有価証券報告書-第79期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、感染者の増減や病床の逼迫度合いなどにより、経済活動も収縮を繰り返さざるを得ませんでした。景気は前半に急激に悪化しましたが、後半はワクチンへの期待や経済対策により一部持ち直しの兆しがありました。足もとでは、ウイルスの変異株の流行や海外での感染拡大などまだまだ不安材料も多く、依然として先行き不透明な状態が続いております。
当社グループが属しておりますステンレス業界は、自動車関連など回復の兆しもありますが、全体の需要が見通せない中、ニッケル市況の高騰を受けた材料価格の上昇が続くなど懸念が残されております。
このような状況下におきまして、当社グループの当連結会計年度における売上高は351億12百万円(前年同期比16.7%減)となりました。販売数量の減少により、売上高は減収となっております。また収益面におきましては、生産高の減少や一時帰休による工場稼働率の低下により、営業利益は29億28百万円(前年同期比23.0%減)、経常利益は為替差益や雇用調整助成金も含め、34億27百万円(前年同期比13.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益がありましたが、前年度の固定資産の売却益が無くなったため、24億77百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりです。
(日本)
日本事業の売上高は341億44百万円(前年同期比15.6%減)、セグメント営業利益は27億86百万円(前年同期比23.1%減)となりました。製品部門別の売上高は以下のとおりです。
ステンレス管部門は、配管用、自動車用ともに数量が減少し、特に自動車用は下期回復したものの通期の売上高は185億22百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
ステンレス条鋼部門は、価格は維持したものの、数量の減少が大きく、売上高は98億82百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
ステンレス加工品部門は、給湯器用フレキ管の減少と家庭用金物製品の内、物干竿の一部不採算品の撤退により、売上高は13億2百万円(前年同期比23.5%減)となりました。
鋼管部門は、建設仮設材用の需要が大きく減少し、価格も低下したため、売上高は39億66百万円(前年同期比21.5%減)となりました。
機械部門は、取引先の設備投資意欲の減退により、販売台数が減少し、売上高は4億70百万円(前年同期比46.2%減)となりました。
(インドネシア)
インドネシア事業は、下期には回復の兆しが見られたものの、現地の二輪、四輪メーカーが新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産が大きく減少し、通期の売上高は7億44百万円(前年同期比45.3%減)となりました。セグメント営業損益は39百万円の損失となりました。
(その他)
その他事業の自転車販売は、コロナ禍でのメーカーの生産停滞や来客の落込みなどにより2億23百万円(前年同期比36.9%減)となり、セグメント営業損益は11百万円の損失となりました。ただし、旗艦店である梅田一店舗体制としたことで、前年同期に比べ73百万円損失を縮小させることができました。
② 財政状態の状況
当社グループの当連結会計年度末の総資産は561億75百万円となり、前連結会計年度末に比べて20億57百万円増加いたしました。これは、現金及び預金の増加21億9百万円、受取手形及び売掛金の減少18億62百万円、電子記録債権の増加9億81百万円、たな卸資産の減少14億44百万円、建物及び構築物(純額)の増加10億33百万円、投資有価証券の増加5億98百万円、退職給付に係る資産の増加3億74百万円などによるものであります。負債の部は5億44百万円減少いたしましたが、その増減の主なものは、支払手形及び買掛金の減少3億35百万円、電子記録債務の減少11億78百万円、繰延税金負債の増加3億73百万円などであります。
純資産は親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金は17億71百万円増加したことに加え、その他の包括利益累計額8億30百万円が増加したことなどにより26億円増加の428億93百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.9ポイント上昇し、76.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により39億2百万円の収入となり、投資活動により12億58百万円、財務活動により5億53百万円それぞれ支出となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の残高は、期首に比べて21億9百万円増加し110億53百万円(前年同期比23.6%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の35億81百万円に加え、売上債権が8億85百万円、たな卸資産が14億45百万円減少しましたが、仕入債務の減少15億14百万円、法人税等の支払額11億48百万円などにより、営業活動全体では39億2百万円の収入(前年同期比1.4%増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出14億48百万円などがありましたが、投資有価証券の売却による収入2億27百万円などにより、投資活動全体で12億58百万円の支出(前年同期は6億74百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い7億3百万円などにより財務活動全体では5億53百万円の支出(前年同期は9億79百万円の支出)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | ||
