有価証券報告書-第81期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて9,594百万円(4.3%)減少し、211,297百万円となりました。これは、現金及び預金が6,857百万円、原材料及び貯蔵品が3,031百万円、流動資産その他が1,750百万円増加し、売掛金が12,325百万円、電子記録債権が9,070百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて8,205百万円(6.2%)増加し、141,531百万円となりました。これは、土地が298百万円、建設仮勘定が9,127百万円、退職給付に係る資産が1,001百万円増加し、機械装置及び運搬具が1,199百万円、無形固定資産その他が597百万円、投資有価証券が534百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,389百万円(0.4%)減少し、352,828百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4,666百万円(4.3%)減少し、103,259百万円となりました。これは、電子記録債務が2,597百万円、1年内返済予定の長期借入金が352百万円、流動負債その他が1,928百万円増加し、支払手形及び買掛金が904百万円、短期借入金が4,982百万円、未払法人税等が3,762百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4,450百万円(9.9%)減少し、40,411百万円となりました。これは、長期借入金が4,560百万円減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9,116百万円(6.0%)減少し、143,671百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて7,727百万円(3.8%)増加し、209,157百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を10,791百万円計上し、為替換算調整勘定が2,379百万円、退職給付に係る調整累計額が643百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が823百万円、非支配株主持分が621百万円、利益剰余金の配当により4,563百万円減少したこと等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて192円08銭増加し、4,670円79銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.9%から57.5%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結売上高は前期対比1,868百万円(0.6%)増収の322,849百万円、連結営業利益は同5,722百万円(27.2%)減益の15,332百万円、連結経常利益は同5,289百万円(25.1%)減益の15,745百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同3,035百万円(22.0%)減益の10,791百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、国内の建設用鋼材需要は、建設・物流現場での人手不足や働き方改革、夏場の猛暑などによる工事の遅延・長期化の影響により弱基調で推移しました。そうした中で当社の製品出荷量も前期対比13.1万トン減の145.1万トンとなりましたが、価格面では、原材料である鉄スクラップの価格が海外需要の減退により前期対比4.6千円(8.8%)下落した一方、製品価格は需要に見合った生産・販売に徹することで同3.1千円(2.9%)の下落に留めることができたため、売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)は同1.5千円(2.8%)拡大しました。しかし、人件費や運賃の上昇に加え、生産量の減少に伴う固定費の負担増など、諸コストの負担は増加しました。
以上の結果、売上高は前期対比17,120百万円(10.7%)減収の142,602百万円、営業利益は同6,697百万円(27.8%)減益の17,365百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門については、ベトナムおよび北米(米国・カナダ)にて鉄鋼事業を展開しており、いずれも決算期は12月です。
ベトナムにおいては、長期化する不動産不況に対し、政府主導のインフラ投資等による需要喚起策が取られたことから、年度後半より鋼材需要は回復に向かいました。南北拠点ともに製品出荷量は前期を上回りましたが、中国の安価鋼材の影響を受けて製品の市況が低迷したため競合環境がより激化し、当期においても赤字を計上しました。しかし南部拠点のプロジェクト案件獲得や輸出強化の取り組みなどにより、ベトナム全体の収益は前期対比大幅に改善しました。
北米においては、米国の鋼材需要は堅調に推移しましたが、米国拠点では設備の老朽化の影響により十分な生産・販売ができない状況が続きました。本社から技術者を派遣してのコスト削減の取り組みも奏功し、操業上の課題は解消に向かいつつありますが、業績面では前期に続き赤字を計上しました。カナダ拠点では、上期の需要家の買い控え等の影響を受けて出荷量は前期対比減少しましたが、新たに生産・販売を開始した利益率の高い細物鉄筋の拡販による貢献もあって、前期を上回る利益を計上しました。
以上の結果、売上高は前期対比18,940百万円(12.6%)増収の169,016百万円、営業損益は1,713百万円の営業損失となりましたが、前期(2,827百万円の営業損失)対比1,114百万円改善しました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、医療廃棄物処理における競合先との価格競争が激化する中、処理単価の高い難処理廃棄物案件の獲得を中心に業績改善に努めましたが、処理設備の不調による処理量の減少とそれに伴うコスト増などの影響等により、売上高は前期対比240百万円(3.7%)減収の6,243百万円、営業利益は同260百万円(27.9%)減益の673百万円となりました。
その他
当事業部門については、ベトナムでの港湾事業や国内およびベトナムでの鋳物事業などを行っています。売上高は前期対比287百万円(6.1%)増収の4,989百万円となり、営業利益は同368百万円(457.9%)増益の448百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて11,959百万円増加し、38,052百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、39,408百万円の収入となりました。収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益16,280百万円、減価償却費8,638百万円、減損損失2,637百万円、売上債権の減少額24,103百万円、棚卸資産の増加額1,469百万円、仕入債務の増加額1,153百万円、保険金の受取額2,765百万円、利息の支払額2,927百万円、法人税等の支払額9,331百万円等によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,882百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、定期預金等の預入による支出24,719百万円、定期預金等の払戻による収入30,219百万円、有形固定資産の取得による支出13,555百万円等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、18,224百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、短期借入金の純減額7,751百万円、長期借入金の返済による支出4,840百万円、配当金の支払額4,563百万円等によります。
