有価証券報告書-第123期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 9:02
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、国内におきましては、雇用は引き続き高水準を維持しており、個人消費は持ち直しております。また、政府による各種政策及び日本銀行による金融緩和政策の効果もあり、緩やかながらも回復基調が継続いたしました。
海外におきましては、米国経済は、雇用者数の増加及び失業率の低下に支えられ、物価や消費指標の好調がみられましたが、今後の通商政策をはじめとする政策運営の動向への懸念から、不透明な状況で推移しております。メキシコ経済は、現地通貨安の傾向はやや持ち直しを見せているものの、米国との通商交渉の行方次第では、好調な米国向け輸出に影響が出るなど、先行きは不透明な状況となっております。
中国におきましては、良好な雇用情勢と所得環境が下支えとなり、個人消費は若干減速しつつも安定的に拡大いたしました。タイにおきましては、個人消費の拡大、世界景気の好調を背景とした財、サービス輸出の好調が下支えとなり、景気は堅調に推移いたしました。
世界経済全体としては緩やかな回復基調が継続しておりますが、米国の今後の通商政策や利上げ動向、中国や新興国の経済の先行き、金融資本市場の動向などの不安材料も依然として残っております。
こうしたなか、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ254億9千万円増加の2,176億6千9百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億5百万円増加の689億7千3百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ225億8千4百万円増加の1,486億9千5百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,911億8千9百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益237億3千8百万円(同16.2%増)、経常利益246億6千5百万円(同25.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益168億8千7百万円(同23.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プレス関連製品事業は、売上高1,301億6百万円(同18.6%増)、セグメント利益(営業利益)149億3千7百万円(同12.7%増)、定温物流関連事業は、売上高519億8千5百万円(同14.9%増)、セグメント利益(営業利益)77億7千3百万円(同22.4%増)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高90億9千7百万円(同7.7%増)、セグメント利益(営業利益)10億2千8百万円(同24.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は314億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億5千万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、 営業活動によるキャッシュ・フローは268億7千6百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは216億5千8百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは6億2千万円の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業129,35815.4
定温物流関連事業48,33917.0
その他9,16412.5
合計186,86315.7

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業130,810117.723,795103.1
定温物流関連事業47,37286.313,99875.2
その他9,432109.51,569127.1
合計187,614107.439,36391.7

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
プレス関連製品事業130,10618.6
定温物流関連事業51,98514.9
その他9,0977.7
合計191,18917.0

(注)1 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日産自動車㈱57,68935.364,32533.6
本田技研工業㈱29,74418.237,35419.5

