有価証券報告書-第75期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中で、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中貿易摩擦の動向が世界経済に与える影響など、先行きについては不透明な状況が続きました。
当社グループの主要需要先である国内建設用鋼材市場では、建築・土木分野ともに需要は堅調に推移しました。また、原材料である鉄スクラップ価格が高値圏で推移しましたが、徐々にではあるものの製品値上げの浸透が進み、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差額)は拡大しました。海外鉄鋼事業については、米国においては堅調な鋼材需要に支えられ、業績は好調でしたが、ベトナムでは競合環境激化により厳しい状況にありました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて23,654百万円(17.1%)増加し、161,916百万円となりました。これは、現金及び預金が6,064百万円、受取手形及び売掛金が5,300百万円、電子記録債権が3,102百万円、商品及び製品が3,903百万円、原材料及び貯蔵品が3,272百万円、流動資産その他が3,375百万円増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,716百万円(3.9%)増加し、99,674百万円となりました。これは、建物及び構築物が3,514百万円、のれんが3,394百万円増加し、投資有価証券が3,110百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて27,370百万円(11.7%)増加し、261,590百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて14,671百万円(22.5%)増加し、79,900百万円となりました。これは、電子記録債務が4,242百万円、短期借入金が11,069百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて7,379百万円(35.9%)増加し、27,909百万円となりました。これは、長期借入金が7,250百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて22,049百万円(25.7%)増加し、107,809百万円となりました。なお、グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から19,208百万円増加して68,787百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.5となっております。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて5,321百万円(3.6%)増加し、153,781百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益6,505百万円、剰余金の配当1,738百万円、非支配株主持分の増加1,924百万円、その他有価証券評価差額金の減少640百万円、為替換算調整勘定の減少455百万円等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて73円97銭増加し、3,299円82銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の59.8%から54.8%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、前期対比51,003百万円(26.7%)増収の242,257百万円、連結営業利益は同4,941百万円(116.0%)増益の9,200百万円、連結経常利益は同4,561百万円(111.7%)増益の8,646百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3,021百万円(86.7%)増益の6,505百万円となりました。
この結果、総資産事業利益率(ROA)は4.0%、純資産利益率(ROE)は4.6%となり、1株当たり当期純利益は149円78銭となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、国内建設鋼材需要が堅調に推移したことから、製品出荷量は前期対比6.6万トン増の175万トンとなりました。鉄スクラップ価格は前期対比トン当たり3.0千円上昇しましたが、製品価格は値上げの浸透により同10.2千円上昇したため、売買価格差は同7.1千円拡大しました。
以上の結果、売上高は前期対比23,421百万円(21.7%)増収の131,252百万円、営業利益は同6,352百万円(192.9%)増益の9,644百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門については、ベトナムと米国にて鉄鋼事業を展開しております。また、当連結会計年度第3四半期より、ベトナム北部で鉄鋼事業を手掛けるベトナム・イタリー・スチール社(VIS社)の損益を、連結子会社として連結損益に取り込んでおります。
ベトナムでは、鉄鋼需要は引き続き堅調であるものの、同業他社の生産能力増強が相次ぐなど競合環境が厳しさを増し、売買価格差が縮小したことなどにより、大幅な業績悪化となりました。
