有価証券報告書-第44期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まり、企業収益の改善等から景気の緩やかな回復基調が見られました。世界経済は、インフレ圧力の緩和が進み、米国は堅調を維持しておりますが、中国では国内需要の低迷により減速が続いており、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化などに加え、米国トランプ政権の政策とその影響への懸念により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。為替変動やエネルギー価格及び原材料価格は高止まり、世界経済の減速懸念等により、わが国経済の先行きについても、景気減速のリスクが懸念されております。
当社グループと関係の深い建築・土木市場においては、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等による底堅い公共事業がしばらくは継続するとともに、大型都市開発を中心とした民間建築需要も良好に推移しました。このように需要面では良好な事業環境が続く一方で、エネルギー価格及び原材料価格の高止まりによるコスト増や建設現場における労働者不足が大きな影響を及ぼしております。
このような経営環境のもと当社グループでは、2023年5月に公表した「中期経営計画2023-2025」において、2030年度を見据え、既存事業の土台固めのため生産を含めたサプライチェーンの効率化等を図るとともに、未来に向けた種まきのための実行体制を編成し、施策を確実に実施する体制としております。また、「中期経営計画2020-2022」の中で取り組んでおりました戦略的資源投入につきましては、エネルギー関連事業は次なる研究ステージに進み、海外関連では新たな事業の展開に着手するなど、新しい事業分野への足掛かりを固めるための先行投資を更に強化してまいりました。これらにより、エスイーグループとして持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。また、昨今の原材料価格の上昇に対しては、営業部門と生産部門の連携により調達を最適化するとともに販売価格への転嫁を進めるなど計画利益の確保に努めております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ9億62百万円減少し254億70百万円となりました。内訳は、流動資産が前連結会計年度末に比べ14億62百万円減少し160億94百万円、有形固定資産が前連結会計年度末に比べ4億69百万円増加し78億80百万円、無形固定資産が前連結会計年度末に比べ0百万円減少し1億52百万円、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ31百万円増加し13億43百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ11億59百万円減少し142億48百万円となりました。内訳は、流動負債が前連結会計年度末に比べ8億4百万円減少し90億75百万円、固定負債が前連結会計年度末に比べ3億55百万円減少し51億72百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ1億97百万円増加し112億21百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持しているものの年度後半には大型案件がなかったこと、建築用資材の製造・販売事業における鉄骨工事分野及び補修・補強工事業にて期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと、建設コンサルタント事業においては、一部案件で工程変更が発生したことが大きく影響したことなどにより、売上高は258億87百万円(前期比2.2%減)と減収となりました。
利益面では、建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における増工の一部が認められなかったことや減収分の減益効果及び中期経営計画の推進強化等による販管費の増加により、営業利益8億49百万円(前期比37.7%減)、経常利益は8億85百万円(前期比35.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億43百万円(前期比43.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(建設用資機材の製造・販売事業)
この事業では、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応が進められているなか、橋梁更新工事や豪雨災害などの対策工事が進められております。
当連結会計年度におきましては、高速道路リニューアル関連等を背景に好環境が継続し好調を維持しておりますが、年度後半に大型案件がなかったため、前年同期ほど売上高が伸びませんでした。利益面では、価格転嫁は順調に推移しておりますが、中期経営計画の推進強化に継続して取り組んだことにより人件費・経費等の販管費が増加しました。
この結果、この事業の売上高は125億円(前期比3.0%減)、営業利益8億円(前期比30.7%減)となりました。
(建築用資材の製造・販売事業)
この事業では、建築金物分野におきまして、内装関連は鋼材価格の先行き不透明感や安価な海外製品による競争激化により需要の見極めが難しくなる一方、仮設建材関連は首都圏における都市開発等をはじめ中小物件が高稼働を維持しており工事が順調に推移しております。また、鉄骨工事分野におきましては、一部地場の物件の受注にて価格競争が激しくなっております。
当連結会計年度におきましては、建築金物分野において首都圏の再開発工事が好調に推移したことや原材料価格上昇等の販売価格への転嫁が順調に進捗しました。一方、鉄骨工事分野では期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に増工の一部が認められないという事象も発生しました。
この結果、この事業の売上高は103億71百万円(前期比0.8%減)、営業利益5億41百万円(前期比2.4%増)となりました。
(建設コンサルタント事業)
この事業では、アフリカ諸国をはじめ、アジア圏・大洋州地域等の各国において、道路・橋梁建設や設備機材整備等のプロジェクトに関わるコンサルタント事業を展開しております。特にフランス語圏のアフリカ諸国では強みをもっており、数多くの実績を残してきております。また、新規分野として国内外におけるBIM/CIM関連技術を活用した業務への参画を目指しております。
当連結会計年度におきましては、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと及び下半期に予定していた案件が次年度に行程変更となりました。また、独立行政法人国際協力機構(JICA)の精算ガイドライン変更により精算時の減額が発生しました。
この結果、この事業の売上高は6億36百万円(前期比14.8%減)、営業損失は1億円(前期は営業損失18百万円)となりました。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。
当連結会計年度におきましては、期中受注案件の消化は順調に進捗しましたが、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に大型工事の一部で追加工事の増額が認められませんでした。
