有価証券報告書-第68期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧州における地政学リスクの長期化や中国経済の減速等の影響を受けて緩やかに景気を下押ししました。日本経済は、経済活動の正常化や賃上げ、財政・金融政策を背景に内需を中心に消費や投資が回復傾向にありますが、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しました。
このような経営環境の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策のため制限されていた対面営業の再開や展示会開催の増加により機械工具事業の販売拡大につながりましたが、半導体の需要回復の遅れと、中国におけるリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて13億56百万円減少し654億78百万円となりました。
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて9億72百万円減少し78億91百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて3億84百万円減少し575億87百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は270億72百万円となり、前連結会計年度280億91百万円と比較すると3.6%の減収となりました。利益面では、営業利益は29億58百万円となり、同36億65百万円と比較すると19.3%の減益、経常利益は31億円となり、同38億18百万円と比較すると18.8%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は20億50百万円となり、同26億25百万円と比較すると21.9%の減益となりました。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。
[迅速流体継手事業]
迅速流体継手事業は、リチウムイオン電池の電解液向け製品及び半導体向け製品の需要減少のため、売上高は118億91百万円(前連結会計年度比7.3%の減収)となりました。利益面では、減収により、営業利益26億40百万円(同17.9%の減益)となりました。
[機械工具事業]
機械工具事業は、対面営業を再開できたことで国内外の売上げが回復基調にあり、売上高は88億39百万円(同3.4%の増収)となりました。利益面では、経費の増加により、営業利益5億75百万円(同8.8%の減益)となりました。
[リニア駆動ポンプ事業]
リニア駆動ポンプ事業は、欧州におけるブロワの需要減少、米州での医療機器メーカー向けの在庫調整が影響し、売上高は41億83百万円(同5.7%の減収)となりました。利益面では、減収により営業損失2億円(前連結会計年度は2億円の営業損失)となりました。
[建築機器事業]
建築機器事業は、建設業界での資材高騰及び人材不足の影響による受注物件の遅延や工期延期が多く、売上高は21億58百万円(同5.4%の減収)となりました。利益面では、減収により、営業損失56百万円(前連結会計年度は20百万円の営業利益)となりました。
海外売上高は、主に中国でのリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の売上げが減少したことにより、91億57百万円(前連結会計年度比7.4%の減収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は33.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の預入による支出218億96百万円、主として新工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出53億53百万円、自己株式の取得による支出23億6百万円、法人税等の支払い11億46百万円、親会社による配当金の支払い11億37百万円、棚卸資産の増加7億22百万円等による減少があったものの、定期預金の払戻による収入270億73百万円、税金等調整前当期純利益29億23百万円、減価償却費12億99百万円等があったため、前連結会計年度末より15億98百万円減少し、当連結会計年度末には188億5百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、23億7百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益29億23百万円、減価償却費12億99百万円等による資金の増加があったものの、法人税等の支払い11億46百万円、棚卸資産の増加7億22百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、3億33百万円(前連結会計年度は46億52百万円の獲得)となりました。これは、定期預金の払戻による収入270億73百万円、投資有価証券の売却による収入4億95百万円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出218億96百万円、有形固定資産の取得による支出53億53百万円、無形固定資産の取得による支出5億66百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、37億40百万円(前連結会計年度比149.5%増)となりました。これは、親会社による配当金の支払い11億37百万円、自己株式の取得による支出23億6百万円、リース債務の返済による支出2億96百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて13億56百万円(前連結会計年度末比2.0%)減少し654億78百万円となりました。これは主に有価証券の減少48億99百万円、現金及び預金の減少17億68百万円、主として新工場建設に伴う建設仮勘定の増加40億36百万円、原材料及び貯蔵品の増加4億92百万円、投資有価証券の増加4億円14百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて、買掛金の減少5億45百万円、未払法人税等の減少4億25百万円等により9億72百万円(前連結会計年度末比11.0%)減少し78億91百万円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて3億84百万円(前連結会計年度末比0.7%)減少し575億87百万円となりました。これは自己株式の取得23億6百万円、利益剰余金の増加9億15百万円、為替換算調整勘定の増加6億28百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億77百万円等によるものであります。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、270億72百万円(前連結会計年度比3.6%の減収)となりました。期初の売上目標は303億80百万円を計画していましたが、半導体の需要回復の遅れと中国におけるリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響し、計画に比べて10.9%の減収になりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、29億58百万円(同19.3%の減益)となりました。期初の営業利益目標は41億20百万円を計画していましたが、減収により、計画に比べて28.2%の減益となりました。
