有価証券報告書-第96期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、引き続き消費者物価の上昇による家計への影響が懸念される中、米国の通商政策の不透明感や中国経済の停滞継続等、世界的なリスク要因が高まりをみせました。一方、雇用・所得環境は底堅く推移し、緩やかな回復の動きが続いたものの、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」、「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」、「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、当社グループの使命である「塗る・切る・磨くで世界を変える」を実現するための取り組みを継続してまいりました。
当社グループの事業環境におきましては、AI・データセンター投資を背景としたデータネットワーク分野が依然として好調に推移し、HDD関連及び光ファイバー関連の製品の売上高は高水準を維持しました。また、一般研磨関連製品は主要顧客向け出荷の増加や競合製品からの切り替えの進展等を背景に、各用途ともに安定した売上を確保いたしました。一方、受託事業においては、材料費の高止まりなどの市場環境の変化や顧客動向の変化により、量産案件の減少や新規試作案件の獲得に苦戦した影響で、売上高は低調に推移しました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は売上高120億59百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は5億79百万円(前年同期比38.5%減)、経常利益は6億13百万円(前年同期比28.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億5百万円(前年同期比44.5%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
・ 製品事業
製品事業の売上高は113億39百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は9億27百万円(前年同期比29.8%減)となりました。ハイテク関連製品は、AI・データセンター投資を背景とした光ファイバー及びHDD関連の需要が依然として旺盛で、光ファイバー用途、HDD関連用途は高水準を維持しました。また、一般研磨関連製品は、主要顧客向け出荷の増加や競合製品からの切り替え進展を背景に安定した売上を確保しました。
・ 受託事業
受託事業の売上高は、7億20百万円(前年同期比40.8%減)、セグメント損失は3億48百万円(前年同期は3億79百万円のセグメント損失)となりました。国内の受託塗布・スリットの縮小が主要因で、売上は減少となりました。また、材料費の高止まりなどの市場環境の変化や顧客動向の変化により、量産案件の減少や新規試作案件の獲得にも苦戦した影響で、売上高は低調に推移しました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ21億37百万円増加の180億69百万円となりました。
主な内容は、現金及び預金の増加7億77百万円、売掛金の増加3億60百万円、棚卸資産の増加6億47百万円、有形固定資産の増加1億3百万円、投資有価証券の増加1億14百万円等であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ16億54百万円増加の91億22百万円となりました。
主な内容は、買掛金の増加44百万円、短期借入金の増加15億11百万円、リース債務の増加1億78百万円、繰延税金負債の増加1億10百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1億73百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4億83百万円増加の89億46百万円となりました。
主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益5億5百万円、為替換算調整勘定の増加2億66百万円、配当金の支払による利益剰余金の減少1億44百万円、自己株式の増加による減少1億55百万円等であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、49.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ7億64百万円増加の30億79百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億22百万円の増加(前年同期は15億96百万円の増加)となりました。
主な内容は、税金等調整前当期純利益8億31百万円、減価償却費7億72百万円、負ののれん発生益2億18百万円、売上債権の増加による減少2億3百万円、棚卸資産の増加による減少5億10百万円、未収入金の増加による減少1億15百万円、法人税等の支払額2億67百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億33百万円の減少(前年同期は6億95百万円の減少)となりました。
主な内容は、有形固定資産の取得による支出5億83百万円、投資有価証券の取得による支出1億3百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1億30百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億76百万円の増加(前年同期は10億56百万円の減少)となりました。
主な内容は、短期借入金の純増額15億円、長期借入れによる収入12億円、長期借入金の返済による支出14億35百万円、自己株式の取得による支出1億99百万円、配当金の支払額1億43百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 製品事業 | 10,892,641 | 117.8% |
| 受託事業 | 720,292 | 59.2% |
| 合計 | 11,612,934 | 111.0% |
(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当社グループの事業は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 製品事業 | 11,339,086 | 113.9% |
| 受託事業 | 720,292 | 59.2% |
| 合計 | 12,059,379 | 107.9% |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| Fiber Optic Center, Inc. | 1,598,773 | 14.3% | 2,347,154 | 19.5% |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の主要顧客マーケットである半導体、ハードディスク、光ファイバー関連市場は生成AIの普及等の影響もあり好調な状況が継続する見通しである一方、地政学的リスクや米国の通商政策による貿易コストの上昇、資源価格の高騰や為替変動リスクなどの先行き不透明感が依然強く、事業環境の大きな変化に備え、慎重かつ柔軟な対応が一層求められると想定されます。
このような環境下で、当社グループは2025年11月に創業100周年を迎えました。その次の100年も見据えた経営を目指しており、「塗る・切る・磨く」の領域を一層拡げるべく、製品事業・受託事業共にさらなる成長を目指してまいります。特に、堅調な成長が見込まれる製品事業に対する成長投資として工場の自動化・省力化、AI関連の設備投資等を進めると共に、ECを活用した販売チャネルの多様化、将来に向け人材育成をはじめとする人的資本への投資も強化してまいります。また、成長戦略としてのM&Aを強化するとともに、50%を超える海外売上比率への対応として為替予約等を通じて為替リスクへの対応を進めてまいります。
2027年3月期の業績予想につきましては、売上高は130億円、営業利益は9億円、経常利益は9億円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億円を見込んでおります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、国内外での事業活動について中長期的な視野から資金需要を認識しており、運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、社債の発行、エクイティファイナンス及び金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。
資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
また、これらの資金需要に対応するため、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社グループにおける資金の可視化、資金の有効活用や金融費用の削減、またリスク管理の高度化を図っております。
当連結会計年度末における借入金、リース債務を含む有利子負債残高は、15億34百万円増加し、68億74百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は30億79百万円となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。