③生産、受注および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価によっています。
b. 受注実績
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しています。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
主要な原材料価格および販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループは、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」において、最終年度の売上高3,800億円、経常利益250億円、製品出荷量400万トン体制の確立、自己資本利益率(ROE)8%以上などを目標として掲げ、その達成に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。初年度となる当連結会計年度においては、国内・海外ともに想定以上に厳しい事業環境となり、期初の目標には達しませんでしたが、当連結会計期間中に修正した利益目標(経常利益150億円)は達成することができました。
国内鉄鋼事業については、建設現場の人手不足や猛暑の影響を受けた建設用鋼材需要の減少が想定以上となり、当社グループの製品出荷量も前期対比減の145万トンとなりました。そうした中で国内鉄筋市場のトップシェアを確保しつつ製品価格の維持・引き上げを進めて売買価格差の拡大につなげ、前期対比減収減益となったものの一定水準の利益を計上したことは、相応に健闘したと総括しています。
海外鉄鋼事業については、想定よりも回復が遅れ、前期に続き赤字を計上する結果となりましたが、全体の業績面は底を打ったと考えております。ベトナムでは、現地鉄鋼メーカーの供給過剰による安値販売状況が続くなど競争環境は依然厳しく、赤字が継続しましたが、需要は回復基調にあり、各拠点の出荷量は増加しました。これによる稼働率の改善効果もあり、各拠点の製造コストは大幅に低減したことに加え、北部拠点のひとつである単圧工場(製鋼工程を持たない圧延工程のみの工場)では、スクラップ相場とビレット相場の変動に合わせた低在庫経営の徹底により通期で黒字を達成、南部拠点も月次では黒字基調に転換してきています。
北米では、米国拠点は2023年の火災事故以降の操業不調が続く中、市況の軟化もあり赤字が継続しましたが、日本からの技術支援や人員の削減などにより、業績回復に向かいつつある状況です。一方、好調なカナダ拠点については細物鉄筋の商業生産開始の相乗効果が想定以上にあり、大幅増益で着地しました。海外鉄鋼事業については、短期的な対策に加え、中長期的な対策についても、ベトナム北部と米国における大型設備投資など必要な手を打つことができたことから、海外鉄鋼事業の収益回復に目途が付きつつあると総括しています。
環境リサイクル事業については、医療廃棄物処理における競合先との価格競争の激化などもあり、前期対比大幅減益となりました。料金体系の見直しや業務の効率化、営業体制の見直しなど、抜本的な戦略の見直しを行っていますが、新型コロナウイルス関連案件が多くあった2021年度の利益水準に回復するまでには少々時間を要すると考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しています。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
(注)1.各指標の算出は以下の算式を使用しています。
- 自己資本比率:自己資本/総資産
- 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
- キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
- インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.2022年3月期については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載していません。
b. 資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用です。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、M&Aによる株式取得等によるものです。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入および社債の発行を基本としています。
また、経営基盤である財務の健全性や経営の透明性を高めるとともに、資金調達の多様化や安定化を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資金調達を可能にするため、当社は株式会社日本格付研究所から格付けを取得しており、本報告書提出時点において、格付は「A-(見通し:安定的)」となっています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、財政状態および経営成績に大きな影響を及ぼすと考えています。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損の検討にあたり、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しています。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて9,594百万円(4.3%)減少し、211,297百万円となりました。これは、現金及び預金が6,857百万円、原材料及び貯蔵品が3,031百万円、流動資産その他が1,750百万円増加し、売掛金が12,325百万円、電子記録債権が9,070百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて8,205百万円(6.2%)増加し、141,531百万円となりました。これは、土地が298百万円、建設仮勘定が9,127百万円、退職給付に係る資産が1,001百万円増加し、機械装置及び運搬具が1,199百万円、無形固定資産その他が597百万円、投資有価証券が534百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,389百万円(0.4%)減少し、352,828百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4,666百万円(4.3%)減少し、103,259百万円となりました。