米国では、堅調な鋼材需要の下、同国の保護主義政策による輸入関税引き上げ措置によって鉄鋼需給が引き締まり、鋼材市況が上昇するなど事業環境は良好でした。
以上の結果、売上高は前期対比27,014百万円(35.1%)増収の103,879百万円、営業損失は同1,747百万円減益(前期は1,456百万円の営業利益)の291百万円となりました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、高単価の処理困難物案件の獲得が進んだほか、炭素繊維や車載リチウムイオン電池など新素材の処理量拡大により、売上高は前期対比446百万円(7.2%)増収の6,683百万円、営業利益は同324百万円(37.4%)増益の1,190百万円となりました。
その他
子会社を通じた土木資材の販売および保険代理店業等のほか、当連結会計年度より、ベトナムで港湾事業を手掛けるチー・バイ・インターナショナル・ポート社(TVP社)の損益を連結決算対象に加えております。売上高は前期対比123百万円(38.3%)増収の443百万円、営業損失は同65百万円減益(前期は25百万円の営業利益)の40百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,892百万円減少し、26,407百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益8,444百万円、当連結会計年度末において売上債権が増加したこと等による運転資金負担増10,145百万円の支出があり、更に、減価償却費等による非資金項目を加え、収入6,676百万円を計上しました。また、利息の支払額1,745百万円、法人税等の支払額1,726百万円、利息及び配当金の受取額774百万円等により、最終的には4,367百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出17,887百万円、定期預金の払戻による収入9,809百万円、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムの生産拠点の合理化投資のための有形固定資産の取得による支出5,626百万円等により、19,430百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、短期借入金の純増額7,011百万円、長期借入れによる収入10,000百万円、長期借入金の返済による支出3,270百万円、配当金の支払額1,739百万円等により、11,081百万円の収入となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、平成30年10月31日に公表した中期経営計画「Quality Up 2020」において、令和2年度の売上高2,800億円、経常利益140億円、売上高経常利益率(ROS)5%以上、純資産利益率(ROE)6%以上を目標として掲げております。当連結会計年度においては売上高242,257百万円、経常利益8,646百万円、売上高経常利益率(ROS)3.6%、純資産利益率(ROE)4.6%となっております。これに至った要因と今後の方針については下記のとおり分析・検討を行っております。
国内鉄鋼事業については、原材料である鉄スクラップの価格が下期以降下落基調で推移しました。従来はこれに伴い製品価格も下落する傾向にありましたが、近年の副資材・運賃等のコスト高を背景に適正価格の維持に努め、その結果、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)が前期対比拡大しました。出荷数量についても、前期対比で増加しました。
海外鉄鋼事業については、ベトナムと米国で大きく明暗が分かれました。米国では、堅調な鋼材需要と同国の保護主義政策による鋼材市況の高騰を背景に、前期対比大幅な増収増益となりました。一方、ベトナムでは、今後も伸長が予想される鉄鋼需要を背景に、同業他社の生産能力増強が相次ぐなど競合環境が激化しており、北部・南部とも売買価格差が縮小しました。加えて、第4四半期にはベトナム当局のスクラップ輸入に関する規制強化に伴い原材料調達に混乱が生じたことにより、製鋼工程を有する北部のVIS社、南部のビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)は一時操業休止を余儀なくされ、業績が大幅に悪化しました。この結果、海外鉄鋼事業全体では営業赤字を計上するに至りました。
環境リサイクル事業については、平成27年度以降減益傾向が続いていましたが、単価の高い処理困難廃棄物や新素材の処理に注力し、2期ぶりに10億円を超える営業利益を計上しました。
当連結会計年度は、ベトナム事業の不調を国内及び米国の鉄鋼事業と環境リサイクル事業が補う形となり、全体としては前期対比増収増益となりました。中期経営計画の初年度としては概ね順調な滑り出しであったと考えておりますが、未だ多くの課題があると考えております。
今後の方針としては、海外鉄鋼事業、特にベトナムにおける収益力の強化を最重要課題と位置付け、中期経営計画の目標達成に向けて売上高・利益水準の向上に努めてまいる所存です。
