有価証券報告書-第103期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、為替が年初よりやや円高に進んだものの、期間を通じて円安基調で推移したことにも後押しされ、企業収益の改善を背景に雇用環境も改善が見られ、全体として回復基調が続きました。一方、海外では米国や北朝鮮をはじめとした政治情勢による影響が懸念されたものの、米国・欧州経済ともに堅調に推移しており、中国をはじめアジア地域も底堅く、総じて良好に推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループはアジア圏を中心とした成長市場における販売活動を強化するとともに生産体制の再構築を推進し、経営の効率化と一層のコスト削減に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、前連結会計年度末比56億2百万円増加の955億14百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比3億89百万円増加の271億65百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比52億12百万円増加の683億48百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高695億94百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業利益84億29百万円(前連結会計年度比1.8%増)、経常利益88億8百万円(前連結会計年度比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億52百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内ベルト事業の売上高は280億37百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は73億13百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
海外ベルト事業の売上高は319億74百万円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益は34億34百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
建設資材事業の売上高は48億54百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業利益は1億25百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
その他の売上高は47億27百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は1億86百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して93百万円増加の93億9百万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が4億85百万円減少した反面、投資有価証券売却益が10億41百万円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して15億61百万円減少の35億59百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して投資有価証券の売却による収入が12億19百万円減少したことに加えて、有形固定資産の取得による支出が11億7百万円増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して36億64百万円増加の25億32百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して自己株式の取得による支出が22億42百万円減少したことによるものです。
営業、投資、財務の各活動によるキャッシュ・フローの合計額から為替換算差額2億59百万円を減算し、現金及び現金同等物の増加額が29億58百万円となり、これに期首残高251億16百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は280億74百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、外注製品受入高は含まれておりません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な連結財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。
a.有価証券
投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に適切に分類し、会計処理しております。減損処理にあたっては、その他有価証券で時価のあるものについて、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理の対象とし、30%から50%までのものについては当該会社の資産状況、金額の重要性等を勘案して必要と認められる額を減損処理の対象としております。また、非上場株式については、純資産額が50%以上下落した場合に減損処理の対象としております。
b.たな卸資産
たな卸資産は、棚卸資産の評価に関する会計基準に基づき適切に評価しております。
c.営業債権
営業債権は、貸借対照表日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、貸借対照表日後に出荷したもの、委託又は試用販売のために出荷したもの等に係る債権は含めておりません。また、貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しております。
d.繰延税金資産
適正な法人税等及び法人税等調整額を計上しております。繰延税金資産に関しては将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
当連結会計年度末は、現金及び預金の増加等により流動資産が38億55百万円、株価の上昇等により固定資産が17億47百万円とそれぞれ増加したことから、総資産は前連結会計年度末比56億2百万円増加の955億14百万円となりました。
また、負債は、固定負債が3億16百万円減少したものの、流動負債が7億6百万円増加したことから、前連結会計年度末比3億89百万円増加の271億65百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が48億1百万円増加した結果、前連結会計年度末比52億12百万円増加の683億48百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の70.2%から71.6%に上昇しました。
前連結会計年度との比較は下記のとおりであります。
2) 経営成績
イ 売上高
売上高は、前連結会計年度と比べ4.8%増加の695億94百万円となりました。