これは、電子記録債務が2,597百万円、1年内返済予定の長期借入金が352百万円、流動負債その他が1,928百万円増加し、支払手形及び買掛金が904百万円、短期借入金が4,982百万円、未払法人税等が3,762百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4,450百万円(9.9%)減少し、40,411百万円となりました。これは、長期借入金が4,560百万円減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9,116百万円(6.0%)減少し、143,671百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて7,727百万円(3.8%)増加し、209,157百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を10,791百万円計上し、為替換算調整勘定が2,379百万円、退職給付に係る調整累計額が643百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が823百万円、非支配株主持分が621百万円、利益剰余金の配当により4,563百万円減少したこと等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて192円08銭増加し、4,670円79銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.9%から57.5%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結売上高は前期対比1,868百万円(0.6%)増収の322,849百万円、連結営業利益は同5,722百万円(27.2%)減益の15,332百万円、連結経常利益は同5,289百万円(25.1%)減益の15,745百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同3,035百万円(22.0%)減益の10,791百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、国内の建設用鋼材需要は、建設・物流現場での人手不足や働き方改革、夏場の猛暑などによる工事の遅延・長期化の影響により弱基調で推移しました。そうした中で当社の製品出荷量も前期対比13.1万トン減の145.1万トンとなりましたが、価格面では、原材料である鉄スクラップの価格が海外需要の減退により前期対比4.6千円(8.8%)下落した一方、製品価格は需要に見合った生産・販売に徹することで同3.1千円(2.9%)の下落に留めることができたため、売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)は同1.5千円(2.8%)拡大しました。しかし、人件費や運賃の上昇に加え、生産量の減少に伴う固定費の負担増など、諸コストの負担は増加しました。
以上の結果、売上高は前期対比17,120百万円(10.7%)減収の142,602百万円、営業利益は同6,697百万円(27.8%)減益の17,365百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門については、ベトナムおよび北米(米国・カナダ)にて鉄鋼事業を展開しており、いずれも決算期は12月です。
ベトナムにおいては、長期化する不動産不況に対し、政府主導のインフラ投資等による需要喚起策が取られたことから、年度後半より鋼材需要は回復に向かいました。南北拠点ともに製品出荷量は前期を上回りましたが、中国の安価鋼材の影響を受けて製品の市況が低迷したため競合環境がより激化し、当期においても赤字を計上しました。しかし南部拠点のプロジェクト案件獲得や輸出強化の取り組みなどにより、ベトナム全体の収益は前期対比大幅に改善しました。
北米においては、米国の鋼材需要は堅調に推移しましたが、米国拠点では設備の老朽化の影響により十分な生産・販売ができない状況が続きました。本社から技術者を派遣してのコスト削減の取り組みも奏功し、操業上の課題は解消に向かいつつありますが、業績面では前期に続き赤字を計上しました。カナダ拠点では、上期の需要家の買い控え等の影響を受けて出荷量は前期対比減少しましたが、新たに生産・販売を開始した利益率の高い細物鉄筋の拡販による貢献もあって、前期を上回る利益を計上しました。
以上の結果、売上高は前期対比18,940百万円(12.6%)増収の169,016百万円、営業損益は1,713百万円の営業損失となりましたが、前期(2,827百万円の営業損失)対比1,114百万円改善しました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、医療廃棄物処理における競合先との価格競争が激化する中、処理単価の高い難処理廃棄物案件の獲得を中心に業績改善に努めましたが、処理設備の不調による処理量の減少とそれに伴うコスト増などの影響等により、売上高は前期対比240百万円(3.7%)減収の6,243百万円、営業利益は同260百万円(27.9%)減益の673百万円となりました。
その他
当事業部門については、ベトナムでの港湾事業や国内およびベトナムでの鋳物事業などを行っています。売上高は前期対比287百万円(6.1%)増収の4,989百万円となり、営業利益は同368百万円(457.9%)増益の448百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて11,959百万円増加し、38,052百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、39,408百万円の収入となりました。収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益16,280百万円、減価償却費8,638百万円、減損損失2,637百万円、売上債権の減少額24,103百万円、棚卸資産の増加額1,469百万円、仕入債務の増加額1,153百万円、保険金の受取額2,765百万円、利息の支払額2,927百万円、法人税等の支払額9,331百万円等によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,882百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、定期預金等の預入による支出24,719百万円、定期預金等の払戻による収入30,219百万円、有形固定資産の取得による支出13,555百万円等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、18,224百万円の支出となりました。収支の主な内訳は、短期借入金の純減額7,751百万円、長期借入金の返済による支出4,840百万円、配当金の支払額4,563百万円等によります。
③生産、受注および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内鉄鋼事業(百万円) | 114,506 | 92.1 |
| 海外鉄鋼事業(百万円) | 135,749 | 115.9 |
| 環境リサイクル事業(百万円) | 4,922 | 98.3 |
| その他(百万円) | 3,886 | 103.5 |
| 合計(百万円) | 259,062 | 103.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価によっています。
