有価証券報告書-第106期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により企業収益の大幅な低下や雇用環境の悪化が続きましたが、感染対策を行いながら徐々に経済活動を戻していくなか、業種格差はありますが、生産や個人消費に持ち直しの動きが見られました。
海外経済については、いち早く景気回復した中国にけん引され、下期にかけてグローバルに需要の回復が見られました。
このような環境のもと、当社グループは感染防止対策に注力するとともに、従業員の身の安全と雇用維持ができるよう努める一方、売上高と利益の確保も最大限図れるよう、活動してまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高64,862百万円(前連結会計年度比8.7%減)、営業利益4,968百万円(前連結会計年度比31.9%減)、経常利益5,759百万円(前連結会計年度比24.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,066百万円(前連結会計年度比25.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内ベルト事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。
海外ベルト事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。
建設資材事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して698百万円増加の8,612百万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が1,957百万円減少した反面、たな卸資産の増減額が1,504百万円減少したことに加え、その他の流動資産の増減額が758百万円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,722百万円減少の3,071百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して定期預金の預入による支出が1,196百万円減少した反面、定期預金の払戻による収入が4,871百万円減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,104百万円増加の4,104百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入が600百万円減少した反面、自己株式の取得による支出が2,467百万円減少したことによるものです。
営業、投資、財務の各活動によるキャッシュ・フローの合計額に為替換算差額1,160百万円を加算し、現金及び現金同等物の増加額が2,597百万円となり、これに期首残高31,143百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は33,741百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、外注製品受入高は含まれておりません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 財政状態
当連結会計年度末は、現金及び預金の増加等により流動資産が3,581百万円、投資有価証券の増加等により固定資産が3,328百万円とそれぞれ増加したことから、総資産は前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。
負債は、借入金の減少等により流動負債が168百万円減少したものの、繰延税金負債の増加等により固定負債が767百万円増加したことから、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,496百万円増加したほか、その他の包括利益累計額が3,816百万円増加した結果、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の71.1%から72.4%に上昇しました。
前連結会計年度との比較は下記のとおりであります。
2) 経営成績
イ 売上高
売上高は、前連結会計年度と比べ8.7%減少の64,862百万円となりました。
国内ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ9.1%減少の24,777百万円となりました。自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。
海外ベルト事業の売上高は、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、前連結会計年度と比べ8.9%減少の29,611百万円となりました。第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。
建設資材事業の売上高は、前連結会計年度と比べ16.4%減少の5,747百万円となりました。建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。
その他の売上高は、前連結会計年度と比べ7.0%増加の4,726百万円となりました。その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
ロ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度と比べ6.8%減少の45,868百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ3.6%減少の14,025百万円となり、営業費用全体では前連結会計年度と比べ6.1%減少の59,894百万円となりました。
ハ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の360百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は791百万円の収益(純額)となりました。
金融収支が、前連結会計年度の535百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は366百万円の収益(純額)と悪化した反面、為替が差損から差益に転じたこと等により、その他営業外損益項目は前連結会計年度の174百万円の費用(純額)から当連結会計年度は424百万円の収益(純額)と改善しました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ24.8%減少の5,759百万円となりました。
ニ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の154百万円の利益(純額)に対し、当連結会計年度は97百万円の利益(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ25.1%減少の5,857百万円となりました。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ25.6%減少の4,066百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の183円61銭に対し、当連結会計年度は139円84銭となりました。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因等
当社グループは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業、建築・土木産業への売上高がグループ全体売上高に対する大きな割合を占めていることから、これらの産業は環境の変化も大きく、また、競争も激しいため常に厳しい経営環境と言えます。
当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、国内・海外の市場動向、為替動向、資材費の動向、諸外国の政策方針に伴う輸出入規制の動向などがあげられます。
こうした中でも、当社グループは、グローバル市場における競争に勝ち残っていくとともに、財務基盤を強化し、ユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を提供できるものづくりを目指し、「品質を作り、品質を売る」という創業の精神のもと、グループ全体の強固な経営基盤を確立すべく、取り組んでいきます。
経営環境の変化に対応できるよう、常にムダを省き、合理化、生産性向上を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築して行きます。
また、当社グループは海外との取引が約半分を占めることから、計画段階での想定レートを厳しく設定し、経営に大きな影響が及ばないよう配慮して取り組んでいます。さらに、海外との取引上の規制等の問題については、グループの現地法人との定期的な会合等を通じて、情報共有に努めています。
4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 目標とする経営指標」に記載のとおり、2020年度からの経営目標となる中期3か年計画は、作成段階で新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な景気後退局面を迎えたことから、開示を延期いたしました。
なお、以前より目標としている営業利益率11%以上については、2020年度は7.7%と未達となりました。
5) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[国内ベルト事業]