この結果、この事業の売上高は23億79百万円(前期比0.3%減)、営業利益2億40百万円(前期比9.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、以下に記載したキャッシュ・フローにより48億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億35百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17億5百万円の収入(前連結会計年度末は21億14百万円の収入)となりました。主な資金の増加は、売上債権の減少額が10億2百万円、税金等調整前当期純利益が8億86百万円、減価償却費及びのれん償却額が7億46百万円、主な資金の減少は、仕入債務の減少額が6億21百万円、法人税等の支払額が4億17百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億97百万円の支出(前連結会計年度末は11億45百万円の支出)となりました。主な資金の減少は、有形固定資産の取得による支出が7億54百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10億39百万円の支出(前連結会計年度末は2億54百万円の支出)となりました。主な資金の増加は、長期借入れによる収入が11億円、主な資金の減少は、長期借入金の返済による支出15億46百万円、配当金の支払額3億91百万円、短期借入金の減少額1億10百万円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ9億62百万円減少しましたが、その内訳は、流動資産が14億62百万円の減少、固定資産が5億円の増加となっております。
流動資産の大幅な減少は、売上高の減少等によって売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権)が10億2百万円、棚卸資産で2億91百万円、および現金及び預金が2億32百万円減少したことによります。売上債権及び棚卸資産の減少は仕入債務(支払手形及び買掛金と電子記録債務)4億73百万円及び借入金5億56百万円等の減少と見合っております。(*)
固定資産の増加は、工場設備のリニューアル・増強、子会社社屋移設のための土地購入をはじめとする有形固定資産4億69百万円の増加によるものです。これらは現預金2億32百万円の減少及び純資産1億97百万円の増加にほぼ見合っており、調達構造として問題ないものです。
資産の残高ベースのリスク許容度(リスク資産に対して十分なエコノミック・キャピタルを有しているか)については、有形固定資産と投資有価証券の合計額81億78百万円に対し、自己資本(純資産-非支配株主持分)が111億97百万円あることにより、リスク資産に対するバッファー(エコノミック・キャピタル)は十分にある状態になっていると考えております。また、有利子負債は、前連結会計年度末60億74百万円から5億72百万円減少し、自己資本比率は41.6%から2.4ポイント増加し44.0%となり、D/Eレシオは0.55から0.06低下し0.49となりました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益により積み上がった内部留保は、財務内容の健全性の向上に寄与するものとなったと判断しております。
(*)運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、57億57百万円から49億43百万円と8億13百万円減少しました。
(単位:百万円)
リスクバッファーとしての自己資本が問題のない水準と考えられる一方で、資本の効率性の観点では、財務レバレッジを上げる余地についての分析も必要と考えております(後述「資本効率の持続的な向上」の項をご参照下さい)。当連結会計年度末での財務レバレッジは2.33であり、前連結会計年度末の2.43から0.09減少しております。今後実際に機動的な資金調達(大型の設備投資やM&A)を実施していくためには、平時には有利子負債による調達余地を残しておく必要があり、外部格付機関が発表している格付別財務指標を鑑みれば自己資本比率は望ましい水準の範囲内と考えております。従って、財務レバレッジを現時点で大きく引き上げることは優先度としては高くなく、当連結会計年度末の水準は妥当な水準と考えております。
2)経営成績
前連結会計年度との比較では下記のように分析しております。
連結売上高は5億87百万円減少しました。セグメント別の内訳は、建設用資機材の製造・販売事業のセグメントにおいて3億83百万円と大きく減少したことに加え、建設コンサルタント事業のセグメントで1億10百万円減少、建築用資材の製造販売事業のセグメントで85百万円減少しました。減少の主な要因は、建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持しているものの年度後半には大型案件がなかったこと、建築用資材の製造・販売事業における鉄骨工事分野及び補修・補強工事業にて期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと、建設コンサルタント事業においては、JICA案件を中心とした期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、また一部案件で工程変更が発生したことなどによるものです。
連結売上総利益は2億65百万円減少し、売上高総利益率は0.4%減少しました。減少の主な要因は、減収分の減益効果や建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における増工の一部が認められなかったことによるものです。
販売費及び一般管理費は、中期経営計画関連施策の推進を中心とした人件費・経費の増加などにより2億49百万円の増加となりました。
以上の結果、営業利益は5億15百万円の減少、経常利益は4億88百万円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は4億26百万円減少となりました。
当連結会計年度は、「中期経営計画2023-2025」の2年目に当たります。当連結会計年度の売上高は5億48百万円の計画未達で終わりました。セグメント別では、主要セグメントである建設用資機材の製造・販売事業が8億62百万円の未達となり、その主な要因は、当初予定していた能登震災復興案件が、9月に発生した能登半島豪雨の影響で工程見直しとなったことにより、製品納入が翌期以降に繰り越しとなったことなどによるものです。
連結売上総利益は19百万円の未達、売上高総利益率は計画を0.5%上回りました。建設コンサルタント事業において一部案件の次年度への繰越などによって売上高が減少したことが計画未達の主な要因です。
販売費及び一般管理費は、計画では戦略的な先行投資を大胆に実施していくことを織り込み、前連結会計年度比で4億35百万円増加する計画でしたが、物流の2024年問題を考慮した計画ほど販売運賃が積み上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により前連結会計年度比2億49百万円の増加に止まり、期初予想比では1億85百万円少なくなりました。その中には戦略的な先行投資の位置付けである報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費の未達66百万円が含まれております。
以上の結果、連結営業利益は期初予想比1億66百万円の超過となりました。期初予想比大幅増益とは言え、戦略的な先行投資の研究開発及び人材の調達が遅れるなど、将来を見据えた先行投資の面では課題を残す結果となりました。
(単位:百万円)
(※)2024年5月公表
各セグメント別の課題解決状況を踏まえた分析は以下の通りです。
(建設用資機材の製造・販売事業)