国内ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ4.2%増加の280億37百万円となりました。自動車用ベルトの売上高は、組み込みライン用は減少したものの、軽自動車用の販売が増加したことなどから、前連結会計年度並みとなりました。補修用は車検交換需要の低下により売上高が減少し、全体では前連結会計年度を下回りました。一般産業用ベルトは、射出成形機業界やロボット業界向けの販売が好調に推移したことから大幅に売上高が増加しました。また、搬送ベルトは通販市場の拡大に伴い物流業界向けの売上高が増加し、合成樹脂素材も半導体・液晶製造装置向けを中心に増加しました。一方、OA機器用ベルトはユーザの中国市場向け機種の減少影響などから、売上高は減少しました。
海外ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ8.4%増加の319億74百万円となりました。自動車用ベルトは、米国では積極的な拡販活動による新規受注の獲得により売上高が伸張し、アジアでは補修市場での拡販活動が奏功したことや、二輪車用の新機種への組み込みなどから売上高が増加しました。また、欧州においても売上高が増加し、自動車用ベルト全体では売上高が伸張いたしました。一般産業用ベルトは、アジアでは中国市場で農業機械用の落ち込みがあったものの、タイ・インドネシアなどの東南アジアで一般補修用の拡販により売上高が増加しました。米国・欧州においては為替の影響により売上高が増加し、一般産業用ベルト全体では売上高が増加いたしました。また、OA機器用ベルトは横ばいで推移しました。
建設資材事業の売上高は、前連結会計年度と比べ9.2%減少の48億54百万円となりました。建築部門は公共や民間の改修工事の需要が減少したことに加え、土木部門も大型の工事物件が少なかったことから、全体では売上高が減少しました。
その他の売上高は、前連結会計年度と比べ1.8%増加の47億27百万円となりました。その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
ロ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度と比べ5.7%増加の471億82百万円となりました。また、販売費及び一般管理費も前連結会計年度と比べ3.8%増加の139億82百万円となり、営業費用全体では前連結会計年度と比べ5.2%増加の611億65百万円となりました。
ハ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の2億9百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は3億79百万円の収益(純額)となりました。
金融収支が、前連結会計年度の4億8百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は4億17百万円の収益(純額)と改善したことに加えて、為替差損の減少等により、その他営業外損益項目が前連結会計年度の1億98百万円の費用(純額)から当連結会計年度は38百万円の費用(純額)と改善しました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ3.8%増加の88億8百万円となりました。
ニ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の9億18百万円の利益(純額)に対し、当連結会計年度は1億13百万円の利益(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ5.2%減少の89億21百万円となりました。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ6.2%減少の62億52百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の108円15銭に対し、当連結会計年度は103円32銭となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、自動車産業、一般産業、情報機器関連産業、建築・土木産業への売上高がグループ全体売上高に対する大きな割合を占めていることから、これらの産業は環境の変化も大きく、また、競争も激しいため常に厳しい経営環境と言えます。
当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、国内・海外の市場動向、為替動向、資材費の動向、諸外国の政策方針に伴う輸出入規制の動向などがあげられます。
こうした中でも、当社グループは、グローバル市場における競争に勝ち残っていくとともに、財務基盤を強化し、ユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を提供できるものづくりを目指し、「品質を作り、品質を売る」をモットーにグループ全体の強固な経営基盤を確立すべく、取り組んでいきます。
経営環境の変化に対応できるよう、常にムダを省き、合理化、生産性向上を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築していきます。
また、当社グループは海外との取引が約半分を占めることから、計画段階での想定レートを厳しく設定し、経営に大きな影響が及ばないよう配慮して取り組んでいます。さらに、海外との取引上の規制等の問題については、グループの現地法人との定期的な会合等を通じて、情報共有に努めています。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達することを基本とし、このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は長期借入金で調達しております。一方で、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内での余剰資金の有効活用を図っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は59億52百万円であります。また、現金及び現金同等物の残高は280億74百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載している'17中期指針の初年度である2017年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
売上高は計画比3.7%増となりました。
営業利益は、原油安による原材料費の減少や原価低減への取組み等が奏功し計画比13.5%増となりました。また、営業利益率は12.1%と計画(11%以上)を達成しました。
経常利益も、営業利益と同様の理由により計画比18.9%増となり、いずれも計画を上回りました。
2017年度
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[国内ベルト事業]
自動車用ベルトの売上高は、組み込みライン用は減少したものの、軽自動車用の販売が増加したことなどから、前連結会計年度並みとなりました。補修用は車検交換需要の低下により売上高が減少し、全体では前連結会計年度を下回りました。
一般産業用ベルトは、射出成形機業界やロボット業界向けの販売が好調に推移したことから大幅に売上高が増加しました。また、搬送ベルトは通販市場の拡大に伴い物流業界向けの売上高が増加し、合成樹脂素材も半導体・液晶製造装置向けを中心に増加しました。
一方、OA機器用ベルトはユーザの中国市場向け機種の減少影響などから、売上高は減少しました。