b. 受注実績
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しています。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内鉄鋼事業(百万円) | 142,602 | 89.3 |
| 海外鉄鋼事業(百万円) | 169,016 | 112.6 |
| 環境リサイクル事業(百万円) | 6,243 | 96.3 |
| その他(百万円) | 4,989 | 106.1 |
| 合計(百万円) | 322,849 | 100.6 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 阪和興業株式会社 | 36,475 | 11.4 | 32,920 | 10.2 |
主要な原材料価格および販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループは、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」において、最終年度の売上高3,800億円、経常利益250億円、製品出荷量400万トン体制の確立、自己資本利益率(ROE)8%以上などを目標として掲げ、その達成に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。初年度となる当連結会計年度においては、国内・海外ともに想定以上に厳しい事業環境となり、期初の目標には達しませんでしたが、当連結会計期間中に修正した利益目標(経常利益150億円)は達成することができました。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2027年3月期 | ||
| 実績 | 実績 | 最終年度目標 | ||
| 売上高 | 3,210億円 | 3,228億円 | 3,800億円 | |
| 経常利益 | 210億円 | 157億円 | 250億円 | |
| 製品出荷量 | 307万トン | 313万トン | 400万トン | |
| (国内) | 158万トン | 145万トン | 160万トン | |
| (海外) | 149万トン | 168万トン | 240万トン | |
| ROE | 7.4% | 5.4% | 8%以上 | |
| 配当性向 | 28.3% | 36.2% | 30~35% |
国内鉄鋼事業については、建設現場の人手不足や猛暑の影響を受けた建設用鋼材需要の減少が想定以上となり、当社グループの製品出荷量も前期対比減の145万トンとなりました。そうした中で国内鉄筋市場のトップシェアを確保しつつ製品価格の維持・引き上げを進めて売買価格差の拡大につなげ、前期対比減収減益となったものの一定水準の利益を計上したことは、相応に健闘したと総括しています。
海外鉄鋼事業については、想定よりも回復が遅れ、前期に続き赤字を計上する結果となりましたが、全体の業績面は底を打ったと考えております。ベトナムでは、現地鉄鋼メーカーの供給過剰による安値販売状況が続くなど競争環境は依然厳しく、赤字が継続しましたが、需要は回復基調にあり、各拠点の出荷量は増加しました。これによる稼働率の改善効果もあり、各拠点の製造コストは大幅に低減したことに加え、北部拠点のひとつである単圧工場(製鋼工程を持たない圧延工程のみの工場)では、スクラップ相場とビレット相場の変動に合わせた低在庫経営の徹底により通期で黒字を達成、南部拠点も月次では黒字基調に転換してきています。
北米では、米国拠点は2023年の火災事故以降の操業不調が続く中、市況の軟化もあり赤字が継続しましたが、日本からの技術支援や人員の削減などにより、業績回復に向かいつつある状況です。一方、好調なカナダ拠点については細物鉄筋の商業生産開始の相乗効果が想定以上にあり、大幅増益で着地しました。海外鉄鋼事業については、短期的な対策に加え、中長期的な対策についても、ベトナム北部と米国における大型設備投資など必要な手を打つことができたことから、海外鉄鋼事業の収益回復に目途が付きつつあると総括しています。
環境リサイクル事業については、医療廃棄物処理における競合先との価格競争の激化などもあり、前期対比大幅減益となりました。料金体系の見直しや業務の効率化、営業体制の見直しなど、抜本的な戦略の見直しを行っていますが、新型コロナウイルス関連案件が多くあった2021年度の利益水準に回復するまでには少々時間を要すると考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しています。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 自己資本比率 | 54.7% | 51.9% | 53.2% | 54.9% | 57.5% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 25.6% | 18.5% | 20.7% | 29.6% | 23.2% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 521.8% | - | 523.9% | 387.0% | 215.6% |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 11.2倍 | - | 8.1倍 | 6.9倍 | 13.5倍 |
(注)1.各指標の算出は以下の算式を使用しています。
- 自己資本比率:自己資本/総資産
- 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
- キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
- インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.2022年3月期については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載していません。
b. 資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用です。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、M&Aによる株式取得等によるものです。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入および社債の発行を基本としています。
また、経営基盤である財務の健全性や経営の透明性を高めるとともに、資金調達の多様化や安定化を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資金調達を可能にするため、当社は株式会社日本格付研究所から格付けを取得しており、本報告書提出時点において、格付は「A-(見通し:安定的)」となっています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、財政状態および経営成績に大きな影響を及ぼすと考えています。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損の検討にあたり、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しています。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。