕入債務及びその他の債務の減少などから92億円減少の962億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加などから425億円増加の6,050億円となりました。
(経営成績)
(単位:百万円)
[売上収益]
売上収益は、前年同期比15億円(1.0%)増加の1,505億円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、競合他社製品との競争が激化する一方、腎細胞がん、胃がんへの使用が堅調に推移したことに加え、食道がんへの使用が拡大したことにより、前年同期比23億円(4.8%)増加の491億円となりました。
・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は130億円(前年同期比2.3%減)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は109億円(同8.9%増)、糖尿病治療剤「フォシーガ錠」は105億円(同20.5%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は41億円(同7.0%減)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は39億円(同11.9%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は35億円(同19.8%増)となりました。
・長期収載品は、後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は29億円(前年同期比35.4%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は15億円(同41.3%減)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」は15億円(同67.8%減)となりました。
・ロイヤルティ・その他は、前年同期比17億円(4.1%)増加の440億円となりました。
[営業利益]
営業利益は、前年同期比105億円(25.1%)増加の524億円となりました。
・売上原価は、前年同期比1億円(0.2%)増加の418億円となりました。
・研究開発費は、6月以降、被験者登録を含めた開発活動を再開しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による新規治験での被験者登録開始の延期や、実施中の治験での被験者登録の中断等により治験費用が減少したことから、前年同期比52億円(16.8%)減少の257億円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、新型コロナウイルス感染症の影響による学術講演会の見直し、MRの医療機関訪問自粛などにより営業活動経費が減少したことから、前年同期比39億円(11.6%)減少の298億円となりました。
[四半期利益](親会社所有者帰属)
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益の増加に伴い、前年同期比70億円(21.4%)増加の398億円となりました。
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
<新型コロナウイルス感染症による事業および業績への影響>当社グループは、生命関連企業として関係会社や取引先とも連携し医薬品の安定供給を図っており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、緊急事態宣言の解除を受け、6月以降は、中断していた被験者登録などの開発活動を徐々に再開しております。営業活動においても影響の少ない地域・医療機関から段階的に活動を再開するとともに、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。
通期の業績予想につきましては、現時点での新型コロナウイルス感染症の影響を織り込み、以下のように修正しております。
なお、文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
・売上収益は、ロイヤルティ・その他の売上収益が前回公表予想を下回る見込みですが、一方で、製品商品の売上収益はオプジーボ等が前回公表予想を上回って推移しており、前回公表予想に比べ20億円上方修正し3,050億円を予想しております。
・売上原価は、前回公表予想に比べ25億円増加の840億円を予想しております。
・研究開発費は、被験者登録を含めた開発活動を再開しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が続くことから前回公表予想に比べ40億円減少の650億円を予想しております。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、下期に新製品の上市および複数の効能の追加取得を予定しており、情報提供活動を強化してまいりますが、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けることから前回公表予想に比べ30億円減少の670億円を予想しております。
以上の結果、当期の営業利益は870億円(前回公表予想比70億円増)、税引前利益は885億円(同65億円増)、当期利益は652億円(同41億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は650億円(同40億円増)を予想しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、148億円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税等の支払額198億円などがあった一方で、税引前四半期利益537億円などがあった結果、313億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出33億円、無形資産の取得による支出30億円などがあった結果、40億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額112億円などがあった結果、125億円の支出となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
(研究開発活動)
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。
現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物をはじめ、変形性関節症の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかでも、がん治療の領域はアンメット・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけています。
創薬研究においては、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合物の創製を目指す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、重点領域毎に設置している「オンコロジー研究センター」、「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、「スペシャリティ研究センター」で、それぞれの疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉えることで、医療インパクトのある画期的新薬の創製につなげることに取り組んでいます。さらに、オープン・イノベーションをグローバルで積極的に展開し、世界最先端の技術や情報を取り入れ、世界トップクラスの研究者とのネットワークを構築するとともに、従来の低分子創薬に加え、抗体や細胞、ウイルスなどの生物製剤も利用することで、医療現場に革新をもたらす新薬の創製を目指します。また、ライセンス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は25,819百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の主な成果(第2四半期連結会計期間末以後のものを含む)は、以下のとおりです。
[開発品の主な進捗状況]
<がん領域>「オプジーボ/ニボルマブ」(他剤との併用療法を含む)
胃がん
・本年5月、国内で「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象とした承認申請を行いました。
食道がん
・本年4月、韓国で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法に不応または不耐の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
・本年6月、台湾で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法後に病勢進行が認められた根治切除不能な進行または再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