自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。
その結果、当事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、試験設備の増強、老朽化設備の更新などにより、58,434百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
[海外ベルト事業]
当事業においては、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、当事業全体の売上高は期間累計では減少しました。しかしながら、第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、老朽化設備の更新などにより、43,857百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。
[建設資材事業]
建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
また、セグメント資産は2,945百万円(前連結会計年度比11.4%減)となりました。
[その他]
その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。
また、セグメント資産は4,684百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達することを基本とし、このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は長期借入金で調達しております。一方で、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内での余剰資金の有効活用を図っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,094百万円であります。また、現金及び現金同等物の残高は33,741百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な連結財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
a.有価証券
投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に適切に分類し、会計処理しております。減損処理にあたっては、その他有価証券で時価のあるものについて、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理の対象とし、30%から50%までのものについては当該会社の資産状況、金額の重要性等を勘案して必要と認められる額を減損処理の対象としております。また、非上場株式については、純資産額が50%以上下落した場合に減損処理の対象としております。
b.たな卸資産
たな卸資産は、棚卸資産の評価に関する会計基準に基づき適切に評価しております。
c.営業債権
営業債権は、貸借対照表日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、貸借対照表日後に出荷したもの、委託又は試用販売のために出荷したもの等に係る債権は含めておりません。また、貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しております。
d.繰延税金資産
適正な法人税等及び法人税等調整額を計上しております。繰延税金資産に関しては将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。
e.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により企業収益の大幅な低下や雇用環境の悪化が続きましたが、感染対策を行いながら徐々に経済活動を戻していくなか、業種格差はありますが、生産や個人消費に持ち直しの動きが見られました。
海外経済については、いち早く景気回復した中国にけん引され、下期にかけてグローバルに需要の回復が見られました。
このような環境のもと、当社グループは感染防止対策に注力するとともに、従業員の身の安全と雇用維持ができるよう努める一方、売上高と利益の確保も最大限図れるよう、活動してまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高64,862百万円(前連結会計年度比8.7%減)、営業利益4,968百万円(前連結会計年度比31.9%減)、経常利益5,759百万円(前連結会計年度比24.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,066百万円(前連結会計年度比25.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内ベルト事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。
海外ベルト事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。
建設資材事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して698百万円増加の8,612百万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が1,957百万円減少した反面、たな卸資産の増減額が1,504百万円減少したことに加え、その他の流動資産の増減額が758百万円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,722百万円減少の3,071百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して定期預金の預入による支出が1,196百万円減少した反面、定期預金の払戻による収入が4,871百万円減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,104百万円増加の4,104百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入が600百万円減少した反面、自己株式の取得による支出が2,467百万円減少したことによるものです。
営業、投資、財務の各活動によるキャッシュ・フローの合計額に為替換算差額1,160百万円を加算し、現金及び現金同等物の増加額が2,597百万円となり、これに期首残高31,143百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は33,741百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 20,319 | △7.3 |
海外ベルト事業 | 21,636 | △15.6 |
建設資材事業 | 2,464 | △24.2 |
その他 | 1,423 | △32.5 |
合計 | 45,844 | △13.3 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、外注製品受入高は含まれておりません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 28,127 | △2.5 | 2,733 | 21.2 |
海外ベルト事業 | 31,290 | 0.9 | 3,338 | 101.2 |
建設資材事業 | 5,581 | △14.4 | 340 | △5.2 |
その他 | 500 | 61.6 | 41 | 135.8 |
合計 | 65,500 | △1.8 | 6,453 | 50.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
国内ベルト事業 | 24,777 | △9.1 |
海外ベルト事業 | 29,611 | △8.9 |
建設資材事業 | 5,747 | △16.4 |
その他 | 4,726 | 7.0 |
合計 | 64,862 | △8.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 財政状態
当連結会計年度末は、現金及び預金の増加等により流動資産が3,581百万円、投資有価証券の増加等により固定資産が3,328百万円とそれぞれ増加したことから、総資産は前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。
負債は、借入金の減少等により流動負債が168百万円減少したものの、繰延税金負債の増加等により固定負債が767百万円増加したことから、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,496百万円増加したほか、その他の包括利益累計額が3,816百万円増加した結果、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の71.1%から72.4%に上昇しました。
前連結会計年度との比較は下記のとおりであります。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
総資産額 | (百万円) | 101,154 | 108,063 | 6,909 |
純資産額 | (百万円) | 71,953 | 78,264 | 6,311 |
自己資本比率 | (%) | 71.1 | 72.4 | 1.3 |
1株当たり純資産額 | (円) | 2,474.56 | 2,691.63 | 217.07 |
2) 経営成績