国内の建設用鋼材需要については、当面は堅調に推移するものと思われますが、中長期的には、国内の鋼材需要は減少するものと認識しております。そうした中で、今後も製造コストや運送費は高水準で推移することが予想されますが、これらに対しては、電力や各種原材料の使用原単位削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組みつつ、製品販売価格の引き上げに努めます。
海外鉄鋼事業については、平成30年5月にベトナム北部のVIS社を子会社化し、海外鉄鋼事業における事業基盤は整ったと考えておりますが、競合環境が厳しい中、当連結会計年度は赤字を計上し、収益性の強化が急務です。より競合環境の厳しい北部では、製鋼工程を持たないキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)は、原材料であるビレットの安価調達をベースに、短納期での生産・販売体制確立を目指します。VIS社は、製品品質に対する信頼性が高く、ブランド力を活かした価格政策と、販売先の拡大により収益力の強化を図ります。また、KSVC社とVIS社の連携強化、並びに顧客ニーズの高いVISブランドの拡販のため、OEMによる販売量拡大を図ります。
南部のVKS社は、製鋼フル生産とTVP社との連携強化によるコスト競争力を武器に、販売数量増へ努めてまいります。また、カンボジアを中心に、周辺諸国への輸出も強化してまいります。
米国においては、先進国の安定した鋼材需要の下、ビントン・スチール社の生産能力増強、コスト競争力強化等により、収益力を強化してまいります。
環境リサイクル事業については、引き続き処理困難廃棄物の取扱量拡大、各拠点に置ける処理品目の拡大などによって強化を図り、利益水準の向上に努めます。
当社グループは、本中期計画にて定めたあるべき姿、即ち、「世界のインフラ・環境づくりに貢献する企業」、「利益水準を向上しステークホルダーに還元する企業」、「コンプライアンス・品質を重視する企業」、「働きがいのある安全で働きやすい職場」の実現を目指し、一丸となって取り組んでまいります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、投資有価証券の購入等によるものであります。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中で、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中貿易摩擦の動向が世界経済に与える影響など、先行きについては不透明な状況が続きました。
当社グループの主要需要先である国内建設用鋼材市場では、建築・土木分野ともに需要は堅調に推移しました。また、原材料である鉄スクラップ価格が高値圏で推移しましたが、徐々にではあるものの製品値上げの浸透が進み、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差額)は拡大しました。海外鉄鋼事業については、米国においては堅調な鋼材需要に支えられ、業績は好調でしたが、ベトナムでは競合環境激化により厳しい状況にありました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて23,654百万円(17.1%)増加し、161,916百万円となりました。これは、現金及び預金が6,064百万円、受取手形及び売掛金が5,300百万円、電子記録債権が3,102百万円、商品及び製品が3,903百万円、原材料及び貯蔵品が3,272百万円、流動資産その他が3,375百万円増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,716百万円(3.9%)増加し、99,674百万円となりました。これは、建物及び構築物が3,514百万円、のれんが3,394百万円増加し、投資有価証券が3,110百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて27,370百万円(11.7%)増加し、261,590百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて14,671百万円(22.5%)増加し、79,900百万円となりました。これは、電子記録債務が4,242百万円、短期借入金が11,069百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて7,379百万円(35.9%)増加し、27,909百万円となりました。これは、長期借入金が7,250百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて22,049百万円(25.7%)増加し、107,809百万円となりました。なお、グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から19,208百万円増加して68,787百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.5となっております。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて5,321百万円(3.6%)増加し、153,781百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益6,505百万円、剰余金の配当1,738百万円、非支配株主持分の増加1,924百万円、その他有価証券評価差額金の減少640百万円、為替換算調整勘定の減少455百万円等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて73円97銭増加し、3,299円82銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の59.8%から54.8%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、前期対比51,003百万円(26.7%)増収の242,257百万円、連結営業利益は同4,941百万円(116.0%)増益の9,200百万円、連結経常利益は同4,561百万円(111.7%)増益の8,646百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3,021百万円(86.7%)増益の6,505百万円となりました。