結腸・直腸がん
・本年9月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High:microsatellite instability-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
悪性胸膜中皮腫
・本年10月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を対象とした承認申請を行いました。
腎細胞がん
・本年10月、国内で武田薬品工業株式会社が開発中のキナーゼ阻害剤「カボメティクス錠/カボザンチニブリンゴ酸塩」との併用療法について、「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」を対象とした承認申請を行いました。
小細胞肺がん
・本年10月、単剤および「ヤーボイ」との併用療法について、小細胞肺がんを対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、戦略上の理由により中止しました。
用法及び用量
・本年9月、国内で単独投与時における1回480mgを4週間間隔で点滴静注(点滴静注時間:30 分以上かけて)する用法及び用量の承認を取得しました。
「ベレキシブル錠/チラブルチニブ塩酸塩」
・本年8月、国内で「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
「ONO-7912(CPI-613)/Devimistat」
・本年6月、がん代謝阻害薬「ONO-7912 (CPI-613) /Devimistat」について、国内で「膵がん」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-4687(BMS-986227)/Cabiralizumab」
・本年10月、抗CSF-1R抗体「ONO-4687(BMS-986227)/Cabiralizumab」は、膵がんを対象としたフェーズⅡ試験を実施していましたが、試験を中止しました。
<がん領域以外>「パーサビブ静注透析用シリンジ/エテルカルセチド塩酸塩」
・本年6月、国内で新たに静注透析用シリンジ製剤の承認を取得しました。
「オノアクト/ランジオロール塩酸塩」
・本年6月、国内で「敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)」を効能・効果とした承認を取得しました。
「オンジェンティス錠/ONO-2370/オピカポン」
・本年6月、国内で「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off 現象)の改善」を効能・効果とした承認を取得しました。
「フオイパン錠/カモスタットメシル酸塩」
・本年6月、国内で蛋白分解酵素阻害剤「フオイパン錠」について、新型コロナウイルス感染症に関するフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-2910」
・本年6月、国内でシュワン細胞分化促進薬「ONO-2910」について、健康成人男性を対象とした フェーズⅠ試験を開始しました。
[ライセンス活動の状況]
・本年10月、韓国 SK Biopharmaceuticals社と、同社の抗てんかん薬である「Cenobamate」について、日本において独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。
(6)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前期末に比べ334億円増加の7,068億円となりました。
流動資産は、その他金融資産の減少があったものの、現金及び現金同等物や棚卸資産の増加などから15億円増加の2,268億円となりました。
非流動資産は、無形資産や繰延税金資産の減少などがあったものの、投資有価証券やその他の金融資産の増加などから318億円増加の4,800億円となりました。
負債は、未払法人所得税や仕入債務及びその他の債務の減少などから92億円減少の962億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加などから425億円増加の6,050億円となりました。
(経営成績)
(単位:百万円)
2020年3月期 第2四半期連結累計期間 | 2021年3月期 第2四半期連結累計期間 | 対前年同期 増減額 | 対前年同期 増減率 | |
売上収益 | 149,008 | 150,474 | 1,466 | 1.0% |
営業利益 | 41,878 | 52,401 | 10,523 | 25.1% |
税引前四半期利益 | 43,042 | 53,674 | 10,632 | 24.7% |
四半期利益 (親会社の所有者帰属) | 32,816 | 39,849 | 7,033 | 21.4% |
[売上収益]
売上収益は、前年同期比15億円(1.0%)増加の1,505億円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、競合他社製品との競争が激化する一方、腎細胞がん、胃がんへの使用が堅調に推移したことに加え、食道がんへの使用が拡大したことにより、前年同期比23億円(4.8%)増加の491億円となりました。
・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は130億円(前年同期比2.3%減)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は109億円(同8.9%増)、糖尿病治療剤「フォシーガ錠」は105億円(同20.5%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は41億円(同7.0%減)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は39億円(同11.9%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は35億円(同19.8%増)となりました。
・長期収載品は、後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は29億円(前年同期比35.4%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は15億円(同41.3%減)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」は15億円(同67.8%減)となりました。
・ロイヤルティ・その他は、前年同期比17億円(4.1%)増加の440億円となりました。
[営業利益]
営業利益は、前年同期比105億円(25.1%)増加の524億円となりました。
・売上原価は、前年同期比1億円(0.2%)増加の418億円となりました。
・研究開発費は、6月以降、被験者登録を含めた開発活動を再開しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による新規治験での被験者登録開始の延期や、実施中の治験での被験者登録の中断等により治験費用が減少したことから、前年同期比52億円(16.8%)減少の257億円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、新型コロナウイルス感染症の影響による学術講演会の見直し、MRの医療機関訪問自粛などにより営業活動経費が減少したことから、前年同期比39億円(11.6%)減少の298億円となりました。
[四半期利益](親会社所有者帰属)
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益の増加に伴い、前年同期比70億円(21.4%)増加の398億円となりました。
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
<新型コロナウイルス感染症による事業および業績への影響>当社グループは、生命関連企業として関係会社や取引先とも連携し医薬品の安定供給を図っており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、緊急事態宣言の解除を受け、6月以降は、中断していた被験者登録などの開発活動を徐々に再開しております。営業活動においても影響の少ない地域・医療機関から段階的に活動を再開するとともに、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。
通期の業績予想につきましては、現時点での新型コロナウイルス感染症の影響を織り込み、以下のように修正しております。
なお、文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
・売上収益は、ロイヤルティ・その他の売上収益が前回公表予想を下回る見込みですが、一方で、製品商品の売上収益はオプジーボ等が前回公表予想を上回って推移しており、前回公表予想に比べ20億円上方修正し3,050億円を予想しております。
・売上原価は、前回公表予想に比べ25億円増加の840億円を予想しております。
