有価証券報告書-第155期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当期の世界経済は、前半は堅調に推移しましたが、後半には米中貿易戦争やBREXITの先行き懸念などにより、景気の減速感が見られました。
世界経済に大きな影響を及ぼす中国では、金融引き締めにより経済成長が鈍化する中、米中貿易戦争の勃発により、景気の悪化が進みました。
わが国経済は、海外経済の成長を受けて好調に推移しましたが、年度末にかけて弱い動きとなりました。
工作機械の需要動向につきましては、米国市場では、大企業からジョブショップ(中・小規模加工業者)まで自動車や航空機を中心に、幅広い業種で活発な設備投資が続きました。
欧州市場では、一般機械や自動車等からの需要が堅調に推移しましたが、年度後半には減速感が見られました。
中国市場では、第2四半期以降、設備投資は様子見の動きが強まり、需要は大きく減少しました。
国内市場では、自動車や半導体製造装置、ロボット、建設機械、減速機等を中心に非常に好調な需要が続きましたが、年度後半は、半導体製造装置、ロボットおよびその減速機関連の設備投資が大きく減少に転じました。
このような経営環境の下、当グループはAI(知能化技術)を搭載したスマートマシンの提供や、生産性向上に寄与するスマートマニュファクチャリング技術・製品の提案を進め、受注・売上・収益の拡大に努めました。
営業戦略におきましては、中国国際工作機械工具展覧会「CIMES2018(北京、2018年6月開催)」、国際工作機械見本市「IMTS2018(米国シカゴ、2018年9月開催)」のほか、世界各地で開催された展示会に積極的に出展し、オークマブランドの浸透と拡販に努めました。
2018年11月に開催されました日本国際工作機械見本市「JIMTOF2018」では、当社独自の知能化技術、自社開発の革新的なロボットを組み込んだスマートマシンを出品すると共に、IoTを駆使し工場全体の最適化を図るスマートマニュファクチャリングを提案し、自動化、無人化、高効率生産という市場ニーズへの提案を進めてまいりました。
アジア・新興国市場では、顧客拡大を図るため、インドではグルガオンテクニカルセンターを開設し、中国では山東省に済南テクニカルセンターを開設いたしました。韓国では仁川市に新社屋を建設して販売・サービス体制の強化を図りました。また台湾においては、生産子会社である大同大隈股份有限公司の新工場に隣接するテクニカルセンターを設け、販売強化を図りました。
技術戦略におきましては、生産性向上に貢献する5軸制御マシニングセンタや複合加工機等のスマートマシン、そして自動化技術の開発強化を図りました。
5面加工門形マシニングセンタ「MCR-S(Super)」では、当社独自のNC制御技術「Hyper-Surface」を搭載し、金型加工に求められる高速・高精度・高品位加工の更なる高度化を実現しました。省スペースで多品種少量生産から量産ラインまで柔軟なシステム構築を可能とする新基軸の5軸制御立形マシニングセンタ「MU-S600V」は、日刊工業新聞社主催の「第48回機械工業デザイン賞 最優秀賞 (経済産業大臣賞)」を受賞しました。
労働力不足により自動化、無人化の潮流が高まる中、中小企業においても導入が容易な次世代ロボットシステム「ARMROID」を開発し、「JIMTOF2018」に出品いたしました。
「ARMROID」は、工作機械に内蔵するロボットシステムであり、部品加工の自動化と生産性向上を図る革新的なロボットシステムとして、展示会等において高い評価をいただきました。「ARMROID」は、日刊工業新聞社主催の「2018年 十大新製品賞 本賞」を受賞いたしました。
製造戦略におきましては、部材や鋳物の調達問題に苦しみ、好調な受注に応えきれなかった面がありますが、諸施策を展開し、コストダウンの推進、売上確保に全力を傾注しました。本社の最新鋭工場DS2(Dream Site 2)による高効率生産、また新生産管理システム、新物流管理システムの全工場への適用により、生産効率の向上、リードタイムの短縮を図りました。DS2は多品種少量、変種変量での高効率生産を実現するスマートファクトリーとして高い評価を受け、一般社団法人 日本能率協会主催の「2018年GOOD FACTORY賞 ものづくりプロセス革新賞」を受賞しました。
2018年7月には、DS1、DS2でノウハウを積み上げたスマートファクトリーを、マシニングセンタを生産している可児工場に展開するため、立形・横形マシニングセンタの部品加工を行うDS3(Dream Site3)の建設に着手いたしました。
海外生産におきましては、台湾の生産子会社である大同大隈股份有限公司の新工場が完成し、グローバル市場で受注拡大が進む「GENOSシリーズ」の旋盤及び立形マシニングセンタの増産を図りました。
このように当グループの事業戦略を進めてまいりました結果、当期の連結受注額は218,490百万円(前期比5.5%増)、連結売上高は211,732百万円(前期比16.3%増)、営業利益は27,575百万円(前期比22.6%増)、経常利益は28,186百万円(前期比24.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,521百万円(前期比30.2%増)となりました。
資産は、前連結会計年度末と比較して5,717百万円増加し、237,720百万円となりました。主な要因は、「受取手形及び売掛金」の増加7,389百万円、「たな卸資産」の増加6,281百万円、及び「投資有価証券」の減少7,278百万円などによるものです。また、負債は前連結会計年度末と比較して、1,960百万円減少いたしました。主な要因は、「電子記録債務」の減少2,934百万円、及び「支払手形及び買掛金」の増加1,732百万円などによるものです。純資産は、「利益剰余金」の増加14,282百万円、「その他有価証券評価差額金」の減少3,826百万円、及び「自己株式」の増加2,983百万円などにより、7,677百万円の増加となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は68.0%となりました。
