有価証券報告書-第91期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症といいます。)の影響により、世界の貿易や観光による往来等が閉鎖され、外出自粛などによるヒト・モノ・カネの動きがストップしました。その結果、社会や経済活動の制約が強まり、企業収益や雇用環境が急速に悪化するとともに、個人消費も大きく落ち込みました。2020年4月に発出された緊急事態宣言解除後は、GoToトラベルやGoToイートなどの政策効果により経済活動に回復の兆しが見られたものの年明け後には再び緊急事態宣言の発出となり、感染症は収束に向かわず、再び不透明な先行きとなりました。
このような状況の中、当社グループは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨くで世界を変える」ための取組みを強化してまいりました。特に営業拠点のホームオフィス化やシェアオフィスへの移転、本社オフィスにおきましても同じくシェアオフィスへ移転し、コスト効率を高めると同時に場所を選ばない働き方への転換をいたしました。さらに、従前より進めてきた社内のIT促進によるペーパーレス化やコミュニケーションの円滑化により、本社間接部門の社員や営業部門の社員の通勤時間等を削減し、時間の有効活用や仕事の業務効率向上、感染リスクの低減に努めてまいりました。工場の生産ライン等の職種を除き、多くの部門において場所と時間を選ばない働き方をスタンダードとし、テレワーク環境下におきましても、業務効率を上げながら企業運営を行うことができました。
当社グループの事業環境におきましては、当連結会計年度の前半に自動車市場停滞の影響を受けたものの、半導体市場は、感染症防止のためテレワークやリモート会議等の社会的な促進や普及により、データセンターやPC向け需要が増加し、ハードディスク、光ファイバーともに市況が堅調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は売上高73億61百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は3億59百万円(前年同期は1億70百万円の営業損失)、経常利益は3億1百万円(前年同期は1億65百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は87百万円(前年同期は、78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
・ 製品事業
製品事業の売上高は、64億16百万円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益は3億39百万円(前年同期は78百万円のセグメント利益)となりました。世界的な製造業の停滞等により相対的に利益率の低い日本研紙製品の売上が減少した一方で、利益率の高いハードディスク市場が緩やかながら復調したこと等により減収増益となりました。
・ 受託事業
受託事業の売上高は、9億44百万円(前年同期比86.6%増)、セグメント利益は19百万円(前年同期は2億49百万円のセグメント損失)となりました。半導体関連の受託研磨需要増が主要因で売上が増加したことに加え、製品事業と受託事業に係る固定費の削減等により増収増益となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加の113億円となりました。
主な内容は、現金及び預金の増加2億83百万円、受取手形及び売掛金の増加2億79百万円、仕掛品1億93百万円の減少、減損損失1億60百万円の計上に伴う固定資産の減少等であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加の69億28百万円となりました。主な内容は、1年内返済予定の長期借入金の増加2億53百万円、長期借入金の増加6億37百万円、社債の減少1億60百万円、支払手形及び買掛金の減少1億57百万円、退職給付に係る負債の減少1億24百万円、未払金の減少1億11百万円、1年内償還予定の社債の減少59百万円、繰延税金負債の減少46百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億65百万円増加の43億72百万円となりました。主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益87百万円、為替換算調整勘定の増加1億52百万円等であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、38.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2億82百万円増加の28億62百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1億14百万円の減少(前年同期は6億73百万円の増加)となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益1億15百万円、減価償却費3億39百万円、減損損失1億60百万円、退職給付に係る負債の減少1億24百万円、関係会社整理損失引当金の減少1億23百万円、売上債権の増加による減少2億14百万円、たな卸資産の減少による増加1億24百万円、未収入金の増加による減少1億8百万円、仕入債務の減少2億20百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億25百万円の減少(前年同期は1億55百万円の減少)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出2億56百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億75百万円の増加(前年同期は15億16百万円の減少)となりました。主な内容は、長期借入れによる収入18億円50百万円、長期借入金の返済による支出9億62百万円、社債の償還による支出2億19百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 製品事業 | 4,246,358 | 80.6% |
| 受託事業 | 944,718 | 186.6% |
| 合計 | 5,191,077 | 89.9% |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の事業は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 製品事業 | 6,416,949 | 93.9% |
| 受託事業 | 944,718 | 186.6% |
| 合計 | 7,361,667 | 100.2% |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、新型コロナウィルス感染症(以下、感染症といいます。)拡大の影響により世界経済および
わが国の経済活動の先行きに不透明感が高まっていたものの、リモートワークやWEB会議等の普及による新たな
生活様式の社会的な普及により、ハードディスク関連や半導体関連の製品および受託事業が堅調に推移いたしま
した。その結果、売上は昨年同期と比較しわずかな増収を確保し、営業利益および経常利益は、構造改革によるコ
スト削減等の影響もあり、大幅に増加しました。2022年3月期の業績予想につきましては、引き続き感染症の影
響等による経済活動等への不透明感があるものの、ハードディスク関連および光ファイバー等利益率の高い製品
事業や受託事業が堅調に推移するものと思われ、2022年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は77億円、営業利益は4億円、経常利益は3億50百万円、親会社株主に帰属する当期利益は2億50百万円を見込んでおります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、国内外での事業活動について中長期的な視野から資金需要を認識しており、運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、社債の発行及び金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。
資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
また、これらの資金需要に対応するため、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社グループにおける資金の可視化、資金の有効活用や金融費用の削減、またリスク管理の高度化を図っております。
当連結会計年度末における社債および借入金、リース債務を含む有利子負債残高は、6億38百万円増加し、51億14百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は28億62百万円となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要顧客の情勢等については、先行きが不透明な状況ではありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度の前半までは足元の状況が継続し、その後緩やかに回復するという一定の仮定のもと、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項」の「追加情報」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、過去の実績や状況に応じて最も合理的と考えられる方法等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。