イ 売上高
売上高は、前連結会計年度と比べ8.7%減少の64,862百万円となりました。
国内ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ9.1%減少の24,777百万円となりました。自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。
海外ベルト事業の売上高は、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、前連結会計年度と比べ8.9%減少の29,611百万円となりました。第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。
建設資材事業の売上高は、前連結会計年度と比べ16.4%減少の5,747百万円となりました。建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。
その他の売上高は、前連結会計年度と比べ7.0%増加の4,726百万円となりました。その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
ロ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度と比べ6.8%減少の45,868百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ3.6%減少の14,025百万円となり、営業費用全体では前連結会計年度と比べ6.1%減少の59,894百万円となりました。
ハ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の360百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は791百万円の収益(純額)となりました。
金融収支が、前連結会計年度の535百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は366百万円の収益(純額)と悪化した反面、為替が差損から差益に転じたこと等により、その他営業外損益項目は前連結会計年度の174百万円の費用(純額)から当連結会計年度は424百万円の収益(純額)と改善しました。
この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ24.8%減少の5,759百万円となりました。
ニ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の154百万円の利益(純額)に対し、当連結会計年度は97百万円の利益(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ25.1%減少の5,857百万円となりました。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ25.6%減少の4,066百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の183円61銭に対し、当連結会計年度は139円84銭となりました。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因等
当社グループは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業、建築・土木産業への売上高がグループ全体売上高に対する大きな割合を占めていることから、これらの産業は環境の変化も大きく、また、競争も激しいため常に厳しい経営環境と言えます。
当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、国内・海外の市場動向、為替動向、資材費の動向、諸外国の政策方針に伴う輸出入規制の動向などがあげられます。
こうした中でも、当社グループは、グローバル市場における競争に勝ち残っていくとともに、財務基盤を強化し、ユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を提供できるものづくりを目指し、「品質を作り、品質を売る」という創業の精神のもと、グループ全体の強固な経営基盤を確立すべく、取り組んでいきます。
経営環境の変化に対応できるよう、常にムダを省き、合理化、生産性向上を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築して行きます。
また、当社グループは海外との取引が約半分を占めることから、計画段階での想定レートを厳しく設定し、経営に大きな影響が及ばないよう配慮して取り組んでいます。さらに、海外との取引上の規制等の問題については、グループの現地法人との定期的な会合等を通じて、情報共有に努めています。
4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 目標とする経営指標」に記載のとおり、2020年度からの経営目標となる中期3か年計画は、作成段階で新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な景気後退局面を迎えたことから、開示を延期いたしました。
なお、以前より目標としている営業利益率11%以上については、2020年度は7.7%と未達となりました。
5) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[国内ベルト事業]
自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。
その結果、当事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、試験設備の増強、老朽化設備の更新などにより、58,434百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
[海外ベルト事業]
当事業においては、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、当事業全体の売上高は期間累計では減少しました。しかしながら、第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。
また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、老朽化設備の更新などにより、43,857百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。
[建設資材事業]
建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。
その結果、当事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
また、セグメント資産は2,945百万円(前連結会計年度比11.4%減)となりました。
[その他]
その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。
その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。
また、セグメント資産は4,684百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達することを基本とし、このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は長期借入金で調達しております。一方で、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内での余剰資金の有効活用を図っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,094百万円であります。また、現金及び現金同等物の残高は33,741百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な連結財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
a.有価証券
投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に適切に分類し、会計処理しております。減損処理にあたっては、その他有価証券で時価のあるものについて、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理の対象とし、30%から50%までのものについては当該会社の資産状況、金額の重要性等を勘案して必要と認められる額を減損処理の対象としております。また、非上場株式については、純資産額が50%以上下落した場合に減損処理の対象としております。
b.たな卸資産
たな卸資産は、棚卸資産の評価に関する会計基準に基づき適切に評価しております。
c.営業債権
営業債権は、貸借対照表日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、貸借対照表日後に出荷したもの、委託又は試用販売のために出荷したもの等に係る債権は含めておりません。また、貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しております。
d.繰延税金資産
適正な法人税等及び法人税等調整額を計上しております。繰延税金資産に関しては将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。
e.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。