その結果、当事業の売上高は280億37百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は73億13百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備や自動車用機能部品の製造設備の増設を行うとともに、試験設備の増強、老朽化設備の更新などにより、573億71百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。
[海外ベルト事業]
自動車用ベルトは、米国では積極的な拡販活動による新規受注の獲得により売上高が伸張し、アジアでは補修市場での拡販活動が奏功したことや、二輪車用の新機種への組み込みなどから売上高が増加しました。また、欧州においても売上高が増加し、自動車用ベルト全体では売上高が伸張いたしました。
一般産業用ベルトは、アジアでは中国市場で農業機械用の落ち込みがあったものの、タイ・インドネシアなどの東南アジアで一般補修用の拡販により売上高が増加しました。米国・欧州においては為替の影響により売上高が増加し、一般産業用ベルト全体では売上高が増加いたしました。
また、OA機器用ベルトは横ばいで推移しました。
その結果、当事業の売上高は319億74百万円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益は34億34百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
また、セグメント資産は、老朽化設備の更新などにより、345億88百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。
[建設資材事業]
建築部門は公共や民間の改修工事の需要が減少したことに加え、土木部門も大型の工事物件が少なかったことから、全体では売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は48億54百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業利益は1億25百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
また、セグメント資産は23億49百万円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。
[その他]
その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
当事業の売上高は47億27百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は1億86百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
また、セグメント資産は56億92百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、為替が年初よりやや円高に進んだものの、期間を通じて円安基調で推移したことにも後押しされ、企業収益の改善を背景に雇用環境も改善が見られ、全体として回復基調が続きました。一方、海外では米国や北朝鮮をはじめとした政治情勢による影響が懸念されたものの、米国・欧州経済ともに堅調に推移しており、中国をはじめアジア地域も底堅く、総じて良好に推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループはアジア圏を中心とした成長市場における販売活動を強化するとともに生産体制の再構築を推進し、経営の効率化と一層のコスト削減に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、前連結会計年度末比56億2百万円増加の955億14百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比3億89百万円増加の271億65百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比52億12百万円増加の683億48百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高695億94百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業利益84億29百万円(前連結会計年度比1.8%増)、経常利益88億8百万円(前連結会計年度比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億52百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内ベルト事業の売上高は280億37百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は73億13百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
海外ベルト事業の売上高は319億74百万円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益は34億34百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
建設資材事業の売上高は48億54百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業利益は1億25百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
その他の売上高は47億27百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は1億86百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して93百万円増加の93億9百万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が4億85百万円減少した反面、投資有価証券売却益が10億41百万円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して15億61百万円減少の35億59百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して投資有価証券の売却による収入が12億19百万円減少したことに加えて、有形固定資産の取得による支出が11億7百万円増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して36億64百万円増加の25億32百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して自己株式の取得による支出が22億42百万円減少したことによるものです。
営業、投資、財務の各活動によるキャッシュ・フローの合計額から為替換算差額2億59百万円を減算し、現金及び現金同等物の増加額が29億58百万円となり、これに期首残高251億16百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は280億74百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 21,991 | 4.1 |
海外ベルト事業 | 23,970 | △0.2 |
建設資材事業 | 2,115 | 3.9 |
その他 | 1,870 | 30.7 |