国土強靭化、高速道路耐震化、インフラ老朽化対応のため需要の拡大が続くと予想し、その需要を確実に売上高に結びつける営業活動を実施しました。高速道路リニューアル関連等を背景に好環境が継続し好調を維持しておりますが、年度後半に大型案件がなかったため、前年同期ほど売上高が伸びず、当連結会計年度の売上高は前期比3億83百万円の減収、営業利益は前期比3億55百万円の減益となりました。また、当初予定していた能登震災復興案件が、9月に発生した能登半島豪雨の影響で工程見直しとなったことで、製品納入が翌期以降に繰り越しとなったことにより、期初予想比では売上高は8億62百万円の減収となりましたが、営業利益は物流の2024年問題を考慮した計画ほど販売運賃が上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により期初予想比2億34百万円の増益となりました。
今後につきましては、ケーブル製品分野及び鉄鋼製品分野等において良好な事業環境が続くと思われ、今後も確実に成果に結びつけていくこと、実施した先行投資を確実に事業基盤の強化に結びつけていくことが必要となります。また、中期経営計画の課題である需要拡大及び製品の多品種化への製造面での対応、新商品・新製品の開発にも引き続き取り組んでいく計画です。
なお、翌連結会計年度においては、良好な事業環境が継続する一方で、大型案件の端境期にあるため、能登震災復興案件の取り込みや、ESCON(材料)、新規事業の販売を拡大することでカバーし、増収を目指します。また、費用面では人材採用をはじめとした戦略的資源投入を継続していくことを踏まえ減益を想定しております。
(建築用資材の製造・販売事業)
建築金物分野において首都圏の再開発工事が好調に推移したことや原材料価格上昇等の販売価格への転嫁が順調に進捗しました。一方、鉄骨工事分野では期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に増工の一部が認められず、売上高は前期比85百万円の減収、営業利益は前期比12百万円の増益となりました。期初予想比では、鉄骨事業分野で期中受注案件の消化が好調となり、売上高3億98百万円の増収となりましたが、案件採算の低下により営業利益は期初予想比30百万円の減益となりました。
翌連結会計年度は、価格転嫁や販路の拡張、選別受注による営業活動の効率化に取り組むことで増益を想定しております。
(建設コンサルタント事業)
当連結会計年度につきましては、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと及び下半期に予定していた案件が次年度に工程変更となりました。また、独立行政法人国際協力機構 (JICA) の精算ガイドライン変更により精算時の減額が発生しました。それにより、売上高は前期比では1億10百万円、期初予想比2億63百万円の減収となり、営業利益は前期比82百万円、期初予想比1億55百万円の減益となりました。
独立行政法人国際協力機構(JICA)以外からの案件受注の増加、海外コンサルタント会社との連携及びBIM/CIM適用事業支援業務への本格参入を引き続き推進していきます。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。当連結会計年度は、期中受注案件の消化は順調に進捗しましたが、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に大型工事の一部で追加工事の増額が認められませんでした。この結果、売上高は前期比8百万円の減収、営業利益は前期比26百万円の減益となりました。期初予想比では、期中受注が順調に推移したことで売上高は1億79百万円の増収となり、営業利益は32百万円の増益となりました。
本事業は、規模の拡大は人材の数に制約されるため、採用活動と工事職員のスキルアップを強化することにより、案件消化体制の強化を図ります。また、地場企業への営業強化と元請受注の拡充を図ってまいります。
以上の4つの報告セグメントのセグメント利益の合計額は、連結財務諸表上の営業利益と一致しません。差異は調整額となりますが、調整額のうち特に大きな金額となっているのが、報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費です。公共投資の予算規模に大きな影響を受ける建設資機材の製造・販売事業に代わる収益事業を創造していくため、当社グループは、研究開発に特に注力しております。当連結会計年度の実績は6億1百万円、売上高の2.3%となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を除いたもの)と資産売却により合計13億22百万円のインフローに対し、投資(ほとんどが製造設備等に対する固定資産投資)9億3百万円と株主還元(配当金)3億91百万円に配分しました。余剰額27百万円、運転資本の減少により生じた3億92百万円及び有利子負債の減少による6億48百万円により、現金及び現金同等物等は2億29百万円減少しました。
中期経営計画の2年目において、企業価値向上のための設備投資等に重点的に投資した後においても、フリーキャッシュ・フロー(ここでは、運転資本と定期預金の増減を含まず、株主還元への配分後)はプラスになりました。翌連結会計年度においても、キャッシュのインフローを成長投資に重点的に配分していく方針であります。
(百万円)
b.財務戦略
資本コストや株価を意識した経営が求められるなか、前連結会計年度に財務戦略を見直し、財務フレームワークを刷新しました。
経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出力と資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上に資する財務運営を目指します。
当社グループの企業価値の持続的な向上を図っていく財務運営の基本方針は、以下の通りです。
・資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保
・財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成)
・キャッシュ・フロー・アロケーション
(資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保)
・企業価値を真に向上させるには、会計上の利益を積み上げるだけでなく、フリーキャッシュ・フローの創出力を高める必要があり、利益の質の向上を意識していきます。
・具体的には、キャッシュ・フローの源泉となる利益については、既存事業の資産収益性による評価を実施し、成長投資を除いたベースで資本コストを上回るリターンを得ているかを見ていきます。
・事業利益による営業キャッシュ・フローの創出だけではなく、運転資本の効率化等も意識し、キャッシュ・フローの最大化を目指します。
・現預金は、資本コストがかかっている投下資本の運用先でもあり、資産効率性に大きな影響を与えます。適正な現預金の水準についても一定の目線を設定しております。
(適正な現預金の水準)
・現預金の保有目的は、「定常的資金」と「突発的資金」とに分けて考えております。更に「突発的資金」は「突発的な大規模投資資金(突然の大型投資資金需要にも対応しうる資金)」と「突発的な危機対応資金(突然の不測の事態にも困らないだけの安全資金)」に分けられます。
・「定常的資金」は、日々の運転資金として保有すべき現預金と定めており、連結売上高の月商をもとに決めております。この部分については、グループ企業間でのキャッシュ・マネジメント・システムの運用を開始しており、資金の効率性は向上していると考えております。
・「突発的資金」は、「突発的な大規模投資資金」と「突発的な危機対応資金」を合わせて定額を設定しております。「危機対応」と「大規模な投資」は同時に発生することは稀有であること、別々に金額を設定すると多額の現預金が必要となることにより、オールタナティブな資金として設定しました。
・この目線を運用しながら、適正な現預金の水準の実現を図っていきたいと考えております。
(運転資本)
・営業キャッシュ・フローの水準は、毎年運転資本の増減に大きく左右される状況となっております。より適切な管理を目指し、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮も含め、方向性を見出していきたいと考えております。「中期経営計画2023-2025」では、サプライチェーンの最適化を目指していくことになっており、将来的には運転資本の圧縮にも効果を期待しております。