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ254億9千万円増加の2,176億6千9百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加により前連結会計年度末に比べ105億7千9百万円増加の982億4千9百万円となりました。
固定資産は、連結子会社における設備投資などにより、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品ならびに建物及び構築物などの有形固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ149億1千1百万円増加の1,194億2千万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億5百万円増加の689億7千3百万円となりました。
流動負債は、主に支払手形及び買掛金が増加したことから、581億3百万円となりました。
固定負債は、主に転換社債型新株予約権付社債の減少により、108億7千万円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、主に利益剰余金の増加などから、前連結会計年度末に比べ225億8千4百万円増加の1,486億9千5百万円となりました。
2)経営成績
(売上高と営業利益)
自動車関連部門におきましては、一部で海外向け国内生産の減少がみられましたが、国内では引き続き順調に推移したことや、海外においてはアメリカやメキシコ、中国での自動車生産の好調、「TOPRE(THAILAND)CO., LTD.」などで新車種向け部品の量産が引き続き好調に推移したことなどにより、全体として前年同期を上回りました。
冷凍車部門におきましては、宅配向けトラック市場の好調や、排ガス規制への駆け込み需要の影響から中型・大型車が引き続き好調に推移し、受注・生産は、前年同期を上回る水準で推移しました。
空調機器部門、電子機器部門ともに、産業用送風機、住宅用換気システムやキーボード「REALFORCE」の販売が好調に推移しました。
これらにより、当社グループの業績は、売上高1,911億8千9百万円、前年同期比278億2千1百万円の増収(17.0%増)となりました。
営業利益は、237億3千8百万円、前年同期比33億7百万円の増益(16.2%増)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、受取配当金3億8千3百万円の計上などにより、9億2千6百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、16億7千9百万円の増益となりました。これは、主に為替差損が16億7千6百万円減少したことなどによります。
この結果、経常利益は、246億6千5百万円、前年同期比49億8千7百万円の増益(25.3%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、主に投資有価証券売却益2億5千1百万円の計上などにより、1億8千6百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、1億7百万円の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比32億3千2百万円の増益(23.7%増)となり、168億8千7百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は314億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億5千万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは268億7千6百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益248億5千1百万円、非資金取引である減価償却費124億6千7百万円、仕入債務の増加58億6千2百万円です。減少要因は、法人税等の支払額77億6千6百万円、売上債権の増加94億1千2百万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは216億5千8百万円の減少となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出221億6千1百万円、有価証券の取得による支出30億4千9百万円、定期預金の預入による支出24億7千4百万円、投資有価証券の取得による支出15億1百万円です。増加要因は、有価証券の売却及び償還による収入36億4千6百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入30億8千6百万円などです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは6億2千万円の減少となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出13億9千万円、短期借入金の返済による支出13億2千6百万円、配当金の支払額27億7千7百万円です。主な増加要因は長期借入金の借入による収入41億6千3百万円です。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。
また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。
運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。
財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としています。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。
設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「営業利益」、「ROE」、「自己資本比率」等を使用しておりますが、それぞれの指標の直近の推移、及び中期経営計画(中計)の当連結会計年度末における達成度は以下のとおりとなっております。
指標中期経営計画
(3ヵ年)
2017年3月期
(中計1年目)
2018年3月期
(中計2年目)
中期経営計画
達成度
連結売上高2,000億円1,633億円1,918億円95.9%
連結営業利益240億円204億円237億円98.7%
ROE11.0%以上12.1%13.1%100%
自己資本比率-61.7%64.3%-

e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(プレス関連製品事業)
自動車関連部門におきましては、一部で海外向け国内生産の減少がみられましたが、国内では引き続き順調に推移したことや、海外においてはアメリカやメキシコ、中国での自動車生産の好調、「TOPRE(THAILAND)CO., LTD.」などで新車種向け部品の量産が引き続き好調に推移したことなどにより、全体として前年同期を上回りました。この結果、プレス関連製品事業全体での売上高は1,301億6百万円、前年同期比204億3千万円の増収(18.6%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は、149億3千7百万円、前年同期比16億8千4百万円の増益(12.7%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金、建設仮勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ189億5千4百万円増加の1,603億5百万円となりました。
(定温物流関連事業)
冷凍車部門におきましては、宅配向けトラック市場の好調や、排ガス規制への駆け込み需要の影響から中型・大型車が引き続き好調に推移し、受注・生産は、前年同期を上回る水準で推移しました。この結果、定温物流関連事業全体での売上高は519億8千5百万円、前年同期比67億3千7百万円の増収(14.9%増)、セグメント利益(営業利益)は、77億7千3百万円、前年同期比14億2千1百万円の増益(22.4%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加により、前連結会計年度末に比べ57億7千9百万円増加の459億7千万円となりました。
(その他)
空調機器部門、電子機器部門ともに、産業用送風機、住宅用換気システムやキーボード「REALFORCE」の販売が好調に推移しました。その結果、その他の事業全体での売上高は90億9千7百万円、前年同期比6億5千3百万円の増収(7.7%増)、セグメント利益(営業利益)は、空調機器部門における子会社合併の効果、電子機器部門の合理化などにより、10億2千8百万円、前年同期比2億3百万円の増益(24.6%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ7億5千8百万円増加の113億9千4百万円となりました。