売上高と営業利益の各製品セグメントの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、31億円(同18.8%の減益)となりました。期初の経常利益目標は42億30百万円を計画していましたが、売上げの増加により、計画に比べて26.7%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、20億50百万円(同21.9%の減益)となりました。期初の親会社株主に帰属する当期純利益目標は29億50百万円を計画していましたが、計画に比べて30.5%の減益となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、欧州における地政学リスクの長期化や中国経済の減速等の影響を受けて緩やかに景気を下押ししました。日本経済は、経済活動の正常化や賃上げ、財政・金融政策を背景に内需を中心に消費や投資が回復傾向にありますが、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しています。
このような経営環境の中で当社グループは、2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期)を期間とする中期経営計画を策定し、各種施策への取り組みを進め、当連結会計年度が最終年度となります。
当連結会計年度は、新型コロナウイス感染症対策のため制限されていた対面営業の再開や展示会開催の増加により
機械工具事業の販売拡大につながりましたが、半導体の需要回復の遅れと、中国におけるリチウムイオン電池の電解
液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響したため、前連結会計年度と比較すると
減収減益となりました。
なお、経営成績等の分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況および②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
中期経営計画期間3年間の経営成績の推移は以下のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、持続的な成長のための資金確保と自然災害等の不測の事態があっても顧客に商品を提供できるように内部留保の充実に努めており、研究開発、生産設備等の投資は自己資金での実施を原則としますが、成長投資のための投資は、適宜、借入の活用も検討します。
事業運営上必要な資金の流動性は、十分に確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。本連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響する様な重要な変動に関する事項の予見、予想等を行わなければなりません。将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在で過去の実績や状況に応じて合理的な基準に従って見積り及び判断したものであります。実際の結果は、見積り予測困難な不確実性があるため、これらの見積りと乖離する可能性がありますのでご留意下さい。
当社グループは、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損について、主として営業活動から生ずる損益(翌連結会計年度以降の見通しを含む)及び土地等の市場価格に基づいて兆候の判定を行っています。減損の兆候があると判断した場合には、年度計画や中期経営計画における売上高及び営業利益の計画値等に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積ります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧州における地政学リスクの長期化や中国経済の減速等の影響を受けて緩やかに景気を下押ししました。日本経済は、経済活動の正常化や賃上げ、財政・金融政策を背景に内需を中心に消費や投資が回復傾向にありますが、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しました。
このような経営環境の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策のため制限されていた対面営業の再開や展示会開催の増加により機械工具事業の販売拡大につながりましたが、半導体の需要回復の遅れと、中国におけるリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて13億56百万円減少し654億78百万円となりました。
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて9億72百万円減少し78億91百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて3億84百万円減少し575億87百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は270億72百万円となり、前連結会計年度280億91百万円と比較すると3.6%の減収となりました。利益面では、営業利益は29億58百万円となり、同36億65百万円と比較すると19.3%の減益、経常利益は31億円となり、同38億18百万円と比較すると18.8%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は20億50百万円となり、同26億25百万円と比較すると21.9%の減益となりました。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。
[迅速流体継手事業]
迅速流体継手事業は、リチウムイオン電池の電解液向け製品及び半導体向け製品の需要減少のため、売上高は118億91百万円(前連結会計年度比7.3%の減収)となりました。利益面では、減収により、営業利益26億40百万円(同17.9%の減益)となりました。
[機械工具事業]
機械工具事業は、対面営業を再開できたことで国内外の売上げが回復基調にあり、売上高は88億39百万円(同3.4%の増収)となりました。利益面では、経費の増加により、営業利益5億75百万円(同8.8%の減益)となりました。
[リニア駆動ポンプ事業]
リニア駆動ポンプ事業は、欧州におけるブロワの需要減少、米州での医療機器メーカー向けの在庫調整が影響し、売上高は41億83百万円(同5.7%の減収)となりました。利益面では、減収により営業損失2億円(前連結会計年度は2億円の営業損失)となりました。
[建築機器事業]
建築機器事業は、建設業界での資材高騰及び人材不足の影響による受注物件の遅延や工期延期が多く、売上高は21億58百万円(同5.4%の減収)となりました。利益面では、減収により、営業損失56百万円(前連結会計年度は20百万円の営業利益)となりました。
海外売上高は、主に中国でのリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の売上げが減少したことにより、91億57百万円(前連結会計年度比7.4%の減収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は33.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の預入による支出218億96百万円、主として新工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出53億53百万円、自己株式の取得による支出23億6百万円、法人税等の支払い11億46百万円、親会社による配当金の支払い11億37百万円、棚卸資産の増加7億22百万円等による減少があったものの、定期預金の払戻による収入270億73百万円、税金等調整前当期純利益29億23百万円、減価償却費12億99百万円等があったため、前連結会計年度末より15億98百万円減少し、当連結会計年度末には188億5百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、23億7百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益29億23百万円、減価償却費12億99百万円等による資金の増加があったものの、法人税等の支払い11億46百万円、棚卸資産の増加7億22百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、3億33百万円(前連結会計年度は46億52百万円の獲得)となりました。これは、定期預金の払戻による収入270億73百万円、投資有価証券の売却による収入4億95百万円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出218億96百万円、有形固定資産の取得による支出53億53百万円、無形固定資産の取得による支出5億66百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、37億40百万円(前連結会計年度比149.5%増)となりました。これは、親会社による配当金の支払い11億37百万円、自己株式の取得による支出23億6百万円、リース債務の返済による支出2億96百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