合計 | 49,948 | 2.8 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、外注製品受入高は含まれておりません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 29,751 | 4.4 | 2,586 | 5.0 |
海外ベルト事業 | 33,167 | 15.5 | 3,054 | 64.1 |
建設資材事業 | 4,863 | △4.5 | 297 | 24.3 |
その他 | 347 | △13.3 | 25 | △7.0 |
合計 | 68,130 | 8.6 | 5,963 | 29.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 28,037 | 4.2 |
海外ベルト事業 | 31,974 | 8.4 |
建設資材事業 | 4,854 | △9.2 |
その他 | 4,727 | 1.8 |
合計 | 69,594 | 4.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な連結財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。
a.有価証券
投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に適切に分類し、会計処理しております。減損処理にあたっては、その他有価証券で時価のあるものについて、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理の対象とし、30%から50%までのものについては当該会社の資産状況、金額の重要性等を勘案して必要と認められる額を減損処理の対象としております。また、非上場株式については、純資産額が50%以上下落した場合に減損処理の対象としております。
b.たな卸資産
たな卸資産は、棚卸資産の評価に関する会計基準に基づき適切に評価しております。
c.営業債権
営業債権は、貸借対照表日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、貸借対照表日後に出荷したもの、委託又は試用販売のために出荷したもの等に係る債権は含めておりません。また、貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しております。
d.繰延税金資産
適正な法人税等及び法人税等調整額を計上しております。繰延税金資産に関しては将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
当連結会計年度末は、現金及び預金の増加等により流動資産が38億55百万円、株価の上昇等により固定資産が17億47百万円とそれぞれ増加したことから、総資産は前連結会計年度末比56億2百万円増加の955億14百万円となりました。
また、負債は、固定負債が3億16百万円減少したものの、流動負債が7億6百万円増加したことから、前連結会計年度末比3億89百万円増加の271億65百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が48億1百万円増加した結果、前連結会計年度末比52億12百万円増加の683億48百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の70.2%から71.6%に上昇しました。
前連結会計年度との比較は下記のとおりであります。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
総資産額 | (百万円) | 89,912 | 95,514 | 5,602 |
純資産額 | (百万円) | 63,136 | 68,348 | 5,212 |
自己資本比率 | (%) | 70.2 | 71.6 | 1.4 |
1株当たり純資産額 | (円) | 1,043.20 | 1,129.48 | 86.28 |
2) 経営成績
イ 売上高
売上高は、前連結会計年度と比べ4.8%増加の695億94百万円となりました。
国内ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ4.2%増加の280億37百万円となりました。自動車用ベルトの売上高は、組み込みライン用は減少したものの、軽自動車用の販売が増加したことなどから、前連結会計年度並みとなりました。補修用は車検交換需要の低下により売上高が減少し、全体では前連結会計年度を下回りました。一般産業用ベルトは、射出成形機業界やロボット業界向けの販売が好調に推移したことから大幅に売上高が増加しました。また、搬送ベルトは通販市場の拡大に伴い物流業界向けの売上高が増加し、合成樹脂素材も半導体・液晶製造装置向けを中心に増加しました。一方、OA機器用ベルトはユーザの中国市場向け機種の減少影響などから、売上高は減少しました。
海外ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ8.4%増加の319億74百万円となりました。自動車用ベルトは、米国では積極的な拡販活動による新規受注の獲得により売上高が伸張し、アジアでは補修市場での拡販活動が奏功したことや、二輪車用の新機種への組み込みなどから売上高が増加しました。また、欧州においても売上高が増加し、自動車用ベルト全体では売上高が伸張いたしました。一般産業用ベルトは、アジアでは中国市場で農業機械用の落ち込みがあったものの、タイ・インドネシアなどの東南アジアで一般補修用の拡販により売上高が増加しました。米国・欧州においては為替の影響により売上高が増加し、一般産業用ベルト全体では売上高が増加いたしました。また、OA機器用ベルトは横ばいで推移しました。
建設資材事業の売上高は、前連結会計年度と比べ9.2%減少の48億54百万円となりました。建築部門は公共や民間の改修工事の需要が減少したことに加え、土木部門も大型の工事物件が少なかったことから、全体では売上高が減少しました。
その他の売上高は、前連結会計年度と比べ1.8%増加の47億27百万円となりました。その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
ロ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度と比べ5.7%増加の471億82百万円となりました。また、販売費及び一般管理費も前連結会計年度と比べ3.8%増加の139億82百万円となり、営業費用全体では前連結会計年度と比べ5.2%増加の611億65百万円となりました。
ハ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の2億9百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は3億79百万円の収益(純額)となりました。
金融収支が、前連結会計年度の4億8百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は4億17百万円の収益(純額)と改善したことに加えて、為替差損の減少等により、その他営業外損益項目が前連結会計年度の1億98百万円の費用(純額)から当連結会計年度は38百万円の費用(純額)と改善しました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ3.8%増加の88億8百万円となりました。