(財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成))
・最適資本構成は、事業リスクに見合う有利子負債/自己資本の構成比であり、成長戦略をバランスシートでどう支えるか、成長投資を財務の観点からどう規律付けるか、デット・キャパシティをどのようにコントロールするかは、最適資本構成の水準によって決まってくると考えております。
・今回の財務フレームワークでは、想定格付、事業リスクを踏まえた必要自己資本の水準より、最適資本構成としてのD/Eレシオの目線を設定しました。
・当連結会計年度のD/Eレシオは0.49となっており、目線に沿った運用がなされていると評価しております。
(キャッシュ・フロー・アロケーション)
・当社グループは、「中期経営計画2023-2025」の期間を、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、既存事業の土台を盤石にしつつ、未来に向けた種まきをする期間と位置づけており、中期経営計画期間中に獲得したキャッシュ・フローは重点的に成長投資に配分していきます。
・また、新規事業を立ち上げるための投資は、大規模な投資に耐えうるよう「中期経営計画2023-2025」の期間中は、デット・キャパシティをある程度維持していくことを考えており、今回設定したD/Eレシオ、自己資本比率の目線に沿うかたちで財務の健全性を向上させていく予定です。
・ただし、M&A等により突発的に資金が必要になった場合や新規事業が予定より早く立ち上がる場合等には、その後のキャッシュ・フローを慎重に精査した上で、D/Eレシオの一時的な大幅悪化を許容する場合もあります。
・キャッシュのアロケーションとしての株主還元につきましては、安定配当を重視してまいります。
(株主還元)
・株主還元・配当政策は経営の最重要課題の一つと認識しております。直接的な利益還元(配当)と成長投資による中長期的な株価上昇によるトータルリターンの向上を基本としています。「中期経営計画2023-2025」においても、これまでの中期経営計画の方針を踏襲し、中長期の成長に向けた投資を優先し、長期に亘る成長を確実に配当還元する方針としております。配当につきましては、短期の業績に左右されず、株主資本の成長に合わせ配当金額が増加する株主資本配当率(*)を配当の水準を決定する際の指標としていきます。具体的には、株主資本配当率3.5%を目安としていきます。
(*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100
(当連結会計年度の資本効率の状況)
・中長期的な企業価値向上を実現するために、資本効率の向上が不可欠だと考えておりますが、当連結会計年度末のROEは4.9%と前連結会計年度の9.1%より大幅に減少しました。売上高当期純利益率(ROS)の減少が要因です。ROEの改善のためにはROSの向上が必要と考えており、財務運営としては、投資を急ぐあまり総資産回転率が悪化したり、有利子負債が平時に極端に増えることのないよう設定した目線に基づいて運営していく必要がある(財務レバレッジを大きく上げる段階にはない)と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まり、企業収益の改善等から景気の緩やかな回復基調が見られました。世界経済は、インフレ圧力の緩和が進み、米国は堅調を維持しておりますが、中国では国内需要の低迷により減速が続いており、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化などに加え、米国トランプ政権の政策とその影響への懸念により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。為替変動やエネルギー価格及び原材料価格は高止まり、世界経済の減速懸念等により、わが国経済の先行きについても、景気減速のリスクが懸念されております。
当社グループと関係の深い建築・土木市場においては、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等による底堅い公共事業がしばらくは継続するとともに、大型都市開発を中心とした民間建築需要も良好に推移しました。このように需要面では良好な事業環境が続く一方で、エネルギー価格及び原材料価格の高止まりによるコスト増や建設現場における労働者不足が大きな影響を及ぼしております。
このような経営環境のもと当社グループでは、2023年5月に公表した「中期経営計画2023-2025」において、2030年度を見据え、既存事業の土台固めのため生産を含めたサプライチェーンの効率化等を図るとともに、未来に向けた種まきのための実行体制を編成し、施策を確実に実施する体制としております。また、「中期経営計画2020-2022」の中で取り組んでおりました戦略的資源投入につきましては、エネルギー関連事業は次なる研究ステージに進み、海外関連では新たな事業の展開に着手するなど、新しい事業分野への足掛かりを固めるための先行投資を更に強化してまいりました。これらにより、エスイーグループとして持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。また、昨今の原材料価格の上昇に対しては、営業部門と生産部門の連携により調達を最適化するとともに販売価格への転嫁を進めるなど計画利益の確保に努めております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ9億62百万円減少し254億70百万円となりました。内訳は、流動資産が前連結会計年度末に比べ14億62百万円減少し160億94百万円、有形固定資産が前連結会計年度末に比べ4億69百万円増加し78億80百万円、無形固定資産が前連結会計年度末に比べ0百万円減少し1億52百万円、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ31百万円増加し13億43百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ11億59百万円減少し142億48百万円となりました。内訳は、流動負債が前連結会計年度末に比べ8億4百万円減少し90億75百万円、固定負債が前連結会計年度末に比べ3億55百万円減少し51億72百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ1億97百万円増加し112億21百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持しているものの年度後半には大型案件がなかったこと、建築用資材の製造・販売事業における鉄骨工事分野及び補修・補強工事業にて期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと、建設コンサルタント事業においては、一部案件で工程変更が発生したことが大きく影響したことなどにより、売上高は258億87百万円(前期比2.2%減)と減収となりました。
利益面では、建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における増工の一部が認められなかったことや減収分の減益効果及び中期経営計画の推進強化等による販管費の増加により、営業利益8億49百万円(前期比37.7%減)、経常利益は8億85百万円(前期比35.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億43百万円(前期比43.9%減)となりました。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | 公表期初予想 | 実績と予想 の差異 | ||