次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
日本経済は、海外経済の成長を受けて好調に推移しましたが、年度末にかけて弱い動きとなりました。工作機械需要は、自動車や半導体製造装置、ロボット、建設機械、減速機等を中心に非常に好調な需要が続きましたが、年度後半は、半導体製造装置、ロボット及びその減速機関連の設備投資が大きく減少に転じました。
業績につきましては、売上高は182,037百万円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。損益面では、コストダウン施策の推進、売上確保、本社の最新鋭工場DS2(Dream Site 2)による高効率生産、新生産管理システム、新物流管理システムの全工場適用による生産効率向上、リードタイム短縮等により、営業利益は21,600百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して594百万円増加し、193,886百万円となりました。
② 米州
米国経済は、好調を維持しました。工作機械需要は、大企業からジョブショップ(中・小規模加工業者)まで自動車や航空機を中心に、幅広い業種で活発な設備投資が続きました。
業績につきましては、売上高は56,063百万円(前連結会計年度比17.0%増)、営業利益は2,600百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して6,704百万円増加し、44,334百万円となりました。
③ 欧州
欧州経済は、緩やかな成長が継続しました。工作機械需要は、一般機械や自動車等からの需要が堅調に推移しましたが、年度後半には減速感が見られました。
業績につきましては、売上高は30,032百万円(前連結会計年度比11.0%増)、営業利益は1,843百万円(前連結会計年度比122.0%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,967百万円増加し、19,936百万円となりました。
④ アジア・パシフィック
中国経済は、金融引き締めにより経済成長が鈍化する中、米中貿易戦争の勃発により、景気の悪化が進みました。中国の工作機械需要は、第2四半期以降、設備投資は様子見の動きが強まり、需要は大きく減少しました。その他のアジア新興国市場は、自動車を中心に需要回復が進みました。
業績につきましては、売上高は25,805百万円(前連結会計年度比19.8%増)、営業利益は2,105百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,694百万円増加し、25,280百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して1,003百万円減少し、58,367百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、11,649百万円の収入となりました(前年同期は29,827百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益27,376百万円などであります。一方、主な資金の減少項目としては、売上債権の増加額7,632百万円、及び法人税等の支払額7,569百万円などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,913百万円の支出となりました(前年同期は12,441百万円の支出)。主な資金の減少項目としては、有形固定資産の取得による支出6,501百万円などであります。一方、主な資金の増加項目としては、定期預金の純減額2,659百万円などであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,471百万円の支出となりました(前年同期は6,135百万円の支出)。主な資金の減少項目は、配当金の支払額3,850百万円、及び自己株式の取得による支出3,010百万円などであります。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、220,645百万円(前年同期比17.4%増)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主要な販売先については、総販売実績の100分の10以上を占める販売先がないため、記載を省略しておりま
す。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度における重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
① 貸倒引当金
当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
② たな卸資産
当グループは、たな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
⑤ 投資有価証券の減損
当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。時価のない有価証券につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 固定資産の減損
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。
(2) 当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。
なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下の通りであります。
① 売上高
当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。
その結果、売上高は211,732百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。
② 営業利益
生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、営業利益は27,575百万円(前連結会計年度比22.6%増)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して0.7%増加の13.0%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して0.3%減少の31.0%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して1.0%減少の18.0%となりました。
③ 経常利益
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は610百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は883百万円の利益となりました。また、その他の営業外収益として、受取地代家賃169百万円、その他の営業外費用として、寄付金375百万円等を計上し、経常利益は28,186百万円(前連結会計年度比24.8%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は27,376百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は18,521百万円(前連結会計年度比30.2%増)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,948百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、58,367百万円となっております。
2019年度の重要な資本的支出として、可児工場の新工場建設及び加工用設備機械の投資の一部を支出する予定であります。その資金の調達源は、全額自己資金を予定しております。
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当期の世界経済は、前半は堅調に推移しましたが、後半には米中貿易戦争やBREXITの先行き懸念などにより、景気の減速感が見られました。
世界経済に大きな影響を及ぼす中国では、金融引き締めにより経済成長が鈍化する中、米中貿易戦争の勃発により、景気の悪化が進みました。
わが国経済は、海外経済の成長を受けて好調に推移しましたが、年度末にかけて弱い動きとなりました。
工作機械の需要動向につきましては、米国市場では、大企業からジョブショップ(中・小規模加工業者)まで自動車や航空機を中心に、幅広い業種で活発な設備投資が続きました。
欧州市場では、一般機械や自動車等からの需要が堅調に推移しましたが、年度後半には減速感が見られました。
中国市場では、第2四半期以降、設備投資は様子見の動きが強まり、需要は大きく減少しました。
国内市場では、自動車や半導体製造装置、ロボット、建設機械、減速機等を中心に非常に好調な需要が続きましたが、年度後半は、半導体製造装置、ロボットおよびその減速機関連の設備投資が大きく減少に転じました。
このような経営環境の下、当グループはAI(知能化技術)を搭載したスマートマシンの提供や、生産性向上に寄与するスマートマニュファクチャリング技術・製品の提案を進め、受注・売上・収益の拡大に努めました。
営業戦略におきましては、中国国際工作機械工具展覧会「CIMES2018(北京、2018年6月開催)」、国際工作機械見本市「IMTS2018(米国シカゴ、2018年9月開催)」のほか、世界各地で開催された展示会に積極的に出展し、オークマブランドの浸透と拡販に努めました。
2018年11月に開催されました日本国際工作機械見本市「JIMTOF2018」では、当社独自の知能化技術、自社開発の革新的なロボットを組み込んだスマートマシンを出品すると共に、IoTを駆使し工場全体の最適化を図るスマートマニュファクチャリングを提案し、自動化、無人化、高効率生産という市場ニーズへの提案を進めてまいりました。
アジア・新興国市場では、顧客拡大を図るため、インドではグルガオンテクニカルセンターを開設し、中国では山東省に済南テクニカルセンターを開設いたしました。韓国では仁川市に新社屋を建設して販売・サービス体制の強化を図りました。また台湾においては、生産子会社である大同大隈股份有限公司の新工場に隣接するテクニカルセンターを設け、販売強化を図りました。
技術戦略におきましては、生産性向上に貢献する5軸制御マシニングセンタや複合加工機等のスマートマシン、そして自動化技術の開発強化を図りました。
5面加工門形マシニングセンタ「MCR-S(Super)」では、当社独自のNC制御技術「Hyper-Surface」を搭載し、金型加工に求められる高速・高精度・高品位加工の更なる高度化を実現しました。省スペースで多品種少量生産から量産ラインまで柔軟なシステム構築を可能とする新基軸の5軸制御立形マシニングセンタ「MU-S600V」は、日刊工業新聞社主催の「第48回機械工業デザイン賞 最優秀賞 (経済産業大臣賞)」を受賞しました。
労働力不足により自動化、無人化の潮流が高まる中、中小企業においても導入が容易な次世代ロボットシステム「ARMROID」を開発し、「JIMTOF2018」に出品いたしました。