・研究開発費は、被験者登録を含めた開発活動を再開しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が続くことから前回公表予想に比べ40億円減少の650億円を予想しております。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、下期に新製品の上市および複数の効能の追加取得を予定しており、情報提供活動を強化してまいりますが、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けることから前回公表予想に比べ30億円減少の670億円を予想しております。
以上の結果、当期の営業利益は870億円(前回公表予想比70億円増)、税引前利益は885億円(同65億円増)、当期利益は652億円(同41億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は650億円(同40億円増)を予想しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
2020年3月期 第2四半期連結累計期間 | 2021年3月期 第2四半期連結累計期間 | 対前年同期 増減額 | |
現金及び現金同等物の期首残高 | 59,981 | 69,005 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 34,875 | 31,314 | △3,561 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 2,681 | △4,033 | △6,715 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △42,218 | △12,488 | 29,730 |
現金及び現金同等物の増減額 (△は減少) | △4,662 | 14,793 | |
現金及び現金同等物に係る 為替変動による影響額 | △247 | 3 | |
現金及び現金同等物の四半期末残高 | 55,072 | 83,800 |
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、148億円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税等の支払額198億円などがあった一方で、税引前四半期利益537億円などがあった結果、313億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出33億円、無形資産の取得による支出30億円などがあった結果、40億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額112億円などがあった結果、125億円の支出となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
(研究開発活動)
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。
現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物をはじめ、変形性関節症の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかでも、がん治療の領域はアンメット・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけています。
創薬研究においては、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合物の創製を目指す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、重点領域毎に設置している「オンコロジー研究センター」、「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、「スペシャリティ研究センター」で、それぞれの疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉えることで、医療インパクトのある画期的新薬の創製につなげることに取り組んでいます。さらに、オープン・イノベーションをグローバルで積極的に展開し、世界最先端の技術や情報を取り入れ、世界トップクラスの研究者とのネットワークを構築するとともに、従来の低分子創薬に加え、抗体や細胞、ウイルスなどの生物製剤も利用することで、医療現場に革新をもたらす新薬の創製を目指します。また、ライセンス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は25,819百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の主な成果(第2四半期連結会計期間末以後のものを含む)は、以下のとおりです。
[開発品の主な進捗状況]
<がん領域>「オプジーボ/ニボルマブ」(他剤との併用療法を含む)
胃がん
・本年5月、国内で「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象とした承認申請を行いました。
食道がん
・本年4月、韓国で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法に不応または不耐の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
・本年6月、台湾で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法後に病勢進行が認められた根治切除不能な進行または再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
結腸・直腸がん
・本年9月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High:microsatellite instability-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
悪性胸膜中皮腫
・本年10月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を対象とした承認申請を行いました。
腎細胞がん
・本年10月、国内で武田薬品工業株式会社が開発中のキナーゼ阻害剤「カボメティクス錠/カボザンチニブリンゴ酸塩」との併用療法について、「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」を対象とした承認申請を行いました。
小細胞肺がん
・本年10月、単剤および「ヤーボイ」との併用療法について、小細胞肺がんを対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、戦略上の理由により中止しました。
用法及び用量
・本年9月、国内で単独投与時における1回480mgを4週間間隔で点滴静注(点滴静注時間:30 分以上かけて)する用法及び用量の承認を取得しました。
「ベレキシブル錠/チラブルチニブ塩酸塩」
・本年8月、国内で「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
「ONO-7912(CPI-613)/Devimistat」
・本年6月、がん代謝阻害薬「ONO-7912 (CPI-613) /Devimistat」について、国内で「膵がん」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-4687(BMS-986227)/Cabiralizumab」
・本年10月、抗CSF-1R抗体「ONO-4687(BMS-986227)/Cabiralizumab」は、膵がんを対象としたフェーズⅡ試験を実施していましたが、試験を中止しました。
<がん領域以外>「パーサビブ静注透析用シリンジ/エテルカルセチド塩酸塩」
・本年6月、国内で新たに静注透析用シリンジ製剤の承認を取得しました。
「オノアクト/ランジオロール塩酸塩」
・本年6月、国内で「敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)」を効能・効果とした承認を取得しました。
「オンジェンティス錠/ONO-2370/オピカポン」
・本年6月、国内で「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off 現象)の改善」を効能・効果とした承認を取得しました。
「フオイパン錠/カモスタットメシル酸塩」
・本年6月、国内で蛋白分解酵素阻害剤「フオイパン錠」について、新型コロナウイルス感染症に関するフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-2910」
・本年6月、国内でシュワン細胞分化促進薬「ONO-2910」について、健康成人男性を対象とした フェーズⅠ試験を開始しました。
[ライセンス活動の状況]
・本年10月、韓国 SK Biopharmaceuticals社と、同社の抗てんかん薬である「Cenobamate」について、日本において独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。
(6)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。