| 売上高 (百万円) | 26,474 | 25,887 | △587 | 26,435 | △548 | |
| 営業利益 (百万円) | 1,364 | 849 | △515 | 683 | +166 | |
| 営業利益率 (%) | 5.2% | 3.3% | △1.9 | 2.6% | +0.7 |
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(建設用資機材の製造・販売事業)
この事業では、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応が進められているなか、橋梁更新工事や豪雨災害などの対策工事が進められております。
当連結会計年度におきましては、高速道路リニューアル関連等を背景に好環境が継続し好調を維持しておりますが、年度後半に大型案件がなかったため、前年同期ほど売上高が伸びませんでした。利益面では、価格転嫁は順調に推移しておりますが、中期経営計画の推進強化に継続して取り組んだことにより人件費・経費等の販管費が増加しました。
この結果、この事業の売上高は125億円(前期比3.0%減)、営業利益8億円(前期比30.7%減)となりました。
(建築用資材の製造・販売事業)
この事業では、建築金物分野におきまして、内装関連は鋼材価格の先行き不透明感や安価な海外製品による競争激化により需要の見極めが難しくなる一方、仮設建材関連は首都圏における都市開発等をはじめ中小物件が高稼働を維持しており工事が順調に推移しております。また、鉄骨工事分野におきましては、一部地場の物件の受注にて価格競争が激しくなっております。
当連結会計年度におきましては、建築金物分野において首都圏の再開発工事が好調に推移したことや原材料価格上昇等の販売価格への転嫁が順調に進捗しました。一方、鉄骨工事分野では期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に増工の一部が認められないという事象も発生しました。
この結果、この事業の売上高は103億71百万円(前期比0.8%減)、営業利益5億41百万円(前期比2.4%増)となりました。
(建設コンサルタント事業)
この事業では、アフリカ諸国をはじめ、アジア圏・大洋州地域等の各国において、道路・橋梁建設や設備機材整備等のプロジェクトに関わるコンサルタント事業を展開しております。特にフランス語圏のアフリカ諸国では強みをもっており、数多くの実績を残してきております。また、新規分野として国内外におけるBIM/CIM関連技術を活用した業務への参画を目指しております。
当連結会計年度におきましては、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと及び下半期に予定していた案件が次年度に行程変更となりました。また、独立行政法人国際協力機構(JICA)の精算ガイドライン変更により精算時の減額が発生しました。
この結果、この事業の売上高は6億36百万円(前期比14.8%減)、営業損失は1億円(前期は営業損失18百万円)となりました。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。
当連結会計年度におきましては、期中受注案件の消化は順調に進捗しましたが、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に大型工事の一部で追加工事の増額が認められませんでした。
この結果、この事業の売上高は23億79百万円(前期比0.3%減)、営業利益2億40百万円(前期比9.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、以下に記載したキャッシュ・フローにより48億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億35百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、17億5百万円の収入(前連結会計年度末は21億14百万円の収入)となりました。主な資金の増加は、売上債権の減少額が10億2百万円、税金等調整前当期純利益が8億86百万円、減価償却費及びのれん償却額が7億46百万円、主な資金の減少は、仕入債務の減少額が6億21百万円、法人税等の支払額が4億17百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億97百万円の支出(前連結会計年度末は11億45百万円の支出)となりました。主な資金の減少は、有形固定資産の取得による支出が7億54百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10億39百万円の支出(前連結会計年度末は2億54百万円の支出)となりました。主な資金の増加は、長期借入れによる収入が11億円、主な資金の減少は、長期借入金の返済による支出15億46百万円、配当金の支払額3億91百万円、短期借入金の減少額1億10百万円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 建設用資機材の製造・販売事業 (千円) | 13,556,500 | △4.35 |
| 建築用資材の製造・販売事業 (千円) | 6,661,522 | 0.67 |
| 建設コンサルタント事業 (千円) | - | - |
| 補修・補強工事業 (千円) | - | - |
| 合計 (千円) | 20,218,022 | △2.75 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 建設用資機材の製造・販売事業 | 12,048,233 | △1.85 | 1,738,137 | △20.64 |
| 建築用資材の製造・販売事業 | 12,044,950 | 34.97 | 2,298,591 | 267.57 |
| 建設コンサルタント事業 | 662,346 | 125.00 | 910,493 | 2.98 |
| 補修・補強工事業 | 2,243,302 | 7.64 | 502,897 | △21.32 |
| 合計 | 26,998,833 | 14.50 | 5,450,120 | 25.62 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 建設用資機材の製造・販売事業 (千円) | 12,500,160 | △2.97 |
| 建築用資材の製造・販売事業 (千円) | 10,371,703 | △0.81 |
| 建設コンサルタント事業 (千円) | 636,009 | △14.84 |
| 補修・補強工事業 (千円) | 2,379,577 | △0.35 |
| 合計 (千円) | 25,887,450 | △2.22 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ9億62百万円減少しましたが、その内訳は、流動資産が14億62百万円の減少、固定資産が5億円の増加となっております。
流動資産の大幅な減少は、売上高の減少等によって売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権)が10億2百万円、棚卸資産で2億91百万円、および現金及び預金が2億32百万円減少したことによります。売上債権及び棚卸資産の減少は仕入債務(支払手形及び買掛金と電子記録債務)4億73百万円及び借入金5億56百万円等の減少と見合っております。(*)
固定資産の増加は、工場設備のリニューアル・増強、子会社社屋移設のための土地購入をはじめとする有形固定資産4億69百万円の増加によるものです。これらは現預金2億32百万円の減少及び純資産1億97百万円の増加にほぼ見合っており、調達構造として問題ないものです。
