有価証券報告書-第126期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 10:00
【資料】
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【項目】
151項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ433億2千3百万円増加の3,097億9千万円(前年同期比16.3%増)、負債合計は、前連結会計年度末に比べ270億8千7百万円増加の1,441億5千8百万円(同23.1%増)、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ162億3千6百万円増加の1,656億3千2百万円(同10.9%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,145億4千4百万円(同0.4%増)、営業利益108億3千3百万円(同21.6%減)、経常利益164億8千7百万円(同53.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億5千9百万円(同48.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プレス関連製品事業は、売上高1,606億2百万円(同2.0%増)、セグメント利益(営業利益)30億3千6百万円(同52.7%減)、定温物流関連事業は、売上高447億4千4百万円(同4.2%減)、セグメント利益(営業利益)68億2百万円(同6.6%増)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高91億9千7百万円(同2.9%減)、セグメント利益(営業利益)9億9千4百万円(同2.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は392億6千8百万円(同40.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ113億6千9百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは247億1千8百万円(同14.7%増)の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは339億3千5百万円(同7.2%増)の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは195億1千5百万円(同9.2%増)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業156,29791.1
定温物流関連事業45,841106.5
その他9,02494.9
合計211,16294.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業169,986119.324,521162.0
定温物流関連事業49,786108.613,711158.2
その他9,09994.61,36593.3
合計228,873115.639,598156.7

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業160,602102.0
定温物流関連事業44,74495.8
その他9,19797.1
合計214,544100.4

(注)主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日産自動車㈱86,69140.685,42139.8
本田技研工業㈱38,63018.139,15818.3
トヨタ自動車㈱23,17510.923,80111.1

※1.上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、低価法による売却用金型等の正味売却価額の見積り、減価償却資産の耐用年数の設定、有価証券の減損、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」を参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ433億2千3百万円増加の3,097億9千万円となりました。流動資産は、主に仕掛品が減少したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ219億5千5百万円増加の1,301億6千2百万円となりました。固定資産は、主に設備投資により、建物及び構築物、機械装置及び運搬具などの有形固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ213億6千7百万円増加の1,796億2千8百万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ270億8千7百万円増加の1,441億5千8百万円となりました。流動負債は、815億2千5百万円となりました。固定負債では、主に社債や長期借入金の増加などにより、626億3千3百万円となりました。
(純資産合計)
主に、利益剰余金の増加や、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ162億3千6百万円増加の1,656億3千2百万円となりました。
ロ.経営成績
(売上高と営業利益)
主にプレス関連製品事業における新車種立ち上がりにより金型売上が増加している北米や、新型コロナウイルスによる影響から早急に回復し、好転した状態を維持している中国などを中心とする海外拠点の好調により、売上高は前期を上回りました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う物量減や、新車種立ち上げによるコスト増などにより、営業利益は前期を下回りました。
これらにより、当社グループの業績は、売上高2,145億4千4百万円、前年同期比9億5千2百万円の増収(0.4%増)となりました。
営業利益は、108億3千3百万円、前年同期比29億9千3百万円の減益(21.6%減)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、為替差益36億7千6百万円、助成金収入14億1千2百万円の計上などにより、56億5千3百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、87億3千2百万円の増益となりました。これは、主に前連結会計年度の為替差損41億3千万円が為替差益に転じたことなどによります。
この結果、経常利益は、164億8千7百万円、前年同期比57億4千万円の増益(53.4%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、主に固定資産売却益7千2百万円、投資有価証券売却益9千7百万円の計上などにより、1億2千2百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、6億2千2百万円の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比41億2千3百万円の増益(48.9%増)となり、125億5千9百万円となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は392億6千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ113億6千9百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは247億1千8百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益166億9百万円、減価償却費204億2千9百万円であります。減少要因は、売上債権の増加86億7千7百万円、法人税等の支払額37億2千4百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは339億3千5百万円の減少となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出334億1千8百万円、無形固定資産の取得による支出11億3千6百万円であります。増加要因は、有価証券の売却及び償還による収入2億5百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入6億1千4百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは195億1千5百万円の増加となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入224億8千万円、社債の発行による収入99億5千万円であります。減少要因は短期借入金の返済による支出42億7千4百万円、長期借入金の返済による支出80億7千2百万円などであります。
ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。
また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。
運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としております。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。
設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。
ヘ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「売上」「営業利益率」、「自己資本比率」等を使用しております。
ト.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(プレス関連製品事業)
自動車関連部門におきましては、新車種立ち上がりにより金型売上が増加している北米や、新型コロナウイルスによる影響から早急に回復し、好転した状態を維持している中国などを中心とする海外拠点の好調により、プレス関連製品事業全体での売上高は、1,606億2百万円、前年同期比31億8千5百万円の増収(2.0%増)となりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う物量減や、新車種立ち上げによるコスト増などにより、セグメント利益(営業利益)は、30億3千6百万円、前年同期比33億8千3百万円の減益(52.7%減)となりました。
セグメント資産は、主に機械及び装置などの有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ388億2千2百万円増加の2,575億1千7百万円となりました。
(定温物流関連事業)
冷凍車部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛による、家食の高まりから、スーパーマーケット関連の需要が拡大し、大型車や中型車の受注・生産は好調だったものの、外食を控えていることによる影響から、外食関連の需要が減少し、小型車や宅配向け軽自動車の売上は前年を下回りました。これにより、定温物流関連事業全体での売上高は、447億4千4百万円、前年同期比19億5千7百万円の減収(4.2%減)となりました。一方、セグメント利益(営業利益)は、固定費削減や売上構成の良化により、68億2百万円、前年同期比4億1千9百万円の増益(6.6%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ43億6千3百万円増加の413億1千3百万円となりました。
(その他)
電子機器部門におきましては、外出自粛による巣ごもり需要が増えたことにより、キーボード「REALFORCE」の販売は引き続き国内を中心に好調でありました。またタッチパネルなどの企業向け製品の売上につきましても、前年を上回りました。空調機器部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による受注数の減少により、売上、営業利益ともに前年を下回りました。その結果、その他の事業全体での売上高は、91億9千7百万円、前年同期比2億7千6百万円の減収(2.9%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、9億9千4百万円、前年同期比2千9百万円の減益(2.9%減)となりました。
セグメント資産は、主に投資有価証券の増加により前連結会計年度末に比べ1億3千8百万円減少の109億6千万円となりました。