当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国新政権の政策運営に起因する不透明感や、地政学リスクの高まりや金融引き締めの継続など、依然として先行きが不透明な状況が続きました。日本経済は、自動車の生産回復や賃上げの定着を背景に緩やかな回復基調を維持しましたが、エネルギー価格や材料費の高止まりによる影響が景気の下押し要因となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて15億38百万円増加し666億5百万円となりました。
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて5億29百万円増加し84億21百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて10億8百万円増加し581億83百万円となりました。
b.経営成績
当社グループは2024年4月から2027年3月までの3年間を実行期間とする「中期経営計画2026」を策定し、①収益力の強化と成長領域への投資拡大、②生産体制の最適化とコスト競争力の強化、③持続的成長実現に向けた経営基盤構築を解決すべき主要課題として掲げ、持続的成長を目指し、国内外の市場変化に対応するため、新技術・新製品の開発や経営基盤の強化に取り組むとともに、成長投資やDX、人的資本への投資を進め、産業界の発展、人々の豊かな暮らし、そしてサステナブルな社会の実現に向けて、活動を進めています。
本中期経営計画の初年度となる2025年3月期の業績は、国内と欧米市場での売上増加により、増収となりましたが、原価率の上昇および人件費の増加により減益となりました。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
売上高 272億56百万円(前連結会計年度比 0.7%増収)
営業利益 23億42百万円(前連結会計年度比 12.6%減益)
経常利益 25億10百万円(前連結会計年度比 11.0%減益)
親会社株主に帰属する当期純利益 13億45百万円(前連結会計年度比 26.9%減益)
事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。
[迅速流体継手事業]
迅速流体継手事業は、前期後半より好調であった産業機械向け製品の在庫調整による需要減少の影響を受けましたが、生成AIの普及に関連する半導体製造装置向け製品の需要増により、売上高は119億94百万円(前連結会計年度比0.9%の増収)となりました。利益面では、原価率の上昇および製品構成の影響により、営業利益20億67百万円(同13.6%の減益)となりました。
[機械工具事業]
機械工具事業は、国内外の売上げ減少により、売上高は86億5百万円(同2.6%の減収)となりました。利益面では、減収により、営業利益4億15百万円(同27.8%の減益)となりました。
[リニア駆動ポンプ事業]
リニア駆動ポンプ事業は、欧州でのブロワの需要回復により、売上高は43億65百万円(同4.3%の増収)となりました。利益面では、営業損失1億43百万円(前連結会計年度は2億32百万円の営業損失)となりましたが、増収、経費節減により損失幅が減少しました。
[建築機器事業]
建築機器事業は、国内外ともに物件受注が堅調に推移し、売上高は22億90百万円(同6.1%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益2百万円(前連結会計年度は56百万円の営業損失)となりました。
海外売上高は、欧米での売上増加により、92億48百万円(前連結会計年度比1.0%の増収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は33.9%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の預入による支出137億67百万円、主として新工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出47億91百万円、無形固定資産の取得による支出12億73百万円、親会社による配当金の支払い6億74百万円、棚卸資産の増加6億6百万円、法人税等の支払い5億21百万円等による減少があったものの、定期預金の払戻による収入134億51百万円、税金等調整前当期純利益23億40百万円、減価償却費12億70百万円等があったため、前連結会計年度末より53億76百万円減少し、当連結会計年度末には134億29百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、27億9百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益23億40百万円、減価償却費12億70百万円等による資金の増加があったものの、棚卸資産の増加6億6百万円、法人税等の支払い5億21百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、68億52百万円(前連結会計年度比1,957.0%増)となりました。これは、定期預金の払戻による収入134億51百万円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出137億67百万円、有形固定資産の取得による支出47億91百万円、無形固定資産の取得による支出12億73百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、13億85百万円(前連結会計年度比63.0%減)となりました。これは、親会社による配当金の支払い6億74百万円、自己株式の取得による支出4億21百万円、リース債務の返済による支出2億87百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
迅速流体継手(百万円) | 10,745 | 96.2 |
機械工具(百万円) | 9,069 | 107.4 |
リニア駆動ポンプ(百万円) | 3,621 | 118.3 |
建築機器(百万円) | 2,788 | 117.8 |
報告セグメント計(百万円) | 26,224 | 104.7 |
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
迅速流体継手(百万円) | 11,994 | 100.9 |
機械工具(百万円) | 8,605 | 97.4 |
リニア駆動ポンプ(百万円) | 4,365 | 104.3 |
建築機器(百万円) | 2,290 | 106.1 |
報告セグメント計(百万円) | 27,256 | 100.7 |
相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱山善 | 5,103 | 18.8 | 5,151 | 18.9 |
2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
売上高(百万円) | 28,091 | 27,072 | 27,256 |
営業利益(百万円) | 3,459 | 2,680 | 2,342 |
営業利益率(%) | 12.3 | 9.9 | 8.6 |