資産の残高ベースのリスク許容度(リスク資産に対して十分なエコノミック・キャピタルを有しているか)については、有形固定資産と投資有価証券の合計額81億78百万円に対し、自己資本(純資産-非支配株主持分)が111億97百万円あることにより、リスク資産に対するバッファー(エコノミック・キャピタル)は十分にある状態になっていると考えております。また、有利子負債は、前連結会計年度末60億74百万円から5億72百万円減少し、自己資本比率は41.6%から2.4ポイント増加し44.0%となり、D/Eレシオは0.55から0.06低下し0.49となりました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益により積み上がった内部留保は、財務内容の健全性の向上に寄与するものとなったと判断しております。
(*)運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、57億57百万円から49億43百万円と8億13百万円減少しました。
(単位:百万円)
| 資産 | 負債 | ||||||||||||
| 2024年 | 2025年 | 増減 | 2024年 | 2025年 | 増減 | ||||||||
| 3月末 | 3月末 | 3月末 | 3月末 | ||||||||||
| 26,432 | 25,470 | (主な内訳) | 15,408 | 14,248 | (主な内訳) | ||||||||
| △232 | 現金及び預金 | △556 | 借入金 | ||||||||||
| △804 | 受取手形、売掛金及び契約資産 | △394 | 電子記録債務 | ||||||||||
| △198 | 電子記録債権 | △78 | 支払手形及び 買掛金 | ||||||||||
| △153 | 仕掛品 | ||||||||||||
| △137 | 原材料及び貯蔵品 | ||||||||||||
| △1,159 | |||||||||||||
| 純資産 | |||||||||||||
| +234 | 建設仮勘定 | 2024年 | 2025年 | 増減 | |||||||||
| +175 | 土地 | 3月末 | 3月末 | ||||||||||
| +42 | 機械装置及び運搬具 -純額 | 11,024 | 11,221 | (主な内訳) | |||||||||
| +38 | 建物及び構築物-純額 | +543 | 親会社株主帰属 当期純利益 | ||||||||||
| △392 | 株主配当金支払い | ||||||||||||
| △962 | +197 | ||||||||||||
リスクバッファーとしての自己資本が問題のない水準と考えられる一方で、資本の効率性の観点では、財務レバレッジを上げる余地についての分析も必要と考えております(後述「資本効率の持続的な向上」の項をご参照下さい)。当連結会計年度末での財務レバレッジは2.33であり、前連結会計年度末の2.43から0.09減少しております。今後実際に機動的な資金調達(大型の設備投資やM&A)を実施していくためには、平時には有利子負債による調達余地を残しておく必要があり、外部格付機関が発表している格付別財務指標を鑑みれば自己資本比率は望ましい水準の範囲内と考えております。従って、財務レバレッジを現時点で大きく引き上げることは優先度としては高くなく、当連結会計年度末の水準は妥当な水準と考えております。
2)経営成績
前連結会計年度との比較では下記のように分析しております。
連結売上高は5億87百万円減少しました。セグメント別の内訳は、建設用資機材の製造・販売事業のセグメントにおいて3億83百万円と大きく減少したことに加え、建設コンサルタント事業のセグメントで1億10百万円減少、建築用資材の製造販売事業のセグメントで85百万円減少しました。減少の主な要因は、建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持しているものの年度後半には大型案件がなかったこと、建築用資材の製造・販売事業における鉄骨工事分野及び補修・補強工事業にて期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと、建設コンサルタント事業においては、JICA案件を中心とした期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、また一部案件で工程変更が発生したことなどによるものです。
連結売上総利益は2億65百万円減少し、売上高総利益率は0.4%減少しました。減少の主な要因は、減収分の減益効果や建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における増工の一部が認められなかったことによるものです。
販売費及び一般管理費は、中期経営計画関連施策の推進を中心とした人件費・経費の増加などにより2億49百万円の増加となりました。
以上の結果、営業利益は5億15百万円の減少、経常利益は4億88百万円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は4億26百万円減少となりました。
当連結会計年度は、「中期経営計画2023-2025」の2年目に当たります。当連結会計年度の売上高は5億48百万円の計画未達で終わりました。セグメント別では、主要セグメントである建設用資機材の製造・販売事業が8億62百万円の未達となり、その主な要因は、当初予定していた能登震災復興案件が、9月に発生した能登半島豪雨の影響で工程見直しとなったことにより、製品納入が翌期以降に繰り越しとなったことなどによるものです。
連結売上総利益は19百万円の未達、売上高総利益率は計画を0.5%上回りました。建設コンサルタント事業において一部案件の次年度への繰越などによって売上高が減少したことが計画未達の主な要因です。
販売費及び一般管理費は、計画では戦略的な先行投資を大胆に実施していくことを織り込み、前連結会計年度比で4億35百万円増加する計画でしたが、物流の2024年問題を考慮した計画ほど販売運賃が積み上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により前連結会計年度比2億49百万円の増加に止まり、期初予想比では1億85百万円少なくなりました。その中には戦略的な先行投資の位置付けである報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費の未達66百万円が含まれております。
以上の結果、連結営業利益は期初予想比1億66百万円の超過となりました。期初予想比大幅増益とは言え、戦略的な先行投資の研究開発及び人材の調達が遅れるなど、将来を見据えた先行投資の面では課題を残す結果となりました。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 | ||||||||
| (実績) | 2024年3月比 | 期初予想(*)比 | ||||||
| 売上高 | 25,887 | △587 | △548 | |||||
| 建設用資機材 | 12,500 | △383 | △862 | |||||
| 上記以外 | 13,387 | △204 | 314 | |||||
| 売上総利益 | 6,916 | △265 | △19 | |||||
| 売上高総利益率 | 26.7% | △0.4% | 0.5% | |||||
| 先行投資(研究開発) | 601 | 69 | △66 | |||||
| 販売管理費 | 6,067 | 249 | △185 | |||||
| 営業利益 | 849 | △515 | 166 | |||||
| 売上高営業利益率 | 3.3% | △1.9% | 0.7% | |||||
| 経常利益 | 885 | △488 | 200 | |||||
| 売上高経常利益率 | 3.4% | △1.8% | 0.8% | |||||
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 543 | △426 | 242 | |||||
