四半期報告書-第33期第2四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

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2022/08/10 16:00
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37項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、サイエンス及びテクノロジーに立脚した企業であり、創薬及び初期開発を専門としています。世界中の人々の生活の質と健康の向上に大きく貢献することをミッションとし、バイオ医薬品及び創薬に関する日本屈指の国際的なリーディング企業になることをビジョンに掲げています。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループは創薬及び初期開発パイプラインを引き続き拡充し、独自のStaR®(Stabilized Receptor)及び関連技術、構造ベース創薬(以下「SBDD」)プラットフォームを強化しました。
当社グループのビジネスモデルは、価値創造のために以下の3つの重点分野に注力するものです。
A) 大手グローバル製薬企業との既存の提携の推進
B) 革新的なテクノロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの研究開発活動の推進
C) 当社グループ独自の創薬とその候補品の初期開発成績に基づく価値の高い新規提携の締結
さらに当社グループは、戦略的成長として、企業買収など収益創出につながるチャンスの模索、新規テクノロジーへの投資と技術提携、Gタンパク質共役受容体(以下「GPCR」)以外への創薬ターゲット拡大、及び後期臨床開発段階のアセットの日本市場向け導入に注力しています。
当第2四半期連結会計期間末現在、当社グループのプログラムの合計20品目以上が創薬段階、複数の自社開発及び提携プログラム(注)1、2が前臨床及び臨床試験段階にあります。
(注)1 臨床試験段階:統合失調症を対象としたHTL0016878、2型糖尿病(T2DM)/肥満を対象としたPF-07081532、炎症性腸疾患を対象としたPF-07054894、拒食症を対象としたPF-07258669、神経疾患を対象としたTMP301。
前臨床試験段階:神経疾患を対象としたM1作動薬、神経疾患を対象としたM1/M4デュアル作動薬、炎症性腸疾患を対象としたGPR35作動薬、神経疾患を対象としたCGRP拮抗薬、がんを対象としたKY1051、ナルコレプシーを対象としたOX2作動薬、神経疾患を対象としたGPR52作動薬、がんを対象としたEP4拮抗薬、炎症性腸疾患を対象としたEP4作動薬、アトピー性皮膚炎を対象としたH4拮抗薬。
(注)2 複数の固形がんを対象としたimaradenant(AZD4635)について、導出先であるアストラゼネカ社は、2021年第3四半期に臨床パイプラインから削除しています。
A) 大手グローバル製薬企業との既存の提携の推進
大手グローバル製薬企業との提携は順調に進捗しました。研究開発の継続性と生産性を確保するため、当社グループの研究開発活動の中心である英国において政府が行った規制緩和にもかかわらず、当社グループは、COVID-19に関する感染予防措置を継続しています。全ての研究開発活動は効率良く進められています。
B) 革新的なテクノロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの研究開発活動の推進
革新的なテクノロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの研究開発活動は順調に進捗しました。
Verily Life Sciences LLC-免疫疾患関連の新規ターゲット同定と新薬候補創出を目的とした戦略的提携
2022年1月6日、当社グループは、Alphabet傘下のプレシジョン・ヘルス企業であるVerily Life Sciences LLC(以下「Verily社」)と戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本研究開発提携では、Verily社の持つ免疫プロファイリング能力と、当社グループの持つGPCR構造ベース創薬技術を集約します。本提携の目的は以下の通りです。
・特に免疫疾患、消化器疾患、がん免疫疾患、及びその他の免疫防御性あるいは免疫病原性疾患における、免疫細胞内でのGPCRの機能解明
・創薬ターゲットとして有望なGPCRの抽出、優先順位付け及び検証
・これらのGPCRに作用する新薬候補の創出と開発
Verily社独自のImmune Profilerは、Verily社の研究所で行われる免疫細胞の精密な表現型の分析と、それらの膨大なデータを処理する高度なコンピュータ技術を組み合わせた、未だ十分に解明されていない免疫機能の全体像を解き明かす、次世代の免疫解析プラットフォームです。本プラットフォームは、免疫機能を調節し、疾患を改善する可能性のある創薬ターゲットとして有望なGPCRの特定に利用されます。今後本提携では、当社グループが有する世界最先端のStaR®技術とSBDDに関する専門知識を活用して、創薬ターゲットとして有望なGPCRの優先順位を明確化し、さらなる開発または導出のためのリード化合物の創出を目指します。