「ARMROID」は、工作機械に内蔵するロボットシステムであり、部品加工の自動化と生産性向上を図る革新的なロボットシステムとして、展示会等において高い評価をいただきました。「ARMROID」は、日刊工業新聞社主催の「2018年 十大新製品賞 本賞」を受賞いたしました。
製造戦略におきましては、部材や鋳物の調達問題に苦しみ、好調な受注に応えきれなかった面がありますが、諸施策を展開し、コストダウンの推進、売上確保に全力を傾注しました。本社の最新鋭工場DS2(Dream Site 2)による高効率生産、また新生産管理システム、新物流管理システムの全工場への適用により、生産効率の向上、リードタイムの短縮を図りました。DS2は多品種少量、変種変量での高効率生産を実現するスマートファクトリーとして高い評価を受け、一般社団法人 日本能率協会主催の「2018年GOOD FACTORY賞 ものづくりプロセス革新賞」を受賞しました。
2018年7月には、DS1、DS2でノウハウを積み上げたスマートファクトリーを、マシニングセンタを生産している可児工場に展開するため、立形・横形マシニングセンタの部品加工を行うDS3(Dream Site3)の建設に着手いたしました。
海外生産におきましては、台湾の生産子会社である大同大隈股份有限公司の新工場が完成し、グローバル市場で受注拡大が進む「GENOSシリーズ」の旋盤及び立形マシニングセンタの増産を図りました。
このように当グループの事業戦略を進めてまいりました結果、当期の連結受注額は218,490百万円(前期比5.5%増)、連結売上高は211,732百万円(前期比16.3%増)、営業利益は27,575百万円(前期比22.6%増)、経常利益は28,186百万円(前期比24.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,521百万円(前期比30.2%増)となりました。
資産は、前連結会計年度末と比較して5,717百万円増加し、237,720百万円となりました。主な要因は、「受取手形及び売掛金」の増加7,389百万円、「たな卸資産」の増加6,281百万円、及び「投資有価証券」の減少7,278百万円などによるものです。また、負債は前連結会計年度末と比較して、1,960百万円減少いたしました。主な要因は、「電子記録債務」の減少2,934百万円、及び「支払手形及び買掛金」の増加1,732百万円などによるものです。純資産は、「利益剰余金」の増加14,282百万円、「その他有価証券評価差額金」の減少3,826百万円、及び「自己株式」の増加2,983百万円などにより、7,677百万円の増加となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は68.0%となりました。
次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
日本経済は、海外経済の成長を受けて好調に推移しましたが、年度末にかけて弱い動きとなりました。工作機械需要は、自動車や半導体製造装置、ロボット、建設機械、減速機等を中心に非常に好調な需要が続きましたが、年度後半は、半導体製造装置、ロボット及びその減速機関連の設備投資が大きく減少に転じました。
業績につきましては、売上高は182,037百万円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。損益面では、コストダウン施策の推進、売上確保、本社の最新鋭工場DS2(Dream Site 2)による高効率生産、新生産管理システム、新物流管理システムの全工場適用による生産効率向上、リードタイム短縮等により、営業利益は21,600百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して594百万円増加し、193,886百万円となりました。
② 米州
米国経済は、好調を維持しました。工作機械需要は、大企業からジョブショップ(中・小規模加工業者)まで自動車や航空機を中心に、幅広い業種で活発な設備投資が続きました。
業績につきましては、売上高は56,063百万円(前連結会計年度比17.0%増)、営業利益は2,600百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して6,704百万円増加し、44,334百万円となりました。
③ 欧州
欧州経済は、緩やかな成長が継続しました。工作機械需要は、一般機械や自動車等からの需要が堅調に推移しましたが、年度後半には減速感が見られました。
業績につきましては、売上高は30,032百万円(前連結会計年度比11.0%増)、営業利益は1,843百万円(前連結会計年度比122.0%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,967百万円増加し、19,936百万円となりました。
④ アジア・パシフィック
中国経済は、金融引き締めにより経済成長が鈍化する中、米中貿易戦争の勃発により、景気の悪化が進みました。中国の工作機械需要は、第2四半期以降、設備投資は様子見の動きが強まり、需要は大きく減少しました。その他のアジア新興国市場は、自動車を中心に需要回復が進みました。