| 売上高当期純利益率 | 2.1% | △1.6% | 1.0% | |||||
| 建設用資機材の 製造・販売事業 | 売上高 | 12,500 | △383 | △862 | ||||
| 営業利益 | 800 | △355 | 234 | |||||
| 利益率 | 6.4% | △2.6% | 2.2% | |||||
| 建築用資材の 製造・販売事業 | 売上高 | 10,371 | △85 | 398 | ||||
| 営業利益 | 541 | 12 | △30 | |||||
| 利益率 | 5.2% | 0.2% | △0.5% | |||||
| 建設コンサルタント事業 | 売上高 | 636 | △110 | △263 | ||||
| 営業利益 | △100 | △82 | △155 | |||||
| 利益率 | - | - | - | |||||
| 補修・補強工事業 | 売上高 | 2,379 | △8 | 179 | ||||
| 営業利益 | 240 | △26 | 32 | |||||
| 利益率 | 10.1% | △1.1% | 0.6% | |||||
(※)2024年5月公表
各セグメント別の課題解決状況を踏まえた分析は以下の通りです。
(建設用資機材の製造・販売事業)
国土強靭化、高速道路耐震化、インフラ老朽化対応のため需要の拡大が続くと予想し、その需要を確実に売上高に結びつける営業活動を実施しました。高速道路リニューアル関連等を背景に好環境が継続し好調を維持しておりますが、年度後半に大型案件がなかったため、前年同期ほど売上高が伸びず、当連結会計年度の売上高は前期比3億83百万円の減収、営業利益は前期比3億55百万円の減益となりました。また、当初予定していた能登震災復興案件が、9月に発生した能登半島豪雨の影響で工程見直しとなったことで、製品納入が翌期以降に繰り越しとなったことにより、期初予想比では売上高は8億62百万円の減収となりましたが、営業利益は物流の2024年問題を考慮した計画ほど販売運賃が上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により期初予想比2億34百万円の増益となりました。
今後につきましては、ケーブル製品分野及び鉄鋼製品分野等において良好な事業環境が続くと思われ、今後も確実に成果に結びつけていくこと、実施した先行投資を確実に事業基盤の強化に結びつけていくことが必要となります。また、中期経営計画の課題である需要拡大及び製品の多品種化への製造面での対応、新商品・新製品の開発にも引き続き取り組んでいく計画です。
なお、翌連結会計年度においては、良好な事業環境が継続する一方で、大型案件の端境期にあるため、能登震災復興案件の取り込みや、ESCON(材料)、新規事業の販売を拡大することでカバーし、増収を目指します。また、費用面では人材採用をはじめとした戦略的資源投入を継続していくことを踏まえ減益を想定しております。
(建築用資材の製造・販売事業)
建築金物分野において首都圏の再開発工事が好調に推移したことや原材料価格上昇等の販売価格への転嫁が順調に進捗しました。一方、鉄骨工事分野では期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に増工の一部が認められず、売上高は前期比85百万円の減収、営業利益は前期比12百万円の増益となりました。期初予想比では、鉄骨事業分野で期中受注案件の消化が好調となり、売上高3億98百万円の増収となりましたが、案件採算の低下により営業利益は期初予想比30百万円の減益となりました。
翌連結会計年度は、価格転嫁や販路の拡張、選別受注による営業活動の効率化に取り組むことで増益を想定しております。
(建設コンサルタント事業)
当連結会計年度につきましては、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少したこと及び下半期に予定していた案件が次年度に工程変更となりました。また、独立行政法人国際協力機構 (JICA) の精算ガイドライン変更により精算時の減額が発生しました。それにより、売上高は前期比では1億10百万円、期初予想比2億63百万円の減収となり、営業利益は前期比82百万円、期初予想比1億55百万円の減益となりました。
独立行政法人国際協力機構(JICA)以外からの案件受注の増加、海外コンサルタント会社との連携及びBIM/CIM適用事業支援業務への本格参入を引き続き推進していきます。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。当連結会計年度は、期中受注案件の消化は順調に進捗しましたが、期初受注案件の減少に伴い案件消化が減少し、更に大型工事の一部で追加工事の増額が認められませんでした。この結果、売上高は前期比8百万円の減収、営業利益は前期比26百万円の減益となりました。期初予想比では、期中受注が順調に推移したことで売上高は1億79百万円の増収となり、営業利益は32百万円の増益となりました。
本事業は、規模の拡大は人材の数に制約されるため、採用活動と工事職員のスキルアップを強化することにより、案件消化体制の強化を図ります。また、地場企業への営業強化と元請受注の拡充を図ってまいります。
以上の4つの報告セグメントのセグメント利益の合計額は、連結財務諸表上の営業利益と一致しません。差異は調整額となりますが、調整額のうち特に大きな金額となっているのが、報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費です。公共投資の予算規模に大きな影響を受ける建設資機材の製造・販売事業に代わる収益事業を創造していくため、当社グループは、研究開発に特に注力しております。当連結会計年度の実績は6億1百万円、売上高の2.3%となっております。
| 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | 増減 | 増減率 | |
| 報告セグメントに帰属しない 研究開発部門の人件費・経費(百万円) | 346 | 353 | 394 | 531 | 601 | 69 | 13.1% |
| 売上高比率 (%) | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 2.0 | 2.3 | - | - |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を除いたもの)と資産売却により合計13億22百万円のインフローに対し、投資(ほとんどが製造設備等に対する固定資産投資)9億3百万円と株主還元(配当金)3億91百万円に配分しました。余剰額27百万円、運転資本の減少により生じた3億92百万円及び有利子負債の減少による6億48百万円により、現金及び現金同等物等は2億29百万円減少しました。
中期経営計画の2年目において、企業価値向上のための設備投資等に重点的に投資した後においても、フリーキャッシュ・フロー(ここでは、運転資本と定期預金の増減を含まず、株主還元への配分後)はプラスになりました。翌連結会計年度においても、キャッシュのインフローを成長投資に重点的に配分していく方針であります。
(百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | ||||
| 基礎営業キャッシュ・フロー | 1,864 | 1,313 | |||
| 資産処分等 | 22 | 8 | |||
| ①インフロー | 1,887 | 1,322 | |||
| 投資 | 固定資産 | △1,163 | △886 | ||
| 有価証券他 | △5 | △17 | |||
| △1,168 | △903 | ||||
| 株主還元 | △390 | △391 | |||
| ②アウトフロー | △1,559 | △1,294 | |||
| ③ネット資金(①+②) | 328 | 27 | |||