Weatherden Limited-アジャイル開発の導入とトランスレーショナル・メディシン機能の強化
2022年4月26日、当社グループは、先駆的な臨床開発コンサルティンググループであるWeatherden Limited(以下、「Weatherden社」)と戦略的提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループの世界最先端のGPCR構造ベース創薬プラットフォーム及び専門知識と、Weatherden社のトランスレーショナル・メディシン及び医薬品開発の専門知識を活用し、業界最高レベルの創薬・開発チームに支えられたアジャイル開発モデルの構築を目指します。その目的は、複数のプログラムの優先順位付けと開発の加速により、迅速に第Ⅰb/Ⅱa相臨床試験での臨床コンセプトを実証(POCの取得)することにあります。臨床コンセプトの実証は、大規模なグローバルでのライセンス契約の締結を推進し、当社グループの企業価値を長期的に高めるための重要な転換点です。当社グループは、Weatherden社の豊富な経験、科学的専門知識、データに基づくアプローチに加え、医薬品アセットの評価・開発の商業化についての重点的な取り組みを活かし、パイプライン強化のために、より明確に選択と集中を進める体制と技術的専門知識を融合します。当社グループは以下により、意思決定と価値創出の最適化を目指します。
・新しい効率的な創薬・開発方法を創出すること
・世界をリードする科学技術の、患者さまの生活を一変させる治療薬への変換を加速すること
・厳選した自社開発プログラムを臨床試験段階に進めることにより、提携の機会を最大化すること
Kallyope Inc.-消化器疾患関連の複数のGPCRの同定と検証を目的とした戦略的研究開発提携
2022年5月17日、当社グループは、ニューヨークに本拠を置き腸脳軸に着目した創薬のパイオニアであるKallyope Inc.(以下「Kallyope社」)と、消化器疾患領域における創薬プログラム創出に向け、新規GPCRターゲットの同定と検証を目的とした戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループのGPCRに特化した化合物ライブラリーおよび専門知識と、シングルセル解析、回路マッピングに関する計算生物学、および表現型スクリーニングを組み合わせたKallyope社の革新的な脳腸軸におけるプラットフォームを活用します。これにより両社は、新規の消化器疾患治療薬ターゲットとなる GPCR の優先順位付けと検証を行い、これらのターゲットに作用する新規低分子化合物の開発を進めます。
C) 当社グループ独自の創薬とその候補品の初期開発成績に基づく価値の高い新規提携の締結
当社グループは、パイプラインへの重要な投資を継続し、複数の創薬候補品の初期開発段階のプログラムで進捗がありました。
D) 2022年7月1日以降の当社グループのビジネスハイライト
Cancer Research UKとの提携
2022年7月22日、当社グループは、世界最大の民間がん研究基金であるCancer Research UK(英国王立がん研究基金)と、当社グループの免疫療法薬の初の臨床試験(FIH試験)実施に関する契約を締結したことを発表しました。本臨床試験およびライセンス契約に基づき、Cancer Research UKのCentre for Drug Developmentが新規選択的EP4拮抗薬HTL0039732の第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験の資金拠出、デザインおよび実施を担います。当社グループは臨床試験の開始に向け、GLPに準拠した毒性試験、治験薬(IMP)製造、その他必要な前臨床試験を含む臨床試験許認可(CTA)を得るための活動を担います。当社グループは、HTL0039732の臨床開発および商業化を進めるために、本試験で得られた成果に対するライセンスを保有します。
HTL0039732は、マイクロサテライト安定性(MSS)大腸がん、胃食道がん、頭頸部がん、去勢抵抗性前立腺がんなど、様々ながんに効果を発揮することが期待されています。これらのがん種の患者さまの多くは、PD1/L1チェックポイント阻害剤などの一般的な免疫療法では、他のがん種のような優れた治療効果を得ることができていません。本試験により、このように十分な治療を受けることができていない患者さまに対して、HTL0039732が有効な免疫療法だと示されることが期待されます。HTL0039732は、EP4拮抗薬として知られる免疫療法の一種であり、特定のタイプのプロスタグランジン受容体であるEP4受容体に選択的に結合しEP4活性を阻害します。EP4を介したプロスタグランジンE2(PGE2)のシグナル伝達により、がん細胞は免疫系を回避することで、腫瘍細胞の増殖に影響を与えると考えられています。したがって、EP4受容体を阻害することで、特に他の免疫療法と併用した場合、患者さまの生存率を向上させる可能性があります。
AbbVie Inc.との提携