この結果、総資産事業利益率(ROA)は4.0%、純資産利益率(ROE)は4.6%となり、1株当たり当期純利益は149円78銭となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、国内建設鋼材需要が堅調に推移したことから、製品出荷量は前期対比6.6万トン増の175万トンとなりました。鉄スクラップ価格は前期対比トン当たり3.0千円上昇しましたが、製品価格は値上げの浸透により同10.2千円上昇したため、売買価格差は同7.1千円拡大しました。
以上の結果、売上高は前期対比23,421百万円(21.7%)増収の131,252百万円、営業利益は同6,352百万円(192.9%)増益の9,644百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門については、ベトナムと米国にて鉄鋼事業を展開しております。また、当連結会計年度第3四半期より、ベトナム北部で鉄鋼事業を手掛けるベトナム・イタリー・スチール社(VIS社)の損益を、連結子会社として連結損益に取り込んでおります。
ベトナムでは、鉄鋼需要は引き続き堅調であるものの、同業他社の生産能力増強が相次ぐなど競合環境が厳しさを増し、売買価格差が縮小したことなどにより、大幅な業績悪化となりました。
米国では、堅調な鋼材需要の下、同国の保護主義政策による輸入関税引き上げ措置によって鉄鋼需給が引き締まり、鋼材市況が上昇するなど事業環境は良好でした。
以上の結果、売上高は前期対比27,014百万円(35.1%)増収の103,879百万円、営業損失は同1,747百万円減益(前期は1,456百万円の営業利益)の291百万円となりました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、高単価の処理困難物案件の獲得が進んだほか、炭素繊維や車載リチウムイオン電池など新素材の処理量拡大により、売上高は前期対比446百万円(7.2%)増収の6,683百万円、営業利益は同324百万円(37.4%)増益の1,190百万円となりました。
その他
子会社を通じた土木資材の販売および保険代理店業等のほか、当連結会計年度より、ベトナムで港湾事業を手掛けるチー・バイ・インターナショナル・ポート社(TVP社)の損益を連結決算対象に加えております。売上高は前期対比123百万円(38.3%)増収の443百万円、営業損失は同65百万円減益(前期は25百万円の営業利益)の40百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,892百万円減少し、26,407百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益8,444百万円、当連結会計年度末において売上債権が増加したこと等による運転資金負担増10,145百万円の支出があり、更に、減価償却費等による非資金項目を加え、収入6,676百万円を計上しました。また、利息の支払額1,745百万円、法人税等の支払額1,726百万円、利息及び配当金の受取額774百万円等により、最終的には4,367百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出17,887百万円、定期預金の払戻による収入9,809百万円、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムの生産拠点の合理化投資のための有形固定資産の取得による支出5,626百万円等により、19,430百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、短期借入金の純増額7,011百万円、長期借入れによる収入10,000百万円、長期借入金の返済による支出3,270百万円、配当金の支払額1,739百万円等により、11,081百万円の収入となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内鉄鋼事業(百万円) | 127,833 | 118.6% |
| 海外鉄鋼事業(百万円) | 101,369 | 131.7% |
| 環境リサイクル事業(百万円) | 6,616 | 104.7% |
| その他(百万円) | 473 | 123.4% |
| 合計(百万円) | 236,291 | 123.4% |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内鉄鋼事業(百万円) | 131,252 | 121.7% |
| 海外鉄鋼事業(百万円) | 103,879 | 135.1% |
| 環境リサイクル事業(百万円) | 6,683 | 107.2% |