ニ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の9億18百万円の利益(純額)に対し、当連結会計年度は1億13百万円の利益(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ5.2%減少の89億21百万円となりました。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ6.2%減少の62億52百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の108円15銭に対し、当連結会計年度は103円32銭となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、自動車産業、一般産業、情報機器関連産業、建築・土木産業への売上高がグループ全体売上高に対する大きな割合を占めていることから、これらの産業は環境の変化も大きく、また、競争も激しいため常に厳しい経営環境と言えます。
当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、国内・海外の市場動向、為替動向、資材費の動向、諸外国の政策方針に伴う輸出入規制の動向などがあげられます。
こうした中でも、当社グループは、グローバル市場における競争に勝ち残っていくとともに、財務基盤を強化し、ユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を提供できるものづくりを目指し、「品質を作り、品質を売る」をモットーにグループ全体の強固な経営基盤を確立すべく、取り組んでいきます。
経営環境の変化に対応できるよう、常にムダを省き、合理化、生産性向上を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築していきます。
また、当社グループは海外との取引が約半分を占めることから、計画段階での想定レートを厳しく設定し、経営に大きな影響が及ばないよう配慮して取り組んでいます。さらに、海外との取引上の規制等の問題については、グループの現地法人との定期的な会合等を通じて、情報共有に努めています。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達することを基本とし、このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は長期借入金で調達しております。一方で、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内での余剰資金の有効活用を図っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は59億52百万円であります。また、現金及び現金同等物の残高は280億74百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載している'17中期指針の初年度である2017年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
売上高は計画比3.7%増となりました。
営業利益は、原油安による原材料費の減少や原価低減への取組み等が奏功し計画比13.5%増となりました。また、営業利益率は12.1%と計画(11%以上)を達成しました。
経常利益も、営業利益と同様の理由により計画比18.9%増となり、いずれも計画を上回りました。
2017年度
計画 | 実績 | 計画比 | ||
売上高 | (億円) | 670 | 695 | 3.7% |
営業利益 | (億円) | 74 | 84 | 13.5% |
営業利益率 | 11%以上 | 12.1% | - | |
経常利益 | (億円) | 74 | 88 | 18.9% |
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[国内ベルト事業]
自動車用ベルトの売上高は、組み込みライン用は減少したものの、軽自動車用の販売が増加したことなどから、前連結会計年度並みとなりました。補修用は車検交換需要の低下により売上高が減少し、全体では前連結会計年度を下回りました。
一般産業用ベルトは、射出成形機業界やロボット業界向けの販売が好調に推移したことから大幅に売上高が増加しました。また、搬送ベルトは通販市場の拡大に伴い物流業界向けの売上高が増加し、合成樹脂素材も半導体・液晶製造装置向けを中心に増加しました。
一方、OA機器用ベルトはユーザの中国市場向け機種の減少影響などから、売上高は減少しました。
その結果、当事業の売上高は280億37百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は73億13百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備や自動車用機能部品の製造設備の増設を行うとともに、試験設備の増強、老朽化設備の更新などにより、573億71百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。
[海外ベルト事業]
自動車用ベルトは、米国では積極的な拡販活動による新規受注の獲得により売上高が伸張し、アジアでは補修市場での拡販活動が奏功したことや、二輪車用の新機種への組み込みなどから売上高が増加しました。また、欧州においても売上高が増加し、自動車用ベルト全体では売上高が伸張いたしました。
一般産業用ベルトは、アジアでは中国市場で農業機械用の落ち込みがあったものの、タイ・インドネシアなどの東南アジアで一般補修用の拡販により売上高が増加しました。米国・欧州においては為替の影響により売上高が増加し、一般産業用ベルト全体では売上高が増加いたしました。
また、OA機器用ベルトは横ばいで推移しました。
その結果、当事業の売上高は319億74百万円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益は34億34百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。
また、セグメント資産は、老朽化設備の更新などにより、345億88百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。
[建設資材事業]
建築部門は公共や民間の改修工事の需要が減少したことに加え、土木部門も大型の工事物件が少なかったことから、全体では売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は48億54百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業利益は1億25百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
また、セグメント資産は23億49百万円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。
[その他]
その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
当事業の売上高は47億27百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は1億86百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
また、セグメント資産は56億92百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。