2022年8月1日(英国時間)、当社グループは、研究開発型のバイオ医薬品企業であるAbbVie Inc.(以下「アッヴィ社」)と新規創薬提携及びライセンスのオプション契約を締結しました。この契約により両社は、神経疾患を対象に、GPCRに作用する低分子の研究開発と商品化を目指します。本提携は、当社グループのStaR®技術及びSBDDプラットフォームと、アッヴィ社の神経科学及び治療領域に関する広範な専門知識を活用するものです。本契約は、2020年6月に両社が締結した炎症性疾患及び自己免疫疾患を標的とした最初の複数ターゲットを対象とする創薬提携契約の範囲を、さらに拡大するものです。
本契約に基づき、当社グループは、新薬臨床試験開始申請(以下「IND」)までの研究開発活動を行い、研究開発資金を負担します。アッヴィ社は、現段階で最大3つのプログラムについて独占的なライセンスオプションを有し、その後の臨床試験、申請・承認、商業化を担います。当社グループは、契約締結時に40百万米ドルを受領し、今後3年間で最大40百万米ドルの初期開発マイルストンを受領する権利を有しており、さらにオプション、開発・販売の達成に応じた、最大12億ドルのマイルストンに加えて、グローバルでの販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。本契約一時金は2022年第3四半期に一括で受領しますが、IFRSの収益認識に関する会計基準に基づき、2022年第3四半期、第4四半期、またそれ以降の一定期間にわたり計上される予定であり、収益計上額は当社の履行義務の充足に応じ認識してまいります。
Neurocrine Biosciences, Inc.との提携
2022年8月4日(英国時間)、当社グループは、提携先であるNeurocrine Biosciences, Inc.(以下、「ニューロクライン社」)から、統合失調症を対象としたNBI-1117568の第Ⅱ相臨床試験のINDが米国食品医薬品局(FDA)に受理され、試験開始可能になったことが通知されました。この臨床開発におけるマイルストンの達成により、当社グループはニューロクライン社から30百万米ドルを受領することになります。本マイルストンは全額、2022年12月期第3四半期の売上となる見込みです。NBI-1117568は、統合失調症及びその他の精神神経疾患治療薬として開発中の経口の選択的ムスカリンM4受容体作動薬です。本候補化合物は、選択的なM4オルソステリック作動薬であることから、非選択的なムスカリン作動薬では必要とされる、副作用を最小限に抑えるための併用療法を用いることなく治療効果を発揮する可能性があり、また、ポジティブ・アロステリック・モジュレーターと比較してアセチルコリン(ACh)の協同作用を必要としない点が特徴です。これまでの臨床試験で、NBI-1117568は一般的に良好な忍容性を示すことが確認されています。NBI-1117568は、当社グループが見出し、ニューロクライン社が主要な神経疾患の治療のために開発中であり、臨床及び前臨床段階にある新規サブタイプ選択的ムスカリンM4、M1及びM1/M4デュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの中で最も開発段階が進んだ候補化合物です。また、ニューロクライン社は、前臨床試験が完了次第、M1/M4デュアル及び選択的M1受容体作動薬の第Ⅰ相臨床試験を開始する予定です。これらの化合物の臨床試験開始に伴い、当社グループはニューロクライン社から、さらなるマイルストンを受領する権利を有しています。
当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績
2022年6月30日現在、当社グループの従業員数は205人(2021年12月31日時点比7名増)です。
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益2,457百万円(前年同四半期比666百万円減少)、営業損失3,804百万円(前年同四半期は1,849百万円の損失)、税引前四半期損失4,282百万円(前年同四半期は1,393百万円の損失)、四半期損失3,538百万円(前年同四半期は2,297百万円の損失)となりました。
(単位:百万円)
当第2四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
前第2四半期連結累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年6月30日)
増減
売上収益2,4573,123△666
売上原価△531△447△84
研究開発費△3,698△2,598△1,100
販売費及び一般管理費△2,265△1,934△331
営業費用合計△6,494△4,979△1,515
その他の収益及びその他の費用2337226
営業損失(△)△3,804△1,849△1,955
金融収益及び金融費用△12△3220
持分法による投資損益△466282△748
持分法で会計処理されている投資の減損損失戻入益-206△206
税引前四半期損失(△)△4,282△1,393△2,889
四半期損失(△)△3,538△2,297△1,241
代替業績評価指標
(コア営業損益)