迅速流体継手(百万円) | 11,166 | 85.9 |
機械工具(百万円) | 8,444 | 95.7 |
リニア駆動ポンプ(百万円) | 3,061 | 71.0 |
建築機器(百万円) | 2,366 | 107.9 |
報告セグメント計(百万円) | 25,038 | 88.4 |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
迅速流体継手(百万円) | 11,891 | 92.7 |
機械工具(百万円) | 8,839 | 103.4 |
リニア駆動ポンプ(百万円) | 4,183 | 94.3 |
建築機器(百万円) | 2,158 | 94.6 |
報告セグメント計(百万円) | 27,072 | 96.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱山善 | 5,242 | 18.7 | 5,103 | 18.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて13億56百万円(前連結会計年度末比2.0%)減少し654億78百万円となりました。これは主に有価証券の減少48億99百万円、現金及び預金の減少17億68百万円、主として新工場建設に伴う建設仮勘定の増加40億36百万円、原材料及び貯蔵品の増加4億92百万円、投資有価証券の増加4億円14百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて、買掛金の減少5億45百万円、未払法人税等の減少4億25百万円等により9億72百万円(前連結会計年度末比11.0%)減少し78億91百万円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて3億84百万円(前連結会計年度末比0.7%)減少し575億87百万円となりました。これは自己株式の取得23億6百万円、利益剰余金の増加9億15百万円、為替換算調整勘定の増加6億28百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億77百万円等によるものであります。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、270億72百万円(前連結会計年度比3.6%の減収)となりました。期初の売上目標は303億80百万円を計画していましたが、半導体の需要回復の遅れと中国におけるリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響し、計画に比べて10.9%の減収になりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、29億58百万円(同19.3%の減益)となりました。期初の営業利益目標は41億20百万円を計画していましたが、減収により、計画に比べて28.2%の減益となりました。
売上高と営業利益の各製品セグメントの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、31億円(同18.8%の減益)となりました。期初の経常利益目標は42億30百万円を計画していましたが、売上げの増加により、計画に比べて26.7%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、20億50百万円(同21.9%の減益)となりました。期初の親会社株主に帰属する当期純利益目標は29億50百万円を計画していましたが、計画に比べて30.5%の減益となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、欧州における地政学リスクの長期化や中国経済の減速等の影響を受けて緩やかに景気を下押ししました。日本経済は、経済活動の正常化や賃上げ、財政・金融政策を背景に内需を中心に消費や投資が回復傾向にありますが、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しています。
このような経営環境の中で当社グループは、2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期)を期間とする中期経営計画を策定し、各種施策への取り組みを進め、当連結会計年度が最終年度となります。
当連結会計年度は、新型コロナウイス感染症対策のため制限されていた対面営業の再開や展示会開催の増加により
機械工具事業の販売拡大につながりましたが、半導体の需要回復の遅れと、中国におけるリチウムイオン電池の電解
液用迅速流体継手の需要減少による迅速流体継手事業の減収が全体に影響したため、前連結会計年度と比較すると
減収減益となりました。
なお、経営成績等の分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況および②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
中期経営計画期間3年間の経営成績の推移は以下のとおりです。
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
売上高(百万円) | 25,281 | 28,091 | 27,072 |
営業利益(百万円) | 3,355 | 3,665 | 2,958 |
営業利益率(%) | 13.3 | 13.1 | 10.9 |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、持続的な成長のための資金確保と自然災害等の不測の事態があっても顧客に商品を提供できるように内部留保の充実に努めており、研究開発、生産設備等の投資は自己資金での実施を原則としますが、成長投資のための投資は、適宜、借入の活用も検討します。
事業運営上必要な資金の流動性は、十分に確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。本連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響する様な重要な変動に関する事項の予見、予想等を行わなければなりません。将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在で過去の実績や状況に応じて合理的な基準に従って見積り及び判断したものであります。実際の結果は、見積り予測困難な不確実性があるため、これらの見積りと乖離する可能性がありますのでご留意下さい。
当社グループは、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損について、主として営業活動から生ずる損益(翌連結会計年度以降の見通しを含む)及び土地等の市場価格に基づいて兆候の判定を行っています。減損の兆候があると判断した場合には、年度計画や中期経営計画における売上高及び営業利益の計画値等に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積ります。