| その他(百万円) | 443 | 138.3% |
| 合計(百万円) | 242,257 | 126.7% |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 阪和興業株式会社 | 22,066 | 11.54 | 26,664 | 11.01 |
| エムエム建材株式会社 | 19,535 | 10.21 | 24,375 | 10.06 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、平成30年10月31日に公表した中期経営計画「Quality Up 2020」において、令和2年度の売上高2,800億円、経常利益140億円、売上高経常利益率(ROS)5%以上、純資産利益率(ROE)6%以上を目標として掲げております。当連結会計年度においては売上高242,257百万円、経常利益8,646百万円、売上高経常利益率(ROS)3.6%、純資産利益率(ROE)4.6%となっております。これに至った要因と今後の方針については下記のとおり分析・検討を行っております。
国内鉄鋼事業については、原材料である鉄スクラップの価格が下期以降下落基調で推移しました。従来はこれに伴い製品価格も下落する傾向にありましたが、近年の副資材・運賃等のコスト高を背景に適正価格の維持に努め、その結果、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)が前期対比拡大しました。出荷数量についても、前期対比で増加しました。
海外鉄鋼事業については、ベトナムと米国で大きく明暗が分かれました。米国では、堅調な鋼材需要と同国の保護主義政策による鋼材市況の高騰を背景に、前期対比大幅な増収増益となりました。一方、ベトナムでは、今後も伸長が予想される鉄鋼需要を背景に、同業他社の生産能力増強が相次ぐなど競合環境が激化しており、北部・南部とも売買価格差が縮小しました。加えて、第4四半期にはベトナム当局のスクラップ輸入に関する規制強化に伴い原材料調達に混乱が生じたことにより、製鋼工程を有する北部のVIS社、南部のビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)は一時操業休止を余儀なくされ、業績が大幅に悪化しました。この結果、海外鉄鋼事業全体では営業赤字を計上するに至りました。
環境リサイクル事業については、平成27年度以降減益傾向が続いていましたが、単価の高い処理困難廃棄物や新素材の処理に注力し、2期ぶりに10億円を超える営業利益を計上しました。
当連結会計年度は、ベトナム事業の不調を国内及び米国の鉄鋼事業と環境リサイクル事業が補う形となり、全体としては前期対比増収増益となりました。中期経営計画の初年度としては概ね順調な滑り出しであったと考えておりますが、未だ多くの課題があると考えております。
今後の方針としては、海外鉄鋼事業、特にベトナムにおける収益力の強化を最重要課題と位置付け、中期経営計画の目標達成に向けて売上高・利益水準の向上に努めてまいる所存です。
国内の建設用鋼材需要については、当面は堅調に推移するものと思われますが、中長期的には、国内の鋼材需要は減少するものと認識しております。そうした中で、今後も製造コストや運送費は高水準で推移することが予想されますが、これらに対しては、電力や各種原材料の使用原単位削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組みつつ、製品販売価格の引き上げに努めます。
海外鉄鋼事業については、平成30年5月にベトナム北部のVIS社を子会社化し、海外鉄鋼事業における事業基盤は整ったと考えておりますが、競合環境が厳しい中、当連結会計年度は赤字を計上し、収益性の強化が急務です。より競合環境の厳しい北部では、製鋼工程を持たないキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)は、原材料であるビレットの安価調達をベースに、短納期での生産・販売体制確立を目指します。VIS社は、製品品質に対する信頼性が高く、ブランド力を活かした価格政策と、販売先の拡大により収益力の強化を図ります。また、KSVC社とVIS社の連携強化、並びに顧客ニーズの高いVISブランドの拡販のため、OEMによる販売量拡大を図ります。
南部のVKS社は、製鋼フル生産とTVP社との連携強化によるコスト競争力を武器に、販売数量増へ努めてまいります。また、カンボジアを中心に、周辺諸国への輸出も強化してまいります。
米国においては、先進国の安定した鋼材需要の下、ビントン・スチール社の生産能力増強、コスト競争力強化等により、収益力を強化してまいります。
環境リサイクル事業については、引き続き処理困難廃棄物の取扱量拡大、各拠点に置ける処理品目の拡大などによって強化を図り、利益水準の向上に努めます。
当社グループは、本中期計画にて定めたあるべき姿、即ち、「世界のインフラ・環境づくりに貢献する企業」、「利益水準を向上しステークホルダーに還元する企業」、「コンプライアンス・品質を重視する企業」、「働きがいのある安全で働きやすい職場」の実現を目指し、一丸となって取り組んでまいります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、投資有価証券の購入等によるものであります。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。