有価証券報告書-第111期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 12:16
【資料】
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【項目】
149項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における当社グループの事業環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、海外においては様々な国や地域で都市封鎖(ロックダウン)が実施されるなど、世界的に景気が減速しました。わが国においても、緊急事態宣言の発出に伴う活動の自粛や個人消費の減少などにより、景気が大幅に悪化しました。海外のロックダウンや国内の緊急事態宣言の解除後は、新型コロナウイルスの感染再拡大により先行き不透明感が強まるなど予断を許さない状況が続いたものの、各国の経済対策などを下支えに、国内外とも景気は概ね回復基調となりました。
このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は189,875百万円(前期比17.2%減)、売上高は193,399百万円(同14.6%減)となりました。
損益につきましては、営業利益は8,896百万円(同44.9%減)、経常利益は11,026百万円(同34.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,706百万円(同24.8%減)となりました。
上記の結果、当社グループが取り組んでおります4ヵ年計画「中期経営計画2020」における業績目標(①売上高:2,800億円、②営業利益率:10%、③海外売上高比率:70%(いずれも連結ベース))に対する進捗は、以下のとおりとなりました。
①売上高:1,933億円、②営業利益率:4.6%、海外売上高比率:56.7%(いずれも連結ベース)
なお、当社グループは、2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定いたしました。詳細は、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、引き続き市場ニーズに徹底対応した商品開発やモノづくり、グループ総合力を生かしたビジネスの拡大に取り組み、持続的成長力および収益力を強化してまいります。
なお、セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
当社グループの全ての報告セグメントが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けました。
[チェーン]
チェーンにつきましては、下半期以降は業績の回復が顕著となったものの、上半期における新型コロナウイルス感染症流行の影響が大きく、日本、米州、欧州などの地域で販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、チェーンの受注高は61,529百万円(前期比5.4%減)、売上高は59,708百万円(同8.9%減)、営業利益は7,862百万円(同6.5%減)となりました。
[精機]
精機につきましては、業績は回復基調で推移したものの、日本、米州、欧州、中国、タイにおいて販売が減少したことから、前期比で減収となりました。
以上により、精機の受注高は19,290百万円(前期比14.9%減)、売上高は19,392百万円(同16.7%減)、営業利益は816百万円(同62.7%減)となりました。
[自動車部品]
自動車部品につきましては、四半期ごとに業績が回復し、中国においてエンジン用タイミングチェーンシステムの販売が増加したものの、上半期における新型コロナウイルス感染症流行の影響が大きく、日本、米州、欧州、タイ、韓国の拠点において同商品などの販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、自動車部品の受注高は57,787百万円(前期比18.5%減)、売上高は57,777百万円(同18.6%減)、営業利益は3,714百万円(同35.9%減)となりました。
[マテハン]
マテハンにつきましては、日本国内において自動車業界向けシステムの売上が増加しましたが、日本国内における物流業界向けシステムや新聞印刷工場向けシステム、金属切り屑搬送・クーラント処理装置の販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、マテハンの受注高は48,256百万円(前期比29.0%減)、売上高は53,279百万円(同16.6%減)となりました。損益につきましては、米州における自動車業界向けシステムの工事費用が増加したことなどにより2,202百万円の営業損失(前期は647百万円の営業利益)となりました。
[その他]
その他の受注高は3,012百万円(前期比7.2%増)、売上高は3,241百万円(同16.9%増)、損益については330百万円の営業損失(前期は20百万円の営業利益)となりました。
※以上「経営成績」に記載した金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載をしております。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループ(当社および連結子会社)の製品は、主に受注生産でありますが、製品の一部につきましては、見込生産も行っております。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
チェーン43,605△10.8
精機19,805△17.5
自動車部品67,703△16.3
マテハン35,640△18.6
その他497195.3
合計167,251△15.4

(注) 1 金額は販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
チェーン61,529△5.412,96622.1
精機19,290△14.94,594△0.7
自動車部品57,787△18.57171.3
マテハン48,256△29.026,446△15.9
その他3,0127.2121△64.9
合計189,875△17.244,846△6.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
チェーン59,708△8.9
精機19,392△16.7
自動車部品57,777△18.6
マテハン53,279△16.6
その他3,24116.9
合計193,399△14.6

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
椿本興業株式会社26,27311.623,72812.3

3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
① 資産
資産は、償却などにより有形固定資産が3,519百万円減少したこと、対象期間売上減少により受取手形及び売掛金が1,883百万円減少した一方で、現金及び預金が12,849百万円増加したこと、保有株式の時価上昇などにより投資有価証券が6,282百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して13,234百万円増加し、307,332百万円となりました。
② 負債
負債は、営業外電子記録債務が978百万円減少したこと、電子記録債務が864百万円減少したこと、未払法人税等が517百万円減少したこと、借入金が341百万円減少した一方で、未払費用や前受金の増加によりその他の流動負債が2,760百万円増加したこと、繰延税金負債が2,089百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して1,795百万円増加し、119,838百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、利益剰余金が5,369百万円増加したこと、保有株式の時価上昇などによりその他有価証券評価差額金が4,284百万円増加したこと、為替の変動により為替換算調整勘定が1,649百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して11,438百万円増加し、187,494百万円となりました。また、自己資本比率は、1.2ポイント改善し、60.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して14,706百万円増加し、46,084百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は27,890百万円となりました。これは、法人税等の支払に3,810百万円支出した一方で、減価償却費を12,682百万円計上したこと、税金等調整前当期純利益を12,159百万円計上したこと、たな卸資産が2,596百万円減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は9,560百万円となりました。これは、自動車部品生産設備等への設備投資代金の決済に9,723百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は4,354百万円となりました。これは、配当金の支払に3,400百万円支出したこと、借入金が474百万円減少したことなどによるものであります。
② 資金需要および資金調達の方法
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入ならびに設備の増強、合理化および更新にかかる設備投資、企業買収によるものであります。
成長投資につきましては、2020年度は生産設備の増強、合理化、更新を中心に8,290百万円の設備投資を行い、研究開発費用は4,288百万円となりました。2021年度は新設、合理化および更新にかかる設備投資として11,013百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主還元につきましては、株主重視の経営を目指す観点から、連結業績を反映した配当を基本方針とし、資金の状況、財務の状況等を総合的に勘案しながら連結配当性向30%を基準とした利益配分を目指しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入および社債発行により資金を調達しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値が実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。