営業損失(△)△3,804△1,849△1,955
調整額
有形固定資産の減価償却費2812756
無形資産の償却費38236814
株式報酬費用230332△102
構造改革費用533-533
減損損失-74△74
コア営業損失(△)△2,378△800△1,578
USD:JPY(期中平均為替レート)122.83108.1114.72
GBP:JPY(期中平均為替レート)159.37150.339.04

(注) コア営業損益は営業損益(IFRS)+重要な非現金支出費用+重要な一時的支出費用で定義され、事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を表しております。
当社グループは、医薬事業の単一セグメントであるため、報告セグメント別の記載は省略しています。
(売上収益)
(単位:百万円)
当第2四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
前第2四半期連結累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年6月30日)
増減
契約一時金及びマイルストン収入5121,546△1,034
ロイヤリティ収入1,3761,167209
医薬品販売80-80
その他48941079
合計2,4573,123△666

当第2四半期連結累計期間の売上収益は、前年同四半期に比べ666百万円減少し、2,457百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の契約一時金及びマイルストンに関する収益は、前年同四半期比1,034百万円減少し、512百万円となりました。契約一時金及びマイルストン収入は、あらかじめ定められた成果を達成できるかどうか、あるいは新規提携契約が締結できるかどうかによって、四半期毎に変動する可能性があります。当第2四半期連結累計期間のマイルストン収入の減少は、主に、前年同四半期に5件のマイルストンを達成した一方、当第2四半期連結累計期間には2件のマイルストンを達成したこと、前受収益から売上収益への振替額が減少したことによるものです。
当第2四半期連結累計期間のロイヤリティに関する収益は、前年同四半期比209百万円増加し、1,376百万円となりました。当社グループのロイヤリティに関する収益は導出先であるNovartis International AG(以下「ノバルティス社」)(注)によるウルティブロ® ブリーズヘラー®、シーブリ® ブリーズヘラー®及びエナジア® ブリーズヘラー®の売上に関連するものです。
(注) グリコピロニウム臭化物とその製剤の独占的開発・販売権は、2005年4月に、当社グループ及び共同開発パートナーであるVectura社からノバルティス社に導出しています。シーブリ®、ウルティブロ®、エナジア®及びブリーズヘラー®はノバルティス社の登録商標です。
(営業費用)
売上原価
当第2四半期連結累計期間の売上原価は、前年同四半期比84百万円増加し、531百万円となりました。売上原価は、医薬品の売上に対する原価及び顧客に向けた研究開発受託サービスに関する内部コストから構成されています。主な増加の要因は、当第2四半期連結累計期間における医薬品の売上が計上されたことによるものです。
研究開発費
当第2四半期連結累計期間の研究開発費は、前年同四半期比1,100百万円増加し、3,698百万円となりました。これは主に、当社グループが独自で行う創薬及び初期開発への投資の増加、及び医薬品の開発を加速させるための構造改革費用によるものです。また円安の影響、足元のインフレに伴うコスト上昇、及び研究者に関する株式報酬費用をより適正に表示するため販売費及び一般管理費から研究開発費に振り替えたことにより費用が増加しております。
当第2四半期連結累計期間においては、研究開発費全体の98%は英国における活動によるものです。
販売費及び一般管理費
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前年同四半期比331百万円増加し、2,265百万円となりました。これは主に、医薬品の開発を加速させるための構造改革費用の増加、円安の影響及びインフレによるものです。また、研究者に対する株式報酬費用をより適正に表示するため、販売費及び一般管理費から研究開発費に振り替えたことにより一部相殺されております。
(営業損益)
当第2四半期連結累計期間の営業損益は、3,804百万円の損失(前年同四半期は1,849百万円の損失)となりました。営業損失が増加した主な要因は、上述の営業費用の増加によるものです。
金融収益及び金融費用
当第2四半期連結累計期間の金融収益及び金融費用の純額は、前年同四半期比20百万円改善し、12百万円の費用超過となりました。これは主に、円安ドル高及びポンド安ドル高により為替差益が増加した一方で、2021年7月に額面16,000百万円の社債の買入消却を行い、新たに額面30,000万円の社債に発行したことにより、社債に対する償却原価の費用が増加したことによるものです。
持分法による投資損益