| ④運転資本 | 250 | 392 | |||
| ⑤有利子負債 | 136 | △648 | |||
| ⑥現金及び現金同等物、定期預金等からの調達 | 714 | △229 | |||
b.財務戦略
資本コストや株価を意識した経営が求められるなか、前連結会計年度に財務戦略を見直し、財務フレームワークを刷新しました。
経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出力と資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上に資する財務運営を目指します。
当社グループの企業価値の持続的な向上を図っていく財務運営の基本方針は、以下の通りです。
・資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保
・財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成)
・キャッシュ・フロー・アロケーション
(資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保)
・企業価値を真に向上させるには、会計上の利益を積み上げるだけでなく、フリーキャッシュ・フローの創出力を高める必要があり、利益の質の向上を意識していきます。
・具体的には、キャッシュ・フローの源泉となる利益については、既存事業の資産収益性による評価を実施し、成長投資を除いたベースで資本コストを上回るリターンを得ているかを見ていきます。
・事業利益による営業キャッシュ・フローの創出だけではなく、運転資本の効率化等も意識し、キャッシュ・フローの最大化を目指します。
・現預金は、資本コストがかかっている投下資本の運用先でもあり、資産効率性に大きな影響を与えます。適正な現預金の水準についても一定の目線を設定しております。
(適正な現預金の水準)
・現預金の保有目的は、「定常的資金」と「突発的資金」とに分けて考えております。更に「突発的資金」は「突発的な大規模投資資金(突然の大型投資資金需要にも対応しうる資金)」と「突発的な危機対応資金(突然の不測の事態にも困らないだけの安全資金)」に分けられます。
・「定常的資金」は、日々の運転資金として保有すべき現預金と定めており、連結売上高の月商をもとに決めております。この部分については、グループ企業間でのキャッシュ・マネジメント・システムの運用を開始しており、資金の効率性は向上していると考えております。
・「突発的資金」は、「突発的な大規模投資資金」と「突発的な危機対応資金」を合わせて定額を設定しております。「危機対応」と「大規模な投資」は同時に発生することは稀有であること、別々に金額を設定すると多額の現預金が必要となることにより、オールタナティブな資金として設定しました。
・この目線を運用しながら、適正な現預金の水準の実現を図っていきたいと考えております。
(運転資本)
・営業キャッシュ・フローの水準は、毎年運転資本の増減に大きく左右される状況となっております。より適切な管理を目指し、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮も含め、方向性を見出していきたいと考えております。「中期経営計画2023-2025」では、サプライチェーンの最適化を目指していくことになっており、将来的には運転資本の圧縮にも効果を期待しております。
(財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成))
・最適資本構成は、事業リスクに見合う有利子負債/自己資本の構成比であり、成長戦略をバランスシートでどう支えるか、成長投資を財務の観点からどう規律付けるか、デット・キャパシティをどのようにコントロールするかは、最適資本構成の水準によって決まってくると考えております。
・今回の財務フレームワークでは、想定格付、事業リスクを踏まえた必要自己資本の水準より、最適資本構成としてのD/Eレシオの目線を設定しました。
・当連結会計年度のD/Eレシオは0.49となっており、目線に沿った運用がなされていると評価しております。
(キャッシュ・フロー・アロケーション)
・当社グループは、「中期経営計画2023-2025」の期間を、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、既存事業の土台を盤石にしつつ、未来に向けた種まきをする期間と位置づけており、中期経営計画期間中に獲得したキャッシュ・フローは重点的に成長投資に配分していきます。
・また、新規事業を立ち上げるための投資は、大規模な投資に耐えうるよう「中期経営計画2023-2025」の期間中は、デット・キャパシティをある程度維持していくことを考えており、今回設定したD/Eレシオ、自己資本比率の目線に沿うかたちで財務の健全性を向上させていく予定です。
・ただし、M&A等により突発的に資金が必要になった場合や新規事業が予定より早く立ち上がる場合等には、その後のキャッシュ・フローを慎重に精査した上で、D/Eレシオの一時的な大幅悪化を許容する場合もあります。
・キャッシュのアロケーションとしての株主還元につきましては、安定配当を重視してまいります。
(株主還元)
・株主還元・配当政策は経営の最重要課題の一つと認識しております。直接的な利益還元(配当)と成長投資による中長期的な株価上昇によるトータルリターンの向上を基本としています。「中期経営計画2023-2025」においても、これまでの中期経営計画の方針を踏襲し、中長期の成長に向けた投資を優先し、長期に亘る成長を確実に配当還元する方針としております。配当につきましては、短期の業績に左右されず、株主資本の成長に合わせ配当金額が増加する株主資本配当率(*)を配当の水準を決定する際の指標としていきます。具体的には、株主資本配当率3.5%を目安としていきます。
(*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | ||
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 870 | 969 | 543 |
| 株主資本 | (百万円) | 10,320 | 10,897 | 11,049 |
| 1株当たり配当金 | (円) | 13 | 13 | 13 |
| 配当金総額 | (百万円) | 392 | 392 | 392 |
| 配当性向(連結) | (%) | 45.1 | 40.5 | 72.2 |
| 株主資本配当率 | (%) | 3.80 | 3.60 | 3.55 |
(当連結会計年度の資本効率の状況)
・中長期的な企業価値向上を実現するために、資本効率の向上が不可欠だと考えておりますが、当連結会計年度末のROEは4.9%と前連結会計年度の9.1%より大幅に減少しました。売上高当期純利益率(ROS)の減少が要因です。ROEの改善のためにはROSの向上が必要と考えており、財務運営としては、投資を急ぐあまり総資産回転率が悪化したり、有利子負債が平時に極端に増えることのないよう設定した目線に基づいて運営していく必要がある(財務レバレッジを大きく上げる段階にはない)と考えております。
| (%、倍) | |||||||
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | ||||
| 自己資本当期純利益率(ROE) | 純利益/自己資本 | 17.3 | 8.6 | 9.1 | 4.9 | ||
| 売上高当期純利益率(ROS) | 純利益/売上高 | 6.7 | 3.4 | 3.7 | 2.1 | ||
| 総資産回転率(分母平均) | 売上高/総資産 | 1.02 | 1.04 | 1.02 | 1.00 | ||
| 財務レバレッジ | 総資産/自己資本 | 2.53 | 2.42 | 2.43 | 2.33 | ||
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。