業績につきましては、売上高は25,805百万円(前連結会計年度比19.8%増)、営業利益は2,105百万円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,694百万円増加し、25,280百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して1,003百万円減少し、58,367百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、11,649百万円の収入となりました(前年同期は29,827百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益27,376百万円などであります。一方、主な資金の減少項目としては、売上債権の増加額7,632百万円、及び法人税等の支払額7,569百万円などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,913百万円の支出となりました(前年同期は12,441百万円の支出)。主な資金の減少項目としては、有形固定資産の取得による支出6,501百万円などであります。一方、主な資金の増加項目としては、定期預金の純減額2,659百万円などであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,471百万円の支出となりました(前年同期は6,135百万円の支出)。主な資金の減少項目は、配当金の支払額3,850百万円、及び自己株式の取得による支出3,010百万円などであります。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、220,645百万円(前年同期比17.4%増)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 日本 | 113,646 | 4.9 | 43,223 | 7.1 |
| 米州 | 60,283 | 15.4 | 18,895 | 29.0 |
| 欧州 | 28,864 | △10.0 | 11,760 | △8.0 |
| アジア・パシフィック | 15,696 | 8.3 | 4,668 | 16.7 |
| 合計 | 218,490 | 5.5 | 78,548 | 9.4 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 日本 | 110,776 | 17.5 |
| 米州 | 56,035 | 17.0 |
| 欧州 | 29,893 | 11.1 |
| アジア・パシフィック | 15,027 | 15.0 |
| 合計 | 211,732 | 16.3 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主要な販売先については、総販売実績の100分の10以上を占める販売先がないため、記載を省略しておりま
す。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度における重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
① 貸倒引当金
当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
② たな卸資産
当グループは、たな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
⑤ 投資有価証券の減損
当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。時価のない有価証券につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 固定資産の減損
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。
(2) 当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。
なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下の通りであります。
① 売上高
当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。
その結果、売上高は211,732百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。
② 営業利益
生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、営業利益は27,575百万円(前連結会計年度比22.6%増)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して0.7%増加の13.0%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して0.3%減少の31.0%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して1.0%減少の18.0%となりました。
③ 経常利益
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は610百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は883百万円の利益となりました。また、その他の営業外収益として、受取地代家賃169百万円、その他の営業外費用として、寄付金375百万円等を計上し、経常利益は28,186百万円(前連結会計年度比24.8%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は27,376百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は18,521百万円(前連結会計年度比30.2%増)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,948百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、58,367百万円となっております。
2019年度の重要な資本的支出として、可児工場の新工場建設及び加工用設備機械の投資の一部を支出する予定であります。その資金の調達源は、全額自己資金を予定しております。