当第2四半期連結累計期間の持分法による投資損益は、前年同四半期比748百万円悪化し、466百万円の損失となりました。これは関連会社であるMiNA (Holdings) Limitedにおいて前第2四半期連結累計期間は利益であったことに対し、当第2四半期連結累計期間は研究開発費が増加したことにより損失になったことによるものです。
持分法で会計処理されている投資の減損損失戻入益
前第2四半期連結累計期間の持分法で会計処理されている投資の減損損失戻入益は、206百万円でした。これは、2021年4月に譲渡した当社グループの関連会社であるJITSUBO株式会社の公正価値が増加したことによるものです。
(四半期損益)
当第2四半期連結累計期間の四半期損益は、3,538百万円の損失(前年同四半期は2,297百万円の損失)となりました。これは主に、上述の営業損失が増加したこと等によるものです。
(代替業績評価指標:コア営業損益)
コア営業損益は、中核事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を示すために、重要な非現金支出費用及び一時的な費用を調整した代替的な業績評価指標です。
当第2四半期連結累計期間のコア営業損益は、2,378百万円の損失(前年同四半期は800百万円の損失)となりました。コア営業損失が1,578百万円増加した主な要因は、優先度の高い当社グループが独自で行う創薬及び初期開発への投資を計画に沿って行ったことによるものです。
コア営業損益はIFRSの営業損益に対して以下の調整を行い算出しております。
・ 有形固定資産の減価償却費281百万円(前年同四半期比6百万円増加)
・ 無形資産の償却費382百万円(前年同四半期比14百万円増加)
・ 株式報酬費用230百万円(前年同四半期比102百万円減少)
・ 構造改革費用533百万円(うち158百万円は構造改革に係る株式報酬費用の加速償却による影響)
構造改革費用は2022年2月1日に発表した執行体制の変更に伴う費用となります。
・ 減損損失(前年同四半期74百万円計上)
前第2四半期連結累計期間において、株式会社そーせいのオラビ®錠の収益が低下したことにより無形資産74百万円を減損しております。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5,753百万円減少し、91,232百万円となりました。これは主に、ポンド高により当社連結子会社であるHeptares Therapeutics Ltd.が保有する資産の円換算額が増加した一方で、営業活動による支出が収入を上回ったこと及び、Heptares Therapeutics Ltd.の旧株主に対して条件付対価の支払いを行ったことにより現金及び現金同等物が減少したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ4,651百万円減少し、34,866百万円となりました。これは主に、Heptares Therapeutics Ltd.の旧株主に対して条件付対価の支払いを行ったことにより減少したことによるものです。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ1,102百万円減少し、56,366百万円となりました。これは主に、在外営業活動体の為替換算差額が2,513百万円となった一方で、四半期損失3,538百万円を計上したことによるものです。
なお、現金及び現金同等物並びに有利子負債の総資産に占める比率及び親会社所有者帰属持分比率は、それぞれ58.8%、32.5%及び61.8%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6,431百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末は53,656百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは3,181百万円の支出となりました。これは主に、営業に関する支出が売上収益を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは183百万円の支出となりました。これは有形固定資産の取得による支出183百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは4,781百万円の支出となりました。これは主に、条件付対価の決済による支出4,680百万円によるものです。
(現金及び現金同等物の為替変動による影響)
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の為替変動による影響は1,714百万円の増加となりました。これは主に、円安ポンド高・ドル高の影響によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社グループは財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は定めておりません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費は、前第2四半期連結累計期間に比べ1,100百万円増加し、3,698百万円となりました。なお、詳細につきましては、(1)経営成績の状況に記載しております。