| ステンレス管 | 17,482 | △14.6 |
| ステンレス条鋼 | 5,184 | △14.3 |
| ステンレス加工品 | 1,260 | △26.0 |
| 鋼管 | 3,944 | △20.6 |
| 機械 | 489 | △44.1 |
| インドネシア | 716 | △46.0 |
| その他 | ― | ― |
| 合計 | 29,077 | △17.9 |
(注) 1 上記金額は販売価額で示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記金額には消費税等を含めておりません。
b 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | ||
| ステンレス管 | 598 | △27.9 |
| ステンレス条鋼 | 3,233 | △31.8 |
| ステンレス加工品 | ― | ― |
| 鋼管 | 14 | △27.4 |
| 機械 | ― | ― |
| インドネシア | ― | ― |
| その他 | 160 | △18.5 |
| 合計 | 4,008 | △30.8 |
(注) 上記金額には消費税等を含めておりません。
c 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 日本 | ||||
| ステンレス管 | 18,643 | △9.7 | 2,597 | 4.9 |
| ステンレス条鋼 | 9,877 | △14.2 | 71 | △6.9 |
| ステンレス加工品 | 1,242 | △26.7 | 70 | △46.1 |
| 鋼管 | 4,114 | △14.0 | 582 | 33.9 |
| 機械 | 427 | △42.1 | 64 | △39.5 |
| インドネシア | 817 | △36.4 | 112 | 185.7 |
| その他 | 223 | △36.9 | ― | ― |
| 合計 | 35,347 | △13.8 | 3,499 | 7.2 |
(注) 1 受注残高には、継続的な取引先からの受注内示は含めておりません。
2 上記金額には消費税等を含めておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | ||
| ステンレス管 | 18,522 | △13.1 |
| ステンレス条鋼 | 9,882 | △14.1 |
| ステンレス加工品 | 1,302 | △23.5 |
| 鋼管 | 3,966 | △21.5 |
| 機械 | 470 | △46.2 |
| インドネシア | 744 | △45.3 |
| その他 | 223 | △36.9 |
| 合計 | 35,112 | △16.7 |
(注) 1 上記金額はセグメント間の取引については相殺消去しております。
2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
3 上記金額には消費税等を含めておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は351億12百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益は29億28百万円(前年同期比23.0%減)、経常利益は34億27百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
当社グループは、中期計画等は作成しておりません。当社の主要製品であるステンレス鋼の主原料であるニッケルの市況価格は、需給関係のみならず、金融市場の状況によっても大きく変動します。また、アロイリンク方式によって、その原材料の変動を製品価格にある程度転嫁できる仕組みもあります。このため売上高がニッケル市況のみで上下する場合があり、中期計画の意味をなさなくなることがあります。そのため当社は年次計画のみを経営計画としております。また、経営成績等に関わる経営指標の目標として売上高経常利益率6.5%以上をクリアすることに努めております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「日本」セグメントにおける主な事業である「ステンレス関連」事業において、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、販売数量の減少により売上高は減収となりました。生産高の減少や一時帰休による工場稼働率の低下により経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、減益となりました。
なお、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの主力製品のパイプや条鋼の販売価格と主要な原材料であるコイル材等の仕入価格には当社グループではコントロールできない市場価格があります。
「インドネシア」セグメントは、現地の二輪、四輪メーカーが新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産が大きく減少し、減収減益となりました。
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性については、運転資金並びに茨城工場東棟建築工事、美原工場耐震工事及びステンレス管造管設備の新設及び改修などの設備投資資金を当期純利益及び減価償却費による内部留保でまかなったことにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は21億9百万円増加し110億53百万円(前年同期比23.6%増)となりました。金融機関からの資金調達につきましては、安定的な資金を調達できるように総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。